魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜   作:妖魔夜行@

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嘘八百とでまかせ

side碌斗

 

「小鳥遊くん…私と、会ったこと、あるよね?」

 

「っ!?」

 

不味い…遂にバレたか?

今なのはは「会ったこと無かったっけ?」ではなく「会ったことあるよね?」と確信めいた口調で言ってきた。

油断していたな…まさか汗を拭く時に素顔を見られるとは…いやとう言うかはやてならまだ分かるんだが何で5歳の頃から成長しているのになのはは分かるんだよ。

 

「えっと、痛てて…」

 

「だ、大丈夫小鳥遊くん?」

 

「まだ喋るのはキツそうね…(なのはが言っていた事が本当だとすればやっぱり小鳥遊くんは転生者?なら士郎さんが一命を取り留めた理由にも納得がつく……一つ賭けてみようかしら)ミスト、セットアップよ」

 

『all light master set up』

 

「なっ!?」

 

「えっ!?《な、何でいきなりセットアップしてるの!?咲ちゃん!》」

 

な!?何故いきなりセットアップを…てか御林のバリアジャケット、『家庭教師ヒットマンREBORN!』にでてくる黒曜中の制服じゃん。いつも指輪していると思ったらそれがデバイスだったのか……しかもよく見たら封印が取れたボンゴレリングじゃねえか、色的に霧か。

取り敢えず驚いたフリをして置くか。

 

「なっ、え?服が変わっ、痛たた」

 

「まずはその傷から治療しましょうか。フィジカルヒール」

 

「っ!?……痛みが、引いていく?」

 

御林のやつ凄いな…折れていた骨が完全に治った。

 

「あわわわわ《ちょっ、ちょっと咲ちゃん!小鳥遊くんは一般人なんだよ!何でいきなり魔法なんか使っちゃったの?》」

 

「《まぁ聞いてなさい》いきなりゴメンなさいね…それとなのは、小鳥遊君は一般人じゃないわ、恐らく……魔導師よね?」

 

「えっ!?」

 

「……い、いきなりの事でついていけないんだけど…なんの事?それにさっきの服がいきなり変わるヤツとか…とか魔法とか…もしかして御林さん魔法少女とかだったりするの!?」

 

「え?ええ《…もう少しわかりやすい反応をしてくれるかと思ったら、これはどっちか見分けがつかないわね》」

 

「え、えっと…《どういう事?》」

 

「…魔法少女、って言うよりは魔導師って言った方が正しいわね《小鳥遊君が魔導師だったら多分私たちの事を事前に知っている筈…だから余り驚かないと思ったの…でもこの態度だと、本心なのか演技なのか見分けがつかないわね…仕方ない、少し手荒な真似をさせて貰おうかしら》」

 

「へぇー魔導師かぁ…もしかして高町さんも?」

 

一体、何をする気だ?今の反応からすると俺が黒か白か決めかねている感じだが…。

 

「ふぇ?う、うん。一応…《な、何をするの?》」

 

「小鳥遊くん、先に謝っておくわ。ゴメンなさい《こうするのよ!》」

 

「え?なっ!?」

 

突如俺の足元から火柱が立ち上る。俺はそれを後方に跳ぶことで回避する。

 

「な、な、な、何これ!?火!?火事!?消防!?警察!?」

 

「あ、あれれ〜?おかしいぞぉー?《…ごめんなのは、やっぱ一般人かも》」

 

「《ちょっと咲ちゃん!?》」

 

俺が慌てている演技をしていると御林はバリアジャケットを解除する。すると立ち上がっていた火柱も消える。だが不思議な事に天井や床に焦げ目はついておらず、凄まじい熱量がありそうだった、実際に熱いと感じたはずなのに室温は全く変わらない。

 

「き、消えた?いまのは一体…」

 

「(仕方ない…今までの事を少し忘れてもらいましょう)小鳥遊君…私の目を見て」

 

「へ?」

 

言われて目を見ると御林の右目には漢数字の「六」が浮かび上がっていた。

 

「なっ、目が!?《アラジン!8型防御魔法頼む!》」

 

「《う、うん!》」

 

「第一の道…地獄道」

 

その声を聞いたあと俺の意識は途切れた。

 

 

side咲

 

「ふうっ、危なかったわ」

 

「危なかったじゃないよ咲ちゃん!小鳥遊くん、本当に一般人だったじゃない!」

 

「…ゴメンなさい。私が迂闊だったわ」

 

小鳥遊君は本当に転生者じゃなかった…?

まぁどちらにしても地獄道で今までの出来事は夢だったって思わせたから問題ないでしょう。

レアスキル、【六道輪廻】。私が転生する際に神様から貰った特典の一つだ。

私は『家庭教師ヒットマンREBORN!』に出てくる「六道骸」、「クローム髑髏」の技や武器、能力を使えるようになることを特典として貰った。

そして「六道骸」の能力、六道輪廻。まぁ説明はまた今度でいいかしら?さっきのは六道輪廻の能力の一つで、相手に幻覚を見せると言ったモノで、火柱を出したり小鳥遊君を眠らせたりしたのもその能力だ。

私がなのはに謝っていると保健室にフェイトとはやてが入って来た。

 

「咲、ゴメン。保健の先生いなかったみたい。でも先生には言っておいたから大丈夫だよ」

 

「そう言えばさっき何か咲ちゃんの魔力反応がしたけど、どないしたん?」

 

「ああ、その事なんだけど…」

 

私はさっきの事を全て2人に話した。話終わると2人はジト目で私の事を見てくる。

 

「まあ百歩譲って治療をしたのはええと思うよ」

 

「でも幾ら怪しいからって一般人に幻術を使うのはどうかと思うよ…」

 

「咲ちゃん…反省してなの」

 

「うぅ…ゴメンなさい…」

 

なのはも加わって私をジト目で見ながら説教をしてくる。

まさか精神年齢30近くで小学生に説教されるとは思わなかったわ…。

 

「にしても運がないなぁ小鳥遊くんも…わぁっ!」

 

はやてが小鳥遊くんに同情していると窓から突然風が入り込んできて私達の髪を撫でつけた。

 

「うひゃーびっくりした…って、あぁー!!」

 

「ど、どうかしたの?はやて」

 

「ろ、ろ、ロクト君やー!」

 

「「「え?」」」

 

はやてが言うには何でもまだ足が悪かった頃、図書館で困っているところを助けて貰ったらしい。

これでまた分からなくなった。彼は転生者なのか、それとも私達のせいで産まれたイレギュラーなのか。

 

「いやーでも何であないな嘘ついたんやろーなぁ」

 

「え?」

 

「いやぁなぁ、小鳥遊くんの声はなーんか聞き覚えのある声や思っとったんやけど小鳥遊くんに聞いても私みたいな人は会うたことないーって言ってたんよ」

 

「それって小鳥遊くんがはやての事を忘れてるだけじゃないの?」

 

「いやーその後に小鳥遊くん、「八神さんみたいな綺麗な人、1度見たら覚えてますよ」って微笑みながら言ってたんよ。(思い出すと恥ずかしぃーなぁ)/////」

 

「うーん、じゃあ嘘をつく必要があったとか?」

 

「何で態々嘘をつかないといかないんだって事になるわよ?」

 

「せやなぁ、何か秘密でもあるんとちゃうんかな」

 

私達が考えているとなのはが小鳥遊君に近づいて顔をじっと見つめていた。

 

「やっぱり…」

 

「どうしたの?なのは」

 

「うん、間違いないの。小鳥遊くんと私、ちっちゃい頃会ったことあるの」

 

「えぇ!?なのはちゃんもなんか?」

 

「うん、咲ちゃんなら分かると思うんだけど私と咲ちゃんが友達になった時に言ったこと覚えてる?」

 

えぇと、私がなのはと友達になった時…私は神様に頼んでなのはの家の隣に住む幼馴染にして貰ったんだ。

それであの公園でなのはを慰めて仲良くなろうと思ったのだが…何故か公園に行ってもなのはは居らず、私と会う時には向日葵のような笑顔をしていた。

で、私は気になって聞いたんだっけ、「寂しくないの?」って、そしたらなのはは「あの子に助けて貰ったから平気!」と言っていた。

 

「まさか…あの時言ってたあの子って言うのは小鳥遊君だったの?」

 

「うん!あの時より成長しているけど顔は面影があるもん!」

 

やっぱり小鳥遊君は転生者?でも名前は分からなかったみたいだし…あーもう!分からない事だらけよ!

 

「取り敢えず、教室に戻りましょう。いつまでもここにいちゃ小鳥遊君も休めないわ」

 

「そうだね、それに姉さん達も気になるしね」

 

「ほな戻ろーか」

 

「あ、私はここに残ってるよ。保健の先生がいないなら小鳥遊くんが起きた時1人じゃ困ると思うし」

 

「そう?じゃあ任せるわよ、なのは」

 

「うん、任せて」

 

なのはの言葉を聞き、私達は保健室を出た。

小鳥遊碌斗…要観察ね。

 

 

 

 

 

 

「あ、そう言えば咲、クロノにさっきの事話したんだけど帰ったら反省文だって」

 

「oh......」


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