転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。 作:甘々胡麻ざらし
一夏と別れた流斗は一人整備室に向かっていた。そしてドアを開けて整備室に入ると早速ボトルをシャカシャカ振り腕に挿した。するとベルナージュが展開され流斗はハンガーにかけるようにベルナージュから降りる。
「さぁて!あの馬鹿のせいで時間が減ったし今日は磨くだけにするか!」
そう言って流斗は持ってきた道具でゴシゴシとベルナージュを磨き始めた。数十分経つとベルナージュは完璧に磨きあげられ装甲が照明の光を受けて輝いていた。
「うん!完璧!」
流斗はベルナージュを取り出したことにより空になったボトルを向けてベルナージュを回収する。
「よしっ!時間もまだ残ってるし何しよっかなぁ」
「あ、あの…」
「ん?」
ふと声をかけられ振り返るとそこには水色の髪をした眼鏡の少女が居た。ネクタイからして恐らく同級生なのだろう。
「あなたが二人目の男性操縦者?」
「そーだけど君は?」
「あ、私は
「更識さんね」
「あ、名字で呼ばないで。あんまり好きじゃないから…」
「そう?あ、それで何か用だったの?」
「あ、あの!あなたの専用機を見せてほしいの!」
その言葉に流斗はうーんと唸りながら頭を掻いた。
「と言ってもラファール・リヴァイブのまんまなんだけどなぁ…。それに君には申し訳ないけどハイそうですかと相棒を見せるわけにはいかないよ」
目の前の少女には悪いが流斗は簪を信じてはいなかった。恐らく純粋な興味から来ているのかも知れないが少しでも最悪の可能性がある限り初対面の人を信用することは出来ない。
「え、えっと…」
「お~い、うーたん?」
整備室のドアが開き、本音が中に入って来ると簪と流斗を見つけるなり首をかしげる。
「あれ?かんちゃんとうーたん?」
「「あ、のほほんちゃん(本音)」」
流斗と簪の声がかぶり二人は顔を見合わせた。
「かんちゃんとうーたんいつの間に知り合ってたの~?」
「かんちゃんってこの子が本音ちゃんが言ってたかんちゃんなの?」
「そーだよ~」
「君が本音ちゃんの幼馴染みのかんちゃんだったんだね。さっきは失礼なことを言ってすまない」
「あ、ううん。大丈夫。普通なら簡単に専用機を見せるなんて無理だもんね」
「一応情報漏洩とか危惧してるしね…」
「ううん?どういうこと~?」
流斗は事の経緯を本音に話すことにした。話を聞いた本音はなるほどと頷き手を叩いた。
「確かにうーたんも私と同室になったときかなり警戒してたもんね~」
「その件についてはごめんだって。俺だってハニートラップとか危惧してるんだよ」
「でもかんちゃん良い子だよ~?」
「いや、謙虚な子だとは思うよ?まぁいいや。改めて宇田流斗だ。よろしくね」
流斗は右拳で自分の左胸を二回叩き簪を力強く指を指した。この行動に簪は何かを感じたのか右手を差し出し握手を求めた。流斗は快くその手を握ると簪は握られた手を腕相撲をするように組み、流斗も何かを感じたのかお互いに手を離して拳を三回ぶつけた。そして流斗はまさかと思い右手を天に突き上げた。
「おばあちゃんが言っていた」
「天の道を往き、総てを司る男」
「「天道…総司」」
簪も同じく右手を天に突き上げた後、何かを確信したのかポーズをとる。
「追跡、撲滅、いずれも…」
「マッハ!」
「「仮面ライダー〜〜〜マッハ!」」
お互いに腕をぐるぐる回してビシッとポーズを決めるとお互いに再び固い握手を交わした。そして心の中で感じたのだ。目の前の人は