新・小さな提督と艦娘日和   作:SAMICO

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今回と次回はシリアス回です。

海来ちゃん提督がさらわれた。
その結果英太郎が立ち上がる。


硫黄島の死闘(前編)

深夜、英太郎と海来は青ヶ島食堂からの帰り、今日も二人で歩いていた。

最近は、『艦これ』を青ヶ島食堂で閉店時間になるまでやって(プレイして)いるのが常である。

島民(村民)達も、夜遅くまでやっているこの食堂(青ヶ島食堂)を、()()()()()()利用していて、

漁師のおっちゃん達も、艦これを始めていたのだ。

「今日も楽しかったですね?」

「そうだな」

 

歩いている先に、()()()()が見えた。

「DSキラーダナ?」

その()()から、深海棲艦だ、と気付いた海来は、DSキラー化して英太郎を突き飛ばす。

「下がってて!」

「うわっ!?」

英太郎は、尻餅を着いた。

 

DSキラーが、先にデスサイズを現出させると、謎の深海棲艦はソードを現出させて受け止める。

「ぐぐっ……押し負ける……!」

「ヨワッテイルヨウダナ………」

「片桐中佐!すぐに皆を呼んで来て!」

「わ、わかった!」

すぐに立ち上がると、英太郎は庁舎へ走って行った。

 

英太郎が走り去った後も、剣戟は続いていた。

「ドウシタ!?イキガアガッテイルノカ!?」

「はぁ……はぁ……!」

だが次第に、()()()()()()()DSキラーの息が上がって行き……

足が止まった瞬間だった。

「うぐっ!」

腹部に、ボディブローを入れられると、海来はガクッと力が抜け倒れた。

「ツレテユクゾ」

気を失った海来を肩に乗せると、謎の深海棲艦は海を渡って行った。

 

 

『卯月』と『吹雪』を連れて、そこに戻ってきた時には、もう誰もいなかった……

「少佐がいないぴょん!」

「連れて行かれた!?」

「判らん。謎の深海棲艦が襲い掛かったところまでしか見ていないが……」

ポケットからスマホを取り出すと、発信機のGPS信号を読み取る。凄い勢いで、()()()へと向かっているようだった。

英太郎は直ぐ様、第12泊地(御蔵島泊地)と工廠部に連絡を取った。

 

その日の未明……

遠征中止命令で帰還して来た『天龍』達も交えて、対策会議が開かれた。

司令官がいなくなった……その事実に皆、動揺を隠せなかった。

「まさか、司令官が裏切……」

『天龍』の言葉に、『卯月』が噛み付く。

「ミクちゃん提督は、そんな人じゃないぴょん!」

「でも、もともと深海棲艦だったんだろ?オレ達を助けてくれたのは感謝してるが……」

ドンッ!

『時雨』(結有)がテーブルを叩くと、

「うるさい!『天龍』も『卯月』もやめないか!?」

「んだと?」

「何だぴょん!?」

そう怒鳴ると、三人で睨み合う。

 

「お前達、いい加減にしろ!」

英太郎がカミナリを落とすと、ふう、と息を吐いて続ける。

「今はそんな場合か?高梨少佐が裏切る、なんてことは、()()()()()()()()()()。高梨少佐の居場所は解っている。硫黄島だ。万一のことを考え、発信機を用意して取り付けていた」

()()()()()()()()()()()()()が、ここは強引に万一の為、と主張する。

「司令官代行は私が務める。反対の者は必要ない、()()()()()()()()()が良い」

『………』

無言だが、席を立つ者は誰もいなかった。

「変則的だが、連合艦隊編成を行う。『天龍』と『卯月』を入れ替えて、()()()()()()()()()()()()で、出現して来る敵を攻撃する。だが、無理はするな。今第十艦隊も北硫黄島攻撃を行っている。私もレジェンド(結有)用汎用艤装で出撃して、陣頭指揮を執る。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。頼む!」

深々と頭を下げる英太郎に、艦娘達も、

『はい!』

と、返事をして立ち上がった。

 

青ヶ島軍港では物々しい雰囲気の中、準備が進められていた。

青ヶ島の人々も、心配そうに集まって来ている。

「さっきはすまんかったな。動揺して、言い過ぎたぜ」

『天龍』が申し訳なさそうに声を掛ける。

「分かってくれれば良いぴょん」

「僕もごめん。つい、カッとなって」

『卯月』と『時雨』(結有)も、『天龍』に笑みを向ける。

「お姫様を救いに行かなきゃな?オレ達を助けてくれたように」

「そうね」

「なのです」

『天龍』の言葉に、『雷』と『電』も同意する。

 

「提督代行、航空部隊はどう調整するの?」

『瑞鶴』が問い掛けると、英太郎は腕を組んで考え込む。

「戦闘機多めで頼む。制空権を取らねば、勝ち目はない」

「了解したわ」

 

「お待たせしましたー!!」

ローターの音が聞こえて、軍港ヘリポートに輸送ヘリが降り立つと、恵奈の声が聞こえる。

「掻き集められるだけの、対空装備は持って来ました」

「おお、ありがたい!」

英太郎は、直ぐ様工廠部に連絡して、ありったけの対空砲を持ち出してもらったのだ。

「あくまでも、()()()()()()()()()ですからね?」

「分かっている」

恵奈の念押しに、英太郎は頷いた。

「よし。『卯月』と『雷』と『電』は、対空装備ガン積みだ。()()()()()()()()、敵機を墜とすんだ」

「了解しました。妖精さん、大急ぎで仕上げるよ」

『あいあいまむ!』

英太郎は恵奈に指示を出すと、メンテナンスモードで工廠に置いてある艤装の装備転換作業に入る。

 

「高天原二等兵は、ここの留守番を頼む」

「はい。海来をお願いします」

ビシッと、背筋を正して敬礼する紀子の頭を、ポンと撫でる。

「大丈夫だ。()()()()()()()()、少佐は連れて帰る」

「……駄目です。中佐も生きて帰って来てください。()()()()()()()、なんて有り得ません」

「……そうだな」

英太郎が頷くと、通信機から舞い込んで来る、

『第十二・十一連合艦隊、これより出撃します』

黒井少佐の通信である。現在()()()()()で、両泊地の司令官を兼任している。

「おお、黒井くん。申し訳ない」

『高梨少佐には借りがある、と言ったでしょう?』

「済まない。()()()()()()()()()、私の奢りで新宿で飲もう」

『いいですねえ。でも、()()()()()()()()()()()()

その言葉に、フフッと笑うと、

「了解だ。こちらも、準備を急がせる」

『それでは、お互いご武運を』

 

「装備転換はまだか!?」

「はい。今終わりました!」

恵奈の声が返って来ると、『卯月』達が装備を転換して対空仕様になった駆逐艦艤装を受け取り、身に着けて海へと降り立つ。

「よし、私も汎用艤装を身に着ける。装着を頼む」

「はい!」

恵奈の手伝いの下、レジェンド(結有)専用汎用艤装を装着すると、英太郎も海に降り立つ。

通信機から、ヘッドセットにコードを繋いで、沖合で待機している艦娘達の方へ向かう。

「中佐、大丈夫ぴょん?」

英太郎は、心配そうに見上げる『卯月』の頭を優しく撫でる。

「うむ、汎用艤装は()()()()()()()()()だからな。これでも、私は首席だ」

「中佐なら安心だぴょん」

『卯月』は、その言葉に笑みを向ける。

「この間の一件の礼を、せねばならんしな」

最後の言葉は()()()()()()、前を向いた。

 

「では、高梨少佐を救出に向かうぞ!声上げろ!」

『おー!』

艦娘達が、次々と発進していく。

「親父、()()()()()()()()んだ。俺は()()()()()()()()()()……()()()()()()()()()んだ」

それを確認して、英太郎も一番うしろから海を滑っていく。

こうして、今回の戦争が始まって以来、()()()()()()()()()()()が始まったのだった。

 

 

その頃、硫黄島では、()()()()()()に縛られていた海来が、目を覚ます。

「う……ここは……?」

「メヲサマシタカ………」

謎の深海棲艦は、()()()姿()をしていた。

「まさか?第三世代艤装計画の……!?」

「ソウ、ダイサンセダイギソウケイカクノ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……私に何をしろ、と言うんです?」

「イッショニセカイヲホロボス」

「……嫌だと言ったら?」

キッと睨み付けながら言う海来に、()()()姿()()()()()()はニタァっと笑った。

()()()()()、テツダワセル」

「うっ……あぁぁぁ………」

初雪の姿の深海棲艦が()()()()()()()、海来はDSキラーに変貌していた……

今までの()()()()ではなく、()()()()()()()()()()の……

 

夜が明け、朝焼けの中北硫黄島では、第十艦隊の『叢雲』達が、戦闘を開始していた。

そして、第13泊地連合艦隊の行く先にも、輪形陣を取った軽空母艦隊が待ち構えていた。

へっぽこーず初期組三人には、()()()宿()()である。

「今度こそ、こてんぱんにしてやるぴょん!」

「うんっ!」

「『那珂』ちゃんも頑張るんだから!」

へっぽこーず初期組三人も、息巻いている。

 

「艦載機発進するわよ!」

『瑞鶴』が弓を番えて構えると、順次発進させて行く。

戦闘機同士がドッグファイトを繰り広げ、擦り抜けた爆撃機が爆弾の雨を降らせる。

こちらに飛んできた敵艦載機は、『雷』・『電』・『卯月』の防空隊に撃ち墜とされる。

何機か残ったものの、本隊の対空射撃で全滅する。

 

英太郎は爆風を受けたが、アクティブクロークで破片を弾いていく。

「砲雷撃戦始めェ!!」

英太郎の号令により、まずは『三笠』が三連主砲を発射する。

「斉射だー!」

戦艦・軽巡・駆逐主砲は、それぞれ敵艦へと飛んで行く。

軽巡が、軽空母を庇って沈んで行く。

「水雷隊突撃!」

英太郎の更なる号令により、本隊から分離して『那珂』と『吹雪』と『時雨』(結有)が、全速で距離を詰める。

「魚雷発射!」

『那珂』の号令により、『吹雪』と『那珂』が魚雷を発射する中、『時雨』(結有)は一気に距離を詰めて、

護衛の軽巡に回し蹴りを叩き込む。白い霊子が軌跡を描いて……軽巡は、頭から海に叩き付けられ、沈んで行った。

そして、そのまま円周を描くように戻って行く。

そっち(『時雨』)に気を取られた軽空母艦隊は、魚雷の方への集中を怠ってしまう。

二人の魚雷が接触すると、軽空母の飛行甲板が破損する。

「トドメであーる!斉射ぁ!」

「うわー、待ってぇぇぇぇ!!!」

『三笠』は胸を張って、()()()()()主砲を発射する。前衛部隊が慌てて逃げ帰って来る中、

砲弾は残った敵を、纏めて爆沈させて行く……

そしてトドメに、『瑞鶴』の爆撃隊が、木っ端微塵に焼き払って行く……

 

「よし、硫黄島に進もう!」

『おー!』

英太郎の号令に、艦娘達が元気良く応える。

 

そんな中、DSキラーは初雪の姿の深海棲艦、()()()()()()と共に、配下のヲ級や雷巡等を従えて、硫黄島の北端に立っていた。

「…………」

「ソロソロクルナ、ニンゲンドモガ」

DSキラーは、意志の乏しい瞳で北を見つめている。

「…………」(来ないで……今のあの子達では……)

その瞳は、()()()()()()()




次回更新は2日午前9時です。


※3日の9時分まですでに完成しております。
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