転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし
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血まみれの蛇

『オラァ!』

「キャア!」

 

クラウドトレイターはトランスチームガンで真耶に弾丸を浴びせ、怯んだ隙に腹に蹴りを入れて吹き飛ばした。真耶は壁にぶつかり残りのSEは僅かとなっていた。真耶を援護していた教師陣もSEがなくなり地面に倒れていた。

 

『これで終わりだ!』

 

《ドライヤー!》

《フルボトル!スチームアタック!》

 

クラウドトレイターは再びドライヤーフルボトルをトランスチームガンにセットし真耶に銃口を向ける。

 

「っ!」

 

真耶はここまでかと悟り目をつぶる。しかしいつまで経っても自分に攻撃が当たらず、恐る恐る目を開けるとそこにはワインレッドの全身装甲(フルスキン)の装着した流斗がダイヤモンドの壁を作って防いでいた。

 

『おい、大丈夫か?』

「だ、誰ですか?」

『誰だてめぇ!』

 

声が変わっていることに真耶とクラウドトレイターは流斗の正体に気づいてはいなかった。ならば丁度良いと思った流斗は炎が消えたことに確認しダイヤモンドの壁を解除した。

 

『俺の名はブラッドスターク。スタークでも構わないぜ?』

 

そう言ってトランスチームガンとコブラフルボトルを見せるとクラウドトレイターは仮面越しでもわかるほどに動揺した。

 

『な、なんだそのボトルは!てかなんでもお前がロストボトルを持ってんだよ!それは俺たち亡国企業(ファントム・タスク)しか作れないってのに!あっ!』

『わざわざ情報漏洩してくれるとはな』

『まぁいい!テメェをブッ潰してテメェと宇田流斗のボトルを回収させてもらうぜ!』

 

クラウドトレイターはスチームブレードを出現させ、流斗ことスタークに接近するがスタークは同じくスチームブレードを出現させ受け止めた。

 

『トランスチームシステムはハザードレベルが上がることはない!つまりテメェと俺は同じってことだ!』

『そいつはどうかな?』

『何!?』

 

《アイススチーム!》

 

スタークがバルブを回転させると受け止めている刀身越しに冷気が伝わっていき、クラウドトレイターのスチームブレードを凍結させていく。このままでは自分の手も凍らされてしまうと感じたクラウドトレイターはスチームブレードを離すが、その瞬間スタークのミドルキックを叩き込み吹き飛ばす。

 

『テメェ…!』

『おいおい、レベルは一緒なんだろ?』

『クソガァァァァァァ!』

 

クラウドトレイターが両腕を広げると下半身が機械の蜘蛛に変化し、カチャカチャと音を立てながら向かってきた。

 

『死ねぇぇぇぇぇ!』

『成る程。見た目通り蜘蛛のロストボトルを使ってるってことか』

『オラァァァァァ!』

『だが!』

 

《ライフルモード!》

 

スタークはスチームブレードとトランスチームガンを合体させライフルモードにすると、襲い掛かってくる六本の機械の足を蛇のようにスルスルとかわし、ライフルで正確に足を撃ち抜く。撃ち抜かれたことによりバランスを崩し、クラウドトレイターは地面に倒れ足は元に戻った。

 

『レベルが同じならあとは経験がモノを言うんだよ』

『チッ!』

『そういやお前の名前の日本語訳は雲の反逆者だが、もしかして蜘蛛と雲でダブルネーミングなのか?』

『だったらどうした!』

『いや、中々センスが良いと思ってな?』

『そりゃどうも!』

 

《エレキスチーム!》

 

『オラァ!』

 

クラウドトレイターは近くに転がっていたスチームブレードを手に取り電撃を放つが、スタークはダイヤモンドフルボトルをトランスチームガンにセットしトリガーを引いた。すると目の前にはダイヤモンドの壁が現れ電撃を防いだ。

 

『なっ!?』

『ダイヤモンドは絶縁体に近い。つまり電気は通さない。そして…』

 

《ゴリラ!》

《フルボトル!スチームアタック!》

 

スタークがゴリラフルボトルをセットしトリガーを引くと、銃口からエネルギー状のゴリラの腕が発射され、ダイヤモンドを砕きクラウドトレイターに大量のダイヤモンドの破片をぶつける。

 

『ボトルの力を合わせればこんな攻撃も出来るってわけだ』

「つ、強ぇ…」

「なんて実力ですの…?」

 

自分達を圧倒したクラウドトレイターをスタークは簡単にあしらっており、その光景に一夏とセシリアは驚いてた。

 

『クソッ!さっきからなんでテメェがボトルの扱い方を熟知してんだよ!っ!まさかテメェ…。いや、そんなはずは…』

 

チラリと流斗が倒れた中継室を見るがすぐに頭を降る。すかさずスタークはクラウドトレイターに近づき肩に手を置いた。そして周りには聴こえない声量で話しかける。

 

『おっと。余計なことは言うんじゃないぜ?俺は確かに流斗だが流斗じゃあない。今は一時的に体を借りている』

『借りているだと?だとしても宇田流斗の体はボロボロのはず』

『ちょっと厄介な奴が居てね。こいつが今この体を治しているのさ』

『で、俺をどうすんだ?正直今かなり頭にキテるんだがなぁ』

『止めておけ。お前じゃ俺には勝てない。代わりと言ってはなんだがお前を見逃そうじゃないか』

 

突然の提案にクラウドトレイターは驚くが仮面の中でニヤリと笑みを浮かべた。

 

『良いのか?襲撃者を逃がしても。宇田流斗がグルに思われるかもしれないぜ?』

『その点も抜かりはない。だからお前は安心して逃げて良いぞ?』

『いちいち頭にくる言い方だなぁ…!』

『止めておきなさいトレイター』

『っ!スコ…ミッシング!どこから!?』

 

クラウドトレイターはキョロキョロと辺りを見渡すとここよと声が聴こえ肩の上に紫色の蠍が乗っていた。

 

『でもミッシング!こいつは俺たちの邪魔を…!』

『別に良いわよ。それに今回の目的は宇田流斗に秘められた力を目覚めさせることだったもの。貴方すぐ喋るから嘘を教えていたのよ』

『ま、マジかよ…』

『ごめんなさいね。この子すぐ頭に血が上っちゃうから』

『いや、お陰さまでこっちに出られた。感謝するよ。ところで流斗がトランスチームガンを持っていたのもフルボトルを持っていたのも』

『全部知ってるわ。というより許可したのは私だもの』

『ほぅ。まだまだ聴きたいことはあるがそろそろ時間だな』

『ええ。またゆっくりとね。私はポイズンミッシングよ』

『改めてブラッドスタークだ』

『よろしくねスターク。さぁトレイター、帰るわよ』

『チッ!わかったよ!』

 

クラウドトレイターことトレイターは仮面越しからスタークを睨み、体から黒い煙を出して姿を消した。トレイターが消えたことに一夏たちは逃げたと判断し、ほっと胸を撫で下ろした。そしてスタークは突然の左手が思うように動かずだらりと垂れた。

 

『…もう時間か。まぁいい』

 

スタークはトレイターと同じように黒い煙を出して中継室へ瞬間移動した。突然現れたスタークに千冬と箒は驚くがスタークは全く気にせず箒の頭に右手を置いた。

 

「な、何を…?」

『俺のことを知られていると後々めんどくさいんだ』

 

スタークは右手から煙を噴出しそれを浴びた箒は眠るように気絶した。

 

『ふぅ』

「おい貴様!篠ノ之に何をした!?」

『そう慌てんな。単純に俺が目覚めてからの記憶を消しただけだ』

「記憶を…?」

『本当ならあんたの記憶も消したいが、時間が時間でな。後のことは頼むぜ?』

 

スタークは変身を解除すると両目が元に戻り地面に倒れそうになるが、千冬が抱きとめたことで地面に倒れることはなかった。

 

「おい、宇田!しっかりしろ!」

「すぴぃぃぃぃぃぃ…」

「寝てるのか…?はぁ…」

 

気持ち良さそうな寝顔をしている流斗に千冬はため息しか出なかった。




スタークは本編でロケットフルボトルしか使ってませんでしたが、ここではフルボトルを有効に使ってます。
さて、またしても新キャラのポイズンミッシングが出ましたが、正体は伏せておきます。


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