東方英霊伝   作:来翔

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今回は慧音とケイローンです


知識と歴史の半獣とケンタウロスの大賢者

事は突然起きた。寺子屋を終え、夜道を歩いていたら見知らぬ男性と出会った。

何やら困った様子で話しかけてくる。

 

「すみません、ここがどこか分かりますか?見知らぬ土地で迷ってしまいまして」

「ここは人里だが……見ない顔だな。別の里から来たのか?」

「いえ、目が覚めたらここにいました。貴女が来るまで長い時間ここにいました。遠くから歩いていくる貴女が見えたので声をかけさせていただきました」

 

怪しさ満点と言った男性。しかし、紳士そうな振る舞いをする男に私は少しだけ信じても大丈夫だろうかと思った。

 

「よかったら貴方の名前を教えて欲しい。知っている者がいるかもしれない」

「名前……ですか……」

 

何やらバツが悪そうな顔だな。

 

「名前を知られたくないのなら別に構わないが、なにか愛称でも」

「いえ、貴女ならば大丈夫でしょう。私はケイローンと申します」

「ケイローン……?どこかで聞いたような……気の所為か」

 

あの本屋から借りた本でケイローンの名前を見たような気がする。外の世界の本なのは分かっているが……もしかして

 

「なぁ、貴方は」

「おっと……積もる話はここではなんです。場所を変えましょう」

「そ、そうだな。しばらく私の家で過ごすといい。貴方のような人なら問題も無さそうだ」

「これは……随分と信頼されていますね」

 

当然だ。この男性の雰囲気から不埒な気配はない。何かあったら吹き飛ばす準備はしておくが。

 

「さて、ケイローンと言ったな、貴方は」

「はい、そうです」

「ケイローンと言えば……私の記憶が正しければ外の世界の神話で出ていたな。そのケイローン本人ということか?」

「はい、ケンタウロスのケイローンです。驚かないのですか?」

「子供達なら驚くかもしれんな。だが、吸血鬼や外来の神が居たりする世界だ。驚くことは無い」

「なるほど……だからこの世界は魔力で満ちているのですね。それに、とても空気が澄んでいる。……と、すいません。貴女の名前を聞いていませんでしたね」

「そう言えば言ってなかったな。私は上白沢慧音。寺子屋で子供たちに勉強を教えている」

「なんとそれは素晴らしい。私も教師ということではないですが、教鞭をとったことはあります。そうだ、もし貴女の迷惑で無ければ、寝る場所で困っていたところを泊めてもらった礼ということで手伝わせてくれませんか?」

 

ケイローンの言葉に思わず、目を丸くしてしまった。確かに清冽な人物であるから不埒は行為は子供たちにもしないだろう。

しかし、子供たちはどうなるか分からない。特に()()()()は受け入れてくれるだろうか。

だが、折角の好意を踏みにじる事は出来ないな。

 

「わかった。子供たちが授業に集中出来なくなったら出ていって貰うからな」

「ええ、分かりました。邪魔にならないように努めます」

 

その後、私達は雑談をしながら食事をとり眠りについた。

この時気づかなかったが、ケイローンは寝ずにずっと私の事を見守ってくれていた。

 

 

〜翌日の寺子屋〜

 

「さて、今日は皆に新しい先生を紹介しよう。ケイローン先生だ」

「はい、よろしくお願いします」

 

やはりというか、子供たちはざわめきを隠せない。なにか予定がある時は前日のうちに伝えておくが、今回は急だったため仕方ないと思える。

 

「静かに。ケイローン先生は、私のサポートをしてもらう副担任として居てもらうので何かわからない事があったらケイローン先生に聞いてもいいぞ」

「はーい!」

 

授業を行っていて、子供たちはケイローンにも質問を投げかける。そればかりか、休憩時間になると最初こそは戸惑っていたが、今では打ち解けて一緒に遊んでいる。

ケイローンは、ケイローンで分からない子供たちには答えは教えずに、とても分かりやすいように説明している。教鞭をとっているということだけはある。

 

〜夕方〜

 

「よーし、今日はここまでだ。皆、寄り道せずに帰るんだぞー」

「はーい、さようならー慧音先生、ケイローン先生ー!」

 

子供たちに手を振り返しつつ、見えなくなると再び教室に足を運び、夜の授業の準備をしていると不思議そうな顔でケイローンが私を見ていた。

 

「どうしたんだ?」

「いえ、子供たちは帰ったのに何をするのかなと思いまして」

「そう言えば言ってなかったか。昼間は人間の子供たち。夜は妖怪達に授業を教えているんだ」

「人間と妖怪で合同にはしないのですね」

「ああ、ここに来る妖怪の奴らは、人里の人間を襲わないというルールに則り人間には手を出さないが、本来は妖怪は怖いものだと子供たちに教えねばならないからな。ルールを守らない妖怪によって命を落とした人間はいくらもいるからな」

「なるほど……確かにその事を教えるのは大切ですね。油断大敵と言いますし。ところで、今回の私はどうでしたか?」

「とても助かったよ。子供たちも貴方に打ち解けていたしな。夜も明日も貴方が良かったら手伝って欲しい。もちろん、帰る手段が見つかるまでいい」

「ええ、もちろんです。慧音」

 

優しく微笑む顔に私も釣られて微笑んでしまう。

 

 

 

その後、ケイローンと慧音のダブル教師によってとある妖精が苦しむのは別の話

 

 

 

 

 

 




少し変になりました……。
ケイローンのキャラが合ってるか不安……

リクエスト等は感想欄ではなく活動報告に募っておりますので、そこでリクエストをしてくれるとありがたいです

神霊系や誰かを依代としたサーヴァントは出した方がいい?

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