「なーレイムー」
「なによ」
博麗神社の真っ昼間にも関わらず、モードレッドは寝転がり、霊夢も同じように寝転がっていた。
「最近人里で何か変な噂聞いたことないか?」
「どんな噂よ?」
「なんか、人里で夜になると祭り騒ぎになるらしいぜ」
「別に変でもないでしょ?妖怪騒ぎとかじゃないんでしょ」
「まぁ、そうなんだけだけどよ。でも、毎晩ってのはおかしくねぇか?うるさいし、眠れないって苦情が来てるんだ」
「別に人里の人たちの生活だからいいんじゃないの?……まさか、モードレッド。アンタ、見に行きたいって言うんじゃないでしょうね」
霊夢の言葉にモードレッドは頷く。
「なら、アンタ1人で行ってきなさい。妖怪騒ぎとかじゃ無いのならアンタでも解決出来るでしょ」
「ひーとーりーじゃーつーまーらーねぇ!」
急にまるで子供のように駄々をこねだすモードレッド。それを見た霊夢は面倒くさそうな顔を浮かべながら、これ以上広がると更に面倒くさいなと思い
「仕方ないわね……付いて行ってあげるわ」
「おー!流石はレイム!話が分かるな!」
「ただし、どうでもいい事だったら……覚悟しなさいよね」
「お、おう……」
流石のモードレッドでも彼女の気迫に押されて頷くことしか出来なかった。
〜そして、夜に〜
「よし、そろそろ行こうぜ」
「そうね……ふぁぁ……眠い」
「あれほど昼間寝ておけって言ったろ?」
「あんたが騒ぐから寝れなかったんでしょ……全く」
霊夢はぶつぶつと悪態をつくと、重い腰を上げ神社を後にする。
「さてと……なにか情報くらい持ってるでしょ?」
「昼間言った通り、騒音とかの苦情しかないぞ。俺も一応聞いてみたけど、そいつら夜にしか現れねぇみたいでよ」
「夜だけ……か。付いてきて正解だったかもしれないわ」
「妖怪案件なのか?」
「ええ、今まで人間に被害が少ないのが疑問だけどね」
霊夢とモードレッドが話しながら歩いていると、人里に着いた。
着いて早々、奥の方から人のざわめく声となにかが聞こえた。歌のような騒音のような。
「う、うるさいわね……てか、よく今まで聞こえなかったわね……」
「お前の家が遠いからだろ」
騒音には霊夢はおろか、人よりも頑丈だと言っていたモードレッド本人も辛そうな顔をしている。それほどまで、この騒音が苦しいのだ。もっと辛いのは、人里の住民だが。
「……さっさと解決して帰るわよ」
「おう」
霊夢とモードレッドは、この不快な状況を打開するために音の発生源に足を運ぶ。
そして、2人は衝撃の光景を目にすることになる。
「……おい、レイム。アレなんだ!?」
「1人は見覚えがある。でも……もう1人は誰?」
2人の目に映ったのは、ステージらしき台の上で羽が生えた少女と尻尾のようなものが生えた少女がデュエットを組んで歌っている光景だった。
それだけならよかった。問題はその歌にあった。
尻尾の少女の歌声があまりにも大きすぎて騒音と化していた事だ。
「う、うるせぇ!レイム、さっさとコイツを止めるぞ」
「そうね、そこの2人!さっさと止めなさい!迷惑なのよ!」
霊夢はステージに近づき、大声で怒鳴るが騒音のせいで聞こえていない。
「仕方ねぇな……」
埒が明かないと感じたモードレッドはステージに近づくなり、ステージを思い切り蹴る。
「きゃっ!?な、なに!?」
「誰よ、私達のライブを止めたのは!」
「ようやくね……ミスティア。どういうつもり?」
「れ、霊夢さん……」
ミスティアと呼ばれた羽の少女は霊夢の顔を見るなり、逃げ出そうとするが霊夢に服を捕まれ、逃げられない。
「おい、お前。痛い目にあいたくなかったら俺達に着いてこい」
「何様のつもりなのよ!」
「別に俺はいいんだぜ?お前がサーヴァントなのは分かってるからな」
サーヴァントと聞いて、霊夢は尻尾の少女を睨みつける。睨みつけられた少女は、嫌な予感がしたため従うことにした。
〜人里外れの場所〜
「で、何の用?」
「お前達がうるさいって苦情が来てんだ」
「それは嘘ね。私の美麗な歌声で皆とろけているのよ」
「こいつに聞いても意味はなさそうね。ミスティア、なんでアンタはこいつとつるんでるの?」
「それは……」
〜今から数日前〜
「よし、今日はこの位にしよう。新しい歌作ってみたけど、なんか……」
羽の少女。ミスティア・ローレライが夜の森で歌の練習を終えると、何やら茂みに動く音が。
「誰?」
「……」
茂みから出てきたのは、ピンク色の髪に尻尾のようなものが生えた少女。
何かの妖怪かなと思い、ミスティアは身構えるが
「最っっ高よ!アンタと私の歌声が交われば最高のライブが出来るわ!どうかしら、私とデュエット組まない?」
「い、いきなりなんですか……。誰なんですか、あなたは」
「私?私はサーヴァント界のアイドル。エリザベート・バートリーよ!」
「サーヴァント?」
「あ、しまった……」
エリザベートと名乗った少女は、口を手で覆うが既に聞かれた事なためすぐに離した。
「私の名前は絶対に言わないこといいわよ?言った瞬間……アンタの血は全て吸わせてもらうわ」
「は、はい……」
ミスティアは涙目で頷きながら、迫り来るエリザベートに頷いてみせる。
「で、どうなのかしら。私と組むつもりは無い?」
「私は別にデュエットでもいいけど……あなたの歌を知らないし……」
「なら、歌えばいいのね。お易い御用よ!」
ミスティアは後悔した。すぐに頷くなり、歌を知らないと言わなければよかったと。
「ぼぇぇえ〜!!!♪」
「……!?」
あまりの騒音にミスティアは、耳を塞ぐ前に倒れてしまう。
「ふぅ、どうかしら?……あら、あまりにも美声過ぎて気を失ったのね。これなら、大丈夫そうね!」
「〜ってことがあって気づいたらエリザベートとデュエットを組むハメに」
「……やっぱりサーヴァントだったか。エリザベート・バートリー。お前はなんのクラスだ。俺はセイバー。真名をモードレッド」
「なんで簡単に真名を言うのよ!?」
「お前も気づいてるだろ?おかしいってことは」
「確かにミスティアには令呪は見えないし……もしかして私は聖杯もないのに呼ばれたってこと?」
エリザベートの言葉に頷くモードレッド。
「なら……ミスティア!これからは宣伝もして人を集めるわよ!エリザベートとミスティアのタッグだとね!」
「……勝手に話を進めない。やってもいいけど人様に迷惑かけないで。やるなら魔法の森付近でお願い」
「おい、いいのか?そこにはマリサって奴がいるんじゃ」
「いいのよ、私や人里の人達に迷惑かけなければいいのよ」
「そ、そうか……」
「いい?ミスティアにエリザベート。次人里でやったら……分かるわよね?」
笑顔の霊夢にミスティアとエリザベートは悪寒を感じ、大人しく従うことにした。
エリザベートからすれば歌えればどこでもいいのだが、ミスティアは何も言うことが出来ず、進む物事に絶望していた。
「よーし、なら行くわよ!ミスティア!」
「う、うん……分かったよ。エリザベート」
その後、魔理沙から霊夢が殴られるのは別の話。そして、そこにとある妖怪が合流することで魔理沙が苦しむのも別の話。
神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?
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駄目
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良い