それでも良ければどうぞ‼
あれから数日がたった。
最近マスターの様子がおかしい。
いや、おかしくなったのはオレのせいだが、違う意味でマスターが変わった。
それは、雰囲気が変わっていた。
普段、オレがいる時は変わらないが、いないときに彼女を見てみるとまるで剣を突き付けられるような雰囲気になっていた。
心なしか目付きも鋭くなったような気がする。
オレがいる時は普通の少女のような顔をして、オレがいない時は赤のセイバーのような・・・そんな感じだ。
そして何より、彼女の戦闘スタイルが赤のセイバーに似てきたという事だ。
剣を投げ、蹴り飛ばし、殴り付けなど赤のセイバーにかなり似てきた。
今の彼女は勝つ為なら何だって良いというような感じだ。
これには頭を抱えた。
仮にも彼女はプリンセスと言われ容姿も美しい精霊。
そんな彼女がヤクザばりの蹴りを相手にするのを見て唖然するしかない。
オレが止めろと言わない限り、彼女は気がすむまで相手に蹴りや殴り付けなどをし続けるだろう。
最近は自分がしたい事を言わなくなりオレの言う事ばかり聞くようになった。
それはそれで問題だ。
それはつまり、マスターはオレ以外の人達を信用していないと言う事がある。
これでは彼女の力を封印することは不可能だ。
学校で士道と出会うまで、あと少し。
それまでには今よりマシにしておかなければ。
◇◇◇
半壊した校舎に士道は精霊を探していた。
始めは琴里の言う事は信じきれなかったが今はもう信じるしかない。
彼女を助けなければ空間震が収まる事はない。
そして何より・・・あの男と一度話して見たいのである。
何故、自分を守ったのか。彼女と一緒にいるのか。
そして、彼は琴里が言っていたあの英雄なのか。
ソレを聞くために彼はここにいる。
そして士道は自分の教室にたどり着いた。
中から話声が聞こえる。
きっとあの二人の声だろう。
彼は意を決して扉を開けた。
「──」
頭の用意していた言葉が一切合切吹き飛んだ。
教室の真ん中。
彼と彼女はそこにいた。
楽しそうに笑いながら彼に話しかけている少女。
そして苦笑いしながら彼女の話を聞いている英雄。
まるで何処かのワンシーンを見ているようだった。
そして少女が自分の存在に気づき─。
一瞬にして少女の雰囲気が変わった。
先程まで、笑顔を振り撒いていた少女が一瞬にして目付きが敵を見る目に変わった。
「────ッ!!?」
その殺気に俺は声も出ず固まった。
彼女は俺を完全に敵として見ている。
そしてその目が語っている。
"私の邪魔をするな"──と。
すると隣にいる彼が言った。
「まて、マスター。彼はオレ達にようがあるようだ。その殺気を閉まってくれ」
落ち着いた声で彼は言った。
するとその少女は少し不満ながらも殺気をしまい、彼の手を取り、睨み付けるようにして俺を見た。
「気にしないでくれ。彼女は少しだけ不機嫌なだけだ。
オレがいる限り大丈夫だから安心してくれ」
明らかに怪しいが、彼女は俺を睨み付けるだけで何もしてこない。
この人がいるおかげだろう。
そして彼が俺に質問をしてきた。
「唐突にすまないが、君は一体何をしにオレ達の元へ来たのかソレを聞かせて貰えないだろうか?」
彼の言葉にオレは言った。
「俺は五河士道。彼女を救う為に来ました。"竜殺しの英雄ジークフリートさん"」
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