新・小さな提督と艦娘日和   作:SAMICO

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恵奈がまた面倒事を持ってきた。

とうとうへっぽこーずが6人揃った!
そしてレジェンドが……(涙)


エラー艦再び―時雨―

朝イチで輸送艇でやって来た、大村技術大尉改め少佐。

丁度、早朝のランニングを終えて帰って来たへっぽこーずが、軍港にやって来たところで出くわした。

今の時間、0530(マルゴーサンマル)

「あれ、大村大尉っぴょん?」

「うーちゃん、少佐に昇進したからね?」

「わぁぁ、恵奈さんだぁ!!おはようございます!」

「おはようございます」

「おはよう」

それぞれ声を掛けるへっぽこーず(『卯月』『吹雪』『那珂』『瑞鶴』『三笠』)

「おはようございます。司令官(ミクちゃん)はまだ寝てますか?」

「おそらく………」

答える『吹雪』に、恵奈は頷く。

「まあ、まだ起床時間前ですからねえ」

「少佐ぁ。これ運び出していいですか?」

輸送艇の船倉から、ハンドリフトでパレットに積んである荷物を運び出す『夕張』が声を掛けると、

「はい。埠頭に降ろしちゃってください」

恵奈かそう答えると、『夕張』は荷物をハンドリフトで下ろす。

この『夕張』は、所謂エラー艦(異常艦娘)で、海に浮かぶことが出来ない。

その代わり、工廠妖精さんと仲が良く、兵装開発能力も高いので、恵奈が()()()()()()()()、側に置いているのだ。

「お、おはようさん」

青ヶ島一周ランの後の、シャトルランを終えてやって来るレジェンド(結有)

「あ、おはようございます。結有さん」

恵奈が頭を下げると、『卯月』は『夕張』の降ろした荷物が気になるようで、

「この荷物は何だっぴょん?」

「これはですね、()()()()()()なんですよ。()()()

恵奈が答えると、結有が

「時雨ねぇ……」

と、感慨深そうに口にする結有。彼女(結有)の母は時雨なのだ。

「今度はどんなエラーなんですか?」

『吹雪』の質問に、恵奈は少し困ったような笑みを浮かべる。

「それがですね、適合者無し。なんですよ」

「それじゃあ、解体すれば良いんじゃないの?」

恵奈の答えに、尤もらしい突っ込みを入れる『瑞鶴』に、

「良い質問ですね」

と笑みを向けてから、結有の方に向き直った。

「ふと思い出したんですよ、智紀さんの言葉を。『結有さんはAll-Gatherd(時雨の集合体)だから』と」

「ああ、私に着けてみて、駄目なら解体する、ってことね。だから勤務(仕事)外の早朝に?」

結有の言葉に、恵奈がコクリと頷くと、結有は苦笑いを浮かべる。

「まさかぁ。いくら私がAll-Gatherd(時雨の集合体)だからって、そんな艤装が適合する訳……」

その瞬間だった、『夕張』が蓋を開けると、中身の時雨の艤装が()()()()()()のだ。

「あれ?」

結有がそれを見た直後、結有の体も光に包まれた。

「え、ちょ……うわああああ!?」

その光が収まって、全員が目にしたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()だった。

今も身に付けている時雨の遺品(髪飾り)が、それを物語っている。

「結有……さんですか?」

「あれ?ここは……?()、中部警備府にいた筈なんだけど……あれ、()()?どうしたの?」

「うわちゃああ!?()()()()()()()()()()()()()()!?すぐに解体しますね!」

恵奈は、慌てて艤装解体ツールを取り出して解体ボタンを押すも、反応しない。

「不味い、解体不可……って出てる……」

()()()()、というエラーメッセージに、さぁぁっと顔が青くなる恵奈。

「ミクちゃん提督を呼んでくるっぴょん!」

『卯月』が慌てて庁舎に走って行く。

司令官執務室は、何時も施錠されておらず、『卯月』が扉を開けると、部屋の主は隣室の司令官私室で眠っているようで、誰もいない。

「こうなったら、これで開けるぴょん!」

『卯月』は、腰に着けている護身用拳銃(18式12.7㎜自動拳銃改ニ)でドアの鍵穴に向けて、バンバン!と発砲して鍵を破壊し、扉を体当たりでぶち開けると、

布団が床に落ちている状態で、海来はベッドの上でマッパ(全裸)で大の字で眠っていた。

因みに、()()()()()()()()()()である。

「うぴょおおおおおおおおおおおおおおおおおん!?」

()()()()()ということを知らない『卯月』の悲鳴が、庁舎内に響き渡った。

「何事だ!?」

「何!?」

「ううん……何ですか、騒々しい……」

銃声が聞こえた英太郎と紀子が、慌ててやって来る。そして海来も、眠そうな目を擦りながら起き上がる。

『卯月』が、「片桐中佐は駄目だっぴょん!」と言おうとした時には遅かった。

「!?!?!?」

「……あぁ……」

「ミクちゃん提督が……すっぽんぽんだぴょん!()()()()()()()ぴょん!」

目に飛び込んだその光景に、鼻血を出す英太郎に、()()()()()()なので冷静な紀子、そしてパニックになってる『卯月』。

「朝っぱらから何……を……」

入り口に立っている三人、特に()()()()()()()()()()を目にした海来は、自身の姿を確認する。

昨日は、お風呂から出てそのまま寝ちゃったことを思い出し……

「き……きゃあああああああああ!!!!!!!!」

今度は海来の悲鳴が、庁舎内に響き渡った。

 

 

「という訳で、海来はいつも裸で寝てるのよ」

「うう……もうお嫁に行けない……」

『卯月』に説明している紀子に、再び裸体を見られたことに落ち込んでる海来。

もちろん、服はちゃんと着込んだ。

「小官なら、()()()()()()()()()ですな」

等と、意味不明の言葉を宣っている、()()()()()()()()()()()()()()()()英太郎。

「で、何が起こったの?うーちゃん?」

この中で、一番冷静な紀子が『卯月』に訊くと、

「そうだっぴょん。レジェンド(結有さん)が、()()になっちゃったぴょん!」

「「「はい!?」」」

 

『卯月』と海来達が、慌てて軍港まで出て来ると、漸く『時雨』(結有)は『吹雪(第四世代)』と吹雪(自分の嫁)が別人だ、と理解してくれていた。

「結有さん!?」

「あ、おはようございます、()()()

慌てて声を掛ける海来に、挨拶をする『時雨』(結有)

「どういうことなの……?」

頭を抱える海来だった。

 

数十分後。

立ち話も何なので、と司令官執務室のダイニングテーブルに、『夕張』以外一同集合して、

お茶を飲みながら、『時雨』(結有)に色々話を聞くことにした。

もちろん、皆の前には小さいアイス。『三笠』の前には2Lアイスも出されている。

時雨との会話と、海来が()()()()()()()に持っている湊の記憶から推測するに、

結有の記憶は、名古屋のスーパーガール事件(旧豊橋泊地跡での大立ち回り)から封印されていることが判った。

「いやあ、なんと言ったら良いか………」

恵奈は、困り切った顔で頭を抱えている。『夕張』は工廠で、メンテナンスモードで取り外した『時雨』(結有)の艤装を色々調べている。

「あの、ミクちゃん提督?」

『時雨』(結有)が、頭を抱えている海来に声を掛ける。

「はい、何ですか?」

()の艤装が何とかなるまで、艦隊に入るってことは……?」

「うーん……どうなんでしょう?少佐」

海来が、恵奈に意見を求めると、

「確かに、()()()()()()()()()()()()()()()()()なんですが……こればっかりはやってみないことには……」

「片桐中佐はどうですか?」

両鼻にティッシュを突っ込んだ、間抜けな姿の英太郎にも、海来は意見を求めた。

「小官は、中佐の技量を鑑みるに、解体方法が見つかるまでは運用に入れてもいい、と思いますな」

その言葉に、艦娘達を見回すと、

「私もそれには賛成です」

「レジェンドなら、マジレジェンドに強いと思うっぴょん」

「『那珂』ちゃんの見せ場が減るのは嫌だけどぉ、あの軽空母やっつけれるかも?」

「そうね。解体方法が見つかったら、改めて考えましょう」

「アイスがもう無いぞ!」

艦娘達は、それぞれの反応を見せる。

「アイスは一日八リットル+ご褒美までって決めたでしょ。昼とおやつと夜のアイスのどれかが無くなってもいいの?」

「そ、それは困るのだ」

紀子が、アイスをねだる『三笠』を諌めると、素直におねだりを止める。

「いい子ね」

素直に言うことを聞く、『三笠』の頭を撫でる。

「わかりました。では艦隊に入れて運用しましょう。『三笠』も、もう一度艦隊に入れて出撃させましょう」

「おお、漸く()()()()()()()がやって来るのか!?」

ドンッとテーブルに手を衝いて、椅子の上に立ち上がる『三笠』。

「うーちゃんに当てちゃヤダぴょん」

「あ、当てないのだ!今度は大丈夫なのだ!」

ジト目で見る『卯月』に、涙目になる『三笠』。

その様子に、一同はどっと笑った。

 

朝食の後、艦娘達は出撃した。

「海の滑り方は大丈夫?」

心配する『瑞鶴』に、『時雨』(結有)は、

「滑り方なら大丈夫です。何となく体が覚えてる、というか……」

と笑顔を見せる。

「それならバッチリね。今日は、西の方の軽巡部隊を潰しに行きましょう」

『はーい!』

「私の実力を、()()()()見せるのだ!」

胸を張る、()()旗艦の『三笠』。そして、不安そうな『卯月』と『吹雪』。

「索敵機から連絡、敵よ」

索敵に出した艦戦が戻って来る頃には、敵もこっちへ向かって来ており、戦闘態勢に入る。

敵は、軽巡3駆逐3の六隻である。

「それじゃあまず、焼き払うわね」

『瑞鶴』の発艦させる艦爆が、空からの爆撃で敵艦隊を焼き払うと、駆逐イ級が一隻沈んで行く。

「それじゃあ、いきま……」

『時雨』(結有)が砲撃をしようとした時に、「WeaponError」と言うシステムメッセージ音が響き渡った。

「あれ?」

「……武装が使えないって……こと?」

首を傾げる『時雨』(結有)に、『瑞鶴』は呆然となった。

そのメッセージは、艦娘学校で習う内容なのだ。武装が壊れていて使えない、という。

「……とにかく、飛び込んで砲撃するぴょん!」

「『吹雪』!突っ込みます!」

「『那珂』ちゃんも行くよー!」

「あ、僕も突っ込みます!蹴りで沈められるかも知れない」

「え、ちょ……」

『瑞鶴』が止める間もなく、前衛部隊と『時雨』(結有)が、前進して行ってしまう。

「では、わたしも撃つぞ。主砲斉射ぁ!」

 

ズドーン!ズドーン!ズドーン!

軽巡を狙った砲弾は、3分の1が命中して、軽巡が海に沈んで行く。今までオール・オア・ナッシングだったのが、練度が低いなりに()()()()()()()のだ。

「でぇぃやぁぁぁ!!!」

真っ先に敵艦隊とエンゲージした『時雨』(結有)が、腰の入った踵落としをお見舞いすると、食らった駆逐イ級は二度と浮かんでは来なかった。

「うーちゃん達も行くっぴょん!」

「「おー!」」

『卯月』と『那珂』と『吹雪』も、魚雷を発射してアシストする。

最後に、『瑞鶴』の爆撃と『三笠』の斉射で、敵の攻撃を殆ど受けることなく、全滅させることに成功したのだ。

 

泊地に帰還した面々は、『時雨』(結有)の武装エラーについて報告するも、結局は恵奈にも原因が解らなかった。

工廠長妖精さん曰く、「()()()()()()()だろう」という話だった。

そして恵奈が、「『三笠』の特異点と打ち消し合って、武装が使えなくなっているのではないか?」という仮説を口にすると、海来も、

「あれだけ()()()()()()()()()()だったのが普通に戻ったのなら、それしか考えられないですね」

溜め息と共に、そう答える。

 

「取り敢えず、本部長には私から報告しておきますので、泊地は通常業務をお願いします」

そう言って帰って行く恵奈を見送りながら、海来は頭痛がする思いだった。

「ミクちゃん提督、どうしたの?」

一緒に恵奈を見送った『時雨』(結有)が首を傾げると、海来は首を横に振った。

「ううん、大丈夫ですよ。どっちで呼べばいいですか?」

「うーん……何でかわからないけど、『時雨』(結有)って呼んで欲しいな?」

「わかりました、『時雨』(結有)さん。これからも宜しくお願いします」

「はい!」

 

こうして、へっぽこーずに六人目が誕生した。

 




片桐中佐マジラッキースケベ


Tips《時雨の艤装》
内蔵装備がすべて使用不能になっていますので、
近接格闘のみしか行なえません。


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