転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。 作:甘々胡麻ざらし
あ、もちろん予約しました!
「今日も手がかりなしか…」
ため息を吐きスマホの電源を落とした流斗はヘルメットを片手に空を見上げていた。彼の近くには探し人の張り紙が貼ってあり、そこには流斗の恋人の写真と流斗の電話番号が書かれていた。朧気だが事故の記憶を思い出した流斗は、あのとき確かに恋人が血を流している姿を見ていたのだ。最初は吐き気などがしたが今となっては恋人を探す唯一の記憶になっている。しかし一向に手がかりが掴めずこうして空を見上げるしかないのだ。
「この世界にいることな確かなはず…」
そう言い流斗はヘルメットを被り事故のあった現場へと向かった。
「ここか…」
自分が轢かれた場所に着いた流斗は近くに何か手がかりがないか探し始めた。しかしいくら探しても手がかりは発見できなかった。
「はぁ…。何やってんだろうなぁ。半年かけて探しても見つからないなら無理なのにさ…」
しかし流斗は諦めたくはなかった。唯一の手がかりであるこの場所にすがるしかなかったのだ。ふともう自分の恋人はこの世に居ないかもしれない。そんな考えを頭を振って消し、バイクに跨がった。
「どこにいるんだよ
『そんなに恋人に会いたいか?』
「!?」
寂しさに胸が押し潰され泣きそうになったとき、後ろから声をかけられ振り替えると全身を黒いスーツで包み、胸には翼を広げたコウモリのマークが刻まれ、同じく翼を広げたコウモリを仮面のように着けた謎の人物が立っていた。
「な、ナイトローグ!?なんでこの世界に!?」
その姿を流斗は知っていた。何故なら目の前にいるコウモリの意匠を持つスーツは流斗が見ていた仮面ライダービルドに登場する敵であったからだ。しかしこの世界に仮面ライダービルドは存在しない。つまりナイトローグも存在するはずがないのだ。
『お前が探している恋人、
「な、なんで俺の彼女の名前を…?それになんでおまえがそれを知ってるんだ!?」
ナイトローグは質問に答えず何処からかタブレットを取りだしある動画を見せる。そこには流斗の恋人である紫が謎の液体に浸けられガスマスクを装着させられていた。そして黒い霧が彼女を覆いそこで動画はしゅうりょうした。
「紫!てめぇ!紫にスマッシュの人体実験をしたのか!」
スマッシュの人体実験とはこちらも仮面ライダービルドの世界で悪の組織ファウストが人間に特殊なガス"ネビュラガス"を投与することで人間を"スマッシュ"と呼ばれる怪物に変える恐ろしい実験なのだ。
『お前の恋人を探したいならIS学園へ向かえ。そこにお前の答えがある』
「IS学園だと?」
『丁度明日全国IS適性検査が行われる。そこでお前はISを動かす。じゃあな』
「あ、待て!」
流斗は追いかけようとするがナイトローグは手に銃を出現させそこから霧を噴射して姿を消した。
「なんでナイトローグがこの世界に居るのかわからないけど、紫も来てるんだよな…。待ってろ紫、絶対に助けるからな!」
流斗は再び空を見上げそう心に決めた。
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