ミクちゃんアホの子の回。
へっぽこーずの指揮官はへっぽこだったのだ。
新・日和S1『湊リターンズ』
湊「(前略)それよりも、うちの娘でよかったんですか?表面上は卒なく熟しますけども、私生活はズボラでいい加減で」
湊「料理は一切出来ないし、掃除洗濯も必要に迫られないとやらないし」
湊(必要に迫られたことがあるとは言っていない)
高梨海来は、料理を全くやって来なかった。
大抵は、居酒屋鳳翔で夕飯なのだ。感情が高ぶると
勉強はできるが、所謂
その為、折角楽楽市場で購入した、高級調理器具セットも、今は英太郎が使っている。
「夕飯できたよ」
「あ、はい」
ダイニングテーブルへと向かう。
流石に、食事中に下着姿はみっともない、と英太郎に指摘されて、直すようにしたのだ。
今日の献立は野菜炒めに、ほうれん草のごまの和え物、味噌汁にご飯である。
「では頂こうか」
「はい」
こうして、夫婦の食事が始まる。
新居には大型テレビやテレビラック、洗濯乾燥機、食器洗い乾燥機、冷蔵庫、炊飯器、スチームオーブン付き電子レンジ、そしてウォーター・サーバー等、色々なものが揃っている。
「それはそうと、明日は料理を教わりに行って来ますよ」
そう海来が切り出す。
「そう言えば、料理教室を開いてもらってるんだったな、順調か?」
「えっと………」
海来は言葉に詰まった。
講師の島民の主婦のおばちゃんに、「包丁すら握ったことありません」宣言をし、
講師のおばちゃんを
まずは包丁の握り方から教わって、調理器具の種類や使い方を教わって、まだ料理する段階には至っていないのだ。
「英太郎は笑うかも知れませんけど、まだ包丁の握り方とか調理器具は何に使うかとか、その段階で……」
「………」
英太郎は、予想以上の
「………マジか?」
そこまで酷いとは思わず、頭痛がする思いだった。
そんな中、お掃除ロボット改二はせっせと床を掃除している。
―――――
英太郎は、湊から言われた、『家事のできない』の
アイロンは掛けたことはない、ワイシャツ・ズボンはいつもクリーニング、と言う返答に唖然としていた。
という訳で、青ヶ島中の主婦達が協力して、『海来家事習得計画』が始動したのだ。
毎日、代わる代わるやって来てはアイロンの掛け方や、ズボンプレッサーの使い方、
幸い乾燥機能のある洗濯機の為、干す部分は省略し、キレイな畳み方、下着の仕舞い方等々。
自動掃除ロボが届かない部分の掃除の為に、街の電気屋で掃除機を購入して、
それも主婦のおばちゃん達が教えてくれた。
ゴミの出し方も、分別の仕方から何曜日と何曜日に出す、燃えないゴミはこの日、というのも教えてもらった。
今までは、ゴミ出し担当は『吹雪』で、紀子着任後は彼女がやってたのだ。
そして、一通りの家事を教わって、料理教室が開催されたのだ。
そこで、
「あの。私、包丁握ったことありません。どう握ったら良いんですか?」
である。
講師のおばちゃんの料理教室計画が、
そのおばちゃんは、後にこう語っている。
「『不敗の女神様』の娘は、『
……というのがここまでの経緯なのである。
――――――――
「そ、それで、明日はどんなことを習うんだ?」
「明日はカレーライスを作ることになりました」
(カレーなんて、具材切って炒めて水入れて煮込んでルーをぶち込めば、誰だってできるだろう)
と、口まで出かかったが、目をキラキラさせている海来に、何とか口に出すのを堪えた。
翌日。
「それでは行って来ます」
海来は、
今日の司令官代行は、英太郎である。
今日の講師である、主婦の家に入る時に、
「今日はご指導、よろしくお願いします」
と、ビシッと敬礼をするくらい緊張していた。
応対に出た主婦のおばちゃんは、大層面食らっていた。
そんなこんなで、レシピ通りに作りましょう、と言うことになり、
講師のおばちゃんの指導の下、玉ねぎ、人参、じゃがいもの皮を剥いて、一口大に切って、
人参の
鍋にサラダ油を入れて、木べらで牛肉とじゃがいも、玉ねぎ、人参をしっかり炒める。
「このくらいですか!?」
「ええ、そしたら水を加えましょう……って大丈夫?」
「ちょっと緊張し過ぎまして……」
表情の硬い海来を気にして、おばちゃんが声を掛ける。
「まあ、料理を覚えるのも大事だけど、もっと大事なのは亭主のしつけ方よ」
水を加えながら、おばちゃんが語る。
「亭主のしつけ方……ですか?」
「そうよ。甘やかしたら駄目よ、家計は貴女が握りなさい。
「は……はぁ」
「そうそう。料理もそうだけど、旦那を握っておくには財布と胃袋よ、覚えておきなさいな?」
「財布と胃袋を握る…と」
きちんとメモを取っている海来。
「とにかく。旦那には厳しく、時には優しく、アメとムチを使い分けること、が長続きのコツよ」
「は、はぁ…」
「時には旦那が小遣い銭をせびって来たら、家計簿を見せて、うちには余裕がないの、って言いなさい」
「は、はぁ……」
そんな会話をしているうちに、材料が充分に柔らかくなる。
「火が通ってるか見るには、竹串を刺してすっと抜ければいいのよ」
「なるほど……竹串で調べが付くんですね?」
「調べが付く……ま、まあそんなところよ」
おばちゃんは頑張っている、今真剣に頑張っている。
「後は火を止めて、カレールゥを割って溶かして、とろみが付くまで煮込めば完成よ?」
「おおー!そうなんですね!」
自分で作った初料理である、小さな子供のように喜んでいる。
「そしたら盛り付けて完成よ」
「はーい!ところで…」
「どうしたの?」
おばちゃんは、真面目な顔をして見つめる海来に、優しい顔をして首を傾げる。
「『家計簿』って何ですか?」
「えっ?」
おばちゃんは、再び絶句した。
そんな頃、司令官代理の英太郎は、司令官デスクで執務をしている。
紀子が、ふと仕事の手を休めて、声を掛ける。
「ところで、大佐の家はお財布管理どっちがやりますか?」
「今の所決めかねてるが、海来に任せておけばいい、とは思っている。私は小遣い制でも…」
そう言い終わる前に、紀子が物凄い勢いで立ち上がる。
「駄目です!考えても見てください。
「………」
「悪いことは言いません、今月は生活費いくらの予算で、って家計簿を付けさせて、必要な分だけ渡して、それを分析してからでも遅くはない、と思います。いくらお二人が
「えっ、マジか?」
「マジです」
英太郎は、空いた口が塞がらなかった。
「………」
「いいですか?高梨家は、
「うむ……」
「
「……了解した」
英太郎は、頭に
家に帰ると、カレーの匂いが漂っている。
「ただいま」
「おかえりなさい!」
エプロンを身に着けた海来が出迎える。因みに
「今日はカレーライスですよ」
「うむ、今日の料理教室の成果、見せてもらおう。まずその前に服を着ろ」
「ふぁーい」
海来は、リビングでエプロンを取ると、スウェットをもそもそと着込む。
カレーライスと、
「ふむ、見た目は美味しそうだが……」
とは言え、大きさは不揃いで、ちょっと大味な具材であるが、
まあ、最初はこんなものだろう、と恐る恐る食べる。
「うん、うまい。合格点だ」
その言葉に、海来は飛び上がって喜ぶ。
「やったぁ!!」
ばんじゃーいと言わんばかりの姿を見て、英太郎の顔もふと緩むことになる。
その後、高梨家の夕飯は
流石に七日目を超えたところで、一旦英太郎が
英太郎は考えに考えて、初心者向けのレシピ本を買って与えたのだ。
そして、レシピ通りに、アレンジ厳禁と言い渡して作らせたのだ。
苦手なりに美味しく作ることが出来たのだ。見てくれは悪いが、レシピを
こうして海来は、家事の
Tips《高梨家はどういうわけか由緒ある家柄》
某スピンオフの結果次元修復でそうなりました。
Tips《貴方の給与明細、いくらですか?》
ご参考までに。
海来 階級:大佐 1号俸 約40万 ※国防軍入隊一年目(特任)
英太郎 階級:大佐 57号俸 約52万 ※常に6~8号俸昇給
結有 階級:中佐 100号俸 約48万 ※Sハウンド時代の特別昇給あり
紀子 階級:伍長 1号棒 約20万 ※国防軍入隊1年目(下士官試験合格)
艦娘たち 兵長待遇 1号棒 約18万 ※『叢雲(初期艦)』あたりは約20万
おまけ(暴走高官と斎藤さん)
未来 指定職3号(大将) 約82万 ※統合幕僚監部副長・本省局長級
龍 指定職6号(大将) 約 104万 ※艦娘本部長・本省次官級
八十六 指定職8号(元帥) 約 118万 ※統合幕僚長・事務次官級
斎藤さん 指定職2号(警視監)約77万 ※官房審議官(刑事局担当)本省次長級
こんな感じですね。(ボーナスは別途)
結有も英太郎もかなりのエリートなわけですね。
指定職以外の将兵は階級と号俸で決まって、昇進するとそこにちかい号俸からスタートします。
毎年4~8号俸昇給します。素行が悪いと上がりません。
結有も英太郎もバリッバリのエリート士官です。(特に結有は年齢的には異常な昇給です)
なので、給料は大佐の海来よりも結有のほうが貰ってます。
逆に暴走高官共は給与がバチッと決まっている指定職ですので階級ではなく、職責で決まります。
未来は指定職的にはまだまだ下の方(ただ現実では40代で到達できる職位ではない)