転生じゃなくて転送されたみたいだけど、頑張ってみる。   作:甘々胡麻ざらし

8 / 29
セシリア戦開始!


VSセシリア・オルコット!

ついにクラス代表を決めるISバトルの日がやってきた。この日のために流斗は真耶に特訓してもらいかなりの実力を身につけた!…はず!

 

「不安しかねぇ…」

 

流斗はアリーナのピットのベンチで頭を押さえていた。彼は緊張には弱くこうして気分を落ち着かせようとしていた。

 

「だ、大丈夫ですよ!この日のために一生懸命頑張ったんですから!」

「山田先生…。そうですよね!頑張ります!」

「はい!その意気です!」

「というより、なんで篠ノ之さんがここに居るんですか?」

 

ちらりと横を見るとそこには箒が居て一夏と口論して居た。話を聞く限りどうやらこの一週間剣道しかしていなかったらしい。本音に話を聞くと三年生が彼にISを教えようとした時自分が教えると言ったのだ。しかも自分がISの産みの親である篠ノ之束の妹であると告げて。しかし話を聞く限りどうにもおかしい。彼女は自分が束の妹だとクラス中に知られた時"自分と姉は関係ない。教えられる事はない"と。この時は彼女は自分の姉を嫌ってると思っていたが、都合が悪くなると利用するのはまだまだ子供なのであろう。結果として一夏はISについては全くの知識なしでここまで来たのだ。

 

「今は関係者以外の立ち入りは禁止されているはずだけど?」

「私は一夏の幼馴染だ。何か問題があるか?」

「いや、幼馴染=関係者の理屈はおかしい。君は関係者以外立ち居入り禁止と書かれた看板があるのに、私はここの従業員の知り合いですと言って入るのかい?」

「別にいいだろ」

「お前は良くても俺がダメなんだよ」

「なんでだよ。狭い男だな」

「はぁ…」

 

流斗はため息を吐いた。彼が気にしているのは情報漏洩を危惧しているのだ。ISは兵器であると同時に情報の塊なのである。そのため情報漏洩を防ぐため千冬は関係者以外の立ち入りを禁止したのにこれでは意味がない。

 

「重ねてすまないが織斑の専用機がまだ届いていない。先に戦ってくれるか?」

 

そう。一夏には専用機が政府から与えられるのだ。ISのコアは数が決まっており束が途中で失踪したため467個しか存在しないのだ。そのため代表候補生ですらコアを一個、すなわち専用機をもらう事はレアなのだ。大方一夏の生体データを採取するための試験機だろう。

 

「まだ来てないって企業として大丈夫ですか?」

「普通にアウトだろうな。それにお前は訓練機でありオルコットは専用機だ。本当にすまない」

 

実は流斗は専用機がなく訓練機で戦うのだ。これに対しては流石に千冬も抗議したが政府は聞く耳を持たなかった。しかし流斗は謝る千冬に対して頭を横に振った。

 

「いえいえ。一週間使わせてもらったこのリヴァイブに乗せてもらう上に色々と装備をつけさせてもらっただけで大満足ですよ」

 

そう言って流斗は背中に4枚の巨大なシールドを装備したリヴァイブを撫でる。頑張ろうなと声をかけて仮の相棒に乗り込むと一瞬"こちらこそ"と声が聞こえた気がしたがすぐに思考を切り替える。

 

「じゃあ行ってきます」

 

流斗はカタパルトに乗り、息をすぅっと吸い込み叫ぶ。

 

「宇田流斗。命、燃やすぜ!」

 

カタパルトから発射されアリーナに出ると目の前には青を基調とした機体、"ブルー・ティアーズ"を纏ったセシリアが空中に佇んでいた。

 

「あら、先にあなたからなのですね」

「ちょっとした事情でね」

「そうですか。あなたにチャンスを与えますわ」

「チャンス?」

「どうせこのまま無様に負けるのは目に見えていますわ。ここで今までの無礼を詫びて土下座するなら、まぁ一撃で終わらせてあげますわ」

「ライフルの銃口を向けてそれはチャンスじゃなくて脅しだよ。それに、レベル差があっても工夫でどうにかなるものさ!」

「そうですか。ではお別れですわ!」

 

試合開始のブザーが鳴りセシリアは手に持っていたレーザーライフル"スターライトMr II"を放つ。しかし流斗は横に移動してレーザーをかわした。

 

「なっ!」

「ふぅ…。危ない危ない…」

 

山田先生のアドバイス!相手が銃を使うときは銃口と引き金をよく見てかわしてください。

 

「ま、マグレですわ!」

 

セシリアは初撃をかわされたことに驚きライフルを連射するが流斗はスラスターを噴かせながらセシリアを中点に円周を描くようにかわす。しかしいくつか被弾してISの体力を表すSEが削れる。

 

「おほほほ!やはりマグレでしたわね!」

「今だ!」

 

流斗はスラスターを噴かせて近接ブレードを展開しセシリアにぶつけた。油断していたセシリアは直撃しSEを大きく減らした。

 

 

「ほぅ」

 

試合を見ていた千冬は驚いたように声をもらした。

 

「ただ回りながらかわすのではなく近接ブレードの当たる距離まで詰め寄っていたとはな」

 

実は流斗はただ円周を描きながらかわしていたわけではなかったのだ。円周を描きつつ彼はセシリアに近づきそしてチャンスを見計らって攻撃を仕掛けた。被弾していたのは距離を詰めることで間隔が狭くなり当たりやすくなっていたのだ。

 

「やりました!流石です宇田君!」

 

隣で見ていた真耶は教しえ子の様子に歓喜していた。

 

 

「くっ!こうなったら!行きなさいティアーズ!」

 

セシリアがそう叫ぶと機体のスカート部分が外れ四機のビットがレーザーを放つ。

 

「プランB開始!」

 

流斗はビットから逃げるようにアリーナの壁に背中をつける。後ろから逃げるなとかヤジが飛ぶが無視し、背中のシールドを動かし自分の横と前に並べる。セシリアはレーザーを撃ち続けるが一向にそのシールドが剥がれる様子はない。何故ならビット兵器は360度全方向からレーザーを撃てるが、流石に壁の中に入り込むのは不可能である。そのため流斗はあえて壁に背中を預けることによって前と横にのみ意識を向けるだけでいいのだ。しかし動けないのも事実である。だが途中でセシリアはビットのエネルギーをチャージするためビットを戻すがその隙を見逃さずアサルトライフルを展開してビットを一機破壊した。

 

「わ、私のティアーズが!?よくも!」

「ふん!」

 

セシリアはレーザーライフルを放つがシールドを動かして防ぐ。流斗の戦い方は防御に徹し最小限の攻撃で勝利を奪うヒット&アウェイであった。

 

「しかし守りだけでは勝てませんわよ!」

「よいしょー!」

 

次の瞬間流斗は思いも寄らない行動に出た。近接ブレードを展開して思いっきり投げたのだ。あまりの行動にセシリアはかわすが流斗は急接近してシールドで殴りつけようとした。しかしセシリアはニヤリと笑みを浮かべた。

 

「残念ながらティアーズは6機ありましてよ!」

 

突然流斗の腹部に衝撃が走りSEが大きく削られてしまったのだ。地面に叩きつけられた流斗はセシリアの方を見るとスカート部分から煙が出ており恐らくミサイルタイプなのであろう。

 

「公開データにはなかったやつか…。参ったな。今のでシールドが二個ダメになったぜ…」

 

流斗の言う通り4枚の内二枚はセシリアの背後に転がっており煙を上げていた。これでは壁に逃げ込む作戦はできずかなり不利な状況に立たされていた。

 

「ティアーズのチャージも終わりましたしこれで終わりですね」

「悪いけど諦めるのは嫌でね。カッコ悪くても足掻くよ!」

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

あれから攻防が続き流斗のSEは残り二桁までになっていた。機体も所々損傷が見られあと一撃でも受ければ負けるだろう。

 

「何故ここまで足掻くのですの…?この戦いは元々あなたが望んだものではないはず。もう諦めたらどうですの!」

 

セシリアは目の前の流斗にそんな言葉を投げかける。しかし流斗は不敵な笑みでありながら覚悟を持った目でセシリアを見る。

 

「悪いな。俺には目的がある。そのためにここで諦めるわけにはいかねーんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

流斗の叫びに応えるかのように地面に落ちていたシールドが一斉に動き出し、セシリアの前後左右にぶつかり拘束する。

 

「は、離しなさい!」

「うおおおおおおおおおおおおお!」

 

流斗は雄叫びを上げながらセシリアに近づき,拘束したシールドの隙間に両手に展開したアサルトをねじ込む。

 

「先生の技借ります!絶対制空領域(シャッタード・スカイ)!」

 

流斗はアサルトライフルのトリガーを引き銃弾を撃ち込む。シールドの中では弾丸が跳弾しブルー・ティアーズの装甲を削る。これこそ流斗が真耶に教えてもらった技であり、かなりエグい必殺技なのだ。セシリアは脱出しようにも身動きが取れず、ピットを出すことすら出来ないのだ。みるみるとSEがゼロに近づいていき、このまま勝てると思った瞬間、流斗は顔を歪ませ左手から銃が落ちた。腕を見るとピクピクと痙攣しており彼の腕は限界に達していたのだ。ただでさえ一週間しか動かしていないISであり、何度もセシリアからレーザーをガードしたためいつの間にか腕が悲鳴を上げていたのだ。そして集中力が切れたことにより拘束が緩んでしまい、セシリアはシールドを吹き飛ばし流斗に銃口を向け放った。

 

「負けか…」

 

SEが0になり自分が負けたと知らせるブザーが鳴り、そのまま流斗は意識を失った。




ISにいくらパワーアシストがあっても筋肉痛とか痙攣とかあるんじゃないかな?

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。