転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし

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先日偶然にもビートクローザーとクローズドラゴンのセット版を発見し、買っちゃった作者です!
クローズドラゴン持ってなかったから良かったぁ~
ちなみに私はこれでパンドラボックスを開くことが出来ました!
そして誤字報告をしてくださった方に大きな感謝を!


訪れる変革

遂に迎えたクラス対抗戦。一回戦目はいきなり一夏と鈴の対戦となり流斗は作為的な何かを感じた。この大会の優勝者のクラスはデザート半年間フリーパス券を貰えるらしいが正直興味はなかった。流斗個人としては実力の差があまりない一年の戦いを見るより二、三年の戦い方を見て勉強した方が何倍もマシだ。

一年と言っても代表候補生同士の戦いなら見応えは充分あるが、なんせ一年のトーナメントには専用機持ちは三人しか存在せず、一人は一夏(一月前に動かした初心者)、一人は(たった数ヵ月で代表候補生に登り詰めた天才)、一人は(とある事情で専用機が作成中止となった)であった。

簪は四組のクラス代表だったので参加するらしいが訓練機での参加らしい。理由は簪の専用機を開発していた企業が一夏の専用機開発に全人員を投入したため開発が中止。それを簪が引き取り組み立てているそうだ。その企業の名前は倉持技研。

流斗はこの企業が何らかのコンタクトを取ってくるならば全力で拒否しようと誓った。元々あった開発を止め、更には一夏の専用機の搬入すらも遅れてくる企業に何を頼むことがあるだろうか。信頼とは大切なのである。

 

「それにしてもここだけ人多いなぁ」

「まぁ世界初の男性操縦者VS中国の代表候補生の試合だからねぇ」

「ここ見に来るより二、三年の方が勉強になるのになぁ」

「と言いつつうーたんも来てるのねぇ~」

「仕方なくだよ」

「ビデオカメラばっちり構えて言うことじゃないよ…」

 

流斗の手にはビデオカメラ(高性能)が握られており、試合を撮る気満々であった。しかしこれは自分を兄貴と呼んでくれる鈴に対してのシスコン魂が働いている訳ではなく、鈴にお願いされたからである。自分の動きを録画しておいて今後の強さに繋げたいと言われたのだ。強くなろうとしていることから断る気にはなれず流斗は快くOKした。

 

「あ、隣良いかな…?」

「お、簪ちゃん。やっほー」

「ど、どうも…」

 

流斗たちに声をかけてきたのは簪であり次は自分の試合があるため観戦して時間を潰そうと来たのだ。ちなみに流斗が簪を名前呼びしているのは姉も同じ名字なのと仮面ライダー仲間同士名字だと距離を感じることからお互いに名前で呼んでいる。席順は左から清香、癒子、本音、流斗、簪であり、左右のピットが視界の端に映るベストな席を確保していた。

 

「お、そろそろ始まるみたいだな」

「私リンリンに鯖味噌定食一枚~」

「あ、じゃあ私は織斑君に杏仁豆腐一個」

「杏仁豆腐って一番安いやつじゃん。私はチョコケーキを織斑君に!」

「それも安いよね?じゃあ私は中国の代表候補生さんに駅前のフルーツパーラーの大将軍パフェで」

「こらこら君たち。若い女の子がそんな賭け事みたいなの止めなさい。あ、俺鈴ちゃんに5000円」

「「「「ちゃっかり賭けてるし…」」」」

 

わいわいと盛り上がっていると一夏と鈴がピットから出て来て空中に佇んだ。一夏のISは白を基調とした騎士を彷彿させるようなシルエットに対し、鈴のISはマゼンタに近い色と黒に黄色のラインが入った機体であり、両肩のスパイクアーマーが浮遊していた。

 

「そろそろ始まるみたいだな。君の力を見せてもらうよ鈴ちゃん」

 

試合開始の合図が鳴り一夏は鈴に突撃するが、鈴はそれをかわし振り向き様に両手に持っている青竜刀"双天牙月"で斬りつけた。セシリアとの戦いの記録映像から見て恐らく一夏は初手は突撃するのが基本なのだろう。動きが剣道のそれと酷似していた。逆に鈴は落ち着いており一夏が近接ブレードの"雪片弐型"で斬りつけてくれば片方で防ぎ、もう片方で叩き斬っていた。

 

「クソ!」

「ほらほらどうしたの一夏!あたしに勝つんじゃなかったの?」

「まだだ!」

「甘いわ!」

 

突然鈴の肩のスパイクアーマーがスライドし、一夏を吹き飛ばした。

 

「な、なんだ今の?」

「さぁなんでしょうね!」

 

一夏は何故吹き飛ばされたのかわからず混乱していた。

 

「何今の?」

「織斑君がぶっ飛んでったよ!?」

「ね~ね~うーたん分かる?」

「あれは龍砲って呼ばれる鈴ちゃんの専用機の武器だよ。あの肩のスパイクアーマーが稼働して空気を圧縮し、砲弾として発射する。更には砲身も砲弾も見えず射程角度も制限なし。まぁ簡潔に言えば見えない砲弾ってやつだね」

「おお~流石ISヲタク~」

「いや~それほどでも」

 

流斗が照れているとドンッ!ドンッ!と大きな音が鳴り、音のした方を見るとどうやら一夏が鈴の龍砲をかわし始めていた。

 

「へぇ…。織斑も結構やるねぇ」

「なんで急に動きが良くなったの?」

「恐らくハイパーセンサーで空気の歪みを感知してかわしているのかもね」

「なるほど」

「あ、見て。織斑君が!」

 

鈴と距離を詰めることに成功した一夏はそのまま雪片弐型を降り下ろした。

 

『はい、ストップ』

 

《スチームアタック!》

 

突然声と電子音が響き、一夏と鈴の間に熱風が起こり二人を吹き飛ばした。

 

「な、なんだいったい!?」

「一夏あれ!」

 

二人が空を見上げると右手にメカメカしいライフル持ち、左手からプロペラを出して空を飛んでいる者が居た。そして地面に降り立つと左手のプロペラを仕舞った。その姿は白を基調に蜘蛛のデザインが施されていた。その姿はまさに流斗が千冬から見せてもらった謎の全身装甲(フルスキン)だった。

 

「お前いったい何者だ!」

『俺か?俺は亡国企業(ファントム・タスク)のクラウドトレイター様だ!お前らのボトルを頂くぜ!』




はい、というわけで作者のオリジナルキャラクター登場~。

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