転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし
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今回は読む人には不快になるかも知れません。


決別

「ふぁ~眠い…」

 

早朝朝5時に目を覚ました流斗はモソモソとジャージに着替え、ポカリを片手に隣のベッドで寝ている本音を起こさないように部屋を出た。目的は最近毎日欠かしていない日課のトレーニングだ。真耶から無理をしないようにと言われ体にあまり負担をかけないよう細心の注意を払っている。

 

「あ、宇田君おはよー」

「おー相川ちゃん、おっすー」

 

軽くジョギングをしていると同じくジョギング中に清香に合い一緒のペースで走る。軽く汗を流すと流斗は清香に別れを告げ自分は腕立て、腹筋、スクワットなどの筋トレを行い少しベンチで休憩をする。ポカリを飲みながら流斗はポケットから相棒の待機状態であるボトルを取りだしシャカシャカと振る。相変わらず気持ちいい音を鳴らし流斗は空に透かしてみる。虹色の液体パーツが太陽の光を受けてキラキラと輝いていた。

 

「せっかくお前が認めてくれたんだ。俺も頑張らないとな」

 

そして流斗は辺りを見渡し誰もいないことを確認すると相棒をシャカシャカ振りキャップのラベルを正面に合わせる。カシュと空気が抜けるような音がなり、腕にキャップの上を当てると体が粒子に包まれリヴァイブの形をした相棒、ベルナージュが装着された。

 

「三羽ガラスの真似をして刺してみたけどこれで展開できるのか」

 

流斗は意識を集中してISを解除すると後ろから聞き慣れた声が聴こえギクリとする。恐る恐る見るとニヤリと笑みを浮かべているジャージ姿の千冬が立っており流斗は冷や汗を流す。

 

「許可されていない場所でのISの展開は禁止のはずだが?」

「あ、いや、これは…。すみません!ちょっと展開方法を試したくて!」

「少しは大人びていてもそこら辺は子供だな」

「あれ?首席簿アタックしないんですか?」

「まだ朝の六時だぞ?流石に私も早朝から教師はやらん」

「どうしてですか?」

「それは…」

 

千冬はそっぽを向き何か理由があるのかと流斗は首をかしげる。少しして千冬はこっちを向いた。

 

「面倒だからだ」

「言いきっちゃったよ…」

「まぁなんにせよ今回は注意だけにしておく」

「ありがとうございますちっふー先生!」

「ふん!」

「いってぇぇぇぇぇ!」

 

千冬から拳骨を貰い流斗はのたうち回る。

 

「今のはちっふー先生発言と首席簿アタックという意味不明な名付けに対してだ。…おい、大丈夫か?」

 

地面に倒れ付している流斗を見て千冬は思わず焦り始めた。

 

「ピキッ!ピキッ!ピキッ!割れなーい!ちっふー先生の困惑顔見てやったぜぇぇぇぇぇ!」

「ほぅ…。そうだ、丁度良い。少しお前の実力を見てやろう」

 

デデデン…。デデデン…。とパニックホラーのようなBGMを背景に千冬がズンズンと歩み寄ってくる。

 

「え、あ、いや、大丈夫ですよ!?ほら、織斑先生も俺に構ってないで教師としての執務などをね!?」

 

千冬が近づく度にBGMが早くなっていき、流斗は四月であり今は走ってもいないのにダラダラと汗が流れ始める。

 

「心配するな。さぁ、行くぞ!」

「キャアアアアアアア!」

 

 

「うみゅう…」

 

部屋のベッドで目を覚ました本音は眠い目を擦りながら大きく欠伸をする。時刻は七時になっており隣のベッドを見る。いつもならこの時間ぐらいに流斗は帰ってくるが少し遅い。するとドアがバタンと開きボロボロの流斗が入ってきた。

 

「ど、どうしたのうーたん!?」

 

また無茶をしたのかと本音は慌てて駆け寄るが流斗は大丈夫だと言う。

 

「でもボロボロだよ!?何があったの!?」

「…世界最強と戦ってました」

「えー…」

 

世界最強と聞きその相手が千冬であると理解した本音は自分の心配を返せとばかり流斗をジト目で見た。

 

 

「突然だが宇田は今日から専用機持ちになった」

 

朝のHRで千冬がクラスに向かって言い放つとざわざわと騒ぎだした。それもそうだ。一夏のようにネームバリューがあるならまだしも、流斗は素性不明であり尚且つクラスの一部を除き評価は最悪なのだ。そんな奴がいきなり専用機持ちとなると騒ぐのも当然である。

 

「静かにしろ!宇田の専用機は学園にあったラファール・リヴァイブを渡すことになった。これは既に決定事項だ。それと宇田」

「はい」

「お前は専用機持ちになるに辺りこれをしっかり読んでおくように」

 

そう言って渡されたのは入学前に渡された参考書並みの分厚さのある本であった。普通なら嫌な顔をするはずだが流斗はこれで相棒のベルナージュをもっと深く知れるなら構わないと思った。朝のHRが終わり流斗は早速渡された本を読もうとするが一夏に声をかけられ手を止めた。

 

「昼休みに屋上で話がある」

「…わかった」

 

流斗がそう言うと一夏は自分の席に戻っていった。正直流斗は昼休みは今度こそベルナージュをピカピカに磨きあげ更には塗装も使用かと思っていたが仕方なく一夏に会うことにした。そして昼休みになり流斗が屋上に向かうと一夏は居なく、流斗は舌打ちをして柵にもたれ掛かった。少し遅れて一夏が到着すると流斗は口を開いた。

 

「呼び出しておいて遅刻するとはね」

「そんなことよりこの前の試合はなんだよ」

「試合?ああ、セシリアとのISバトルのことか」

「なんであんな卑怯な戦い方をしたんだよ!」

「ハァ?」

「惚けるなよ!逃げたり守ったりばかりでろくに戦わなくて最後にはあんな酷い攻撃しやがって!あんなの男がすることじゃねぇ!正々堂々戦えよ!」

 

ああ、と流斗は言葉の意味を理解し少し一夏を睨み付ける。

 

「卑怯とかほざいてるけど俺はセシリアに有効かつ合理的な戦い方をしただけだ」

「違う!あんなのはただの暴力だ!」

「よく言うよ。お前だってオルコットに対して剣で斬りかかっただろ?俺の戦いが暴力ならお前のも暴力じゃないのか?」

「違う!俺は正々堂々戦っただけだ!」

「なら俺も正々堂々戦ったまでだ」

「何が正々堂々だよ!女の子を痛め付けて何も思わないのかよ!恥ずかしくないのかよ!」

 

一夏は流斗の胸ぐらを掴み柵に押し付ける。

 

「離せよ」

「お前は間違ってる!」

「離せって言ってんだろ!」

 

次の瞬間流斗は一夏の腹に手を当て吹き飛ばした。ゴロゴロと一夏が転がると流斗は服を払いため息を吐く。

 

「せっかくの制服がシワになるだろ。ったくよぉ。おい一夏、お前は一体何のためにISに乗ってんだ?」

「ゲホッ!ゴホッ!決まってんだろ!皆を守るためにだ!」

「皆って誰をだ?」

「千冬姉や俺に関わる全ての人だ!」

「ぷっ!フッハッハッハッハ!夢だけは立派だなぁ!」

「なんだと!」

「お前はまだ守られる側の人間だ。何故かって?お前の背後には姉である織斑先生が居るからだ。もしお前がただの一般人なら今頃研究所に送られて解剖でもさせられただろう。しかしお前には織斑千冬の弟という事実が存在し、結果として政府は手出しが出来ないのさ。…まだわかってないみたいだな。お前は織斑千冬と言う名の後ろ盾に守られているに過ぎないんだよ!」

「そ、そんな…」

「本当に守りたいならまずは自分の手の届く範囲を守れ。あれもこれもと手当たり次第守ってちゃ何も守れなくなるぞ」

 

そう言って流斗は立ち去ろうとするがドアの前で止まり背中を一夏に向けたまま話しかける。

 

「俺は自分の手の届く範囲は何がなんでも守り抜く。そしてあいつを取り戻す!そのために俺はまだまだ強くなる!例えそのやり方が卑怯でも汚くても俺は俺自身を貫く!お前はどうだろうな?じゃあな、チャオ!」

 

バタンとドアを閉め屋上に残された一夏は強く地面を叩いた。

 

「ちくしょう!」

 

ただその言葉だけが虚しく響いた。




という訳で一夏とは決別ということになりました。
あー、読む人分かれるなこれ…


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