転生したらボク、勇者になったよ!! 作:冬空星屑
いや、何も考えずに連載は大変ですね。(自業自得)
リムル様を見習い、慎重に生きましょう、慎重に。
二話です。どうぞ。
スキル確認
ユウキがエビルムカデを秒殺すると、エビルムカデは魔素、いや情報子に還元されユウキの元へとやって来た。
それが消えると、ユウキの目の前にウインドウがポップする。
「うーん。エビルムカデか。麻痺のブレス以外は大したことないかな。それにしても、なんでウインドウが出たんだろう?」
ピコン!
「オワッ!? またポップした。え~となになに。ユニークスキル『情報一覧』の権能の一つ、『情報検索』の効果です、か。へぇ、どんなスキルなのかな?」
ユウキが再び質問すると、またウインドウがポップする。そこにはこう記載されていた。
≪ユニークスキル『情報一覧』の権能は主に五つです。その効果は……
情報閲覧:自分や相手の『情報(ステータス)』を閲覧する。
情報操作:自分や相手の『スキル』『耐性』を一部操作する。
情報隠蔽:自分の『
情報記録:確認した『情報』や体験した『情報』を記録できる。またその記録を再現する。
情報検索:"世界の言葉"の権能の一部を流用し、欲しい『情報』を検索する。
以上です≫
「な、なんかすごそうなスキルだね……。そう言えばさっきも何か聞こえてきたし、あれはなに?」
≪"世界の言葉"です≫
「へぇ、"世界の言葉"って言うんだ。じゃあボクの『情報』を表示してくれるかな?」
ユウキの言葉により、ユニークスキル『情報一覧』が行使される。
ユウキ・コンノ
種族――
加護――勇者の卵
称号――絶剣
魔法――なし
固有スキル――『暗視』『飛行』『
アルティメットスキル――『
ユニークスキル――『情報一覧(システムウインドウ)』『絶剣(タエナキケン)』『求道者(モトメルモノ)』
エクストラスキル――『剛力』
耐性――『痛覚無効』『精神攻撃耐性』
『祈望の神(ガネーシャ)』
被信仰:己を信仰するものに『神聖魔法』を行使させられ、また、自分も行使できる。
寵子:妖精や精霊の加護を得られやすくなり、また契約しやすくなる。
祈願:祈り願うことで、あらゆる障害を排除する。
部位再生:あらゆる損傷を癒す。
『絶剣(タエナキケン)』
超絶反応:全ての行動を一切のタイムラグ無しに反応できる。
思考加速:通常の千倍に知覚速度を上昇させる。
絶後:死後を絶つ剣……精神体、星幽体、魂に損傷を与える。
絶命:生命を絶つ剣……即死属性付与
絶空:空間を絶つ剣……空間属性付与
『求道者(モトメルモノ)』
解析鑑定:対象の解析及び、鑑定を行う。
並列演算:解析したい事象を、思考と切り離して演算を行う。
森羅万象:この世界の、隠蔽されていない事象の全てを網羅する。
予測演算:未来の事象を予測する。
生之真理:意味など無くても生きていて良い。寿命や病気で死なない。
その後数日の間、スキルの確認にユウキは費やした。ユニークスキル『求道者』とユニークスキル『情報一覧』をリンクさせ、『森羅万象』や『予測演算』の精度を上げつつ、その情報を任意で脳内かウインドウに表示できるようにした。また、脳内に表示すれば『超絶反応』でタイムラグなく認識できる。理解するまでに時間はかかるが、少なくとも読む手間は省ける。
また、『思考加速』『予測演算』『並列演算』『超絶反応』などの副作用による神経の切断などは、常に『部位再生』を発動させて置くことで無いものとしている。これでユニークスキル『絶剣』の『思考加速』を併用した、高速の演算も可能である。
さらに『情報隠蔽』の効果によりステータスは勿論、溢れていた妖気(オーラ)も完全隠蔽済みだ。『情報』の中には、魔素(エネルギー)の量も含まれるらしい。
結果、ユウキは……。
「や、やばい……。おなかすいた…………。アスナ……ボク、アスナのご飯が食べたいよ。ていうか、日本食が異世界にある気がしない。どうしよっか?」
空腹で死にかけていた。
当たり前だ。ここは『仮想世界』ではなく、『半物質世界』。そして、妖精とは言え、周囲の魔素のみで生きてはいけないユウキでは、食事は必須だ。
ちなみに、空腹は寿命でも病気出もないので、『生之真理』を持っていても餓死はする。
ユウキは食事を求めて歩みだす。
そして、本人の意図することなくアルティメットスキル『祈望の神(ガネーシャ)』が発動し、あらゆる障害を排除する。ユウキが、ジュラの大森林でまともな食事にありつくための。
そう例えば、何処かで死んだ何てことのないただの魂が"勇者"でもないのに、魂のみでの"界渡り"に成功したり。
例えば、ちょうど良いタイミングで封印の洞窟の門が開いたことで、中から魔物が出たことを自由組合が気付かなかったり。
例えば、何処かの貴族のせいで裁判所に連れていかれ、そのおかげで王に興味を持たれ、また有能な職人たちが仲間になった魔物が、街を作り始めていたり。
常時発動(パッシブ)であるが故に、あまり役に立たなそうなその究極能力は、やはり究極能力なのだ。
"勇者"を名乗れば、"勇者"になれば因果は巡る。
それは、やがて"魔王"となる魔物と、"勇者"になるであろう"卵"との出会いから始まる。
どうでしたか?
いや、さすがは"勇者"。強いです。
えっ? 時系列が可笑しい?
いえいえ、気にしたら負けです。
あえて言うなら、リムルはちょっとだけ過去に転生したのでしょう。
ほら、幼馴染みのレオン君(百歳オーバー)とクロエちゃん(女性の年は聞いちゃダメ!)みたいな。
さて、言い訳はこのくらいにして、次話もお待ちください。