まさかの1日5話投稿。
※ただのストックを放出しただけです。
今は割と平和な青ヶ島、その裏で
「……ということで極秘計画『ミクちゃん提督バースデー』の会議を行うぴょん」
『卯月』が重々しい雰囲気で、
この日海来は、
会議室には艦娘九名、それに紀子、英太郎が座っている。
今日も、お茶菓子はうーちゃん購入のアイスで、紀子の淹れたお茶が配られている。
「
英太郎の言葉に頷く『卯月』。
「プレゼントなんだけど、湊さんから預かってるものの他に、
湊から紀子宛で郵送されたのは、《フルスペックMacBook Pro》である。常々、新しいパソコン欲しいなあと言いつつ、今は
サプライズにして欲しい、ということで、紀子宛に届いているのだ。
他にも、色んな人からのプレゼントがサプライズを狙って、
「プレゼントねぇ……」
腕を組んで考え込むのは、『瑞鶴』である。
「湊ちゃん艦隊では、湊さんに皆思い思いのプレゼントを送ったそうですよ?」
「問題は予算だな」
『三笠』が、アイスの四つ目を完食しながら口を開く。
「私達の給料でできる範囲のものを皆で共同で購入するか、それぞれ自由に買うか、ですよね?」
『吹雪』がそう言うと、全員が頷く。
「うーちゃんは、皆で買ったほうがいい、と思うぴょん」
『卯月』が口を開く。
「旦那としてはどうなんだ?」
『天龍』が、英太郎に話を振ると、
「私と紀子は、既にそれぞれプレゼントを用意しているな」
「そうじゃなくて。ミクちゃん提督の好きなものとか、そういうものを訊いてるんだよ」
そう言われると、まだ
そんな英太郎に、紀子が助け舟を出す。
「普段からカーディガンを身に着けてるから、カーディガンとかどうかしら?夏用の」
そう言いながらタブレットを取り出し、『楽楽市場』のサイトを開いて、夏用のカーディガンを検索する。
「これいいわね、冷感生地を使ってるみたいだし」
「なのです」
夏用カーディガンで出てきた商品に、『雷』『電』姉妹が言う。
「それなら、着回しができるように、いくつか色を買ったらどうだ?」
アイスを食べ尽くした『三笠』が、カップの蓋のアイスを舐め取りながら言うと、『瑞鶴』も、
「そういうのもいいわね。全色買っちゃう?あと秋冬用のも」
『さんせー!』
艦娘一同の意見は出揃った。
「次の議題は、パーティーの準備ぴょん。誕生日当日は、青ヶ島食堂から遠ざけて欲しいぴょん」
パーティーの飾り付けは、艦娘総出で行うことにしたのだ。
青ヶ島食堂を巻き込んで、計画を進めているという。
ケーキは、パティシエとして頑張っている間宮のお店で予約したのだ。
「ケーキは、恵奈さんが持って来てくれるそうだよ!」
最近恵奈とLINEをやり出した『那珂』が、それを報告する。
「飾り付けの道具は、スーパーあおがしまで取り寄せてもらったわよ」
『瑞鶴』が艦娘代表として、スーパーあおがしまと交渉してくれているのだ。
「遠ざける役目は、何か視察を予定できないかしら?」
紀子が、スケジュール帳を片手に考える。
「そうさなあ。地元警察との打ち合わせを、予定に組み込んでおこう。これなら不自然に思うまい?」
英太郎は、軍港警備の件も含めて、地元警察の青ヶ島駐在所との打ち合わせを考えていた。
「よろしくお願いするぴょん」
こうして、誕生日に向けての計画が始まった。
誕生日の午後。海来と英太郎は、駐在所で長々と打ち合わせの為に、軍港から離れている。
そんな中、青ヶ島食堂では、艦娘達と紀子が和気藹々と飾り付けを行っている。
青ヶ島の島民達も、その話を聞き付けて、プレゼントやら何やらを持って来ている。
「もうちょっと右ぴょん」
現場総監督の、誕生日実行委員長『卯月』が、飾り付けの指示を出している。
恵奈は、ケーキを持って、前日深夜に青ヶ島入りしている。
高梨商事のパーソナルヘリをチャーターしてのもので、
青ヶ島民宿に一晩泊まって、冷蔵庫に入れてもらったケーキを持って、既に食堂にやって来ている。
他の面々は、今年は青ヶ島の皆でやる、という意向を汲んで、プレゼントやメッセージカードを送ってくれていたのだ。
こうして、長々と行われた警察との打ち合わせが終わる頃には、夕方になっていた。
「いやあ、長い打ち合わせでしたね」
「そうだな」
警察の人にも、わざわざいろんな打ち合わせ事項を設定してもらっての、打ち合わせである。
歩いて軍港に戻ると、『卯月』が一人待っていた。
「ミクちゃん提督、従いてくるぴょん」
そう言うと、くるりと背を向けてぴょんぴょん歩いていくのを見て、二人はその後に従いていく。
行き先は、青ヶ島食堂である。
「今日誕生日だから、夕飯を奢ってくれるんですかね?」
「どうだろうな?フフッ」
二人見つめ合って笑うと、『卯月』の、
「さあ、開けるぴょん」
と云う言葉に、海来は扉を開いた。
パーン パーン!
クラッカーの音と共に、
『お誕生日おめでとー!!』
という、艦娘達と食堂常連の一同の声。
飾り付けもしてあって、ハッピーバースデーの横断幕も。
「えっ?」
あまりのサプライズに、固まっている海来の手を引いて、
眼の前には、「1」「6」と云う蝋燭が刺さっているケーキが置いてあり、火が灯っている。
「あ、あの……?」
ニコニコ顔の皆の顔を見ると、ふふっと海来は笑い出す。
「それでは、主役が席に着いたところで、お誕生日の歌を歌います」
今回の司会を引き受けることになった恵奈の号令で、皆で誕生日の歌を歌う。
歌い終わると、海来がフッと蝋燭を吹き消す。
『おめでとうございまーす!』
皆の声に、ちょっと目がうるっとなる海来。
「それでは早速、『エナナカ』が誕生日プレゼントを発表しまーす!」
『那珂』ちゃんも、マイクを握って進行を手伝う。
「まずは、エナツキ
恵奈が箱を取り出す。
「
『那珂』ちゃんがノリノリで、プレゼントの中身を発表すると、皆がどっと笑う。
「あはは。皆に掃除しないの、バレちゃったじゃないですかぁ」
自動的に床・畳掃除をしてくれるロボットに、恵奈と夕張が
「次に、高梨結衣・未来さんからのプレゼント!」
その『那珂』ちゃんの言葉に、艦娘達もプレゼントの取り出しを手伝う。
「あったぞ。これではないか?」
『三笠』が小さい封筒を見つけ、取り出す。
「えーと……結衣さんからのプレゼントは、『楽楽市場のギフトカード五万円分四枚』でーす!メッセージカードも貰ってるので代読しまーす。『お誕生日、婚約おめでとう。
その『那珂』の声に、皆からも歓声が上がる。
「あは、伯母さん達らしいや」
と海来も笑う。
「次に、高梨千里さん他四名からのプレゼントです。これは大きいので、目録になりまーす」
『瑞鶴』が目録を取り出し、読み上げる。
「えー、誕生日、同居おめでとうございます。誕生日プレゼントとして、ダブルベッド一式をプレゼントいたします」
その言葉に、英太郎と顔を見合わせて笑い出す。
家電やベッドはどうしようか、と悩んでいたのだ。
「次に安藤龍・不知火夫妻からプレゼントです。これも大きいので、目録になりまーす」
今度は、『吹雪』が目録を取り出し、読み上げる。
「えー、誕生日、同居おめでとうございます。誕生日プレゼントとして、生活家電一式をプレゼントいたします」
その言葉に、同居が何処まで知られてるんだ?とちょっぴり苦笑いになる。
「次に高梨湊さん、電さん、睦月さんからのプレゼントでーす。」
その言葉に、『吹雪』が箱を取り出す。
「フルスペックMacBook Pro15インチです!」
「新しいパソコン!?」
欲しいなあ、と言っていたものが届いて、目を丸くする。
「次に、紀子さんと英太郎さんからのプレゼントです」
そう言うと、各々がプレゼント箱から取り出して海来に手渡す。
英太郎は万年筆、紀子はシステム手帳をプレゼントしたのだ。
「
書類書きが多く、予定の多い海来には、ありがたい品なのである。
それから、色んな人のプレゼントの発表が行われたあとに
「最後に、私達からのプレゼントです!」
それぞれラッピングして、中身の見えるカーディガンを手に取る。
「カーディガン九色セットでーす!同じ色で夏用と秋冬用と
そのプレゼントには、海来は感極まって涙を浮かべる。
「皆……ありがとう……」
「さて、私からはもう一つある。16になったということで、
「ええええ??私が片桐姓になる、と思ってましたよ?」
「湊さんと話して決めたんだ。これは婚姻届」
取り出した、湊と恵奈の証人のサインが入った婚姻届を見ると、恵奈はにっこり笑顔を浮かべた。
「はい。ようこそ高梨家へ」
そう言うと、自分の書く部分を、早速貰った万年筆でサインして、いつも持ち歩いてるはんこで捺印をする。
「それでは、後で村役所へ……」
そう言う英太郎の言葉を遮って、常連客の一人が口を開く。
「いえ、
そう、青ヶ島村長である。
「えええっ、村長さんまで?どんなサプライズパーティーだったんですか?」
目を丸くして驚く海来に、全員は満足顔でピースサインをする。
こうして、サプライズな誕生日は過ぎて行くのだった。
「やっぱり、戻って来てよかったです」
そこからは、大盛り上がりのパーティで楽しむ艦娘達を見ながら、これからも頑張っていこう、と言う思いを新たにする、海来だった。
青ヶ島の人たちはお祭り好き
次回からseason2です。
今回は1シーズン20話の予定です。