半年ぶりに筆が乗ったので書いてみました!
今回は武術家ということで李書文と紅美鈴です!
紅美鈴は、今日も門番をしていた。
紅美鈴は、今日も昼寝をしていた。
「すやぁぁ……咲夜さんもう食べられませんって」
門番であろう彼女は、呑気に昼寝をしていた。しかも、夢まで見ている始末。
心地よいそよ風に、暑くもなく寒くもない気温。そして、晴れ晴れとしている晴天。
昼寝をするにはピッタリだ。
そんな天気に似合わず、異様な気配が1つ。
「……誰ですか?」
「寝ていたと思ったのだがな」
「普段はない気配を感じましたからね、当然でしょう」
寝ていた美鈴は異様な気配に感ずくと、すぐに目を覚ます。
美鈴の目に映ったのは、赤い武闘着に赤い髪を結い上げた男性。何もせずとも分かる彼からの異様な気配、底知れぬ何かに美鈴は構え自体は取らずとも臨戦態勢に入る。
「寝ている小娘と思ったが……違ったか。気配を殺してはおったのだがな、お主名は何と申す?」
「……紅美鈴です。紅魔館の門番をしています」
「ほう……門番か。確かにお主のような者が門番になるのは当然だろう。硬ければ硬い門ほど壊しがいがあるというものだ。手合わせを願いたいものだ」
男性は、拳を出しながら美鈴に対して宣戦布告をする。
だが、美鈴は一切動かず目だけを男性に向けたままである。
「戦う理由が無いということか。当然か、儂との戦いの最中別の者に入られては門番のしての名が廃るか。別の機会にと思うが、次に会う際にお主が生きているという保証もなし」
男性は何かを考えたような表情をすると、壁の方に身体を向ける。
「ここの主に挨拶でもするとするか」
男性が壁に向けて拳をあげた瞬間
「かかっ……やはりタダの小娘ではなかったか!儂の拳よりも速く動くとはな」
男性の拳が壁に届くよりも先に、美鈴の拳がその拳を防いでいた。美鈴はこの男性がほんとうに壁を壊し、主を襲いに行くとは思っていない。だが、守るべき館を囲う門の壁を目の前で壊されるのは門番としての名折れである。
「館に入る際は門をお使いください。まぁ名も知らぬ貴方を、はいどうぞと通す訳にはいきません……がっ!」
そのまま美鈴は、反対側の拳で男性を殴り飛ばす。人間であれば即死とは言わないが瀕死は避けられない位の勢いで飛んでいくが美鈴が警戒するだけの存在であるが故
「ほう、いい拳だ。久方ぶりに本気でやれるな」
数メートルは飛んだと思われるが、男性は特に痛がる素振りもなく立っていた。
これには、美鈴も構えを取り迎撃態勢入る。
「簡単に死ぬなよ?紅美鈴!」
男性は地を蹴り、一瞬で美鈴との距離を詰める。そのまま一気に拳を叩き込む。並大抵の武闘家ならばやられているだろうが、美鈴はいつも風の如く動き回る相手を見ているため動揺することなく、腕を盾替わりに突き出しては後ろに飛び拳の勢いを殺す。
(儂の動きを見切ったか。踏み込みが甘かったとは言え……簡単に対処されたか。やはり、只者ではないか。
勢いを殺し、後ろに飛んだ美鈴は身体をひねりつつ着地する。
(……この力人間じゃないわね。確実に勢いは殺したはずなのに結構な痛みが来ている。妖怪の私にすら物理でダメージを与えるなんて)
美鈴は腕に走る痛みを感じるものの、動けない程でもないためそれを敵に知られぬように平静を装いつつ立ち上がる。
「かかっ!儂の拳を受けても立ち上がるか!面白い……やはり手は抜けぬな!」
「そのようですね。私も本気でいかねば……はっ!」
美鈴が虚空に向かって拳を突き出す。男性は何かの攻撃だと判断し身構える。
男性の予測通り、美鈴の突き出した拳から光の玉のような物が飛んできた。
「……魔術の類か?」
男性は眉一つ動かさず、その光の玉を拳で弾き飛ばす。
だが、美鈴にとってこの玉を防がれるのは予想の範疇であり、光の玉、もとい弾は釣りである。たった一瞬でも相手の意識を別のものに逸らさればそれでいいのだ。
(取った……!)
ある程度以上の実力を持つ武闘家にとって一瞬の意識の逸れすら命取りになる。
弾を放った後すぐさま、弾に隠れるように動きながら美鈴は男性の背後を取った。
美鈴の目に飛び込んできたのは、男性の背中ではなく
それが確認できると、常人ではできない反応速度で顔を防ぐものの、空中でバランスを崩してしまう。
そんな隙を男性、男は見逃すことは勿論無く、すかさず拳を突き出し追撃する。
「むぅん!」
「っ……ぁっ……」
突き出された拳は美鈴の腹部に命中し、そのまま彼女を吹き飛ばす。
「……」
入ったと男は確信したが、警戒を解くことはなかった。
闘志に似た異様な気配が、吹き飛ばした方から感じるからだ。いや、吹き飛ばした方ではなく、すぐそこにあった。
「はぁっ!!」
警戒は怠っていなかった。だが、気づいた時には既に目の前に脚があった。美麗で、つい見惚れてしまうような綺麗な脚。侵入者を死へと追いやる脚が。
男は何とか腕で防ぐものの、そのまま勢いよく地面に叩きつけられてしまう。
叩きつけられる寸前で見えた美鈴の目は、人ならざるものであった。
その目に男は恐れることはなかった。むしろ昂っていた。その証拠に叩きつけれたダメージなど気にする素振りはなくそのまま起き上がって見せる。
「このような血が沸るような事は久方ぶりよ!
「野蛮ですね。しかし、英霊……サーヴァントであれば追い返すではなく
そのまま2人は睨み合い、利き足に力を込める。まるですぐにでも殴りかかろうとするかのように。
その時だった。
「そこまでよ」
門の内側から声が聞こえてきた。美鈴はその声を聞くと、臨戦態勢を解く。男が声のした方に視線を向けると、美鈴が主と慕うにはとても思えないくらいの幼い少女が日傘をさして立っていた。そして、その後ろには自分と同じようなものを纏う男と銀髪の男女が立っていた。
「美鈴、門番ご苦労様。あのまま本気でやれば紅魔館が危なかった。そうよね、ヴラド?」
「うむ。サーヴァントと互角に渡り合う力を持つ者だ。どちらかの命が消えゆくまでやれば持たぬな」
「ほう……ヴラドとは。まさかルーマニアの吸血鬼がいるとはな。その少女はお主のマスターか?」
「そのようなものだ。貴様は何者だ?武術に心得があるようだが」
男はヴラドの問いかけに疑問を抱いた。何故、真名を明かさなければならないのかと。
「真名を明かすのは余裕からか?」
「否。ここでは最早ルールこそが破綻している。聖杯も無ければ令呪も無い。真名など隠すに値しないのだ」
「ほう。すまぬが詳しく聞かせてくれぬか?」
ヴラドは今の現状と、今いる場所が幻想郷という世界であること。ルールが最早ルールとして機能していないこと。
ヴラド自身にわかに信じられないことでも、説明した。
「にわかに信じ難いが……そちらにサーヴァントが3人もいる事が何よりも証拠か。些か信じるのは早計かもしれぬが、情報が無き今は信じるしかないか」
「さて、貴様の真名を明かしてもらおうか。こちらにはセイバー ベディヴィエール。姿は見えぬがバーサーカー アステリオス。そして、余はランサー ヴラド。これでフェアであろう?」
「そのようだな。儂はアサシン 李書文。今は槍がなき故アサシンを名乗らせてもらおう」
「李書文……どこかで聞いたような。あぁ、思い出したわ。外の世界で昔すごい強さを持った武闘家と言われた人ね。なるほど……美鈴と互角にやり合える理由が分かったわ」
李書文。中国の武術家にして、八極拳の門派・李氏八極拳の創始者である。
「いえ、互角ではありませんでした。僅かですが、李書文さんの方が武闘家としては強かった。サーヴァントとして本気で戦われればどうなっていたことか」
「美鈴よ、謙遜するな。主は儂に久しぶりに敗北の2文字を脳裏にちらつかせた。主の強さは本物だ、上から物を言うようだが誇れ」
李書文の言葉に美鈴は、少し照れくさそうに笑ってみせる。
「さて、李書文?これから貴方はどうするの?」
「そうさな。この幻想郷とやらを探索でもするとしよう。美鈴、気が向いたらで良い。また手合わせ願いたい。無論、今度は命の張り合いではなく鍛錬として。簡単に殺してはつまらぬからな」
「ええ、構いませんよ。私とて簡単に倒されはしませんし、簡単に死なれては困りますからね」
李書文は、美鈴の返答に静かに笑うと、身を翻し何処かへと去っていく。
その後、紅魔館の門の周りが穴だらけなり美鈴が咲夜に殺されかけるのは別の話。
「だいぶ集まってきたね。さてさて、次は何が来るのかな。私にとって美しい
白いローブに銀色の長髪の男性は楽しそうに呟いた。
どうでしたか?
久しぶりのバトルシーン故、少し緊張してしまいました。
今回李書文を幻想郷の旅にさせたのは、のんびりと門番には似合わないと思ったので今回は紅魔館に在住はさせませんでした。
時が来たら在住させてもいいかなとは思っています。
では、次回の更新をお待ちください
神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?
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駄目
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良い