ジークフリートとして生きる   作:鉄血

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仕事が忙しいのよホント。
投稿が遅れましたがどうぞ。

今回は私が聖杯を捧げる程大好きなキャラが登場です。



街の散策および好敵手との出会い。

あれからオレは考えていた。

オレが消滅せず、十香が人間として生きられる解決策を。

何か大切な事を忘れている気がする。

その事を頭の中で考えながらオレは十香と共に引っ張られていった。

 

◇◇◇

 

その頃、士道は学校に来ていた。

だが、十香の現界のせいで空間震がおき、学校の大半が瓦礫の山と化していた。

士道はその校舎を見ながらため息をつき独り言を言った。

 

「そりゃそうだよな・・・普通に考えてみれば学校が壊れた時点で休校だよな・・・」

 

自分の阿呆さ加減にもう一度ため息をついた。

あの後、反省会などをさせられ、寝不足で思考力が落ちているのかもしれない。

 

「はぁ・・・・・ちょっと夕食の買い物でもしていくか」

 

今日で三度目となるため息をこぼしながら、家の帰宅路とは違う道に歩き始めた。

確か卵が切れていたはずだし、夕食の材料もあまり無いので、何もせずこのまま帰ってしまうというのも何だった。

だが、数分と立たずに士道は足を再び止める事になった。

道の真ん中に立ち入り禁止の看板が立っていたからである。

 

「はぁ・・・通行止めか・・・・・」

 

だがそんな物が無くとも、その道は通行出来ないことは容易に知れた。

何しろアスファルトで固められた地面は滅茶苦茶に掘り返され、雑居ビルは崩壊していた。

まるで戦争でもあったかのような有り様である。

 

「・・・・そういえば、ここは」

 

この場所に覚えがある。始めてジークフリートと十香と呼ばれている精霊に会った場所である。

まだ、復旧の処理が終えていないのだろう。十日前の惨状を今だそのままに残していた。

 

「・・・・・・・・」

 

頭の中に少女と英雄の姿を思い浮かべながら、再びため息を吐く。

 

十香。

 

精霊と、災厄と呼ばれている少女。

あの少女は確かに、普通では考えてられない力を持っている。

国の機関が危険視するのもうなずける。

今の俺の目の前に広がる惨状がその証拠だ。

確かに、こんな現象を野放しにはして置けないだろう。

 

「・・・い、・・・・道」

 

ジークフリート。

彼は架空の英雄だ。

だが、そんな彼がサーヴァントとかいう幽霊として十香を守っている。

そんな彼は彼女以上に考えられない力を持っている。

 

「・・ない、・・・・道」

 

彼は一体何の為に彼女に呼ばれたのか?一体何が目的なのか分からない。

だが、俺達に危害を加えようとする人ではないと確信できる。

 

「・まない、士道」

 

・・・・まぁ、そんな事を頭の中でぐるぐると巡らせていたものだから、気づいて当然の事態に思考がいかずに、校門まで歩く羽目になった訳であるのだが。

 

「考えている所すまない、士道。オレの存在に気づいてもらえないだろうか・・・すまない、空気が読めなくて本当にすまない・・・」

 

「・・・・え?」

 

視界の奥、通行止めになっているエリアの向こう側からそんな声が響いてきて、士道は考えるのを止めた。

 

低い声でありながら、優しい声。

どこかで・・・・具体的には昨日学校で聞いた事のある声。

今、こんな所では、聞こえてくる筈のない、声。

 

「え、えっと・・・」

 

俺は自分の記憶と今し方響いた声を照合しながら、その聞こえてきた方向に視線を向けた。

視線の先。

瓦礫の山の下に、明らかに街中に似つかわしくない鎧を纏った青年とドレスを纏った少女がいた。

青年に至ってはかなり、腰が低く謝っている用に見える。

 

「ジークフリートに十香!?」

 

そう、俺の目に以上がなければ、その青年と少女は間違いなく、昨日俺が学校で遭遇した精霊とサーヴァントだった。

 

「貴様が私の名前を言うな、ばーか」

 

彼女は自分の名前を言われてかなり機嫌が悪くなっている。

 

「すまない、士道。オレのマスターに悪気があるわけで言っている訳ではない。何時も通り彼女の事は名前で言ってあげて欲しい」

 

そして謝りながら、オレに言うジークフリート。

さっきから気になっていたのだが、謝ってばっかりではないか?この英雄。

 

「ジークが言うのであれば私は構わん」

 

ジークフリートの言葉を聞いて名前で言っても良いと言った十香。

手のひら返しが早すぎる。

すると彼女は俺に近づいてくる。

と、通行の邪魔だったのだろう。十香は立ち入り禁止の看板を蹴り壊し、ジークフリートの手を組ながら俺の前に立った。

 

「な、何してんだ、二人とも・・・」

 

「・・・ぬ?何とは何だというのだ?」

 

「なんで、こんな所にいるんだよ・・・・っ!」

 

士道は叫びなから後ろを見た。

立ち話をする人や、犬の散歩をする近所の主人が見られる。

誰もシェルターに避難していない。

つまり、空間震警報がなっていない。要するに、精霊現界の際の前震をラタトスクも、ASTも感知できていないということになる。

 

「それは、オレが答えよう」

 

さっきからずっと彼女の隣でいるジークフリートが言った。

 

「何故、オレ達が此処にいるのかと言う話だが、これは静粛現界と言う。いわば、空間震を起こさずに現界することが出来る方々だ」

 

ジークフリートは気になっていた事をすらすらと言う物だから俺の頭がついていけない。

つまり、空間震を起こさずに現界出来るということだろうか。

 

「まぁ、今回はそのせいでオレ達が場違いだと思うのだが、オレは霊体化した方がいいか?」

 

確かに街中で彼等の格好は目立ち過ぎる。

だが、肝心の事を聞いていない。なので一度場所を変える事にした。

 

「いや、一度此処から離れよう。聞きたい事があるからな」

 

「君の案に従おう。マスターはどうする?」

 

「ジークが言うのなら私はそれに従うまでだ」

 

そうして俺達は場所を変えた。

その時、ジークフリートは俺に彼女には聞こえない声で言った。

 

「これから、場所を移動するが君はマスターと一緒にデートに付き合ってくれ。オレは後ろからサポートする。マスターにも伝えておく」

 

自分が言おうとしていた事を的確にいうものだから、俺は彼を見た。

だが、彼は霊体化をしたのかそこには十香しかいなかった。

そして、彼女と俺のデートが始まった。

あの後、十香には着替えて貰った。あのドレスが一瞬にして来禅高校の制服になった物だから驚いた。

ジークフリートも着替えているのだが・・・・いかんせん彼は目立ち過ぎた。

それは何故か?

背中を隠すことが出来ない呪いがあるせいで通常の服を着た瞬間、背中の部分だけが弾けとんだせいで背中が丸見えだ。

だが、それはまだいい。そこの解決策は彼の髪が長いからそうそう見える事はない。

そしてこれが彼の問題点だ。

彼の腹から顎下にかけて何かの模様がある。

ソレを完全に隠すことが出来ていない。

主に顎下の所が。

しかも身長が高くがっしりしている為に合う服が中々に見つからなかった。

そして今。

 

◇◇◇

 

成る程オレのマスターはかなりの大食いだったか。

オレは十香を見て思った。

きなこパンが面白いように無くなっていく。

これでは彼の財布が危ない。

オレは仕方ないと思い、あるスキルを使った。

そのスキルは黄金率。

いわば、金には困らないというスキルだ。

ただ、オレの戦闘で重要な幸運が下がるが。

少し稼ぐか、と思いながらオレはパン屋を後にした。

その結果。

 

「稼ぎ過ぎてしまった・・・」

 

過程は省くが、オレは大量の金をものの数分で稼いでしまった。

黄金率はあまり使わない方がいい。

ただ、オレはそう思ったとだけ言っておく。

 

◇◇◇

 

ジークフリートが一度外に出たと思ったら、数分で戻ってきた。

大量の金を抱えて。

始めは何処からか盗ってきたのかと思ったのだが、引ったくりが先程あったらしい。

そして、その引ったくりから鞄を取り返したらお礼だと言って渡されたらしい。

何処のドラマやアニメだよと思ったぐらいだった。

まぁそんなこんなで色々あったが、これで金には困らなくなった。

そして十香達をつれて次の場所に向かった。

 

◇◇◇

 

気にくわない。

私が始めてこんな感情を知った。

ジークは格好いいし、強くて優しい。

だが、彼の周りには沢山の女どもがいる。

ソレを彼は断っているが私はそれがどうしようもなく、気にくわなかった。

何故、私を相手にしてくれない。

何故、他の相手にばかり優先して聞こうとする。

そう思うと無性に腹が立った。

そして私はジークに言った。

 

「ジーク」

 

「何だ?マスター?」

 

「私にも構ってくれ」

 

私が本音を言うとジークは返答した。

 

「了解した、マスター」

 

そう言って彼は私の隣に座り、一緒に話ながら食べた。

これ程の幸せな事は無いと思いながら。

 

◇◇◇

 

オレ達はあの後、喫茶店に来た。来たのだが・・・名前がおかしい。

なぜならその喫茶店の名前は・・・

 

"喫茶マハーバーラタ"

 

何処のインド兄弟がいる?と思ったからである。

まぁ、名前だけかもしれないとオレは考え、マスター達とその喫茶店に入っていった。

そして・・・・

 

「いらっしゃい・・・ む?何故お前が此処にいる?黒のセイバー?」

 

「それはオレのセリフなのだが?赤のランサー?」

 

案の定いた。

何故、此処にいる。というか何故喫茶店をやっている?

 

「話は後だ。セイバー。今は席に座るといい」

 

ランサーはそう言って席まで案内をした。

そのやり取りを聞いた士道は気になったのか、オレに話かけてきた。

 

「ジークフリートさん。あの店長と知り合い何ですか?」

 

オレはその言葉に聖杯戦争の事を隠して言った。

 

「ああ、彼とは敵同士としてルーマニアで戦った。彼程の英雄はいないだろうと実感した位だ」

 

「そ、そんなにか・・・」

 

赤のランサー。および、カルナは強い。

あの黄金の鎧。あの技術。

彼はそれらを使いこなし、オレの鎧を貫ける事が出来る。

技術は彼方が上だが、耐久面に関してはお互いに同等だ。

故に、お互いに戦ったとしても決め手がない。

彼とはいずれ決着を着けたい物だと思っている。

そこまで、考えているとマスターが喫茶店に入ってから声を出していないのに気がついた。

マスターを見ると肩を震わして顔をうつむかせている。

どうかしたのだろうかと思いオレは声をかけた。

 

「どうした?マスター?何かあったか?」

 

すると十香が答えた。

 

「ジーク・・・アレは一体何だ・・・。あんなヤツとジークは戦っていたのか・・・?」

 

成る程。十香は野生の勘で彼がどれ程の強者なのか感じとったらしい。

まぁ、言いたいのは分かる。

彼は英霊の中でも最上級サーヴァントだ。

宝具のひとつひとつが核兵器に匹敵するほど強力なものばかり。

彼のあの宝具があれば国を滅ぼせるぐらいの事はやってのけるだろう。

十香はそんな相手に恐怖を覚えるに違いない。

するとランサーがこちらに来た。

 

「注文は決まったか?」

 

そう言うとランサーはオレを見た。

 

『近いうちに話し合おう』とだけ、見ただけで語り合った。

そして、俺達は注文して食事をした。

あの後は大変だった。

ラタトスクは介入して来る、マスターは勘違いをするとまぁ中々に濃い一日となった。

そして・・・

 

◇◇◇

 

今日は楽しかった。

ジークとシドーと一緒にデェトと言うのは楽しかった。

ジークと今度は二人きりで一緒にデェトをしたい。

それだけが胸の中に残った。

そしてシドーと言うあの男。

色々話してみたがジークの言った通り意外といいヤツだった。

友としてなら一緒にいけるだろうと私は思ったぐらいに。

この世界がこれ程美しいものだとは思わなかった。

これなら、ジークと一緒にこの世界で生きていけると思った。

だが、それも叶わないものだろう。

私は精霊だ。奴らからはこの世界にいてはいけない存在だといわれている。

だから、私はシドーのもとに行けない。

ずっとジークと一緒にいなければならない。

だが、シドーは大丈夫だと言った。自分は否定しないと言った。

それなら私は・・・ジークと共にこの世界で生きていきたい。

一緒に笑って、一緒に生きていきたい。

だが、それも叶うことはない。

何故なら・・・シドーは死んだから。

 

◇◇◇

 

夕日が赤く空を染めている。

美しい夕焼けだった。

オレは士道とマスターの後ろを歩きながら考えていた。

あの時、ランサーは受肉していた。

受肉と知って思い出したことがある。

それは令呪による受肉だ。

確か、令呪を三画使うことによって出来るはずだ。

それならオレは彼女の力が封印されてもオレは現界できる、そう言おうとしたその時にオレは絶句した。何故ならオレがみた光景は、士道が十香を庇って死んだ姿だったからだ。




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