新・小さな提督と艦娘日和   作:SAMICO

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更新ペースを落とす(本当に落ちるとはいっていない)

へっぽこーずやらかすの回


大きな壁

青ヶ島泊地(第13泊地)に戻って来た、へっぽこーずと海来と紀子。

 

今日からまた、猛訓練の再開である。

『天龍』達は、資材の運搬(遠征任務)を任せられるほどに回復している。

因みに、『天龍』達の方が、まだまだ練度は上である。

 

とはいえ、駆逐艦相手ならなんとか倒せるようになって来ていた。

『こちら『那珂』ちゃん。敵はぐれ艦隊を全滅させましたー!』

司令官執務室で、紀子と共に執務をしていると、『那珂』からの元気のいい報告が、通信機に舞い込んで来る。

「元気そうな声ね」

紅茶を淹れながら、紀子が笑みを零すと、

()()()()()()()感じですねー」

そう答えながら、通信機を手に取る。

「了解。ダメージはどうですか?」

『うーちゃんが小破、あとは無傷です!もうちょっと進んでみていいですか!?』

「うーん……良いですけど、絶対に()()()()()()()()()()ように。あと、中破が出たら即帰還。いいですね?」

『はーい!』

 

小笠原諸島まで殆ど敵が見えず、進軍を続けたへっぽこーず。

「もうちょっと進んでみるぴょん!」

『卯月』が進軍を口にする。

「あ。でも、小笠原以南はだめだ、ってミクちゃん提督が……」 

へっぽこーず唯一の、()()()()()である『吹雪』が制するも、

「ちょっとだけ、ちょっとだけ出るだけだから、大丈夫!」

『那珂』ちゃんも自信満々である。

「それなら、ちょっとだけ……」

結局折れてしまう『吹雪』。

 

母島を警備している、母島泊地艦隊の様子を眺めながら、へっぽこーずは南に進軍する。

そして、北硫黄島まで進んだ時だった。

「敵艦見ゆ! 敵は輪形陣!」

『吹雪』の報告に、『那珂』が顔を引き攣らせる。

「あれ?これ、やばくない?」

「ぷっくぷくぷー!?」

 

敵軽空母ヌ級から、順次発艦する艦載機。

空から襲いかかる艦載機の群れを見上げながら、サァーっと顔を青褪めさせるへっぽこーず。

「ど、どうすんの!?」

「取り敢えず、撃ち落とすしか無いでしょう!?」

「アイスが!!アイスが抜きになるぴょん!!」

パニックに陥ってる旗艦『那珂』に冷静に突っ込む『吹雪』、それにアイスを心配する『卯月』。

 

へっぽこーずはこの後、メチャメチャにボコられた……

全員仲良く大破して、逃げ帰って来た。

因みに、その敵空母部隊は、母島泊地艦隊が出撃して撃滅した。

その司令官は、アメリカから帰国して軍務に復帰した()()()()と、陽子(参謀)妖精さんである。

高速航空機動部隊をより良く率いて、攻撃を防いでいる精鋭部隊である。

 

「何で、北硫黄島なんて行ったんですか!?言ったじゃないですか!『小笠原以南は無理だよ』って!!」

三人仲良く入渠ドックにて()()()のへっぽこーずに、腰に手を当ててお説教の海来である。

『ごめんなさぁい……』

シュンとなる三人に、傷の治療に駆け付けた夕雲医師と巻雲も、溜め息を吐く。

「呆れてものも言えないわね」

「全くです」

「まあまあ、これで懲りたことでしょうし」

そんな面々を宥める、研修医の美里。

中破まではともかく、大破まで行くと、()()()()()()()()()()()()()のだ。

今までの艦娘は、修復材を薄めたお風呂で何とかなるが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

三人共包帯が巻かれ、ガーゼや絆創膏が貼られている。

艤装は、メンテナンスモードで工廠妖精さんが修理をしている。

「いやあ、派手にぶっ壊したなあ」

というのは、工廠長妖精さんの言葉である。

「取り敢えず、()()()()()()()()()()として、今日から一週間()()()()()です」

『えええっ!!?』

不満そうに抗議の声を上げるへっぽこーずに、腰に手を当てた紀子が一歩前に出る。

「あのね。あんた等馬鹿なの?死ぬの?あんた等の馬鹿はエベレスト級なの?命令無視がどういうことになるか、もうちょっと考えて反省しなさい」

『はぁい…』

(智子)譲りの()()()()()()で、へっぽこーずは再びシュンとなる。

「まあまあ。()()()()()()()()んだし、良しとしようよ?」

そう二人を宥めるのは、()()()()()()()()()の結有である。

『無茶はしないでね』と言う()()()()()()()()()()()レジェンド(結有)である。

人のこと言えなかったな、と思いながら……

 

「しかし、改めて思いますが、大きな壁ですね」

司令官執務室に戻ると、椅子に座りながら、大きな溜め息を吐いた海来。

へっぽこーずは、艤装の修理が終わるまで、自室で反省文を書かされている。

()()()()()()()()()も兼ねている。

その間、島の守りはレジェンド(結有)が引き受けるのだ。

「制空権の問題ね?」

そう答えるのは紀子。彼女も、両親の素質を受け継いだせいか、『艦これ』の上位ランカーなのである。

「そうなんですよ。ぜかまし提督(島風准将)から、小笠原以南に軽空母が居るよ、って軍のフォーラムで報告があったから行くな、って言ったんですけど?」

「あのへっぽこぴー達(へっぽこーず)は、『振り』だとでも思ったのかしら?」

紅茶を淹れ直して、海来の前にそっと置いてからダイニングテーブルに座って、自分も紅茶を淹れる。

「そろそろ、空母の建造も視野に入れないといけないですかね?」

「資材的にはどうなの?」

「そうですねえ……」

司令官専用コンピュータを操作しながら、現在の資材量を確認する。

「んー。空母建造を一発で引き当てれば、何とか……」

空母向け資材(レシピ)を注ぎ込んでも、空母ができるとは限らないのだ。

「やってみる?」

「そうですねー………」

腕を組んで考え込む海来。

自身の頭の中で、今回の修理費を差し引いて、補給用の資材と空母を引き当てた時の資材の残りを考えて……

「やってみましょう。()()()正規空母なんて出る訳無いですし………」

「そうね。軽空母が出れば儲けものね?」

 

数日後……

「翔鶴型航空母艦二番艦、妹の『瑞鶴』です。よろしく」

「どうしてこうなった……?」

工廠部から送られてきた艦娘は、()()()()『瑞鶴』だった。

「提督?」

頭を抱える海来に、首を傾げる『瑞鶴』。

「あ、何でもありません。宜しくお願いします。私は、高梨海来少佐です」

「ミクちゃん提督ね、大村大尉から聞いてるもの。よろしく」

ばたん

『ようこそ青ヶ島へ―!』

「『那珂』でーす!」

「うーちゃんだぴょん!」

「『吹雪』です!」

『よろしくお願いしまーす!』

扉が開かれて、入って来たのはへっぽこーず。

センターに『那珂』、右に『卯月』、左に『吹雪』である。

「…よ…よろしく」

いきなりの登場に、『瑞鶴』も苦笑いだ。

「……という訳で、『瑞鶴』には、この『へっぽこーず』を率いてもらいます」

「へっぽこーず?」

海来の言葉に、更に首を傾げる『瑞鶴』。

「まあ、まだまだ貴女も、練度を上げないといけないですから、模擬戦から始めましょうね?」

「分かったわ、任せておいて!」

自信満々に言う『瑞鶴』に、海来は笑みを返す。

 

「ひゃっほう!!」

今日も今日とて、汎用艤装を身に着けたレジェンド(結有)と、模擬戦の日々である。

「爆撃で追い込むわ!そっちに魚雷を放って!」

『はーい!』

ガン積みされた艦爆の爆撃を、悉く避けながら爆走するレジェンド(結有)の逃げる方向に、魚雷を放つへっぽこーず。

『まだまだ甘い!』

それすら潜り抜けると、ペイント弾をお見舞いする。

「ひゃん!」

「ぴょん!」

「きゃっ!」

「ひゃっ!」

四人仲良く、青いペイント弾でお顔が真っ青である。

 

「なかなかうまく行かないわね……」

お風呂でペイントを落とすと、湯船に四人仲良く浸かっている。

「レジェンドは、マジレジェンドだっぴょん」

「あれは()()()と思います」

「うんうん」

艦爆ガン積みで爆撃して、掠りもしない結有をぼやく『瑞鶴』に、それをフォローするへっぽこーず。

「確かに、あの速度は狂ってるわね」

ガラガラ…

お風呂の扉が開かれると、入って来たのは海来。

「お邪魔しますね」

入って来た海来を、じーっと見る四人。

「どうしました?」

首を傾げる海来に、『卯月』が、

「仲間ぴょん!」

と、()()()()()()

一瞬キョトンとして、自分の胸を見下ろして……

「余計なお世話です!」

腰に手を当てて、おこですポーズをすると、一同がどっと笑う。

そして海来も体を洗うと、隣に腰を下ろして、五人で仲良くお風呂タイム。

「ミクちゃん提督肌スベスベね」

隣にいた『瑞鶴』が、海来の手足をスリスリする。

「ひゃん、くすぐったいですよ」

その反応を、へっぽこーずは見逃さない。

「うーちゃん、擽りは得意だぴょん!」

「『那珂』ちゃんも―!」

「あ、それじゃあ私も」

「え?ちょっと?あれ?『瑞鶴』?」

その様子を見て、『瑞鶴』は海来を羽交い締めにした。

『くすぐり攻撃だ―!!!』

「ひゃん!ちょっと!どこ触って……ふぁ…っまっ…そこはだめ!!…ちょ!!…たすけてぇぇぇぇ!!!」

 

その擽り攻撃は、紀子が入って来て、(カミナリ)を落とすまで続いた。

へっぽこーずと『瑞鶴』は、すっかりへそを曲げてしまった海来により、()()()()()()()の延長が決定した。

そんな中、見せ付けるようにアイスを頬張る海来に、『瑞鶴』はもう怒らせないようにしよう、と心に誓うのだった。

 

 




明日は病院なので更新しないと思います(多分)
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