ジークフリートとして生きる   作:鉄血

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キャラ崩壊および原作主人公が出てきます。


十香デッドエンド
四月十日


オレのマスターには困ったものだ。

まさかオレの生前を夢でみる事になるとは。

予定が狂うにも程がある。

これでは彼が彼女の精霊の力を封印する事が出来なくなる。

それではマスターが外の世界がどれ程美しい物かが分からないまま、精霊として生きていく事になるだろう。

それだけは避けなければならない。

マスターには精霊としてではなく、一人の人間として生きて欲しい。

それが今のオレの願いだ。

願い叶え続ける事しか出来なかったオレが願いを持つとは、かなり珍しい。

さて、マスターが彼と出会うまで後数日。

その時までオレはマスターを守るとしよう。

 

◇◇◇

 

士道は走っていた。

自分の脚が千切れんばかりに。

妹である、琴里がファミレスの前から動いていなかったのを携帯で確認した時に俺はすぐに学校から飛び出した。

空間震の発生前であってか、街には誰もいない。

車が通らない道路にも、街路にも、コンビニにも誰一人として残っていない。

ついさきほどまで、誰かがそこにいたと思わせる生活感を残したまま、人間だけが街から消えている。

まるでゲームや映画のワンシーンみたいだった。

最近は空間震も頻繁にあったせいか、避難は迅速だった。

だというのに。

 

「アイツはなんで残ってやがんだよ・・・!」

 

士道は叫びながら走り続ける。

先程からアイコンはファミレスの前から動いていない。

危険だとかは思考の外に捨てて、妹のもとへ、と次の瞬間だった。

 

突然自分の前が光で包まれた。

そして次に鼓膜が破裂しそうな爆音と衝撃が士道を襲った。

その衝撃で士道は後方に転んだが目の前の光景を見て絶句した。

 

「なっ!!」

 

それも無理はない。何故なら目の前の街の風景がすり鉢状に削りとられていたのだから。

そして削り取られたクレーターの中心。

そこに巨大なナニカがそびえたっていた。

まるで玉座のような。

そしてその玉座の前に不思議なドレスを纏った少女が一人、そこに立っていた。

 

「なんであんな所に」

 

砂ぼこりであまり見えないが、長い黒髪と紫色に輝くスカートだけは見て取る事は出来た。

女の子であることは間違いないだろう。

すると、少女は何かを探すように首を回し、士道の方へ顔を向けた。

そして、玉座の後ろにある剣の柄の様なものを握るとソレを引き抜いた。

それは、幅広の巨大な大剣だった。

幻想的な輝きを放つ、巨大な剣。

少女がその剣を振りかぶると、その軌跡をぼんやりした輝きが描かれていった。

 

「な・・・・っ!!」

 

少女が、士道の方に向かって、剣を横薙ぎに振りはなった。

間に合わない。と思い士道は目を閉じたその時。

 

 

ガンッ!!

 

金属同士を思いっきりぶつけ合ったような音が響きわたった。

衝撃が士道にはしる。だが、それだけだった。

士道は恐る恐る目を開けるとそこには一人の男が背中を向け、剣を上に振り上げた状態でそこにたっていた。

 

「何が起こって・・・」

 

俺は訳が分からずその男をみた。

そしてその男はこちらを振り向いた。

そして・・・

 

「大丈夫だったか?」

 

俺に向けてそんな言葉を言った。

その男は長いくすんだ髪に腹筋から顎近くに掛けて水色に輝く模様があった。

そしていかにも騎士と思わしき鎧。

右手には少女が持つ剣より細くそれでいて大きい。

背中は素肌がむき出しになっていて、真ん中には葉っぱの痕のような形のアザがあった。

その男を見て俺はこう思った。

 

英雄と。

 

◇◇◇

 

危ない所だった。

マスターが彼に剣を振り上げた瞬間をみたオレはすぐに剣を抜き、右上へとそらさなければ彼は死んでいただろう。

彼は何が起こったのか分からないまま、呆然としている。

まぁ、無理もない。

自分が少女に殺されそうになったのだから。

マスターがオレを不機嫌そうな顔で見ている。

何故そのような顔でオレを見るのだろうか?

オレは全く分からなかった。

 

「何故、私の邪魔をした。ジーク」

 

マスターが言った。

その問いにオレは言い返した。

 

「何も状況が分からない彼に何故、剣を振るった。マスター」

 

「ソイツも私を殺しに来たのだろう。なら」

 

オレはその言葉を聞き、始めて彼女に怒りを覚えた。

 

「マスター!!それは違うだろう‼彼はいつも戦っている彼らではない!!ソレを何故分からない!!」

 

オレが怒ったのを見て、彼女は困惑した。

 

「ジーク?何で怒るのだ?私は、ただ・・・」

 

「マスター。オレは君のサーヴァントだ。だが、その気になればこちらの方から契約を切ることになる。この無意味な攻撃を続けるのであればオレはマスターから契約を切らせてもらう。そして彼に契約をすることになるがそれでもいいか?」

 

オレがそう言った瞬間、十香は方を震わせて俯いた。

そして呪詛のように呟き始めた。

 

「私との契約をきる?・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・謝る。謝るからきらないでくれ。頼む・・・お願いだ。ジークゥ!!」

 

焦点のあっていない目でマスターは此方を見る。

そしてオレは言った。

 

「オレではなく、彼に謝ったらどうだ?マスター」

 

そう言った瞬間。爆発が起きた。

 

「くっ!!彼らか!!マスター!!倒すぞ!!」

 

どうせ、彼らだろう。とオレは思い剣を構えた。

しかし、マスターが剣を構えない。どうしたのかとオレは見た。

 

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

 

成る程これはダメだ。

そう判断し、今回はマスターを運び逃げ出した。

後にオレは思う。

一足遅かったと。




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