東方英霊伝   作:来翔

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書き直しました!
原作キャラ同士にしました!


遭逢の章
裏切りの騎士と博麗の巫女


「……おい、俺はどうすればいいんだ?」

「いいから黙って手を動かしなさい」

 

2人の少女達に不穏な空気が流れていた。

金髪の少女はブツブツと言いながら、庭を箒で掃き、その様子を黒髪の少女が睨みつけながら見下ろす。

 

事は今から数十分前遡る。

 

 

 

「……何してるのよ」

「お前こそ……何してんだ」

 

黒髪の少女が神社でのんびりとお茶を飲んでいると、突如目の前に光と風が集まり、その光の中から鎧を纏った人物が出てきた。当初は身なりから男性かと思ったが、兜を外した素顔は女性そのものだった。

それを少女が指摘したところ、尋常ではない程の怒りを露にしたため、その話題を打ち切る。

 

「とりあえず名前を名乗りなさい。話はそれからよ」

「真名を言えだ?お前……真名の重要性を分かってんのか?」

「しんめい……?訳の分からない事を言うんじゃないわよ。そんな話をして逸らそうとしても無駄よ」

「重要な話だ。真名を明かすという事は命を預けるようなもんだ。どんなマスターかも知れない奴に早々と明かせるわけねぇだろうが」

 

黒髪の少女、博麗霊夢は少女の言葉の意味が分からず唸る。

それと同様に相手に意味が伝わらず唸りだす少女。

 

「とりあえず話を整理しましょ。名前は後でもいいわ。まずは、貴方の質問に答えるわ」

「なら、聞くぞ。ここはどこなんだ?俺が知ってる土地とは全然違うからな」

「ここは幻想郷よ。とは言っても分からなそうだから軽く説明するわ。外の世界……アンタの住む世界とは結界によって遮断されているの。ここから外の世界に出ようとしても出れないし、逆に入ることも叶わない。でも……幻想入りする者がいるのよね。アンタのように」

「ふーん……結界ねぇ……。まるでキャスターの魔術みたいだな。結構ここは広いのか?」

 

霊夢はその問いかけに頷くと、少女は目を見開き驚きを隠せなかった。

 

「おいおい、こんな広い土地に結界を貼るなんてそいつはすげぇ……」

「1人で盛り上がっているところ悪いけど……アンタのことを聞かせなさいよ」

 

そうだなと少女は言うと、霊夢の前に座り自身の事を話し出す。

 

「まずは俺に……いや、俺達について説明した方がいいな。俺達は過去の英雄達の霊体……通称霊体及びサーヴァントと呼ぶ。分かりやすく言うと……使い魔って感じだな。ここまでは大丈夫か?」

「ええ、使い魔になら詳しい奴がいるから大丈夫よ。でも、おかしいのよね」

「何がおかしいんだ?」

「アンタが本当に過去に存在した英雄だとしても、伝承とかで残っているはず。忘れられた存在……幻想となったものが幻想郷に入るのよね」

「なら、該当するんじゃねぇか?俺達サーヴァントは生霊じゃないからな。過去の存在物だから幻想となったもので間違いないと思う。歴史が脚色されるのもその理由だと思うしな」

一理あるわねと霊夢は呟く。

 

「しかし、問題が発生した」

「問題?なにがあったの?」

「本来ならサーヴァントを召喚する時は召喚陣や触媒……その英霊に関する聖遺物が必要なんだ。しかし、召喚陣も無ければ触媒も見当たらない」

「当然よ。私はのんびり日向ぼっこをしていただけだから。アンタなんか召喚する暇があるなら金の成る木でも植えてるわ」

 

霊夢の言葉に少女はカチンと来るが、不可解なことが多すぎるため、1個1個解決するために今は耐える事にした。いざとなった時のために、目の前の人間を利用するために。

 

「それで俺はどうすればいい」

「それはこっちのセリフよ。アンタみたいな得体の知れない……いや、待ちなさい。行き場が無いのでしょ?」

「ああ、別にサーヴァントだから人間と違って食う寝るとかはいらないが……どうしても衣食住が出来る場所は欲しいかな」

「なら、ウチに住みなさい。謎が解決されるまでの間はね」

「いいのか?それは感謝」

「ただし!」

 

嬉しそうに笑顔を浮かべる少女に霊夢は指を突き出す。

その霊夢に驚いたのか、笑顔は消え失せ、ポカンとした様子で少女は霊夢を見つめる。

 

「私の仕事の手伝いをしてもらうわよ。でも、代金とかは渡さないわ。タダ飯食わせてあげるのだから」

「この俺を使うとは……いいぜ。お前の手伝いってのも面白そうだ」

「決まりね。なら、早速アンタにやってもらいたい仕事があるわ」

「おう、なんだ」

 

少女はどんな仕事が与えられるのか、ワクワクしながら待っていると霊夢に告げられた言葉で絶句する事になる。

 

「ここを掃きなさい」

「は?」

「アンタが出てきて散らかした落ち葉を掃けって言ってるのよ。せっかく人が集めたものを……」

「おい、この俺にこんな事をやらせるのか……?」

「なら、やめてもいいわよ。他を当たりなさい。それにアンタが英雄だろうとなんだろうと、過去の栄光に縋るような奴ならこの世界じゃ危ないわ」

「あぁ?俺に喧嘩売ってんのか?」

 

霊夢はため息をつくと、少女を鋭い目で見る。

 

「だったら示してみなさい。アンタが過去の栄光に縋るだけの愚か者じゃないってことを」

「……ああ見せてやるよ。俺の力をな、必ず認めさせてやるよ」

 

霊夢はフッと笑うと神社の奥に入り、ある物を持ってくる。ある物とは、自分が来ているのと同じ巫女服である。

 

「これはなんだ?」

「巫女服よ。ここで暮らすならその格好じゃ目立つわ」

「おいおい……こんな服じゃ女みたいじゃないか……」

「いいでしょ、アンタはどっからどう見ても女の子なんだから」

「……おい」

「どんなに男と偽ってもアンタはアンタなんだから気にする事はないわよ。まぁ、アンタが嫌がるなら女扱いはしないわ。その服は着させるけど」

 

少女は嫌そうな顔を浮かべるが、好意を裏切るわけにはいかないと思い、渋々と巫女服に着替える。

 

「うん、似合ってるわね。さ、仕事を始めなさい……あ、そう言えば名前を教えて貰ってないわ」

「まぁ、今は何があるか分かんないがお前になら教えても良さそうだな。俺はモードレッド。アーサー王が父」

「モードレッドね。私は博麗霊夢よ」

「レイムだな。……俺がアーサー王の息子と言って驚かねぇのか?」

「幻想郷では常識に囚われてはいけないのよ。だから別に」

 

霊夢の発言にモードレッドは唖然とする。

 

「なら、なんでも願いが叶う聖杯があるって言っても驚かないな。金持ちになるって願いも叶うんだよな、これ」

「……なんで」

「ん?」

「なんで早くその事を言わないのよ!そんなものがあったら……ぐへへ」

 

霊夢の整った顔が崩れていく様にモードレッドは少しだけ引いた。しかし、嫌ではなかった。

ただめんどくさいだけでないという事がわかったから。

 

「……楽しくなりそうだな」

 

モードレッドは静かに呟く。

 

反逆者と巫女の奇妙な共同生活が始まる

神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?

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