「うーん………蒸し暑いぴょん………おしっこだぴょん……」
『卯月』が三段ベッドの下で、もそもそと目を擦っている時に、ぼうっと浮かんだ
もそもそと
ぴとっと、
「ぴょん!」
ビクッと
「こんばんは」
その人形はニコッと笑って……
「ぴょ………ぴょんんんんんんんん!!!!!!」
じゅわぁぁぁ……という音がして、『卯月』は気を失った。
「ちょ、ちょっと?」
―――――――――――――
「なんだ、『卯月』。
一生懸命お布団を洗ってる『卯月』に、誂うように言う
「ゆ、幽霊が出たんだぴょん!」
と言う言葉に、瑞希はふむ、と考える。
「もしかして、誰かと
言い終わる前に、ハリセンを持った杏奈に引っ叩かれる瑞希。どこからハリセンを持ち出したか、は謎である。
スパーン!
「何をする、杏奈?」
「
顔を真っ赤にして、突っ込む杏奈。
「そうなのか?」
「今度ばかりは違うぴょん!!『三笠』に気持ちいいって何なのだ?と訊かれて、教えてなんかいないぴょん!」
真っ赤な顔で抗議する『卯月』に、顔を見合わせる杏奈と瑞希。
「それはそれとしてだ、どんな幽霊だった?」
「
現れたのは、小さい首を糸で縫われたような、少女の
歩いて来ている。
「「「で……出たァァァァァァァァァァァァァァ」」」
杏奈は顔が真っ青になり、ぺたんと座り込む。地面に黄色い水たまりができて行く。
「いかん!杏奈を風呂に連れて行かねば!!」
瑞希はすぐに、その杏奈を抱き抱えて、自宅の風呂に走って行った。
「行っちゃったぴょん……」
「そうね」
――――――――――――――
「ええと、結論から申し上げますと、元『初雪』の茜さんなんですね?』
今、茜妖精さん
「気がついたら、
茜妖精さんカッコカリはそう説明した後、
「うーちゃん、幽霊と間違えてびっくりしちゃったんだぴょん」
「お漏らしもしてたわね?」
その言葉に、顔を真っ赤にして、
「言うなぴょん!」
と、ぷんぷん顔の『卯月』である。
「どこまで覚えていますか?」
真面目な海来の質問に、
「ドバイからの帰りに、DSアサシンに首を勁ねられたところまでは覚えているわ……っく」
悲しそうに、涙をポロポロ零しながら語り始める茜妖精さんに、海来もじわっと涙が浮かぶ。
「………辛かったでしょうね?」
「………ええ。
その言葉に、『卯月』は茜妖精さんを両手に乗せ、顔を見た。
「うーちゃんと一緒に、DSアサシンを倒そう!」
「えっ?」
驚いた顔をしている茜妖精さんに、『卯月』は真面目な顔で続ける。
「うーちゃんもアイツには怒ってるぴょん!」
「……ええ、
茜妖精さんは、涙を浮かべながら笑顔で、『卯月』の
「どうやら茜妖精さんは、『卯月』をパートナーに選んだようですね?」
「そうだぴょん?」
首を傾げる『卯月』に、涙を拭って胸を張る茜妖精さん。
「ええ、対空見張りは任せて頂戴。見張り訓練は、いっぱいして来たから」
「そうだ、皆に見せてくるぴょん」
「ちょ,ちょっと!!落ちるってば!」
そのまま、隣の艦娘休憩室へと走って行く。
茜妖精さんは、『卯月』の
皆が集まる、休憩室のダイニングテーブルの上に、ちょこんと座っている茜妖精さん。
それを取り囲むように艦載機妖精さん達も座って、更に取り囲むように艦娘達が覗き込んでいる。
もちろん艦載機妖精さんは、妖精同士と搭載している艦娘にしか見えない。
茜妖精さんが
「始めまして。茜妖精と言います」
ペコリと頭を下げるが、皆
「あの……やっぱり不気味?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど……」
『那珂』が気まずそうに言うと、『瑞鶴』が代表して言う。
「貴女の遺体を見たから、心の整理が出来てないのよ。それより、
その言葉に、茜妖精さんは首を横に振った。
「アブドーラ提督は、
その言葉に『卯月』が、
「うーちゃんは、茜ちゃんと一緒に戦う、って決めたぴょん!」
ぐっと拳を握って主張する。
「よろしくな、茜妖精とやら!」
「あっ」
『三笠』がバンっと背中を叩くと、その拍子で
ころころ、と転がる首。
『ぎゃあああああああああああ!!!!!!!』
艦娘達の悲鳴が響いた。
「何よ?人をお化けか何かみたいに。酷いじゃない」
「だ、だって……」
腰を抜かしかけた『那珂』ちゃんが、苦笑いをしながら指差す。
叩いた
「ぐすん……ひっく……」
そんな『三笠』を、『吹雪』が頭を撫でてあやしている。
「はいはい。ちょっと直してあげるから」
お裁縫箱から糸と針を取り出すと、再び
最早、本当にぬいぐるみか何かである。
「ああ、ありがとう」
再び、首が取り付けられると立ち上がる。
「そういう訳だから、皆もよろしくね?」
妖精さん達にも挨拶すると、妖精さん達も口々に挨拶する。
こうして、対空見張員妖精となった茜は、今日も『卯月』と一緒にいる。
「うーちゃん!あの隊長機から狙って!」
「了解だぴょん!」
『卯月』の肩に捕まって、双眼鏡を片手に今日も『卯月』と共に、
ただで死んでたまるか。その反骨心と共に、茜妖精さんは頑張っている。
残り2話!