Re:魔神と始める異世界生活《旧》   作:銀の巨人

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第29話

ペテルギウスを倒したメリオダスはエリザベスを探す為屋敷の中を駆け回っていた。

 

「メ、メリオダス!!」

 

「ホーク!」

 

二階のドアを開けた瞬間、部屋の中にいたホークが声を上げた。そして、ホークの横には血を流し床で倒れているエリザベスの姿が目に入った。

 

「エリザベス!!!」

 

メリオダスは直ぐにエリザベスに駆け寄り呼び掛けをしたが、エリザベスから返事は無かった。

 

「すまねぇメリオダス・・・突然緑色の頭した豚野郎が来て、エミリアとエリザベスちゃんが・・・」

 

「・・・」

 

ホークの説明をメリオダスは黙って聞いていた。そして事を楽観視していた自分自身を内心では責めていた。ペテルギウスが言っていた怠惰とはこのとこだったのかとメリオダスはそう思った。

 

「俺が・・俺がもっとしっかりしていればこんな事には・・・いっそ俺を串豚にでもしてくれぇ!!」

 

「大丈夫だ。お前のせいじゃねぇ・・・それにあの野郎、ペテルギウスは倒した。エリザベスも死んだ訳じゃねぇ、ただ気を失ってるだけだ・・後はエミリアだな。ホーク、エミリアが何処にいるか分かるか?」

 

「それなんだけどよ、辺りが血の匂いで上手く嗅ぎ分けられねぇんだ」

 

それを聞いたメリオダスはエリザベスに応急処置を施しホークの上に乗せ、エミリアを探す事にした。

 

それから数時間、メリオダス達はエミリアを探すが全て空振りに終わった。空は既に薄橙色に染まり屋敷の中も薄暗くなりつつあった。ペテルギウスを倒してから敵の数は激減し、メリオダス達を襲う者は殆ど居なくなっていた。

 

 

「メ・・リオ・・・ダス・・・」

 

「エリザベス!!」

 

「エリザベスちゃん!!」

 

目を醒ましたエリザベスはメリオダスを見つめ微笑んでいたが、直ぐにその微笑みは消え焦った顔をしてた。

 

「危ない!!」

 

エリザベスはメリオダスの背後に迫り来る気配に気づき、メリオダスを両手で力いっぱい押して攻撃から庇った。

 

「かはっ!!」

 

次の瞬間、突然エリザベスの身体に人の腕程の穴が空いた。それを見たメリオダスは一瞬何が起きたか分からず、状況を理解出来ずにいた。そしてだんだんと脳が状況を認識し始めた。

 

「おっと、勘のいい娘デスねぇ。本来ならばアナタを狙ったのデスがズレてしまった。それにしても録に周りを警戒せず背後からの攻撃を許すとは怠惰デスねぇ!!」

 

「・・あ・・・あぁ・・・」

 

「おや?まだ混乱しているようデスねぇ!いい加減理解しなさい!!この状況を!!そして受け入れるのデス!!己の怠惰を!!アナタの怠惰のせいで彼女は今、命の危機に瀕しているのデス!!!」

 

そこにいるのは先程メリオダスが倒した筈のペテルギウス、ではなく別の女性だった。しかし、喋り方や仕草はペテルギウスそのもので非常にペテルギウスと酷似していた。だが、今のメリオダスにそれは関係無い。目の前で最愛の人が大量の血を流しているのを見て彼女の話しなど録に聞いていなかった。

 

「あああぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁあ!!!!!」

 

「良いデスねぇ!!その叫び声!!!正しく己の怠惰を嘆くに相応しい声デス!!!」

 

「さっきから聞いてりゃいい加減にしやがれ、この豚野郎!!!」

 

絶叫するメリオダスと邪悪に笑うペテルギウスの間に割って入って来たホークはペテルギウスの前に立ちはだかった。

 

「何デス?アナタは?」

 

「俺様は残飯処理騎士団団長ホーク様だ!!お前の相手はこの俺様だ!!」

 

「喋る豚・・・これはこれは何とも珍妙な生き物デスねぇ!面白い、アナタの全霊をもって私にかかって来なさい!!」

 

するとホークは身体を曲げるペテルギウスに向かい走り出した。

 

「くらえ!!《ローリング・ハム・アタック》!!!」

 

回転力を加えた高速突進をペテルギウス目掛けて突っ込んだが難なくペテルギウスの見えざる手で弾き飛ばされてしまった。

 

「プゴ!!いてててて〜・・・テ、テメェ中々やるな!!だが、これで終わりだァァ!!《スーパー・ロース・イリュージョン》!!!」

 

幻影が見える程の高速移動でペテルギウスに追撃したがまたもや当然の如く見えざる手で弾き飛ばされてしまった。

 

「くぅぅ〜・・最早これまでか・・・もう、豚足一本も動かせねぇ・・・お前の勝ちだ・・・」

 

「・・・さて、此方は半魔の娘を探し試練を行わなければ・・・」

 

「無視かい!!」

 

ペテルギウスに無視されたホークは叫んだが限界が来たらしく気絶してしまった。そしてメリオダスはエリザベスを抱え膝を着いていた。周囲には魔神の力による闇が漂い、メリオダスの身体に纏わりつつあった。

 

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