海来ちゃん提督がさらわれた。
その結果英太郎が立ち上がる。
深夜、英太郎と海来は青ヶ島食堂からの帰り、今日も二人で歩いていた。
最近は、『艦これ』を青ヶ島食堂で閉店時間になるまで
漁師のおっちゃん達も、艦これを始めていたのだ。
「今日も楽しかったですね?」
「そうだな」
歩いている先に、
「DSキラーダナ?」
その
「下がってて!」
「うわっ!?」
英太郎は、尻餅を着いた。
DSキラーが、先にデスサイズを現出させると、謎の深海棲艦はソードを現出させて受け止める。
「ぐぐっ……押し負ける……!」
「ヨワッテイルヨウダナ………」
「片桐中佐!すぐに皆を呼んで来て!」
「わ、わかった!」
すぐに立ち上がると、英太郎は庁舎へ走って行った。
英太郎が走り去った後も、剣戟は続いていた。
「ドウシタ!?イキガアガッテイルノカ!?」
「はぁ……はぁ……!」
だが次第に、
足が止まった瞬間だった。
「うぐっ!」
腹部に、ボディブローを入れられると、海来はガクッと力が抜け倒れた。
「ツレテユクゾ」
気を失った海来を肩に乗せると、謎の深海棲艦は海を渡って行った。
『卯月』と『吹雪』を連れて、そこに戻ってきた時には、もう誰もいなかった……
「少佐がいないぴょん!」
「連れて行かれた!?」
「判らん。謎の深海棲艦が襲い掛かったところまでしか見ていないが……」
ポケットからスマホを取り出すと、発信機のGPS信号を読み取る。凄い勢いで、
英太郎は直ぐ様、
その日の未明……
遠征中止命令で帰還して来た『天龍』達も交えて、対策会議が開かれた。
司令官がいなくなった……その事実に皆、動揺を隠せなかった。
「まさか、司令官が裏切……」
『天龍』の言葉に、『卯月』が噛み付く。
「ミクちゃん提督は、そんな人じゃないぴょん!」
「でも、もともと深海棲艦だったんだろ?オレ達を助けてくれたのは感謝してるが……」
ドンッ!
「うるさい!『天龍』も『卯月』もやめないか!?」
「んだと?」
「何だぴょん!?」
そう怒鳴ると、三人で睨み合う。
「お前達、いい加減にしろ!」
英太郎がカミナリを落とすと、ふう、と息を吐いて続ける。
「今はそんな場合か?高梨少佐が裏切る、なんてことは、
「司令官代行は私が務める。反対の者は必要ない、
『………』
無言だが、席を立つ者は誰もいなかった。
「変則的だが、連合艦隊編成を行う。『天龍』と『卯月』を入れ替えて、
深々と頭を下げる英太郎に、艦娘達も、
『はい!』
と、返事をして立ち上がった。
青ヶ島軍港では物々しい雰囲気の中、準備が進められていた。
青ヶ島の人々も、心配そうに集まって来ている。
「さっきはすまんかったな。動揺して、言い過ぎたぜ」
『天龍』が申し訳なさそうに声を掛ける。
「分かってくれれば良いぴょん」
「僕もごめん。つい、カッとなって」
『卯月』と
「お姫様を救いに行かなきゃな?オレ達を助けてくれたように」
「そうね」
「なのです」
『天龍』の言葉に、『雷』と『電』も同意する。
「提督代行、航空部隊はどう調整するの?」
『瑞鶴』が問い掛けると、英太郎は腕を組んで考え込む。
「戦闘機多めで頼む。制空権を取らねば、勝ち目はない」
「了解したわ」
「お待たせしましたー!!」
ローターの音が聞こえて、軍港ヘリポートに輸送ヘリが降り立つと、恵奈の声が聞こえる。
「掻き集められるだけの、対空装備は持って来ました」
「おお、ありがたい!」
英太郎は、直ぐ様工廠部に連絡して、ありったけの対空砲を持ち出してもらったのだ。
「あくまでも、
「分かっている」
恵奈の念押しに、英太郎は頷いた。
「よし。『卯月』と『雷』と『電』は、対空装備ガン積みだ。
「了解しました。妖精さん、大急ぎで仕上げるよ」
『あいあいまむ!』
英太郎は恵奈に指示を出すと、メンテナンスモードで工廠に置いてある艤装の装備転換作業に入る。
「高天原二等兵は、ここの留守番を頼む」
「はい。海来をお願いします」
ビシッと、背筋を正して敬礼する紀子の頭を、ポンと撫でる。
「大丈夫だ。
「……駄目です。中佐も生きて帰って来てください。
「……そうだな」
英太郎が頷くと、通信機から舞い込んで来る、
『第十二・十一連合艦隊、これより出撃します』
黒井少佐の通信である。現在
「おお、黒井くん。申し訳ない」
『高梨少佐には借りがある、と言ったでしょう?』
「済まない。
『いいですねえ。でも、
その言葉に、フフッと笑うと、
「了解だ。こちらも、準備を急がせる」
『それでは、お互いご武運を』
「装備転換はまだか!?」
「はい。今終わりました!」
恵奈の声が返って来ると、『卯月』達が装備を転換して対空仕様になった駆逐艦艤装を受け取り、身に着けて海へと降り立つ。
「よし、私も汎用艤装を身に着ける。装着を頼む」
「はい!」
恵奈の手伝いの下、
通信機から、ヘッドセットにコードを繋いで、沖合で待機している艦娘達の方へ向かう。
「中佐、大丈夫ぴょん?」
英太郎は、心配そうに見上げる『卯月』の頭を優しく撫でる。
「うむ、汎用艤装は
「中佐なら安心だぴょん」
『卯月』は、その言葉に笑みを向ける。
「この間の一件の礼を、せねばならんしな」
最後の言葉は
「では、高梨少佐を救出に向かうぞ!声上げろ!」
『おー!』
艦娘達が、次々と発進していく。
「親父、
それを確認して、英太郎も一番うしろから海を滑っていく。
こうして、今回の戦争が始まって以来、
その頃、硫黄島では、
「う……ここは……?」
「メヲサマシタカ………」
謎の深海棲艦は、
「まさか?第三世代艤装計画の……!?」
「ソウ、ダイサンセダイギソウケイカクノ
「……私に何をしろ、と言うんです?」
「イッショニセカイヲホロボス」
「……嫌だと言ったら?」
キッと睨み付けながら言う海来に、
「
「うっ……あぁぁぁ………」
初雪の姿の深海棲艦が
今までの
夜が明け、朝焼けの中北硫黄島では、第十艦隊の『叢雲』達が、戦闘を開始していた。
そして、第13泊地連合艦隊の行く先にも、輪形陣を取った軽空母艦隊が待ち構えていた。
へっぽこーず初期組三人には、
「今度こそ、こてんぱんにしてやるぴょん!」
「うんっ!」
「『那珂』ちゃんも頑張るんだから!」
へっぽこーず初期組三人も、息巻いている。
「艦載機発進するわよ!」
『瑞鶴』が弓を番えて構えると、順次発進させて行く。
戦闘機同士がドッグファイトを繰り広げ、擦り抜けた爆撃機が爆弾の雨を降らせる。
こちらに飛んできた敵艦載機は、『雷』・『電』・『卯月』の防空隊に撃ち墜とされる。
何機か残ったものの、本隊の対空射撃で全滅する。
英太郎は爆風を受けたが、アクティブクロークで破片を弾いていく。
「砲雷撃戦始めェ!!」
英太郎の号令により、まずは『三笠』が三連主砲を発射する。
「斉射だー!」
戦艦・軽巡・駆逐主砲は、それぞれ敵艦へと飛んで行く。
軽巡が、軽空母を庇って沈んで行く。
「水雷隊突撃!」
英太郎の更なる号令により、本隊から分離して『那珂』と『吹雪』と
「魚雷発射!」
『那珂』の号令により、『吹雪』と『那珂』が魚雷を発射する中、
護衛の軽巡に回し蹴りを叩き込む。白い霊子が軌跡を描いて……軽巡は、頭から海に叩き付けられ、沈んで行った。
そして、そのまま円周を描くように戻って行く。
二人の魚雷が接触すると、軽空母の飛行甲板が破損する。
「トドメであーる!斉射ぁ!」
「うわー、待ってぇぇぇぇ!!!」
『三笠』は胸を張って、
砲弾は残った敵を、纏めて爆沈させて行く……
そしてトドメに、『瑞鶴』の爆撃隊が、木っ端微塵に焼き払って行く……
「よし、硫黄島に進もう!」
『おー!』
英太郎の号令に、艦娘達が元気良く応える。
そんな中、DSキラーは初雪の姿の深海棲艦、
「…………」
「ソロソロクルナ、ニンゲンドモガ」
DSキラーは、意志の乏しい瞳で北を見つめている。
「…………」(来ないで……今のあの子達では……)
その瞳は、
次回更新は2日午前9時です。
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