「スバル君?」
先程までスバルはロズワール邸の内部に居た。そして今はルグニカ王国王都のカドモンの店の前、ここでスバルは膝を地面に着け気づいた・・・死に戻りした事に・・・
「スバル君!?具合が悪いんですか!?」
「おい、大丈夫か?」
心配の眼差しでスバルに駆け寄るレムとメリオダス。スバルは涙を流しながらレムに抱きついた。その様子見たカドモンは店先でイチャつかれたと思い文句を言い、周りに居た人達からも注目を浴びていた。しかしレムとメリオダスだけがスバルの様子がおかしくなっていた事に気づいていた。
「これはもうお手上げって言うしかにゃいかな~。身体の傷は兎も角、心の傷はどうしようもにゃいからね」
「原因は何か分かっているのか?」
「さぁな、魔力や呪術による影響でも無さそうだし。皆目見当がつかなねぇや」
「・・・」
王都からカルステン家に戻って来たメリオダス達はフェリスにスバルの容態を見てもらったが原因は分からず治療は不可能だった。だがスバルから漂う魔女の瘴気が以前より濃いものになっている事にレムだけが気づいていた。
「お世話になりました。今日までのご厚意、主に変わって御礼申し上げます」
「そちらもエミリアに伝えてくれ。互いに己の魂に恥じぬ闘いをしようと」
フェリスでも治せない事が分かったので一度ロズワール邸に戻ることにしたメリオダス一行。しかしフェリスは一つ疑問に思っている事があった。
「屋敷に戻るのは分かるけど治す当てがあるの?」
「時々ですけど名前を口にするんです。レムやメリオダス君や姉様、それに・・・エミリア様。あのお方にお会いできたら何か変化があるかもしれません」
レムは繋いでいるスバルの手をギュッと強く握りしめた。その様子を見たクルシュは何故レムがスバルに対してこれ程尽くすのか気掛かりであったがレムは少し考え特別だからだと答えた。その答えにクルシュとフェリスは唖然としていた。
「全く・・・ナツキ・スバルは果報者だな」
「いやぁモテる男は辛いですなぁ、スバルさんや?」
「そんにゃ事言って、メリオダス君にも恋人がいるんでしょ?隅に置けにゃいんだから~」
メリオダスはスバルをからかうが勿論返事は無い。その代わりにフェリスから反撃が来た。
「それじゃあオレ達はそろそろ行くぜ。二人とも世話になったな」
「あぁ。メリオダス、卿が何者なのかそれ以前に人間なのかどうか私には分からなかったが、少なくとも魔女教である事は無い。それは私が保証しよう。なので周りの人間に何を言われようが気にする必要は無い」
「おう。サンキューなクルシュ。お前には随分と助けて貰っちまったな。今度何かあった時は是非呼んでくれ、オレが手を貸すぜ!」
「ふふっ、それは頼もしいな・・・ところで、さんきゅう・・・とは何だ?」
「スバル君によると「ありがとう」という意味と聞いております」
「なるほど、異国の言葉と言う奴か・・・まぁいい。それでは達者でな」
話しが終わるとレムは一礼しメリオダスは手を振って別れを告げた。しかしスバルは相変わらず無反応だった。それからヴィルヘルムの用意した竜車に乗りカルステン家を後にした。