昨日は死して蘇ったらブリタニアではない地で道化に会い屋敷に招待されたり、その夜、屋敷で重傷人が運ばれたりで大変な一日だったが、ブリタニアに戻る手がかりは無し。
オレは朝起きて便所にでも行こうかと思い扉を開けたら。 そこには昨日、重傷人の怪我の治療をしていたベアトリスが椅子に座って本読んでいた。
「また招かれざる客が来たかしら」
「いきなりすまんな。 確か・・・ベアトリス、だったよな?」
「そうなのよ。 まったくあの男といいお前といい、いきなり何なのかしら」
プンプン怒っているベアトリスにオレは一つ疑問を感じた。
「なぁ、あの男って誰だ? ロズワール?」
「違うかしら。 昨日の怪我人がさっき無作法にベティーの部屋に入って来たのよ。 お前みたいに」
「そうか・・・」
あの男は確かナツキ・スバルっていったか?
一応そいつにもブリタニアの事を聞いてみるか・・・もしかしたら何か知ってるかもしれねぇしな。
「さっきから何を黙り込んでるかしら。 そろそろ出て行って欲しいのよ。 嫌なら力ずくで追い出すかしら」
ベアトリスはオレを部屋から出そうとして、身体中に魔力の様なものを纏わせ臨戦態勢をとった。
「にっしし。 そんなに警戒しなくても何もしねぇよ。 大人しく出てくからそう殺気立つなよ」
「どうかしら、お前からは強大なマナを感じる上にそうとうの手練のようだし・・・警戒するのが当然かしら」
マナ・・・オレ達で言う魔力みたいなもんか?
それよりもそんなに邪険にすることねぇだろ。 まるで化け物と対峙するみてぇに警戒してやがるな。
「わかったよ。 それじゃあオレはこの部屋を出る。 邪魔したな」
オレは大人しくベアトリスの部屋を出て行った。
確か便所はここにあった筈なんだけどな。 もう一度開くとそこにベアトリスは居らず、今度は便所に通じていた。
「不思議な事もあるもんだな」
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(まったく朝っぱらから一体何なのかしら。 ベティーの読書を邪魔しないでほしいのよ)
ベアトリスはメリオダスが去ってから自身にマナを纏わせた事によって所々本が落ちていたので、その片付けをしていた。
「それにしてもあの男、驚いたのよ・・・」
(ベティーは今さっき訪れた男に内心驚きを隠せていないかしら)
ベアトリスは驚いた理由、それはあの男が既に”呪われていた”からだ。 それもとてつもなく強力な呪いだ。
「あれ程の呪術、一体誰が・・・」
ベアトリスは片付け終わった部屋の真ん中でいつも通り椅子に座り本の続きを読んでいたが、しばらくはメリオダスに掛かった呪術が気がかりで集中出来ていなかった。