新・小さな提督と艦娘日和   作:SAMICO

20 / 36
season1最終回!

まさかの1日5話投稿。

※ただのストックを放出しただけです。


お誕生日サプライズ

今は割と平和な青ヶ島、その裏で()()()()が着々と進行しつつあった。

 

「……ということで極秘計画『ミクちゃん提督バースデー』の会議を行うぴょん」

『卯月』が重々しい雰囲気で、顔の前に両手を組み顎を乗せて(ゲンドウボーズで)宣言した。

この日海来は、第10(母島)泊地へ幕僚会議に『叢雲』隊の送迎付きで出かけていて、いない。

会議室には艦娘九名、それに紀子、英太郎が座っている。

今日も、お茶菓子はうーちゃん購入のアイスで、紀子の淹れたお茶が配られている。

()()()()()()、ということだな?」

英太郎の言葉に頷く『卯月』。

「プレゼントなんだけど、湊さんから預かってるものの他に、()()()()何か、うーちゃん達からプレゼントしたいぴょん」

湊から紀子宛で郵送されたのは、《フルスペックMacBook Pro》である。常々、新しいパソコン欲しいなあと言いつつ、今は()()()()()()()()()()海来へのプレゼントである。

サプライズにして欲しい、ということで、紀子宛に届いているのだ。

他にも、色んな人からのプレゼントがサプライズを狙って、()()()()()()()()()

「プレゼントねぇ……」

腕を組んで考え込むのは、『瑞鶴』である。

「湊ちゃん艦隊では、湊さんに皆思い思いのプレゼントを送ったそうですよ?」

『時雨』(結有)が記憶を頼りに言う。

「問題は予算だな」

『三笠』が、アイスの四つ目を完食しながら口を開く。

「私達の給料でできる範囲のものを皆で共同で購入するか、それぞれ自由に買うか、ですよね?」

『吹雪』がそう言うと、全員が頷く。

「うーちゃんは、皆で買ったほうがいい、と思うぴょん」

『卯月』が口を開く。()()()、プレゼントを買うほどの金銭的余裕が無いからだ。

「旦那としてはどうなんだ?」

『天龍』が、英太郎に話を振ると、

「私と紀子は、既にそれぞれプレゼントを用意しているな」

「そうじゃなくて。ミクちゃん提督の好きなものとか、そういうものを訊いてるんだよ」

そう言われると、まだ()()()()()()()()()()()()英太郎は唸り出す。

そんな英太郎に、紀子が助け舟を出す。

「普段からカーディガンを身に着けてるから、カーディガンとかどうかしら?夏用の」

そう言いながらタブレットを取り出し、『楽楽市場』のサイトを開いて、夏用のカーディガンを検索する。

「これいいわね、冷感生地を使ってるみたいだし」

「なのです」

夏用カーディガンで出てきた商品に、『雷』『電』姉妹が言う。

「それなら、着回しができるように、いくつか色を買ったらどうだ?」

アイスを食べ尽くした『三笠』が、カップの蓋のアイスを舐め取りながら言うと、『瑞鶴』も、

「そういうのもいいわね。全色買っちゃう?あと秋冬用のも」

『さんせー!』

艦娘一同の意見は出揃った。

 

「次の議題は、パーティーの準備ぴょん。誕生日当日は、青ヶ島食堂から遠ざけて欲しいぴょん」

パーティーの飾り付けは、艦娘総出で行うことにしたのだ。

青ヶ島食堂を巻き込んで、計画を進めているという。

ケーキは、パティシエとして頑張っている間宮のお店で予約したのだ。

「ケーキは、恵奈さんが持って来てくれるそうだよ!」

最近恵奈とLINEをやり出した『那珂』が、それを報告する。

「飾り付けの道具は、スーパーあおがしまで取り寄せてもらったわよ」

『瑞鶴』が艦娘代表として、スーパーあおがしまと交渉してくれているのだ。

「遠ざける役目は、何か視察を予定できないかしら?」

紀子が、スケジュール帳を片手に考える。

「そうさなあ。地元警察との打ち合わせを、予定に組み込んでおこう。これなら不自然に思うまい?」

英太郎は、軍港警備の件も含めて、地元警察の青ヶ島駐在所との打ち合わせを考えていた。

「よろしくお願いするぴょん」

 

こうして、誕生日に向けての計画が始まった。

 

誕生日の午後。海来と英太郎は、駐在所で長々と打ち合わせの為に、軍港から離れている。

そんな中、青ヶ島食堂では、艦娘達と紀子が和気藹々と飾り付けを行っている。

青ヶ島の島民達も、その話を聞き付けて、プレゼントやら何やらを持って来ている。

「もうちょっと右ぴょん」

現場総監督の、誕生日実行委員長『卯月』が、飾り付けの指示を出している。

恵奈は、ケーキを持って、前日深夜に青ヶ島入りしている。

高梨商事のパーソナルヘリをチャーターしてのもので、

青ヶ島民宿に一晩泊まって、冷蔵庫に入れてもらったケーキを持って、既に食堂にやって来ている。

他の面々は、今年は青ヶ島の皆でやる、という意向を汲んで、プレゼントやメッセージカードを送ってくれていたのだ。

 

こうして、長々と行われた警察との打ち合わせが終わる頃には、夕方になっていた。

「いやあ、長い打ち合わせでしたね」

「そうだな」

警察の人にも、わざわざいろんな打ち合わせ事項を設定してもらっての、打ち合わせである。

歩いて軍港に戻ると、『卯月』が一人待っていた。

「ミクちゃん提督、従いてくるぴょん」

そう言うと、くるりと背を向けてぴょんぴょん歩いていくのを見て、二人はその後に従いていく。

行き先は、青ヶ島食堂である。

「今日誕生日だから、夕飯を奢ってくれるんですかね?」

「どうだろうな?フフッ」

二人見つめ合って笑うと、『卯月』の、

「さあ、開けるぴょん」

と云う言葉に、海来は扉を開いた。

 

パーン パーン!

クラッカーの音と共に、

『お誕生日おめでとー!!』

という、艦娘達と食堂常連の一同の声。

飾り付けもしてあって、ハッピーバースデーの横断幕も。

「えっ?」

あまりのサプライズに、固まっている海来の手を引いて、お誕生日(主賓)席に連れて行く『卯月』。

眼の前には、「1」「6」と云う蝋燭が刺さっているケーキが置いてあり、火が灯っている。

「あ、あの……?」

ニコニコ顔の皆の顔を見ると、ふふっと海来は笑い出す。

「それでは、主役が席に着いたところで、お誕生日の歌を歌います」

今回の司会を引き受けることになった恵奈の号令で、皆で誕生日の歌を歌う。

歌い終わると、海来がフッと蝋燭を吹き消す。

『おめでとうございまーす!』

皆の声に、ちょっと目がうるっとなる海来。

「それでは早速、『エナナカ』が誕生日プレゼントを発表しまーす!」

『那珂』ちゃんも、マイクを握って進行を手伝う。()()()()()()()()、『エナナカ』である。

 

「まずは、エナツキ軍団(レギオン)からの誕生日プレゼント」

恵奈が箱を取り出す。

()()()()()()()()()()ミクちゃんの代わりに、お掃除するロボットをプレゼントしまーっす!()()()()()()で~す」

『那珂』ちゃんがノリノリで、プレゼントの中身を発表すると、皆がどっと笑う。

「あはは。皆に掃除しないの、バレちゃったじゃないですかぁ」

自動的に床・畳掃除をしてくれるロボットに、恵奈と夕張が()()()を加えて()()()()()()()()である。

 

「次に、高梨結衣・未来さんからのプレゼント!」

その『那珂』ちゃんの言葉に、艦娘達もプレゼントの取り出しを手伝う。

「あったぞ。これではないか?」

『三笠』が小さい封筒を見つけ、取り出す。

「えーと……結衣さんからのプレゼントは、『楽楽市場のギフトカード五万円分四枚』でーす!メッセージカードも貰ってるので代読しまーす。『お誕生日、婚約おめでとう。()()()()()()()()()だからどんどん使ってねby結衣 使い道は旦那と相談して決めるようにby未来』」

その『那珂』の声に、皆からも歓声が上がる。

「あは、伯母さん達らしいや」

と海来も笑う。

 

「次に、高梨千里さん他四名からのプレゼントです。これは大きいので、目録になりまーす」

『瑞鶴』が目録を取り出し、読み上げる。

「えー、誕生日、同居おめでとうございます。誕生日プレゼントとして、ダブルベッド一式をプレゼントいたします」

その言葉に、英太郎と顔を見合わせて笑い出す。

家電やベッドはどうしようか、と悩んでいたのだ。

 

「次に安藤龍・不知火夫妻からプレゼントです。これも大きいので、目録になりまーす」

今度は、『吹雪』が目録を取り出し、読み上げる。

「えー、誕生日、同居おめでとうございます。誕生日プレゼントとして、生活家電一式をプレゼントいたします」

その言葉に、同居が何処まで知られてるんだ?とちょっぴり苦笑いになる。

 

「次に高梨湊さん、電さん、睦月さんからのプレゼントでーす。」

その言葉に、『吹雪』が箱を取り出す。

「フルスペックMacBook Pro15インチです!」

「新しいパソコン!?」

欲しいなあ、と言っていたものが届いて、目を丸くする。

 

「次に、紀子さんと英太郎さんからのプレゼントです」

そう言うと、各々がプレゼント箱から取り出して海来に手渡す。

英太郎は万年筆、紀子はシステム手帳をプレゼントしたのだ。

()()()()()()と言っても、()()()()()()()()。大事に使って欲しい」

書類書きが多く、予定の多い海来には、ありがたい品なのである。

 

それから、色んな人のプレゼントの発表が行われたあとに()()()で、

「最後に、私達からのプレゼントです!」

それぞれラッピングして、中身の見えるカーディガンを手に取る。

「カーディガン九色セットでーす!同じ色で夏用と秋冬用と()()()()()ので、気分によって着こなして下さーい!」

そのプレゼントには、海来は感極まって涙を浮かべる。

「皆……ありがとう……」

 

「さて、私からはもう一つある。16になったということで、()()()()()()()婿()()()()()()()

「ええええ??私が片桐姓になる、と思ってましたよ?」

「湊さんと話して決めたんだ。これは婚姻届」

取り出した、湊と恵奈の証人のサインが入った婚姻届を見ると、恵奈はにっこり笑顔を浮かべた。

「はい。ようこそ高梨家へ」

そう言うと、自分の書く部分を、早速貰った万年筆でサインして、いつも持ち歩いてるはんこで捺印をする。

「それでは、後で村役所へ……」

そう言う英太郎の言葉を遮って、常連客の一人が口を開く。

「いえ、()()()()()()()()()()()

そう、青ヶ島村長である。()()()()来ていた村長さんである。

「えええっ、村長さんまで?どんなサプライズパーティーだったんですか?」

目を丸くして驚く海来に、全員は満足顔でピースサインをする。

こうして、サプライズな誕生日は過ぎて行くのだった。

「やっぱり、戻って来てよかったです」

そこからは、大盛り上がりのパーティで楽しむ艦娘達を見ながら、これからも頑張っていこう、と言う思いを新たにする、海来だった。

 

 




青ヶ島の人たちはお祭り好き

次回からseason2です。
今回は1シーズン20話の予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。