リアルの事情により遅くなってすいませんでした
英霊カルナは、困惑していた。ここはどのなのだろう。何故こんな場所にいるのだろう。そして、何故目の前で女が倒れているのだろうと。
(見たところオレはこの者に召喚にされたというところか。寝ているにしては不自然だ。起きる気配も無い。雨の中放っておくのは些か問題がある。とりあえず、あの木の下にでも運ぶとするか)
カルナは目の前に倒れている少女を抱えると、濡れないように木を背にして寝かせてやる。そして、出来るだけ少女に雨の雫が落ちないように自分を盾にして立つ。
(しかし、ここはどこだ。オレが知っている場所では無いのが分かるが……)
それから数分後、背後から少女の声が聞こえたためカルナはそちらを振り向く。
「目が覚めたか、マスター」
「……?」
カルナは少女に問いかけるが、少女はここに意識あらずといった感じでぼんやりとしていた。
カルナは、意識が覚醒するまで待つかと思い外の景色を見ていた。
それから約2分くらい経っただろうか。カルナの後ろから声が聞こえた。
「……貴方が助けてくれたの?」
「ああ。雨の中放っておく訳にはいかなかったからな。マスター」
「マスター……?なんの事だがさっぱり分からないんだけど」
「なに……?お前はマスターではないと言うのか?目の前に最初に居たのがお前だったからそうだと思ったのだが」
「……あ、もしかしてサーヴァントってやつ?」
カルナはゆっくりと頷く。
「遂に私の所にも来たのね。女苑の所にはつい最近来てたから、羨ましいなぁ〜って思ってたの」
「既にオレ以外のサーヴァントが現界しているのか。何騎現界しているか分かるか?」
「噂とかでいいのなら……10人ほどいるって聞いたわ」
「ほう。オレの知っている聖杯戦争とは違うようだな。マスター、知っていることを話せ」
「そ、そんな風に脅す必要は無いでしょ?」
少女の言葉を聞くと、カルナは困ったような表情をする。
カルナからすれば、普段通りに問いかけたつもりであったが初対面の少女からすれば目付きの鋭い人間が厳しい言葉をかけてきたため脅それたと勘違いしてしまったのだ。
「すまない……脅したつもりはなかった。知っていることなら何でもいい。話して欲しいのだが」
「なら、初めからそう言ってほしいよ……。知っていることってのなら……サーヴァントがいる人数くらい」
「ならば、この場所について説明して欲しい。オレの知っている世界とは違う気がしてな」
「ここってことは、この」
少女が説明しようとすると、少女のお腹がくぅ〜となった。少女はそのままぐったりと座り込んでしまう。
「腹が空いているのか?」
「うん……何も食べてない……」
「そうか」
カルナはそれのたった一言を伝えると、槍をどこからか取り出すとどこかへと歩いていく。
近くには川があるため、魚でも取りに行ったのかと少女は考えた。
自分も行こうと考えたが、お腹が空いて動きたくなかった。
それから30分は経過しただろうか、カルナは一向に帰ってくる気配は無かった。
(遅い……何してるんだろ。もうお腹と背中がくっつきそう……)
少女があまりの空腹でぐったりとしているとずぶ濡れのカルナが歩いてきた。
雨だけに濡れたとは思えないほど濡れてきた。
「な、何してきたの!?」
「捕まえてきた」
カルナは、そのまま2匹の魚を少女に差し出す。
「これだけ時間がかかったのに2匹!?」
「すまない。色々あったのでな」
「そ、そう……」
カルナは話さないが、川に入ろうとしたら滑って川にずり落ちたり、魚を突こうと槍を突き刺したところ川底に刺さったりと人知れず運の無さを披露していた。
「今から火をつける。耐えろ」
カルナは、濡れていないであろう木の枝を見つけると重ねる。その重ねた木の枝に自身の手から炎を放つと火をつけていく。
そして、その周りに枝を挿した魚を焚き火の周りに置いていく。
カルナ本人は、その火が消えないように焚き火の前に立つ。
「寒くないの?」
「問題ない。お前は魚を見ていろ」
少女は頷くと、魚の焼ける様を見守る。
そして、数十分後少女の念願の魚が焼けた。
「焼けた〜♪貴方の分も焼けたわよ」
「オレはいい。食事には困らない」
「なによ〜人が空腹で死にそうなのにも関わらずあげようとしているのに〜」
人から取ってもらっていて何様だと普通であれば怒るポイントではあるが、カルナは特に嫌な顔を一切していない。少女は何故だろうと思ったが特に追求することなく魚を食べ始めていく。
「食べながらでいい。先程の事を教えてくれ」
「いいふぁよ。えっふぉ……」
ここが幻想郷という場所であり、外の世界と呼ばれる場所から忘れ去られた存在が訪れるという場所であると説明した。
にわかに信じられないと言った表情を浮べるものの何も追求をしてこない。何か気にでも障ったのか少女は少し怯えてしまう。
「う、嘘じゃないからね?」
「ああ。お前が嘘を言っているようには感じられないからな。信じよう」
「そ、そう……ありがとう」
「しかし、不思議な場所だな。オレの故郷とは違うのにやけに心が落ち着く」
「そうかな。私は昔からいるからかなぁ〜。あ、そうだ。貴方はなんて言うサーヴァントなの?」
「真名か?悪いが、早々明かすは出来ない」
「皆言ってるわよ。確か……聖杯とか令呪が無いから〜とか言ってたわね。なんの事かさっぱりだけど」
少女の言葉にカルナは、思考した。ルールが破綻した聖杯戦争が起きているのでは無いかと。
しかし、ルールが破綻していても聖杯が無いのなら争う理由が無い。ならば、真名を明かしても問題は無いのではないか。
それに、他のサーヴァントも明かしているのに自分だけが明かさないのは不公平だとカルナは考えた。
「ならば、オレも真名を明かそう。ランサー カルナ」
「カルナって言うのね。魚取ってきてくれてありがとう。あ、私は依神紫苑」
「シオンか。ところで、オレはどうすればいい。他のサーヴァント達は何をしているんだ?」
「私の知る限りだと、巫女の手伝いとか最初に出会った人の所で暮らしてるわね」
「そうか。ならば、オレはお前と過ごすのが良さそうだ。現状を教えてくれた借りを返さなければならない」
「そ、そう?なら、たくさん魚とか食材取ってきて欲しいな〜なんてね」
冗談っぽく紫苑は呟くが
「ああ、いいだろう。オレにできることならばな」
「え!?い、いいの?さっきもそうだったけど、断らないわね……?」
「オレは施しの英雄だ。お前が望む事がであればなんでもしよう。この槍を売り払い金にしろと言うのならばそれもしよう。火の番をしていろと言われればそれをしよう」
「……そうなのね。辛くないの?」
カルナは紫苑の問いかけに首を横に振る。
彼からすれば、それも良しと考えているからだ。
「そっか、ありがとうね。カルナ!」
「気にするな。オレはお前が正しいと思うから行動するだけだ」
「それでも嬉しいよ。あっ、そうだわ。今日は雨も止まないからそろそろ家に戻るけど……来るでしょ?」
「ああ、お前が良いのであればな」
「よかった……サーヴァントと言えば合わせたい人がいるんだよね」
「合わせたい……?」
「ええ、私の妹の女苑にもサーヴァントが来たのよ。確か名前は……
名前を聞いてカルナは一瞬だけ身体が震えた。
彼にとってその人物はとても因縁深いものだからだ。
「同じサーヴァントだから話が合うかなと思ってね」
「そうか、ならば話が合うことを期待しよう」
紫苑は頷くと、火を消すと小ぶりになった雨の中走っていく。
その後をカルナは追いながら
(そうか……奴がいるのか。ここでも出会うことになるとはな)
どうでしたか?書いてて、カルナってこんなキャラだったかな?と不安になりつつ書いてました。
さて、今回でしたがリクエストにあったので今話を書きました。姉妹で空いているのが九十九姉妹と依神姉妹でしたので、インド兄弟は楽器とは縁遠いイメージでしたので、依神姉妹にしました。
個人的にはカルナの施しの力で紫苑はそれなりに幸せになるんじゃないかなと考えています
神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?
-
駄目
-
良い