転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし

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コンセレ龍騎発売決定おめでとー!
そしてすぐに完売かよwww
私は逃したので二次の方を買うかなぁ?


夢と流斗と三つの意思

「ここは…?」

 

流斗が目を開けるとそこは真っ暗な世界だった。上も下も右も左もわからない真っ暗な世界にポツンと一人浮かんでいた。

 

「俺暗いところ苦手なんだけど…。お化けとか出ないよね?」

「マスター?」

「ひゃい!?」

 

流斗が驚いて変な声を上げて振り替えるとそこには黒髪のショートヘアーを持ち、パッチリ大きな目の可愛らしい少女が継ぎ接ぎされたうさぎの縫いぐるみを抱えていた。

 

「どうしてマスターがここに?」

「ん?マスター?お嬢ちゃん、誰かと勘違いしていない?」

「いや、マスターはマスターでしょ?宇田流斗は私のマスターだし」

「ワッツ?お嬢ちゃん、名前何て言うの?」

「はぁ?相棒の名前も忘れたの?ベルナージュよ。ベルナージュ!」

「あ~ベルナージュかぁ。ってベルナージュ!?」

「さっきからそう言ってるし…」

 

目の前の少女は呆れた顔でやれやれと首を振った。

 

「え?でもベルナージュって…。え!?」

「ここは私のコアネットワーク。何の偶然かわからないけどマスターは今私のコアネットワークに精神が介入しているの」

「何でそんなことに?」

「多分お姉ちゃんの影響」

「お姉ちゃん?」

「うん。今はマスターの体を治しているから会えないけどね」

「待て待て待て!?コアに人格があるのは知っていたが、俺のベルナージュは二個も人格があるのか!?」

「正確にはマスターのコアの人格は私。お姉ちゃんは別、というより私たちとは違った存在なの」

「おい、話が全くわからないぞ?」

「あ、そろそろお別れだね。もうすぐ眼が覚めるよ」

 

ベルナージュが指を指すと流斗の体がだんだんぼやけていた。

 

「おい、ベルナージュ!誰なんだよ!そのお姉ちゃんって!」

「いつか会えるよ。またね」

 

流斗の体は完全に見えなくなりベルナージュが一人ポツンと暗い世界に残された。そして流斗と入れ替わるように流斗と同じくらいの年と思われる女性が現れた。その姿はベルナージュを流斗と同じくらいの年に成長させたような見た目をしていた。そしてその両目は緑色に輝いていた。

 

「…宇田流斗がここに来たのか」

「うん。少しだけお姉ちゃんのこと話したよ」

「そうか…。すまないな。こんな暗い世界にお前を残して。すぐに元の景色に戻そう」

 

そう言って女性が手をかざすと暗い世界が崩れ去り、綺麗な花畑に姿を変えた。しかし一角だけは花が咲いておらず、血のように赤い地面が広がっていた。

 

「随分勝手なことをしてくれたな」

 

女性がそういうと赤い地面に寝転んでいた者が起き上がり頭を掻いた。その姿は両目が赤く光っている流斗だった。

 

「別に良いだろ?誰のお陰で流斗のピンチを救ったと思っている?」

「何がピンチを救っただ!貴様は何を企んでいる!」

「俺はただのゲームメーカーだ。ゲームを面白くするためなら何だってする」

「貴様っ!」

「お姉ちゃん、ストップ。こいつに何を話しても無駄だよ…」

「…。貴様の好きにはさせないぞ、"エボルト"」

「へぇ、せいぜい頑張りな。"もう一人のベルナージュ"」

 

 

「(゜ロ゜)!?なんだ今の夢…?ベルナージュは!?」

 

流斗はポケットを探るがベルナージュのボトルが見つからず、左腕に何かが巻き付いている感触を感じて目を移す。そこには金色のバングルが巻き付いていた。

 

「(;・∀・)うそーん。待機状態みーたんのバングルになったの?え?俺浄化とか出来ちゃうの?」

 

流斗の左腕に巻き付いているバングルは、仮面ライダービルドに登場するヒロインの石動美空が付けているものと同じ造形をしており、ビルドでは彼女がスマッシュから成分を採取したボトルを浄化することによりフルボトルが完成するのだ。流斗がどうしようか悩んで居るとドアが開き真耶が入ってきた。

 

「う、宇田君…?」

「あ、山田先生!チーッス!」

 

山田はツカツカと流斗の元まで早歩きで向かうと突然ビンタを流斗に喰らわせた。突然のことに流斗が動揺していると、真耶の目には涙が浮かんでいた。

 

「山田…先生…?」

「生徒を殴るのは教師としてダメなのはわかってます。でも宇田君。君はどこまで皆に迷惑をかければ気が済むんですか!どれ程皆が心配したと思っているんですか!」

「…すみません。でも、ほら!篠ノ之さんを助けれたし、中継室で気絶していた人たちも一緒に守れましたよ!俺一人の命で複数の人の命が救われたんです!」

「…なんですかその考え?ふざけないでください!」

 

突然真耶がキレたことに流斗は驚いた。普段は温厚でドジな真耶には怒りなどといったイメージが全くないからだ。

 

「君の命は君だけのモノじゃないんです!もし君があのとき死んだら私はどうなるのですか!?大事な生徒で弟子の君を死なせたことを一生後悔して生きていくんですよ!君の友達の布仏さんたちもきっと悲しみます!それに君には救いたい恋人が居るのでしょ!その子を放っておくのですか!?」

「…すみませんでした」

 

確かにその通りだった。流斗が仮にあのとき死んでいれば恋人を救うことも出来ず、更にはこの学園の友人を悲しませることになっていた。流斗はその事実に罪悪感を感じ、項垂れていると突然真耶に抱き締められた。

 

「や、山田先生!?」

「よかった…。生きてて…」

 

真耶の頬には涙が伝っており、どれ程流斗が生きていたことに安心を抱いていたのかが伝わってきていた。ここで苦しいだの離してくださいなどと言うのは野暮だろうと思い、流斗は真耶の気が済むまでそっとしておこうと思った。

 

「あー!真耶ちゃんが宇田君を抱き締めてるー!」

「教師と先生の恋愛はダメですよー」

「え!?み、皆さんいつの間に!?」

 

突然現れた本音たちに真耶は驚き、慌てて流斗を離した。そして真耶が清香たちに弁解していると、今度は本音が流斗に抱きついてきた。

 

「…本音ちゃん?」

「また不安にさせた罰…」

「はいはい…」

 

これは離れそうにないなと理解した流斗は優しく本音の頭を撫でることにした。

 

「皆ごめんね…。心配かけたよな」

「うーん…。あ、今度駅前のフルーツパーラーのパフェで許す!」

「あ、それいいね!」

「うん。山田先生も一緒にどうですか?」

 

簪の提案に真耶は悩むそぶりを見せるがニッコリと微笑んで。

 

「良いですね。私もあそこのパフェを食べてみたかったのですよ。もちろん宇田君のおごりでね♥」

 

そう言った。

 

「あはは…。マジかよ…」

「どんまいうーたん」

 

その後も鈴が見舞いにやって来てメンバーに加わることになったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が静まり、空に月が輝いている夜。IS学園の屋上で千冬は空を見上げ、その手には一枚の写真が握られていた。そこには幼い日の自分(といっても高校生だが)と一夏、束と箒。そして写真の千冬と同じ年と思われる少年が写っていた。千冬は写真に写る少年を眺めると再び空を見上げた。

 

「…こっちは順調に進んでいるぞ、巧」

 

その夜空には一匹の蝙蝠が羽ばたいていた。




はい、というわけで流斗にくっついてたのはエボルトでしたぁ(うん。知ってたよね)

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