「……」
「……」
地底にある地霊殿のある一室。そこで2人の少女と1人の女性がいた。
1人は、紫の髪をした少女。もう1人は同じ紫の髪を持つ目隠しをした長身の女性。そして、もう1人は困ったような表情をうかべた猫耳の少女。
「あ、あの~さとり様。いつまであたいはここに?」
「この人が言葉を返してからよ。少し待ちなさい」
「……」
さとりと呼ばれた少女と、長身の女性の間に挟まれて猫耳の少女はため息をついた。
1時間も2人は睨み合っているのだからため息が出るのも仕方ないだろう。
「てか、あたいがいる意味ないですよね!?さとり様心が読めるんですから!」
「……心が読めるのですか。それは便利な能力ですね。ならば、私の思っている事も分かりますよね」
「皮肉かしらね。勿論分かるわよ……ここをどうかにして早く切り抜けて面倒事を避けたい……でしょう?」
「正解です。分かっているのでしたら私を解放してくれませんか?私に敵意がないのは分かっているでしょう」
「それは出来ないわ。突如として現れた存在を外に出す訳にはいかないわ。地底の助けるわけではないけど、貴女の能力は厄介そうだから」
少女が見た女性の能力。それは
「貴女の石化能力がね。実際に見て見ないと分からないけど、石化されたらどんな能力者も太刀打ち出来ないわ。そんな危険な能力を持った存在を外に出しては……混乱を招くわ」
「……私にどうしろと?」
「そうね……能力を使わないと約束できるのであればいいのだけど……ね」
少女の言葉の先に付く言葉は女性にはすぐに理解出来た。
目の前ではどんな事も約束出来るが、見えなくなると約束を破る と。
それを女性は思っていたのか、少女はゆっくりと頷く。
「私に、信頼を得れば簡単よ。まぁ……出来ないと思うわ。私の信頼を得るなんてね」
少女は立ち上がると、ドアへと足を運ぶ。
「どちらへ行くのですか、さとり様」
「少し部屋で休むわ。久しぶりに頭の回転が早い人と会話したのだから疲れたわ……それにこいしも探さないとね」
少女 さとりはそう言うと部屋を出ていく。
2人残された猫耳の少女と女性。さとりと違い心が読めない少女は、相手が何を思っているのか分からない。
「……信頼を得ることが出来ないとは?確かに初対面の人間を受け入れるのは無理でしょう。しかし……あの言い分だと一生かかっても無理だと言うのに聞こえましたが」
「まぁ心が読めるってのはいい事だけじゃないって事。あんただって相手が自分の考えている事が分かったら気味悪いと思うだろう?」
「ええ、そうですね。ならば、何故貴女は彼女を信頼しているんですか?気味悪いと思っているのならば」
「あたいは元は見ての通り猫さ。動物の言葉なんて普通の奴らにはわかんないでしょ。でも、さとり様はあたい達の心を理解してくれた。理由はそれだけさ」
女性はなるほどと呟くと、何かを考えているような仕草をする。
「おや、どうしたんだい?」
「いえ……何故か放っておけないのです。無関係のはずなのですが……あの声を聞くと何故か放っておけない」
「声ねぇ……不思議なこともあるんだね。あんたからは敵意は感じないからどう動くかは任せるよ。……さとり様に手を出したらあたい達は容赦しない」
猫耳の少女はそう告げると、部屋を去ろうとする。
「待ってください。あの人の名を教えてはくれませんか?」
「名前かい?古明地さとり様さ。あ、因みにあたいは火焔猫燐。お燐って呼んでくれると嬉しいな」
お燐と名乗った少女は、廊下に出ると置いてあった手押し車のような物を押しながらどこかへ駆けて行く。
1人残された女性は、さとりを探すべく地霊殿の部屋を探し回った。
それから数十分後、やっと見つけた。
「やっと見つけました……ここですね。さとり、いますか?」
「あら、まだ居たのね」
「まだ居たとは言われましても、貴女から解放されていませんからね」
さとりは女性の言葉に、そう言えばそうねと返すと部屋に入ることを許可した。
忘れていたのだろうかと考えたが、考えが読める相手を意味が無いと思い考えることを止めた。
「懸命な判断ね。さて、何の用があってここに来たのかしら?」
「言わなくても分かるでしょう」
「それそうね。でも、口からも聞きたい時ってあるでしょう?まぁ……それは私自身が実際に聞いても苦にならない場合だけだけどね」
さとりの返答に、女性は面倒くさそうに口を開いていく。
「理由は分かりませんが、貴女の声を聞くとどうしても放っておけないのです。悲しませたくないや助けてあげたいと何故か思うのです。ですから貴女の意見を貰おうと思い、ここを訪れました」
「私の声……。そこまで誰かの心を動かせるような声だとは思ってはいないわよ。でも……嘘偽りが無いのも事実」
さとりは女性の返答にどうかしていいか困惑していた。今を逃れるための嘘であればと切に思う。
しかし、それすらない。全てが心の底から思っている事だ。
心を読める自分に対して諦めたのかは分からないが、素直に話した相手にはこちらも誠意を見せなければならない。
さとりは、そう考えていた。
「分かったわ。とりあえずは貴女の働きを見てから決めるわ。とりあえず……貴女の事を教えてくれるかしら?」
「はい。私の真名はメドゥーサ。クラスはライダーです」
「……真名?クラス?それは何かしら?」
「……サーヴァントについて知らないのですか。では、説明しましょうか」
長身の女性 メドゥーサはさとりに、自身についてのことを教える。それとついでではあるが、聖杯戦争にも教えた。
「聖杯戦争にサーヴァント。聞いたことがないわね。貴女の言った通りだとマスターの手の甲とかに令呪っていう物が浮かび上がるのよね」
「はい。ですが、さとりにはないのでマスターでは無いでしょう。しかし、私の意識が目覚めると同時に近くにいたのはさとりだけでしたので貴女以外には考えられません。普通であればですが」
「まぁ、私には聖杯なんてものに興味はないわ。叶えたい願いなんてないもの」
さとりの思いもよらない言葉にメドゥーサは驚いてしまう。その、驚きようにさとりはキョトンとしてしまう。
「驚く理由があるかしら?」
「いえ……てっきり心を読む能力を消したいと願うのかと」
「愚問ね。私の心を読める能力には誇りを持ってるわ。相手とコミュニケーションを取れないというのは厄介だけどね。まぁ、嫌われてるのだから関係ないのだけど」
「嫌われてるですか……。私も同じようなものです」
「メドゥーサ……ね。私の読んだことがある外の世界にある本では貴女のことが書かれていたわ。女神アテナによって呪いをかけられた怪物とね。怪物はどの世界でも悪者よね。私もそうだもの」
「貴女も怪物なのですか?」
「ええ、私は妖怪。覚妖怪よ」
「妖怪……日本における怪物の事ですね……お互い大変ですね」
さとりとメドゥーサはフッと笑みを浮かべ合う。
お互いに皮肉と分かっているが不快ではない。
特にメドゥーサにとっては、この声を聞いているだけで安堵するのだ。
「さて……私は執務室に戻るわ。こいしがいるかもしれないから」
「こいし?」
「私の妹よ。いつか会えたら紹介してあげる」
さとりは、そう言うと部屋を出ていく。
1人残されたメドゥーサは、霊基に刻まれた名も思い出せない紫色の髪の少女のことを思い出していた。
今回の組み合わせはアールグレイという東方の同人サークルで 古明地さとり役を、間桐桜やBBでおなじみの下屋則子さんがやっていたので、メドゥーサと組み合わせました。
もし、興味のある方は調べてみてくださいね。
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