「魔女教・・・皆が行ってんのはこいつらの事か。確かにイカれた連中だな」
メリオダスはロズワール邸の廊下で魔女教大罪司教のペテルギウスと対峙していた。
「それは心外ですねぇ。私はただ!魔女への愛を示す為に!福音通りに従っているだけデス!!」
ペテルギウスは両手を大きく広げ、腰と首を曲げて叫ぶ。その様子を見てメリオダスはいつでも戦えるように身構える。
「そう言えばアナタ・・・先程誰かを探しているように見えましたが・・・もしや銀髪の少女をお探しデスカ?」
「っ!・・何か知っているのか?」
ペテルギウスの言葉にメリオダスは反応し、怒りを宿したような眼でペテルギウスを睨みつける。そしてその眼を見たペテルギウスは邪悪な笑みを浮かべ口を開く。
「えぇ・・・銀髪の少女は二人いましてねぇ、両方共に深手を負わせましたが逃げられてしまったのデス・・・あぁ、なんと言う怠惰!標的を目の前にして不確定要素を残してしまうとは!!・・・怠惰!怠惰怠惰怠惰怠惰怠惰!!!」
自分を怠惰と蔑みながら指を噛みちぎるペテルギウスは指から血が流れるのも気にせず噛み続けていた。
「そうか・・・ならさっさとてめぇを倒して探さねぇとな・・・」
ペテルギウスが腰を翻して自虐している間にメリオダスはそう呟き、ペテルギウスに向かって《
放たれた獄炎は真っ直ぐ飛んで行くがペテルギウスは避ける素振りも見せず、ただ黙って笑みを浮かべて立っていた。そして獄炎はペテルギウスに直撃しその衝撃は窓のガラスを割る程度だった。爆煙が上がり、メリオダスはじっと前を見つめていた。
「実に・・実に実に実に素晴らしいデス!!その齢にしてなんと気高い意思を持った少年なのでしょう!!まさに魔女の”導き手”に相応しい!!試練の前に彼のような者に巡り会えた事に感謝するのデス!!」
「・・・導き手?」
ペテルギウスが無傷でいる事、そして煙の中に透明な筋の様なものが見えた事にメリオダスは少々疑問に思ったがそれ以上に聞き慣れない単語に意識が行った。
「そうデス!アナタこそが私の福音書に記させている導き手!!そして何よりアナタは魔の者の寵愛を受けている!!アナタの存在があれば半魔を降ろす事も可能なのデス!!・・どうデス?・・・我々に協力しませんか?」
「断る!」
即答したメリオダスはペテルギウスに向けて獄炎を三つ放った。
が、またしてもペテルギウスはただ笑って立っているだけで避けずに直撃した。
「無駄なのデス。その様な攻撃をいつまでも続けるなど怠惰!!」
「・・・」
無駄なのはメリオダスも承知の上だ。だが最初の攻撃で透明な筋の様なものが見えたのを思い出し、もう一度煙で筋を目視出来るようにしたのだ。それによって筋を避けてペテルギウスに接近し直接ロストヴェインで斬りかかった。
「・・・っ!!」
「・・・なるほど、今の攻撃はあくまで囮・・本命はアナタ自身でしたか・・・それに気づけなかった私は、なんと怠惰な事か!!・・・そして・・・」
ペテルギウスが分析している間にメリオダスの刃は届く筈だったのだが、何故かメリオダスは動きを止めた・・・否、止めたのではない、止まったのだ。
「怠惰なる権能・・・見えざる手、デス」
見えざる手と呼ばれる能力でメリオダスは今、無数の手に捕まって身動きが取れない状態だった。
「っ・・くっ・・・!!!」
次の瞬間メリオダスの身体は無数の手によって引き裂かれ周囲の床や壁に赤黒い血が飛散していた。
「アナタは私に出会った瞬間殺すべきだっだのデス。それが出来る実力がありながら役目を怠った!・・・アナタ・・怠惰デスねぇ」
そう言ってペテルギウスはかつてメリオダスだったものに哀れみの目を向けたその瞬間、ペテルギウスの背後の窓から一つの影が入って来た。
「お前がな」
その影の正体は先程殺された筈のメリオダスだった。
「なぜっ・・・!!」
急いで振り向き言葉を最後まで言わせる間もなくペテルギウスの横顔に蹴りを喰らわせた。
「がぁッ!!」
蹴りを喰らったペテルギウスは部屋のドアを突き破り奥にある壁に激突した。
「何、故デス・・・何故、何故何故アナタが、生きているのデス!!」
壁に座り込むペテルギウスは歩いて近づいてくるメリオダスを恨めしそうに睨み叫び散らした。
「さっきお前が倒したのはオレの神器によって創り出された分身だ。三つの《
「・・・アナタ・・・怠惰、デスねぇ・・・」
ザシュ・・・
ペテルギウスの前に立ったメリオダスはロストヴェインで振りかざして解説をした。そしてペテルギウスにトドメを刺そうとした瞬間ニヤリと笑みを浮かべた事にメリオダスは違和感を覚えたが構わずトドメを刺した。
「さてと、エリザベスを探すか!」