転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。 作:甘々胡麻ざらし
リアルがちょっとバタバタしてまして…。
「箒ぃぃぃぃぃぃ!」
自分の幼馴染みの安否を確かめるように一夏が叫ぶと中継室の煙が晴れていく。そこには無惨な姿の…
「間に合ったみたいだね…」
流斗の姿があった。
「な、何故貴方が…?」
「全く…無茶だね…君は…。ゲフッ!」
流斗の全身からは血が流れ、ベルナージュは解除されていた。恐らく箒を庇ったときにSEが0になったのだろう。その姿を見たクラウドトレイターはパチパチと拍手を贈る。
『いや~凄いな。あの一瞬でよく向こうに辿り着けた』
「手の届く…範囲なら…絶対に助ける…。それが…俺の…流儀…だ…」
どさりと流斗は血を流し過ぎたのか倒れた。それと同時に教師たちが到着し、クラウドトレイターを包囲する。
『随分遅かったな。男性操縦者の一人は格好よくあの女を助けたってのにお前らはさぁ…』
「貴様…!」
「そこの
教師部隊の一人がそう声を張り上げるがクラウドトレイターは笑いを堪えるように肩を震わせた。
『おいおい。俺より宇田流斗の方を心配した方が良いぜ?ほら』
クラウドトレイターが指を指した中継室には血を流している流斗が倒れており、それを見た真耶は怒りで鬼のような形相になる。
「貴方が…。よくも私の弟子を…。流斗君をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「よせ、真耶!」
千冬の制止を振り切り真耶はアサルトライフルを構えクラウドトレイターに向かっていく。その攻撃は現役時代程であり、クラウドトレイターは感嘆の声をあげた。
『流石は
「ハァァァァァァァァァァ!」
「真耶!落ち着け!ちっ!残っている教師陣は真耶を援護しろ!」
千冬は教師部隊に指示を送り、流斗の元へと向かう。流斗の近くには箒がどうして良いか分からない表情で床に座っていた。
「ち、千冬さん…。私は…」
「説教は後だ!今は宇田を…なんだこれは?」
千冬は流斗を抱えようとしたが、近くに転がっていた待機状態のベルナージュが淡く光り、金色のバングルに形を変え、流斗の左腕には巻き付いた。するとバングルから光が溢れ、流斗を包み込み傷を治し始めた。
「どうなっているんだ…?」
千冬が驚いた顔をしているとガバッと流斗は体を起こし、傷だらけの自分の体を見てため息を吐いた。
「やれやれ…。こいつは随分無茶をしてくれたなぁ」
「う、宇田!?お前のベルナージュはいったい…。おい、宇田!眼が!?」
千冬が驚いているのは黒目だった流斗の両目は、左目が緑、右目は赤に輝いていた。千冬の言葉に流斗はスマホのカメラを使い顔を見ると納得したような顔をした。
「なるほど。今はこいつが治療をしているから俺を抑えるほど力を回す余裕がないか。だったら…」
流斗は立ち上がると懐からトランスチームガンを取り出す。そして自分の腹に左手を当てると何かを引っ張り出すような仕草をして左手を放した。そこには銀色のコブラのデザインが施された紫色のボトルが握られていた。
「まずはあそこにいる蜘蛛怪人を始末するか」
《コブラ!》
シャカシャカとボトルを振り、トランスチームガンにセットするとトランスチームガンから待機音が鳴り、自分の顔の横に構える。
「蒸血」
《ミストマッチ!》
銃口を下に向けトリガーを引くと黒い煙が噴射され流斗を包み込む。
《コ・コッ・コブラ!コブラ!ファイヤー!》
煙が晴れるとそこにはワインレッドの宇宙服のような格好に、随所にコブラのデザインが施された
『んん"…。さて、始めるとしようか』
流斗が咳払いすると声が別人のように低くなり、そのまま中継室に開いた穴からアリーナへ出ていった。
流斗がブラッドスタークに!?
何故!?