東方英霊伝   作:来翔

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遅くなりすみません!
今回はロビン・フッドと橙です。
少し離れていたので、文章が変になっています……久しぶり過ぎた。


凶兆の黒猫と森の狩人

「はぁ〜……どうしてこうなったんすかね……」

 

緑のマントを羽織った1人の青年が、屋敷の濡れ縁にて座り込んでいる。彼の視線の先には、猫耳のついた幼い少女が手招きをしていた。

 

「ねぇ、早く続きしようよ?ロビンさん!」

「はいはい……わかりましたよっと……橙。あまりはしゃぎすぎて怪我するなよ。俺が怒られるんでね」

 

ロビンと呼ばれた青年は、橙と呼んだ少女の元へと足を運びながら、自分が何故ここにいるのかを思い出していた。

 

 

〜数分前〜

 

意識がはっきりとした時に、1番に入ったのは自分の周りをうろちょろしてるちっこい奴だった。物珍しそうに見ているのを未だに覚えている。見世物ではないと、叫ぼうかと思ったが小さい相手に叫ぶのは、流石に大人気ないと思い辞めた。

 

「あの〜」

「ん……?」

 

話しかけられてきたので、渋々反応を示すと先程まで姿があったのに、姿が消えていた。その時反対側に視線を感じ、そちらを向くと居た。魔術の類でも使えるのか、こいつは。

 

「ふふっ〜ん♪」

 

ちっこい奴は嬉しそうに笑うと、また姿を消した。今度は後ろからの視線を感じたが、もう対応をするのがめんどくさくなったので、オレは無視することにした。

その時、首を絞められる苦しさが押し寄せてきた。後ろを向けば、何かにマントを踏まれていると気づき、マントの端を見ると先程のちっこい奴がマントを踏んでいた。

 

「おい……足をどけろって。苦しいだろうが……!」

「なら、遊んでくれる?遊んでくれたらどけてあげる!」

「わかった……遊んでやるから離れろって」

 

ちっこい奴はようやく足を退けてオレから離れていく。チャンスと思い駆け出そうとした時、またもや目の前に奴が現れた。

 

「遊んでくれるんだよね。ほら、続きをしよう!」

「続きったって……なんの遊びしてるんすかねぇ……教えてくれないとわかんないっすよ」

「鬼ごっこだよ、タッチしない限り鬼は」

 

鬼ごっこと分かれば話は早い。

 

「ほい、タッチ。これで鬼はお前だな」

 

子供相手に大人気ないとは思うが、仕方ない。目的を達するのならば、非情にならないといけないのが自然の摂理、と俺は思いながら身を翻してちっこい奴から逃げるように駆け出す。

 

「あーずるい!」

「悪いな、ちっこいの。お前と遊んでやる暇はないんだ。遊ぶなら他を当たってくれ」

 

諦めが悪いのか、どんどん距離を縮めてくる。流石は俺でさえ引っかかる手品を披露してくれるだけはある。

先程オレが消えたと思っていた行為は、魔術でもなく単なる手品のようなモノだ。あのちっこいのは人間の動体視力の限界を利用することで消えたように見せかけていた。一定のリズムで左側に居たのに急に右側に移動すれば消えたように思えるのも仕方ない。

 

「待てー!」

「ちっ……中々速いな。仕方ないか……」

 

俺は顔のない王(ノーフェイスメイキング)を被り姿を消す。こんな奴に使うのは持ったないくらいだが、コイツから逃げるにはこれを使うしかない。幾ら人離れした身体能力を持つコイツであっても、気配すら消しているのだから気づけないはずだ。

 

「あれ……消えた……」

 

ちゃんと発動してるな。遠くに行きたいところだが、場所が分からない以上下手に動くのは得策じゃないな。

それに、コイツの見た目が猫っぽいとは言え子供だから親みたいな奴がいるはずだ。服も着てるんだから、住む家だってあるはずだ。なんにしても調べるのは、とりあえずコイツが俺から興味を無くしてからだな。

 

「どこ行ったんだろ……」

 

おいおい……コイツわかってんじゃねぇよな。なんでオレの方に近づいてくるんだ!?

見た目が猫っぽいからって獣の勘ってやつか!?

俺はとりあえず距離を置くが、さらに近寄ってくる。もし、掴まれたりしたら居る場所がバレる。引っ張られたりしたら……確実に終わる。

 

「せっかく面白そうな人見つけたのになー。そろそろ藍様の所に戻ろうかなー」

 

藍って奴がコイツの主人かなにかなのか?

ちっこい奴が移動を始めたのでオレはそのまま後ろをついて行く。……随分と奥に進んでるな。

 

 

暫くすれば、少し開けた場所に出た。オレは思わず呆気に取られた。目の前に大きな建物が現れたからだ。

 

「すっげぇ……見たことは無いが屋敷ってやつだな」

 

思わず口から出たのは、恐らく聖杯から与えられたであろう知識。(この時、顔のない王を被ってなかったら一発でバレてたな)

 

「藍様ー!」

「橙か、帰ってきたのか」

 

屋敷から出てきたのは橙と呼ばれたちっこい奴とは姿形が違う女だった。狐……しかも尻尾が9つあるってことは九尾か?……狩人としての血が騒ぐな……でも、雰囲気が異常だ。下手に動けばオレだって無傷では済まなそうだ。

 

「さっきね面白い人がいたんですよ。逃げられましたけど……」

「それは残念だな。とりあえずおやつがあるから食べていくといい」

 

おやつと聞いて喜ぶのは年相応だな。さてと……どうするか。まずは屋敷の中でも探索するか。なにか掴めるかもしれないしな。

 

この時ちっこい奴に近づいたのが悪かった。近づかなければあんな風な悲劇が起こることは無かったはずだ。

 

「ん……あれ?」

 

……おい、ちっこいの。それから手を離せ。背中から手を離せ。いや、離さなくてもいい。間違っても興味本位で引っ張るなよ。

 

「何かある……んー!」

 

引っ張るなって!外れるだろうが!

 

「んーっ……えーいっ!」

「ぐっぇ……!?」

 

そのままオレは後ろに引っ張られた事で勢いよく後ろ側に倒れてしまう。それだけならよかった。

不運が続いたのか顔のない王が外れてしまったのだ。それを意味することは……

 

「あーっ!」

「ちょっ……!」

「んっー!?」

 

オレは後先考えずにちっこい奴の口を塞ぐ。ここで騒がれたら面倒だ。だが、時すでに遅しってやつで……叫び声を聞き付けたのかさっきの九尾の女が現れやがった。

 

「……お前どこから入った?私ですら気配を感知できなかった。そして、何をしている?事によっては身体に穴が空く事を覚悟するんだな」

「……」

「黙りだな……私の式神に手を出そうとは随分と命知らずなんだな」

「んっ……ぅ!ちょっと待ってください……!」

 

流石のオレでも危険だと判断し、弓を構えようとするとちっこい奴が、オレたちの間に入る。一触即発の状況なのに……よく出たもんだな。

 

「藍様!この人です!この人がさっき言ってた面白い人です!」

「……どういう事だ?」

 

ちっこい奴は先程までの状況を説明する。説明を受けた九尾の女は納得の表情はしておらず、警戒を解かない。当然だろうな、見ず知らずの奴がいきなり現ればオレだって警戒するからな。

 

「橙の言うことは本当なのか?」

「ああ。付け加えるとオレは森の中?山の中は分からねぇけど、道に迷っていたところをソイツと出会ったってこと」

「そうか……てっきり小さい子が好みの輩かと思っていた」

「そいつは酷いっすね。子守りは苦手なんだよ」

「藍様、どうするんですか?」

「そうだな……紫様に報告はしないとな。結界を超えてやってきたのだ……無事に済むといいな」

「そんなにやばい事を俺はしてるんすか?」

 

蘭って奴はゆっくりと頷くとオレに近づき耳打ちをする。

 

「もし、紫様からの対処を軽くして欲しければ橙の遊び相手をしてやって欲しい。これを受けてくれるのなら紫様にかけやってもいいぞ……まぁ、橙に何かあったらわかってるな?」

「子守りは苦手って言ったんすけどね……まぁ、面倒事が少しでも減るならいいっすよ」

 

子守りも面倒だが、紫様って奴からの対処が重くなる方が面倒くさい。

 

「わかった。橙、これから彼が橙の遊び相手になってくれるそうだ」

「本当ですか!?」

「ああ、本当っすよ。えっと……藍様と約束したんでね。美人との約束は破れないっすからね」

「それでは紫様に報告してくる。橙に頼んだぞ」

 

そう言うと奴は屋敷の奥へと消えていく。

2人残されたオレ達。どんな会話をしていいか悩んでると

 

「私は、橙。あの方は八雲藍様。あんたの名前はなんて言うの?」

「オレか?オレは……いいか、話しても。ロビン・フッド。ロビンでいいっすよ」

「ロビンさん!よろしくお願いしますね!」

 

〜回想終了〜

 

「橙、ロビン。おやつが出来たぞ、早く来るんだ」

「あ、はーい!おやつの後に続きだよ、ロビンさん」

「はいはい……分かりましたよ。とりあえずおやつ早く食べましょうや」

 

 

その後、橙の友達がロビンを苦しめるのは別の話

 

 

 

 




どうでしたか?
橙の設定ですが、マヨイガに住んでいることにしています。後々の話に合わせた事ですのでご了承下さい

神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?

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