転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし

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のほほんとしているこの子は誰なんだ?

朝のSHRが終わり男性操縦者を一目見ようと廊下には女子生徒で溢れ帰っていた。ちなみに評価は一夏がイケメン、流斗は微妙だった。一夏はこの状況にまだ頭を抱えており、それ見かねた流斗は声をかけることにした。

 

「大変そうだね」

「あ、えーっと…」

「多分自己紹介聴いてる暇なかったよね」

「わりーな」

「いいよいいよ。俺は宇田流斗。年は18。よろしく」

「え、年上!?あ、すみません!」

「ぷっ!あはは!いいよ、タメ口で。同じ学年だし好きなように呼んでくれ」

「え、あ、じゃあ流斗で良いか…?」

 

恐る恐る聴く一夏に流斗は満々の笑みで頷く。

 

「じゃあこれからよろしく織斑君」

「あ、俺も一夏で良いぞ?千冬姉…じゃなくて織斑先生とややこしくなるし」

「了解」

「ちょっといいですか?」

「うん?君は…」

 

ポニーテールの少女に声をかけられたが途中で自己紹介が終わったため名前を知らない。流斗はISという作品を知ってはいるが読んだことはないのだ。

 

「もしかして箒か?久しぶりだな!」

「一夏の知り合いか?なら俺は邪魔しないように戻るよ」

「え、いや流斗も一緒で良いぞ?箒のことも知ってほしいし」

「うーん…。彼女の様子を見る限り積もる話もあるんじゃないかな?」

 

そう言って流斗は去っていくときボソリとポニーテールの少女に告げる。

 

「ごゆっくり~」

「っ!?」

 

ポニーテールの少女は顔を少し赤くして流斗を見ると、背を向けながらヒラヒラと手を降っていた。そしてポニーテールの少女は一夏と共に屋上へと向かっていった。

 

「はぁ~青春だねぇ」

 

流斗はチラリと教室を見渡すが廊下に居た女子たちはイケメンの一夏が居なくなったのか教室に戻っていった。クラスメイトの女子たちはチラチラとこちらを伺ってくるが特に何のアクションもしてこない。流斗は鞄から参考書を取りだしパラパラと捲りながら復習していた。

 

「…流石に勉強しないとな。一夏と違って後ろ楯0だし、身元不明の人間だから何されるかわかんねーしな」

 

ポツリとそう呟きながら流斗はうまい棒を取りだし食べようとしたが、ふと視線を感じ教科書から目を離し視線の方向を見る。

 

「じ~~~~~~」

 

目の前に何か居る。頭にピカチュウを思い出しそうな髪止めを着た女子生徒が流斗の机から半分頭を出して見ていた。

 

「えーっと…何かな?」

「それうまい棒~?」

「…いる?」

「うん~!」

 

パッと花が咲いたような笑顔を見た瞬間、流斗は恋人の紫を思いだし動きが止まった。

 

「どしたの~?」

「あ、いや。はいどうぞ」

 

流斗は鞄からうまい棒を取りだしラベルが相手側に見えるように渡す。

 

「ありがと~!」

「どういたしまして」

 

目の前の少女はダボダボの制服を着ており手すら見えない長めの袖。いわゆる萌え袖という格好をしており、袋を開けてうまい棒をムシャムシャ食べていた。そう、手を出さずに。

 

「待って!今どうやって開封したの!?」

「普通にだよ~?」

「OK突っ込んだ俺が悪かった…」

「あ、無くなっちゃった…」

「もうかよ!?早いね!」

 

はぁ…とため息を吐きながら流斗は鞄からキャンディを取りだし少女に渡す。

 

「これだとすぐには無くならないでしょ」

「ありがと~!あれ?これって駅前のフルーツパーラーの?」

「よく知ってるね」

 

流斗が渡したキャンディは自分が働いているところのキャンディで、子連れのお客に会計のときにサービスで渡してあるものだ。

 

「知ってるよ~!美味しいから…んん?んんん?」

 

少女は流斗の顔をじっくり見る。流斗は困惑した表情を浮かべるが、次の瞬間納得したのかポンッと手を叩いた。

 

「あー!フルーツパーラーの店いムグッ!」

「ストップストップ!」

 

流斗は咄嗟に目の前に少女の口を押さえる。少しして手を離してからこっそりと少女に耳打ちする。

 

「俺が駅前のフルーツパーラーで働いてるのは内緒で頼む」

「え~なんで?」

「ほら、あれだろ?フルーツパーラーって女子のイメージ強いし。な、頼む!」

「そこまで言われると仕方ないね~」

「ほっ」

 

流斗はホッと胸を撫で下ろした。あまりにも迂闊だった。よく見ると目の前に少女は店の常連にも匹敵するレベルでよく来ていた。ちなみにバイト中の流斗は眼鏡を外し髪も弄ったりしていたので、外では意外とバレないのだ。それに流斗が何故隠すのか。それは下阪の身に危険があるということだ。担任である千冬は知っているが他の人はそれを知らない。もし知られれば下阪が人質にされる可能性もあるのだ。よって流斗は全力でバレるのを阻止しなければならない。

 

「そういえば君の名前聴いてなかったね」

「あ、ホントだ~。私は布仏(のほとけ) 本音(ほんね)だよ~。のほほんと呼んでね~」

「うん。よろしくのほほんちゃん」

「ちゃん?」

「あ、駄目だったかな?」

「ううん~。なんか新鮮~。よろしくうーたん!」

「う、うーたん!?」

「宇田だからうーたん!」

「あはは…。まぁいいや」

 

こうして流斗はこの学園で初の女子友を獲得したのである。




主人公の設定はISというのは知っているが詳しいことや内容は知らない状態です。

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