オリオトライ先生が頑張って生存戦略に励む話。短編です。

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 ちょっと今現在、緋弾のアリアの二次創作の方がスランプ気味なので、気晴らしに短編書いてみました。ちょっと窮地に陥ったオリオトライ先生が書きたくなってしまったのです。短編なので続きなんてありませんよ、ええ。だって境界線上のホライゾンって設定がややこしすぎてアホのふぁもにかじゃ全く全容を把握できませんし。むしろ誰かこんな感じのノリの境界線上のホライゾンの二次創作書いてくれないかなぁ……

※注意事項
・この作品では三年梅組メンバーが魔改造されています。原作と同様の強さじゃないと嫌だという人は軽くスルーすることをお勧めします。
・この作品では性格が変わっているキャラがいます。原作と同じ性格じゃないと嫌だという人は見ない方が幸せだと思われます。
・この作品ではキャラの容姿の描写をほとんど省いています。原作またはアニメを知らない方は読まないことを推奨します。
・この作品では短編ゆえに出番を与えられなかった三年梅組メンバーがいます。特定のキャラを溺愛している人は要注意です。
・この作品は『Arcadia』様の方にも投稿しております。



三年梅組メンバーが魔改造され過ぎててオリオトライ先生の命がマッハでヤバい

 

 

 

 逃れられる運命

 逃れられない運命

 その線引きはどこにあるのか

 ――配点(生存戦略者)

 

 

 

 

 

 武蔵アリアダスト教導院の門と校舎の間に架けられた橋の上にて。教師:オリオトライは半眼で見つめていた。眼前に待機する三年梅組メンバーをジト目で見つめていた。

 

 普段は気さくで、色々とカオスっぷりを発揮する個性豊かな三年梅組メンバーとしっかりコミュニケーションをとっている担任教師とは思えないダウナーっぷりだ。某ローランド最高の魔術師にも引けを取らないやる気のなさだ。

 

 さて。それではなぜオリオトライがいつになく絶望しきった半眼で自身の生徒たち(※トーリ&正純は除く)を見つめているのか。答えは簡単だ。今から体育という名のオリオトライの生存戦略が始まるからだ。

 

 事の発端は、昨日のこと。オリオトライが夜警団に品川先端の暫定居住区に事務所を構えるヤクザをシメるよう頼まれたことに起因する。それだけなら良かった。先日の地上げの件で個人的に事務所に殴り込む予定だったオリオトライにとって、夜警団からの頼みは非常に都合のいいものだったからだ。なので、暇を見つけてテキトーに終わらせようとオリオトライは考えていた。

 

 しかし。どこから情報が漏れたのか、オリオトライがヤクザの事務所に殴り込もうとしていることが三年梅組の生徒一同にバレてしまった。それにより、大なり小なりバトルジャンキーの嫌いのある生徒一同が我こそが事務所に殴り込みをかけると高らかに主張し始めたのだ。忍者の点蔵や格闘家のノリキに至っては意味深な笑みを浮かべながら今すぐ事務所に乗り込もうと教室の窓から外へと飛び出そうとする始末。

 

 オリオトライは三年梅組の生徒たちの実力を知っている。彼らの実力が軽く常軌を逸していることを知っている。ゆえに。下手に彼らに殴り込みなんてさせたら最後、ヤクザサイドに死人が出かねないことを知っている。かといって、言葉で抑えつけても生徒諸君が納得してくれるとも思えない。オリオトライは言葉を上手に駆使して人を思い通りに動かせるタイプではないのだ。

 

 そのため、オリオトライは一つの提案を示した。明日の朝に体育をやる。その体育の授業中にヤクザの事務所に殴り込みをかける。だけど。殴り込みをかけることができるのは一番最初に事務所に到着した者だけ。もちろん、教師たる自分を抜かした上でである。要するに、武蔵アリアダスト教導院から事務所までの全力での競走を制した者だけに殴り込みの特権を与えることにしたのだ。

 

 これなら仮に自分が競争に負けたとしても、事務所にたどり着くまでに生徒一同もそれなりに消耗しているだろうし、一人での殴り込みならヤクザ側に死人が発生する可能性は限りなく低くなることだろう。ゼロだと言い切れない辺りがバトルジャンキー気質のある生徒一同の恐ろしい所だが、走るだけならまだ三年梅組メンバーに勝てる自信がある。生徒に戦わせたくないのなら自分が競走に勝てばいい。我ながら名案だとオリオトライは思った。この時までは。

 

 しかし。現実とは非常である。最近は全然しなくなったけど、以前はよく体育でやっていたことをふとネシンバラが思い出したのだ。そして。「あれ? そういえば、前はよく手段は問わずにとにかく先生に攻撃を当てることができたら出席点を5点プラスするってルールありましたよね?」というネシンバラの発言を機に、いつの間にやら今回の体育の授業にもそのルールを適用する流れになってしまったのだ。

 

 確かにオリオトライは以前の体育の授業でそのようなルールを適用させていた。だが、それは生徒たちにやる気を出させることとオリオトライ自身が生徒たちより格上だという確信があってのことだ。そのため、ここ数カ月であり得ないほどの成長を果たし、今やオリオトライレベルにまで達しているといっても過言ではない三年梅組メンバー相手でそんなルールを適用させたくはなかったオリオトライだったが、もはやルール適用の流れは修正不可能と化していた。

 

 

 そんな経緯を経て。オリオトライがどうしてこうなったと言わんばかりの半眼で三年梅組メンバーを見つめる現状に至るのである。

 

(逃げるだけなら、大丈夫……なはず。多分、おそらく)

 

 オリオトライは頭の中で己のやるべきことを確認する。品川方面に位置するヤクザの事務所まで全力で走る、もとい襲いかかってくる生徒たちからダッシュで逃げる。全速力で走りきり、トップで目的地に到着する。その際、自身に降りかかるあらゆる攻撃をかわしきって生き残る。生徒たちの今の実力を鑑みればどこまでも無謀な行為だ。成功率はほぼゼロに等しいだろう。

 

(ハァ……ここまで来たらやるしかないか!)

 

 オリオトライは腹を括ると、いつでも逃げられるようにとわずかに身を低くする。刹那、戦闘系技能持ちもそうでない者も、全員が瞬間的に何らかの動きを見せた。ある者は武器を取り出し、ある者はオリオトライと同様に身を低くするといった具合に。

 

 ハイスペックすぎる。戦闘系技能があるならまだしも、なんで戦闘系技能と縁のない生徒までもがこうもしっかりと自分のちょっとした動きに反応できるのか。生徒の成長は本来教師にとって喜ばしく誇らしいものなのだが、ここまでくるとさすがに不気味に思えてしまう。一体何がどうして彼らはここまで進化したのだろうか。全くもって全てが謎だ。

 

「――それじゃ、始めよっか。体育の授業」

 

 果たして、自分は生き残れるのか。明日を拝むことができるのか。そんなことを考えつつ、オリオトライは生徒たちの一瞬にも満たない隙をついて、跳んだ。背後への跳躍だ。不意を狙ったオリオトライの跳躍に一瞬の反応の遅れを見せる生徒たち。しかし。それは全員ではない。オリオトライの跳躍にしっかりと反応し、オリオトライの元へと跳躍してくる生徒がいた。

 

「一番乗りはノリキね!」

「解っているなら言わなくていい」

 

 少年:ノリキは重力を味方につけた拳の一撃を上空からオリオトライに向けて放つ。空気を抉るようにして発射されたノリキの拳を、オリオトライは鞘つきの長剣で敢えて受け止める。そのことによりオリオトライの落下速度は一気に上昇し、空中のノリキを置き去りに、階段の下にドンと着地する。そしてすぐさま奥多摩右舷中央通りへとダッシュする。今度は音を置き去りにして。

 

 この体育の授業がノリキとの1対1なら、これで勝敗は決したことだろう。未だ空中にいるノリキが地に着地するまでの時間のロスで、オリオトライは十分にノリキを突き放すことができるからだ。しかし、今は1対1の競走ではない。ゆえに、オリオトライは安心できない。

 

「行け。ネンジ!」

『うむ。次は我の番だ!』

「次はネンジね!」

 

 ノリキは自身の背中に乗っていたネンジを両手で掴み、思いっきりオリオトライの進行方向へと投げる。ノリキの人外染みたパワーによって投げられた粘着体のネンジは隕石のごとくオリオトライの頭上へと迫る。

 

『換装! 触手モード!』

 

 赤いスライムのネンジは空中で自身の体を二回りほど膨張させると、半球状の本体から幾重もの触手を生み、オリオトライを勢いのままに絡めとろうと触手を一斉に向かわせる。逃げるオリオトライ(女教師)と、彼女に迫りくるたくさんの触手(※スライムのネンジが生み出した)。構図だけ考えれば18禁一歩手前な展開にしか思えないことだろう。もしもオリオトライがネンジの触手に絡めとられてしまえば、もはやR-元服な展開にしか見えないことだろう。

 

「こんなの効かな――え!?」

 

 ギュイイイインとでも効果音がつきそうな勢いで迫りくるネンジの触手をオリオトライは鞘から抜き放った長剣で切り裂こうとする。しかし。オリオトライは驚愕する。触手と長剣が接触した瞬間、ガキィンと甲高い金属音が響き、結果としてネンジの触手を自身の体から少々弾き飛ばすことしかできなかったからだ。

 

『残念だったな。教師オリオトライ。我の触手はオリハルコン並みに強化されている。斬るのは容易ではないぞ』

「ちょっ、何それ!?」

 

 眉をキリッとさせて己の優位性を主張するネンジ。しかし。オリオトライは、再び収束してギュルルルルと迫ってくる触手に心底驚きつつも、振りかぶった長剣の一振りで触手を全て地に叩きつける。いや、めり込ませる。

 

『む!?』

「よし、これでOK!」

 

 地面にポヨンと着地し、必死に埋まった触手を抜こうとするネンジをよそに、オリオトライは一目散に駆け出した。今日を生き残るために彼女も必死なのである。それをおくびにも表情に出さないのは教師としての意地か。

 

 ちなみに。オリハルコン並みの強度を誇る触手を引き抜こうと頑張っていたネンジは足元が疎かだったペルソナ君に踏まれてあえなく爆散する形でリタイアした。結局。魔改造されても相変わらずHP3くらいのネンジはトテトテとやってきた向井・鈴によって回収されたのであった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ノリキとネンジの攻撃を見事にさばいて逃げ延びたオリオトライが後悔通りを突っ切っている、まさにその時。

 

「んー。僕の予想が正しければ、今頃先生は後悔通りを突っ走ってる頃かなぁ」

 

 右舷二番艦・多摩にて。眼鏡をかけた小柄な少年:ネシンバラは両手を腰に当てた状態で目を閉じる。己の持つ感覚の全てを聴覚と皮膚に注ぎ込む。

 

「うん。全部僕の予測通り!」

 

 段々と近づいてくるオリオトライの気配を体で察知して、そして足音を耳で感知したネシンバラは満足そうに一つうなずく。

 

「さて。あと8秒後に先生来るよ。準備はいいかい? シロジロ君? バルフェット君? ハッサン君? イトケン君? フォーメーション:βでよろしくね?」

「「「「Jud.」」」」

 

 ネシンバラの問いかけに、4人の三年梅組生徒がそれぞれ応答する。今回の体育の授業で金銭で他者の力を借りる術式を使用する気満々のシロジロ、白い長槍を装備したアデーレ、カレーを乗っけた皿を下から右手に持ったハッサン、全裸待機のインキュバス:イトケンの4人である。

 

「シロ君、頑張ってねぇ~!」

 

 そして、この場には何気にネシンバラを含む5人の後ろでシロジロに声援をかけるハイディもいる。

 

 彼ら6人は全員、オリオトライの初動の跳躍への反応が一瞬だけ遅れたにもかかわらず、オリオトライがノリキやネンジの相手をしている間に平然とオリオトライの進路に先回りしてみせた面々である。

 

 本来なら彼らは真っ先にヤクザの事務所まで駆け抜けるべきなのだろう。しかし。彼らからすれば、ヤクザの事務所への殴り込みの権利などどうでもいいのだ。彼らの目的は、ただ一つ。今日こそオリオトライを超えること。単純なスペックだけならもはや自分たちとオリオトライとの間にさほど差があるわけじゃないというのに、何だかんだで強くて勝てないオリオトライを超えてみせることだ。

 

 ゆえに。彼らはオリオトライの到着を待つ。数秒後に訪れるオリオトライとの衝突を前にそれぞれ緊張感を高めつつ。尤も、自身がかねてより考案した策をもってオリオトライに勝利したいネシンバラとシロジロの応援しかする気のないハイディはオリオトライに攻撃を仕掛ける気などないため、こっそりとシロジロ・アデーレ・ハッサン・イトケンの4人の視界から姿を消したのだが。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「次は君たちね!」

(何か先回りされてるッ!?)

 

 オリオトライは眼前に待ち構える4人の生徒の姿を驚愕の眼差しとともに捉える。足ではまだまだ負けない自信があっただけに、ショックもひとしおだ。だけど。落ち込んでいる暇はない。落ち込むのはいつでもできる。今は自分が生き残るための方策について考えを巡らせるべきだ。オリオトライは一つ瞬きして4人を見据えて――

 

(あれ? 一人足りない?)

「カレー、ドウデスカーッ!」

 

 真下から聞こえた声にオリオトライがハッと視線を下ろすと、オリオトライの視線いっぱいに何とも美味しそうなカレーが映った。

 

「わわッ!?」

 

 オリオトライはグンと近づいてくるカレーに驚きつつも、膝蹴りでカレーを乗せた皿を空高く蹴り上げる。「Oh! カレーガ!?」と垂直に飛んでいったカレー皿をキャッチしようとピョーンと跳ぶハッサンを軽くスルーして、オリオトライは槍を自身へと向けて突貫してくるアデーレへと視線を送る。アデーレは既に加速術式による爆発的なスピードを味方につけているため、「アデーレアサルト!」と技名を口にしつつ一瞬でオリオトライへと肉薄してくる。

 

「よっと」

 

 オリオトライは軽くジャンプしてアデーレの槍の上にスタッと着地すると、今度は膝をククッと曲げて勢いよく宙を跳んだ。いとも簡単に出し抜かれてしまったアデーレの「あ……!?」と漏れた声をオリオトライの耳が捉えた。

 

(ハッサンはカレー回収中でアデーレは突破した。残るはあと二人!)

「イトケンナックル!」

 

 空中に身を投げ出したことで自由に身動きの取れないオリオトライの正面からイトケンの拳がゴウと音を立てて迫ってくる。一番手のノリキほどではないが、それでも強力な拳を鞘つきの長剣でいなす。ついでにイトケンの背後を取ったオリオトライはイトケンの背中を足場にしてさらに跳躍しようかと考えて、すぐさま身を翻す。直後、オリオトライの顔スレスレをビュオッと何かが通り過ぎる。そして。通り過ぎた何かは地面にぶつかり、ズガンと地を震わす打撃音を響かせた。

 

「クッ、外したか。今のシロジロスクリューは決まったと思ったんだが」

「あ、今のシロジロの攻撃なんだ」

 

 沸き起こる土煙の中の人影が発した一言によって、オリオトライは今おそらく上空から地面に向けて拳か蹴りを打ちつけたであろう人物がシロジロだと理解した。同時にオリオトライは内心で安堵のため息を零す。さっき身を翻すという回避行動を取ったのは偏にオリオトライの直感が『今前に進んだらアウトだぞ』と警告してきてくれたからだ。そうでなければ今頃自分はシロジロの攻撃をモロに喰らっていたことだろう。

 

「あー、失敗した! この作戦でもダメかぁ」

「あー、地面に拳を打ちつけるシロ君もカッコいい!」

 

 直感信じてよかった。ありがとう、直感。己の直感に心の中で感謝しながら走り去るオリオトライの後ろ姿を、建物の陰に隠れていたネシンバラは悔しそうな眼差しで見つめる。一方、ネシンバラと同じ場所に身を潜めていたハイディは地面に拳を振り下ろした体勢のままのシロジロに心酔していた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 現状。オリオトライが始めざるを得なかった体育の授業は思いの外上手く事が運んでいた。時折ヒヤリとさせる瞬間があったものの、何だかんだでオリオトライの生存戦略は成功を収めていた。しかし。世の中というものは概して甘いものではなく、今回の件も決して例外ではない。

 

 ここまで。オリオトライは生徒たちの攻撃を潜り抜けて走り去る中で、一度も身を引くという行動を取っていない。あくまで前へ前へ行こうとする意志を持ち、そのために攻撃を仕掛けてくる生徒たちを上手く利用してきている。しかし。それでも生徒の邪魔が入れば少々スピードが落ちるのは当然のことで、ましてや、遥か上空から雨あられと降り始めた弾丸や光の矢や光線の弾幕があれば回避や防御に神経を注がざるを得ないため、さらにスピードは落ちてしまう。

 

 ゆえに。シロジロ・アデーレ・ハッサン・イトケンの4人衆をかわして突き進むオリオトライに、忍者の点蔵と半竜のウルキアガの二人が挟み撃ちに打って出るのは当然の帰結と言えた。

 

「ここで仕掛けてくるか!」

「今日こそ攻撃を当ててみせるで御座るよ!」

「悪いけど、それ無理だから!」

 

 前門のウルキアガ。後門の点蔵。見事に間に挟まれたオリオトライは瞬時に二人の様子を盗み見る。正面のウルキアガはオリオトライへと高速接近しながら、左手を後方に置いて右拳を今にも繰り出そうとしている。一方の背後の点蔵は手に持つ短刀でオリオトライの背中に横一線の一撃を放とうとしている。

 

 次にオリオトライは上空を一瞥するも、他の生徒の姿は見えない。気配を探ってみても建物の影や屋上に奇襲を狙う人影はない。これなら大丈夫だな。オリオトライは一つうなずく。点蔵の短刀は自分が一瞬だけ加速してギリギリで避ければいいし、ウルキアガの拳は軽く反らして横をすり抜けていけばいい。そうすれば、後には点蔵とウルキアガが衝突する結果だけが残る、例えそれを何とか回避できたとしても、体勢を崩した状態から自分に追いつける可能性は低い。いくらハイスペックな彼らでも、それはさすがにないだろう。

 

 オリオトライは自身が導き出した攻撃回避ルートに従って点蔵の短刀をかわし、ウルキアガの拳をいなす。オリオトライの行動に目を見開いた二人。しかし。その直後、二人は「フッ」と笑った。まるで「かかったな」とでも言いたげに。

 

 何か見過ごした所でもあっただろうか。不審に感じたオリオトライが視線をさまよわせると、ウルキアガが背後に回していた左手の上に乗っていた浅間と目が合った。既に代演奉納を終えて神奏術の術式を施した矢を今にも放たんとする浅間と目が合った。

 

「……」

「……」

 

 浅間はオリオトライにニコリと微笑む。対するオリオトライは引きつった笑みを浅間に返す。「見逃してくれないかな?」とオリオトライは視線を送る。対する浅間は「お断りします♪」と拒否の視線を送り返した。そして。矢はゼロ距離で発射された。

 

(あ、私、死んだわ……)

 

 さすがのオリオトライも超至近距離から射撃された矢をかわす術を講じることはできず、死期を悟ったのと同時にズドンとやられて空高く吹っ飛んでいくオリオトライであった。その後の数時間分の記憶を、オリオトライは持っていない。

 

 




ノリキ:先生の初動にしっかり反応して拳を繰り出すレベルの魔改造具合。
ネンジ:オリハルコン並みの硬さを誇る触手を生成できるレベルの魔改造具合。HP3なのに。
ネシンバラ・アデーレ・ハッサン・シロジロ・イトケン・ハイディ:先生の進行方向に余裕で先回りできるレベルの魔改造具合。
ネシンバラ:某『条理予知』並みにあらゆる事象を推測できるレベルの魔改造具合。
ハッサン:一瞬にも満たない隙をついて先生の下に滑り込めるレベルの魔改造具合。
浅間:先生の超高性能な気配察知センサーから逃れられるレベルの魔改造具合。


 ~ちょっとしたおまけ~

トーリ「姉ちゃん姉ちゃん。聞いてくれよ!」
喜美「フフフどうしたの、愚弟? 今、私に出番を与えなかった作者をいたぶるのに忙しいんだけど」
トーリ「そんなのいつだってできるだろ! そんなことより聞いてくれよ! 俺今日発売されたR-元服のエロゲ『ぬるはちっ!』買おうと行列並んでたらさ、先生が空から降ってきたんだよ! 何でかボロボロだったけど。いやぁー! それにしてもまさか先生がそこまでして俺に会いたいと思ってたなんて俺ビックリしたぜ! でも俺、先生の気持ちに答えてやれないんだよなぁ。明日コクろうと思ってるし」
喜美「えっ?」
トーリ「ん? どうした、姉ちゃん? そんなに驚いて」
喜美「……フフフ愚弟。その話、この賢い姉に説明なさい! さあ!」


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