転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし

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お気に入りが最大級のパワフルボディの時に更新してやったぜぇ~


恋人と覚悟と変身拳銃

「一夏のクラス代表就任パーティー?」

「そう!宇田君が寝ていたから延期になってたの!」

「一緒に行かない?」

「お菓子もあるよ~」

 

放課後本音たちは流斗の元に集まり夜に一夏のクラス代表就任パーティーをすることを伝えた。しかし流斗は首を振り行かないことを表す。

 

「え、なんで!?」

「ベルナージュの塗装したいし」

「それ明日でも出来るよね?」

「出来るけど早めの方が良いかなって」

「うーたん何か隠してる?」

 

ギクリと思い流斗はそっぽを向いた。正直言うと何故自分が嫌いな相手を祝なければならないのかまったくわからない。そんなことに時間を使うならベルナージュの塗装をする方が何倍もマシだった。しかし本音たちに理由を説明するわけにもいかず、結局来ることになってしまった。

 

「はぁ…。結局来ちゃったよ…。あ、これうま!」

 

流斗はなるべく目立たないよう端っこでお菓子を食べているとマイクを持った女子生徒がやって来た。一年一組が貸しきってるのではないのかと疑問に感じたが、明らかに他のクラスの女子も混じってることから考えるのをやめた。

 

「おーおーモテモテだねぇ」

「うーたん何でそんな遠くに居るの?」

「…女子の香水が苦手でね」

 

適当な理由で誤魔化しているとマイクを持った女子生徒がこちらに向かってきた。ネクタイの色からして恐らく二年生であろう。

 

「はーいどうも新聞部の(まゆずみ) 薫子(かおるこ)です。二番目の男性IS操縦者の宇田さんにもインタビューしてもいいですか?」

 

薫子から名刺を受け取り財布に仕舞うと流斗は席を立った。

 

「お断りします」

「え、ちょっと待ってくださいよ!何か一言!」

「面白いコメントしないと捏造するんでしょ?遠くから聞いてました。俺、嘘とかそう言うの嫌いなんですよ」

「だ、大丈夫ですから!捏造しません!本当です!」

「ならそれを信じて一言コメントしましょう」

 

薫子は一体どんなコメントが来るのかとワクワクしてメモとペンを握りしめていた。

 

「戦わなければ生き残れない。これを覚えていてください。では」

 

ヒラヒラと手を振りながらその場を去っていった。薫子は流斗の言葉の真意を理解できなかったが、何故か俄然興味が湧いてきた。一人廊下を歩きながら流斗は窓の向こうに浮かぶ月を眺めていた。

 

「紫…」

 

恋人の名前を呟き服の中に仕舞っていたネックレスを取り出す。そこにはチェーンを通した指輪が付いていた。この指輪は流斗と紫が高校生のときに買ったペアリングであり、高くはなかったものの二人には思い出の指輪だった。

 

「何とかして紫の情報を集めないと…」

「久しぶりだな宇田流斗」

「っ!」

 

渋い声が聞こえ振り返るとそこには誰もおらずここだと声をかけられ外を見る。そこにはコウモリのように逆さになってこちらを見ているナイトローグが居た。

 

「ローグ…!」

「少し来い。話がある。お前の恋人の情報についてだ」

「っ!?」

 

流斗はナイトローグに付いていき人気のない場所に向かった。

 

「で、なんで紫にネビュラガスを投与したお前が俺に情報を渡してくるんだよ」

「ネビュラガスの実験を行ったのは私じゃない。行ったのは亡国企業(ファントムタスク)だ」

「なんだそいつら?」

「世界大戦の時から密かに暗躍している組織だ。そして奴等はネビュラガスの投与とフルボトル、そしてパンドラパネルを所持している」

「ま、待ってくれよ!?つまりこの世界にはパンドラボックスも存在するってのかよ!?」

「その通りだ。しかし何処にあるのかは私も知らない」

「マジかよ…」

「そこでお前にこれを渡したい」

 

そう言ってナイトローグが取り出したのはスロットが1つ付いた拳銃。"トランスチームガン"だった。

 

「な、なんでこれを?」

「私は亡国に所属してはいるがどうも人体実験が気に食わない。だからお前には私と共に亡国を倒すのを手伝ってほしい」

「あんたの仲間になれってことか?」

「違うな。協力関係を結びたいだけだ」

「…1つ聞かせてくれ。紫は無事なのか?」

「彼女は無事だ」

 

その言葉に流斗は安心するがしかしと続けられナイトローグに目を向けた。

 

「彼女はスマッシュにはならなかったことから亡国の一員として戦っている。それも記憶を消されてな」

「な、なんだって!?それじゃあ紫は…」

「実質亡国の操り人形だ」

「そ、そんな…」

 

その言葉を聞き流斗は地面に座り込んだ。

 

「紫…。俺は…どうすれば…」

 

紫を助けたところで彼女は俺を敵として認識するだろう。もし仮に紫と戦うことになれば流斗はその拳を振るえるのか。答えはNOだ。大切な彼女を傷つけたくはないし万が一"最悪のこと"も考えられる。

 

「お前の想いはそんなものだったのか?」

 

ナイトローグの言葉に流斗は顔を上げ睨み付ける。

 

「お前が恋人を傷つけたくないのはわかる。だがお前の恋人もお前を傷つけたくないに決まっているだろう!もしお前が抵抗せず恋人がお前を殺したとして、記憶が戻れば彼女はきっと自殺する。今もお前の恋人は亡国の操り人形として多くの人を傷つけている。そんな彼女を止めるのは誰だ!お前しか居ないんだよ!」

 

ナイトローグの言葉に流斗は拳を握りしめ地面を叩いた叩く。

 

「うるせぇよ…。てめぇに言われなくてもわかってるよ!」

「だったらどうする!」

 

ナイトローグの威勢に流斗は一歩下がる。そして脳裏に浮かぶのは紫の笑顔だった。そしてある公園でそれを見上げていたときの言葉を思い出した。

 

「もしこの世界で仮面ライダーが居て、俺が怪人になったらどうする?」

「ボコボコにする!」

「即答かよ!?」

「で、目を覚まさせる。そして殴った分だけいっぱい謝る」

「なんだそれ?(笑)」

「だって流斗がそんなことをしたら止めるのは彼女の役目でしょ?流斗のこと大事だし。あ!もし紫が怪人の立場になったら同じことをしてね」

 

そのときの紫はとても明るい笑顔で笑っていた。

 

「はぁ…。キツいな…。でも、やるしかないんだよな…」

 

流斗はそう言いナイトローグからトランスチームガンを受けとる。

 

「ナイトローグにこんなこと言われるとはな…。ありがとな」

「覚悟は出来たか」

「ああ!」

「そうか」

 

そう言ってナイトローグはもう1つのトランスチームガンから煙を噴射して姿を消した。

 

「待ってろよ紫…。絶対お前の目を覚ましてみせるからな」


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