東方英霊伝   作:来翔

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今回はヴラドとレミリアです!
では、本編!


2人の吸血鬼

紅魔館。吸血鬼が住まうとされる館。その館に1人の男が。

 

「貴方はどこから入ったのですか」

「うむ……それが分かれば苦労はせんがな。気がついたらここに居たのでな」

 

メイド服を着た女性と黒いローブを身に纏った長身の男が館の玄関で話していた。

 

「潜入者ではないようですね。敵意が感じられない」

「侵略をするつもりは無いのでな。単にここがどこかを知りたいだけだ」

「ここは紅魔館。吸血鬼であるレミリアお嬢様がおられる屋敷です」

「ほう……吸血鬼。余と同じ存在か……」

「なんとお嬢様と同じ……」

 

メイド服の女性は、男をとある部屋に案内する。

 

「お嬢様、客人をお連れにまいりました」

「ええ、通していいわよ。咲夜」

 

咲夜と呼ばれたメイドの女性は、扉を開くと男を部屋に入れる。

部屋に入った男の視界にまず最初に入ったのは、淑女ではなく幼い少女だった。

主と聞いていたことから、見た目の違いに男は驚きを隠せない。

 

「咲夜、この方は?」

「はい……」

 

メイドはお嬢様とやらに耳打ちをする。耳打ちを聞き終えたお嬢様は突如立ち上がり、男に向けて槍を出現させ、投げつける。

男は、眉一つ動かすことなくその槍を片手で受け止めると床に落とす。

 

「これはこの屋敷での挨拶なのか?だとすれば無礼極まりないな」

「それについては謝るわ。吸血鬼でこの屋敷に突如として現れたのだからね」

「ふむ……。貴様は誰だ?吸血鬼なのだったな」

「私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主よ。そして、貴方を案内したのはこの館のメイド長を受け持っている十六夜咲夜」

 

咲夜と紹介されるとメイドは、お辞儀をする。

 

「で、貴方は?」

「余はヴラド三世」

「ヴラド三世……どこかで聞いた名前ね……。咲夜聞き覚えは?」

「パチュリー様の図書館でそのような方の名前を見た覚えがあります……。あ、吸血鬼ドラキュラのモデルとされた人物ですよ。しかし、その方は遠い昔に亡くなれています」

「当然だ。余はサーヴァントなのだからな」

「サーヴァント……聞いたことがないわね」

「サーヴァントを知らないだと?ならば、余は何故ここにいる」

「それはこっちも知りたいわ」

 

このままでは埒が明かないと感じたのか、咲夜が

 

「すみません、ヴラド様。我々はサーヴァントに関して知識がありません。よろしかったらサーヴァントについての知識をお与えください」

「まぁ、良かろう」

 

ヴラドはサーヴァントについて説明する。自身が過去に存在した、英雄であると。自身が聖杯戦争という争いの為の使い魔であると。そして、その聖杯戦争には本来ならばマスターがいるべきだと。

 

「なるほど……ならば私がそのマスターってわけね」

「だが、貴様は資格たる令呪が無いだろう?」

「でも、貴方が召喚されたのは私が支配する紅魔館。ならばマスターは私であってもおかしくはないんじゃない?それに、聖杯戦争とやらは起こってないみたいだから……貴方に行き場はあるのかしら?無いのなら、私の下で動いてみない?」

「ほう……余を使うか」

「勿論、無条件じゃないわ。紅魔館へと主の許可なく入り込んでくる不届き者(ネズミ)を排除して欲しいの。後は何をしても構わないわ。貴方に与える命令はこれだけ。どうかしら?」

 

ヴラドとレミリアの間に暫しの沈黙が訪れる。

咲夜からしてみれば、レミリアのスペルカードをいとも簡単に防ぐ実力者にはレミリアの傍には置きたくない。それが、レミリアの死に繋がるかもしれないからだ。

 

その沈黙は、ヴラドの笑い声によって終わる。

 

「フハハハ。良かろう、レミリア、貴様の下で用心棒の真似事を興じよう。余の好きなようにさせてもらうぞ?」

「ええ、構わないわ。あ、でも彼女らは通していいわ」

 

レミリアは数人の顔写真をヴラドに見せる。この顔写真のメンツはレミリアが信頼している人間なため、許可が無くとも通していい事になっている。

 

「了解した。排除だけが余への命とならば、後は何をしていればいいのだ?」

「自由に過ごしていいわ。使い魔とは言っても一国の王、そうそう使えないわ。紅魔館の外を出歩くもよし、何をしてもいいわ。私のスカーレットの名に傷が付かないのならば……ね」

 

レミリアから放たれる威圧感に、ヴラドは少し圧されるが、すぐに立て直し頷く。

 

「では、失礼する。レミリア嬢」

 

ヴラドはドアを開くと部屋を後にする。残された咲夜は

 

「いいのですか、お嬢様」

「ええ、彼は裏切らないわ。私が私でいる限りはね。もしもの時は私手ずから後始末は付けるわ」

「分かりました。では、失礼します」

 

咲夜は礼をすると、ヴラドと同じく部屋を後にする。

1人残ったレミリアは、不敵な笑みを浮かべながら窓に映る外の景色を見る。

 

「というか、ヴラドってツェペシュよね。私が末裔って言えば信じたんじゃないかしら?」

 

 

ヴラドが、あまりにも手先が器用で侵入者の排除だけでなく裁縫も仕事になるのは、別の話

 




どうでしたか?
レミリアなら本気出せば、ヴラドをとめられるのではないか?と思い、このような話にしました!

神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?

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