新・小さな提督と艦娘日和   作:SAMICO

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今回は短め軽めのネタです。


うーちゃんと幽霊

「うーん………蒸し暑いぴょん………おしっこだぴょん……」

『卯月』が三段ベッドの下で、もそもそと目を擦っている時に、ぼうっと浮かんだ()

もそもそと()()()から………

ぴとっと、()が『卯月』の頬に触れる。

「ぴょん!」

ビクッと()に触れると、()()()()()()()()ような少女の()()のようなものが……

「こんばんは」

その人形はニコッと笑って……

「ぴょ………ぴょんんんんんんんん!!!!!!」

じゅわぁぁぁ……という音がして、『卯月』は気を失った。

「ちょ、ちょっと?」

 

 

―――――――――――――

「なんだ、『卯月』。()()()()とは情けない」

一生懸命お布団を洗ってる『卯月』に、誂うように言う鬼教官(瑞希)

「ゆ、幽霊が出たんだぴょん!」

と言う言葉に、瑞希はふむ、と考える。

「もしかして、誰かと()()()()()()()をしていたのか?恥ずかしがる必要はない。いつも杏奈は……」

言い終わる前に、ハリセンを持った杏奈に引っ叩かれる瑞希。どこからハリセンを持ち出したか、は謎である。

スパーン!

「何をする、杏奈?」

()()()()()は言わなくていいの!!!」

顔を真っ赤にして、突っ込む杏奈。

「そうなのか?」

「今度ばかりは違うぴょん!!『三笠』に気持ちいいって何なのだ?と訊かれて、教えてなんかいないぴょん!」

真っ赤な顔で抗議する『卯月』に、顔を見合わせる杏奈と瑞希。

「それはそれとしてだ、どんな幽霊だった?」

()()()()()じゃないかしら?」

現れたのは、小さい首を糸で縫われたような、少女の()()

歩いて来ている。

「「「で……出たァァァァァァァァァァァァァァ」」」

杏奈は顔が真っ青になり、ぺたんと座り込む。地面に黄色い水たまりができて行く。

「いかん!杏奈を風呂に連れて行かねば!!」

瑞希はすぐに、その杏奈を抱き抱えて、自宅の風呂に走って行った。

「行っちゃったぴょん……」

「そうね」

 

――――――――――――――

「ええと、結論から申し上げますと、元『初雪』の茜さんなんですね?』

()()を司令官執務室に連れて行った『卯月』は、事の経緯を説明した。

今、茜妖精さん()()()()()は、『卯月』の()()()である。

 

「気がついたら、この(青ヶ島の)浜辺に打ち上げられていて。この建物の、窓が開いてる所に攀じ登って入り込んだら、『卯月』さんが一番下のベッドに寝ていて……』

茜妖精さんカッコカリはそう説明した後、

「うーちゃん、幽霊と間違えてびっくりしちゃったんだぴょん」

「お漏らしもしてたわね?」

その言葉に、顔を真っ赤にして、

「言うなぴょん!」

と、ぷんぷん顔の『卯月』である。

「どこまで覚えていますか?」

真面目な海来の質問に、

「ドバイからの帰りに、DSアサシンに首を勁ねられたところまでは覚えているわ……っく」

悲しそうに、涙をポロポロ零しながら語り始める茜妖精さんに、海来もじわっと涙が浮かぶ。

「………辛かったでしょうね?」

「………ええ。()()()()()()()()()()()()()()()()……」

その言葉に、『卯月』は茜妖精さんを両手に乗せ、顔を見た。

「うーちゃんと一緒に、DSアサシンを倒そう!」

「えっ?」

驚いた顔をしている茜妖精さんに、『卯月』は真面目な顔で続ける。

「うーちゃんもアイツには怒ってるぴょん!」

「……ええ、()()()倒しましょう」

茜妖精さんは、涙を浮かべながら笑顔で、『卯月』の()()()()()()頭を下げた。

 

「どうやら茜妖精さんは、『卯月』をパートナーに選んだようですね?」

「そうだぴょん?」

首を傾げる『卯月』に、涙を拭って胸を張る茜妖精さん。

「ええ、対空見張りは任せて頂戴。見張り訓練は、いっぱいして来たから」

「そうだ、皆に見せてくるぴょん」

「ちょ,ちょっと!!落ちるってば!」

そのまま、隣の艦娘休憩室へと走って行く。

茜妖精さんは、『卯月』の()に必死にしがみ付いている。

 

皆が集まる、休憩室のダイニングテーブルの上に、ちょこんと座っている茜妖精さん。

それを取り囲むように艦載機妖精さん達も座って、更に取り囲むように艦娘達が覗き込んでいる。

もちろん艦載機妖精さんは、妖精同士と搭載している艦娘にしか見えない。

茜妖精さんが()()なのである。今は、翼妖精さんも()()()艦載機妖精になっている。

「始めまして。茜妖精と言います」

ペコリと頭を下げるが、皆()()()()()をしている。

この子()()()を見ているからである。

「あの……やっぱり不気味?」

「いや、そういうわけじゃないんだけど……」

『那珂』が気まずそうに言うと、『瑞鶴』が代表して言う。

「貴女の遺体を見たから、心の整理が出来てないのよ。それより、()()()()()の所に戻らなくていいの?」

その言葉に、茜妖精さんは首を横に振った。

「アブドーラ提督は、()()()私を前線には出させてくれないもの。うーちゃんのサポートをしたいの」

その言葉に『卯月』が、

「うーちゃんは、茜ちゃんと一緒に戦う、って決めたぴょん!」

ぐっと拳を握って主張する。

「よろしくな、茜妖精とやら!」

「あっ」

『三笠』がバンっと背中を叩くと、その拍子で()()()()()

ころころ、と転がる首。

『ぎゃあああああああああああ!!!!!!!』

艦娘達の悲鳴が響いた。

 

 

 

 

 

「何よ?人をお化けか何かみたいに。酷いじゃない」

()()()()()()()、不満そうにする茜妖精さん。最早デュラハンである。

「だ、だって……」

腰を抜かしかけた『那珂』ちゃんが、苦笑いをしながら指差す。

叩いた張本人(『三笠』)はぺたんと座り込み、お漏らしをして泣いている。

「ぐすん……ひっく……」

そんな『三笠』を、『吹雪』が頭を撫でてあやしている。

「はいはい。ちょっと直してあげるから」

お裁縫箱から糸と針を取り出すと、再び()()()()『瑞鶴』。

最早、本当にぬいぐるみか何かである。

「ああ、ありがとう」

再び、首が取り付けられると立ち上がる。

「そういう訳だから、皆もよろしくね?」

妖精さん達にも挨拶すると、妖精さん達も口々に挨拶する。

 

 

こうして、対空見張員妖精となった茜は、今日も『卯月』と一緒にいる。

「うーちゃん!あの隊長機から狙って!」

「了解だぴょん!」

『卯月』の肩に捕まって、双眼鏡を片手に今日も『卯月』と共に、()()()()を担っている。

ただで死んでたまるか。その反骨心と共に、茜妖精さんは頑張っている。

 




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