東方英霊伝   作:来翔

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お久しぶりです、来翔です。
更新が遅れて申し訳ございませんでした。入院等で執筆が遅れていました。
今回は、ギルガメッシュと紫になります。ギルガメッシュを止められそうなのは、紫かなと思いこの組み合わせになりました。

では、本編をお楽しみにください


スキマ妖怪と賢王

「……」

「……」

 

八雲藍は困惑していた。

突如目の前に現れた金色の髪に赤く鋭い光を放つ目を持った男性と、自分の主人である八雲紫がお互いに顔を合わせてから無言の時間が数十分も経っているからだ。

 

「……おい、玉藻。奴は貴様と同じサーヴァントなのか?」

「ええ、そうだと思います。サーヴァント特有の気配ですし。ですが……なーんか嫌な感じなんですよねぇ……玉藻ちゃんのセンサービンビンに反応してます」

「アンタもっすか。実は俺もそんな感じなんすよね」

 

藍が小声で襖から覗いている玉藻に問いかけると、橙を静止しにきたロビンフッドが入ってきた。

 

(少なくとも……紫様なら安心だが……なんだこの圧は。玉藻もそうだが……違う別の圧を感じる)

 

藍がそう考えている間、動きがあった。

座っていた男性が立ち上がった。

 

「もう良い。我の中を見透かすような目で見られるのは癪だ」

「あら、もういいのかしら?」

「貴様のことも今我に起きてる状況も理解したからな。ここは、外の世界……即ち我がいた場所。そこから存在を忘却された存在が訪れる世界、幻想郷。であろう?ユカリよ」

 

幻想郷の事と名乗ってもいないのに紫の名前を言い当てた。流石の紫もこれには驚いたようで呆気に取られている。

玉藻はなるほどと言う表情を浮かべていた。

その表情に気づいた藍は

 

「玉藻。こいつは心か何かを読む能力でもあるのか?」

「それは無いでしょう。仮に心を読めても紫さんが心の中で自己紹介などしないでしょう。未来を視ましたね……これは」

「未来……?そんなことが可能なのか?」

「サーヴァントには千里眼を持つ人達がいます。もちろん、このサーヴァントが千里眼を持っているという確信はありませんが、考えられるのは千里眼かと。恐らく幻想郷の誰かが紫さんの名前や幻想郷(ここ)の名前を言った未来を視たと思われます」

 

藍は特に驚くような表情をせず、静かに納得の表情になる。運命を見るような存在がいるのだから未来を視る能力があっても不思議ではない。

 

「なら、貴方の真名を教えてくれるかしら?」

「本来ならば、英霊である我が真名を明かすなど言語道断ではあるが今は以下仕方ないか。心して聞くがよい、我が真名を。我の真名はギルガメッシュ。世界最古の英雄である。本来ならばアーチャーであるが、今は訳あってキャスターだ」

「へぇ、聞いた事ならあるわ。外の世界の歴史について書いてある本で貴方のことが書いてあったわ。歴史的に見ても貴方の言うとおり最古の英雄ね。でもそんな人がどうして?」

「知らん。我が知るわけがないだろう。他の者達も召喚された理由などは明らかになっている訳ではないだろう?そもそも召喚条件が成り立っておらぬのではないか?」

「確かに考えたことも無かったわね。サーヴァントの召喚条件はそのサーヴァントの逸話に基づいた聖遺物があること。でも、それらしき物は玉藻もロビン……他の所でも無かった。召喚される条件が整っていないわね」

 

ギルガメッシュはそれを聞くと立ち上がり、部屋を出ると空を見上げつつ口を開く。

 

「そもそもだ、外の世界で聖遺物が無ければ我々は召喚されん。令呪も魔法陣もない。全て条件が揃っておらん」

「ともなれば……やはり常識に囚われてはいけないということが反映されたのでしょうか」

 

藍の言葉に紫は唸る。紫も思考を巡らせていたがあまりにも情報が少なすぎる故、藍と同じような回答しか出てこない。

 

「そうね。現段階で分かるのは召喚条件云々の常識が通用しなくなってると言うしかないわね。仮にこれが事実だとすれば問題が起こるわ」

「英霊を使って悪事を働くものが出るかもしれないということですね」

 

紫は玉藻の言葉に頷いてみせる。

 

「今のところ召喚されてるサーヴァントを見ると、倫理的にしっかりとしている人達が多いし、そばに居る人たちも力を持った者達ばかり。でも、もし人里の住民が召喚してしまってソレが危険きまわりない英霊を召喚したら……」

「バーサーカークラスを引いたら大変っすね。狂化ランクが高ければ高いほど意思疎通は出来なくなる。悪事に利用もそうだが、何より令呪がない故抑止力にもなりやしねぇ。何とか抑えつけたとしてもソイツが死んじまえば首輪が外れた猛犬と同じ。人里での殺戮だって考えられる」

「それは避けないといけないわね。人里が全滅すれば幻想郷のバランスが崩れてしまうわ」

「ほう?バランスが存在していたのか。妖怪の方が多い故に家畜にしてるのかと思っていたぞ」

「妖怪というものは人間の恐怖を抱かれないと存在できないわ。貴方に分かりやすく例えるとしたら信仰心」

 

紫の言葉にギルガメッシュは鼻で笑ってみせる。

まるで嘲笑うこのように感じた。

 

「畏怖の感情を抱かられねば存在出来ぬか。それは隔離された世界で救われたと思うべきだろうか。弱肉強食と言えば聞こえはいい。だが、人間が武器を持ち妖怪を畏れなくなればどうなる。妖怪が人間に対し恐れを抱かぬようにさせればどうなるか……まぁ、どちらも有り得ぬか。貴様のような存在がいる限り人間は妖怪の家畜か」

「……少なくとも貴方はこの世界のあり方は気に食わないのかしら?」

「我の世界でない故どうでもいいわ。だが、もし仮に我が暮らすとなれば気に食わん。我より上の存在など認めぬ。まぁ……この場においては貴様の言うことを聞くしかないか。また()()に囚われるのは避けねばな」

 

ギルガメッシュが指すアレとは、紫のスキマである。

先程の無言の対話の数分前に、彼は紫のスキマに捕まったのだ。

身動きは取れたとしても辺り一面奇妙な物に覆われるのは、彼でも耐えられないようだ。

 

「まぁいいわ。貴方が幻想郷で悪さをしない限り自由にしてるといいわ。そうしない限りスキマには閉じ込めないわ。また杖を出したりしなければね」

「我の王の財宝を封じられそうになった時は驚いたぞ。少なくとも退屈はせんようだな。興味も沸いてきたわ。おい、雑種」

 

ギルガメッシュはロビンを指さす。当の本人は嫌そうに顔を顰めさせる。

 

「俺すか?」

「貴様以外に誰がいる。後ででいい、我を案内せよ。千里眼で見ただけでは実感が湧かぬからな」

「……へいへい。分かりましたよ、橙の散歩もあるんでそのついでってことになりますがねぇ」

「ついでとは気に食わんが、仕方あるまい。下手に動いで死ぬのは避けねばな」

「なら、お開きかしらね」

 

紫が立ち上がった時

 

「待て、ユカリ。貴様には残ってもらう、他の者は悪いが席を外してもらえぬか」

 

ギルガメッシュの言葉に紫を除く、4人は顔を見合わせると部屋を後にする。

部屋の外にも気配が無くなったのをギルガメッシュは感じ取ると、紫に近づいていく。

 

「貴様……()()を持っているな。先程我を奇妙な空間に閉じ込めた時に見たぞ。触れるまでには至らなかったが、あの形に帯びた魔力。まさに聖杯だ。どんなものか貴様は知っておろう?」

「願望器。手にしたものの願いを叶える願望器。幻想郷にあっては確実に混乱を招き入れる存在ね。それを手にしたら貴方がさっき言っていたことが事実になりうる。人間の中には妖怪に対して恐れを抱かない者もいるから」

「貴様が本当に幻想郷を守りたいのならば、聖杯は隠し持っていた方が良いだろう。我は聖杯ごときに願うものだとないからな。だが、他のサーヴァント共は知らん。聖杯を狙って戦闘が起これば、人間妖怪問わず死ぬ。最早バランスを保つ事など到底出来ぬ。この世界を守りたくば、貴様が持っておけ」

「ご忠告ありがとう。貴方に言われなくとも私が持つつもりだったわよ。私は幻想郷を壊させやしないわ……絶対に」

 

紫はそう言うと、立ち上がり部屋を後にする。

1人残されたギルガメッシュは

 

(この世界がどうなろうと我は知ったことではないわ。だが、仮にアレがかつて見た()()()()()ならば触らぬ方がいいだろうな)




どうでしたか?
今回のギルガメッシュは、一応キャスターとして現界してもらいました。英雄王ver.でも良かったのですが物語がギャグ調になりそうな気がしたので賢王となりました。
ただ、ギルガメッシュこんなキャラだったかなと不安でした。
まだカルナとアルジュナは構えてて貰おうかなと思っていますので次回も別のキャラの予定です。

さて、聖杯の行方は分かりましたがこれがどうなっていくのか。では、次回をお楽しみください。

神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?

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