この話は作者のフィクションであり、即興話です!
「これ、事実じゃねーの?」とか思っても突っ込まないように!
そして、この話は純粋な童貞の話なので興味のない人はブラウザバックしてください!
以上!
「司令官、聞きたいことがあるのだけど…」
「相談か? いいぞ」
ある晴れた日の休日。
暁にどうしても気になることがあると言われ、相談を受けた。
聞くと、他の人にも聞いてみたが「大人の秘密」とか言われて誤魔化されてしまっているらしい。
ポーラさんが「提督なら知ってると思いますよ~」と言っていたので、相談することにしたらしい。
一体どんなことを聞きたいのだろうか。
「それで、何が聞きたいんだ?」
「えーと…」
俺は何となく予想を付けていた。
大人の秘密で誤魔化されているその内容。
恐らくはピンクな内容かブラックな内容のどちらかの2択であると予想している。
どっちにしてもとてもすぐには答えられそうにないだろうと思ってるので、長期戦を覚悟している。
さあ、どっちだ?
そんな俺の覚悟を知らない暁は真面目な顔でその相談事を話した。
「赤ちゃんて何処から来るの?」
…あー、そっちかぁ。
そうだねー、そりゃ困るよねー。
というか言いづらいよねー。
俺はその答えを知っているが、そんなもん直接言ったらセクハラですよ。
というか俺童貞だし。確かめたこともないのに、それ言っても…ほらあれだし?
「あー…ええとだなー」
どうする?
コウノトリかキャベツかで誤魔化せるか?
…あ、だめだ俺その話あんまり詳しく知らねぇから上手いこといかねぇ。
…あー、でもそんな感じの誤魔化し方で行こう。うん。
「…俺もよく分からないんだがな」
「あれ、司令官も知らないの?」
「確かめたことはないからな。確実なことは言えないんだ。ごめんな」
「そう…」
やべぇ、メッチャ落ち込んでる。
これがいわゆる黄昏ちゃんモードという奴だろうか。
結構期待してたんだろうな…。
何とかせねば!
「だが、確実じゃないけど赤ちゃんが出来るかもしれない話は知ってる」
「!」
おお!食い付いたぁ!!
レイプ目からお目々キラキラへと大変身したぁ!
よっしゃあ!
暁は食い気味に「教えて司令官!」と尋ねてきた!
話の内容があまり決まってないから、時間を作りたいところではある。しかし流石にここで飯食ってからとか誤魔化すのは不味いかもしれない。
再び黄昏ちゃんモードになってしまう。それはあかん。
仕方ないがアドリブで何とかするしかあるまい。
「これは俺の昔の話になるんだがな…」
「司令官の昔話?」
「ああ、そうだ」
…アドリブで俺はなんつー話をしようとしてるのだろうか。
この話って俺の恥ずかしい話じゃねえか。
なんか上手いこと思い付かなかったからってこれはないぞ…。
だが、恐らくはこれが一番上手い誤魔化し方に違いない。
というか、いいのが思い付かんかった。
「そう、あれは高校を卒業してから少し経つあるときの話だ」
当時、俺はスマホどころかケータイすら持ってない高校生活を送っていた。
…俺の家はオタクでな。
ゲームとか漫画とか結構あるんだよ。
でも、不思議とエロ本とかはないんだよな。
そのかいもあってか、そっちの知識にはとんと疎くてなぁ。
結局のところ俺はそれの何が面白いのか全く分からなかったんだよな。
ハッキリ言って、漫画とかラノベとかの方が面白かったしさ。興味もなくて二十歳になるまでオタクやってたんだよ。
当然彼女もいなくてさ。
まぁ……なんつーの?
二十歳のあるときまで赤ちゃんがどうやって作られるかいっさい知らなかったんだよな。
んでまぁ、ある日考えてみたわけだよ。
赤ちゃんが出来る方法を。
当然、パソコンもケータイもスマホもねぇから調べられないんだがよ。
大人の話を聞いてたら何となく分かるんだよ。
なんかこう、キャベツから出来るーとかコウノトリから運ばれてくる~とか、桃から生まれる~とかな?
でもイマイチぱっとしないんだよな。
結局どれが正解よ?
そう思った俺は実験を始めた。
「あの司令官? 誤魔化そうとしてない?」
「してないしてない」
「結局のところ、司令官は赤ちゃんがどうやって出来るか知ってるのよね?」
「知ってる」
「……そう。それならいいのよ」
「じゃあ、続けるぞ」
俺は大人から聞いた色んな方法や漫画で婉曲的に使われてるあれとかを準備したりして試すことにした。
具体的に集めたのはアワビ、ウインナー、コウノトリ、風呂敷だな。
ちなみにやったことはアワビにウインナー突っ込んだそれをキャベツの中に入れて、それを風呂敷に包み、コウノトリにくくりつけて逃がした。
そうやったらこう、上手いこと風呂敷の中で錬金されて赤ちゃんが出来るんじゃねーかと期待した。
帰ってきたコウノトリから風呂敷を奪って中を確かめたら、ただのキャベツしかなかった。
…つまり、失敗したということだ。
「あの、司令官?」
「どうした?」
「成功、成功した話はないの?」
「あるよ?」
「私は成功した話が聞きたいのだけど!」
「そうか。じゃあ、成功話をしよう」
「そうして」
そうな…あれは夏の頃だったかなぁ。
俺が実験始めて一年経って、なんやかんやあって夏休みに入った頃のことだ。
たしかクラスのイケメンから肝試しの話を聞かされたんだっかな。
具体的な話は忘れたんだが、なんかこう苛められていた女の子が赤ちゃん孕んで死んだ話だったかなぁ。
当時の俺はなんで女の子が孕んでんのか知らないんだが、たぶん薬でも飲んだら孕んだんじゃねーかと思ってた。
ほら、あれよ。スイカの種飲んだら種が成長してお腹突き破るって話あるじゃねぇか。たぶんそんな感じで孕むんじゃねぇかなって思ってた。
女の子が赤ちゃん孕む説は俺が実験始めて半年経ったときに思い当たった。妊婦さんの存在を見て、「そーいやお腹の中に赤ちゃんがいるとかって聞くな」って思ってな。
だからまぁなんで女の子は赤ちゃん産めるのかは知っててもどうやって腹の中にいるのかは分からなかったんだ。
ただまぁ、俺結構変人だったからな。女の子に痛い思いまでして実験に付き合って貰うのもなぁって思っててよ…。
そのときまでは「仙人が赤ちゃんくれる説」「魔女が錬金で産み出す説」「サンタさんがくれる説」「神様が天から贈る説」とか実験してたんだよな。
当時の俺はそれでも若干自棄っぱちだったんだろうな。
赤ちゃんもらってどうするのかとか考えてなかったし。
それに俺の実験は赤ちゃんはどうやったら出来るのかを考えてたのにな。
とりあえずなんでもいいから成功したかったんだと思う。
人に迷惑が掛からない程度でな。
そんでこの話聞いたときにこれだと思って、その死んだ女の子が好きそうなものを買ってきたんだ。
熊のぬいぐるみに桃、プリン、人形、コンビニにあった漫画、それらを詰め込んだ段ボールを持って、マジックで「赤ちゃんください」って書いた願書と一緒に肝試しをする神社まで行ったんだ。
肝試しの内容としてはその死んだ女の子の墓に花を置いて戻るという決まりだった。
俺の順番は最後だったな。
残った地味な眼鏡の女の子と肝試しに行ったけな。
女の子にライト持たせて、俺が先頭歩いてな。
普通逆じゃないかって、思うかもしれないけど足元が暗いと転び易いだろ?
だから先頭歩いた。
俺はぼっちだったからな。
怖がってる女の子に気の利いた台詞とか分からないしさ、女の子が話し掛けたら「そうだな」とか「うん」とかそんなことしか言えなくってさ。
俺はそれより速く目的地に着かねーかなとしか思ってなかったしな。
酷いって?
そうだな、あの頃は結構酷かったな俺は。
ぼっちが長かったせいもあってかどう答えたもんか分かんなくてさ。
どーしようもなかった。
本当は俺も怖かった。
暗闇のせいもあるけど、段ボール持ってるせいで両手が使えない。
幽霊とか割りと信じてたし、それに夜行性の蛇もいるとか聞いたことがあったしさ。
色々びびってた。
でも、そんなの表に出さないように意地張った。
一人で行ったんだったら俺は絶対に行かなかったね。
行くふりして少し遠回りして家に帰ったね。
そんでもまあ、ここまで準備もしたし、女の子もいるしな。
男として情けねー姿さらしたくなかったのよ。
どうせ泣くにしても怖がるにしても最後までやり通して見せたかった。
それだけだった。
神社まで着いたとき、なんとなーく嫌な気配がした。
なんかここには居たくないっていうか。
神社に近付きたくないっていうか。
怖いおじさんと真正面から見るときとはまた違った嫌な予感だった。
気を抜いたら穴に落ちるように引きづり込むような感覚。
悪夢みたいなもんだった。
俺は立ち止まりそうな足を何とか動かした。
止まったらもう歩けなくなりそうだった。
気づいたら女の子が俺の背中の服を掴んでた。
やはり怖かったのだろう。
それでも逃げ出さないのは俺が逃げ出さないからなのか、それとも知り合いにでも何か言われているからなのか。
俺には分からなかった。
やがて目的地に着いた。
神社から少し離れた建物の裏
そこに例の女の子が死んだとされる墓があると俺は聞いていた。
だが、そこにあったのは一本の木と……縄があった。
俺はイケメンから話をよく聞いてなかったからか墓が何か知らなかった。だけどそれを見たときには分かった。
俺はふと、手の怠さに気付いた。
そう言えば段ボールを持ってきたんだっけと思い出して、縄の下に段ボールを置いた。
とても願書を出す気分じゃなかった。
それでも俺はここまで来て、そしてやらないなんて二度手間はしたくなかった。
俺は呼吸を整えて、精一杯祈った。
「赤ちゃんください」とな。
そして、言葉にもして、安産祈願のお守りも置いた。
これはクラスの連中から冗談で貰った代物だった。
だが俺は女じゃないし、正直いらなかったからそれもお供えした。
それで俺の実験を終えたら、女の子から花を貰って本来の目的をした。
ああ、なんで俺の欲望から順にやっちまったんだろうな。
……俺の腕がだるかったからか。
そうして祈ってから戻った。
だけど、帰る途中それも離れから離れた時に女の子の墓の方から赤ちゃんの泣き声がした。
はっきり言って凄まじく複雑な気分だった。
成功しなくてもいいのにとか、赤ちゃんもう出来たのとか、戻ったら死んだ女の子がいるんじゃないだろうなとか、まあ色々葛藤があった。
眼鏡の女の子の方をふと見たらぷるぷる震えながら泣きそうな顔でどうするのって顔してた。
なんつーか、色々申し訳ない気分になった。
俺は先に戻ってもいいぞと声を掛けたんだけど、なんか女の子はふるふると顔を横に振って拒否してた。
服の裾を掴んで、離れから逆の方に指差していた。
つまり、一緒に戻ろうってことらしい。
一人は心細かったんだろうな。
暁も夜一緒にトイレに行ったりするだろう?
それと同じだ。
お子さまゆーなって?
当時の俺も眼鏡の女の子も19歳の大学生だぜ?
若いとは言え、お子さまなんて言えるような年でもないよ。
結局俺は離れの裏を見に行くことにした。
はっきり言って気になったしな。
眼鏡の女の子も後ろからライトを照らしながら一緒に来た。
そんでまぁ、戻ってみたら段ボールが開いていてその中に赤ちゃんが大泣きしていた。
俺は段ボールの中や周りを見た。
だけど、俺が段ボールに入れていた物はなかった。
段ボールのロゴは俺が運んできたものと一緒だった。
それに、俺が爪立ててダメージを入れていた段ボールの傷痕もあった。
つまり、俺達が墓から少し離れた間に中身がすりかわっていたということだ。
……本当は赤ちゃんが錬成される姿とか死んだ女の子がお供え物を持ち去っていく姿とか見たかった。
今思えば、監視カメラの1つや2つは持ってくるべきだったと後悔してる。
「話はこれで終わりだ」
「…あのあとどうしたの?」
「赤ちゃんの入った段ボール持って、眼鏡の女の子と神社から帰ったよ」
「そ、そうなの…」
暁はどこかほっとした顔をしていた。
…あ、そういや暁って怖い話駄目だったな。
逆効果だったかなぁ…。
「……ふー、すっかり話し込んでしまったな。そろそろ昼になるし、一緒に飯でもどうだ?」
「そ、そうねっ! 一緒に行きましょうよ司令官!」