魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜 作:妖魔夜行@
side咲
「《明日、なのはが泣いていた公園で9時》」
恭也兄さんとロクト君が模擬戦をした日の帰り、ロクト君からこの念話が届いた。
「よぉ、随分早いな」
「それは貴方もでしょう?」
「まあ呼んだのは俺だしな。呼んだ理由については察しがついているんだろ?」
「ええ…まぁね」
私が答えるとロクト君は周囲に結界を展開させた。
「悪いな、だがこの話を聞かれると困るのはお前も同じだろ?」
「別に怒ってなんか無いわよ…さ、本題に入りましょう」
「いやその前に聞きたいんだが、お前は一体いつこの世界に来た?」
それはつまりいつ転生したか?という意味の質問だろう。
「恐らく貴方や神崎と同じだと思うわよ」
「ふむ…じゃあもう一つ、お前はいつ亡くなった?あぁ、答えたくなければ言わなくていい」
「大丈夫よ。平成○○年よ」
「…やはり、か。俺は平成○○年だ」
それを聞いて驚いた。何故かと言うと…彼が亡くなった年は私の2年後だったからだ。
「やはりって、どういう意味かしら?」
「まぁそれも含めて説明するからちょっと待ってくれ。取り敢えず座れよ」
ロクト君がそう言うと公園のど真ん中に机とソファが現れる。
「じゃあまずは俺から話すか…知っての通り、俺もお前と同じ転生者だ。死んだ理由は――」
それから30分近く話を聞いた。彼の話によると、彼は不幸な事に神様のうっかりミスによって亡くなってしまったらしい。それで今まで私達の前に現れなかったのは単純に原作に関わりたくなかったからだった。
「悪い事しちゃったかしら?」
「いや、気にすんな。それより次はオレの特典についてだな…俺の頼んだ特典は『マギに登場するキャラクターの武器や能力が使えるようになる事』だあと二つはまぁ気にしないでくれ。レアスキルとかの説明はめんどくさいから省略させてもらう」
「…まぁいいけど、それってかなりチートじゃない?」
マギは私もアニメをそれなりに見てたから分かる。金属器や魔装を使えるって事だから戦闘に関してはかなり強い。
「まぁな。あくまで俺はマギが好きだから頼んだだけで原作キャラでハーレムを作りたいから貰った訳じゃねぇぞ?何処ぞの銀髪オッドアイと一緒にすんなよ」
「誰もあんな馬鹿とは一緒にしないわよ。それにハーレムを作るつもりならもっと序盤に、それこそ無印から絡みに来るはずだからね。あの馬鹿みたいに」
「そういうこった。まだ何か聞きたいことはあるか?」
「そうね…さっきのやはりってのはどういう意味?」
「ああ、あれか……これから話すのはあくまでも俺の予想だ。それでもいいか?」
「ええ」
「なら話すが、まず俺が死んだのが平成○○年で、お前が亡くなったのが平成○○年だ。つまりお前が亡くなってから2年後に俺は死んでいるって訳だ。ここまではいいな」
ロクト君の言葉に頷いて答える。
「じゃ、話を続けるが…さっきお前はこっちの世界に来たのは俺や神崎と同じと言ったよな?そこがおかしいんだよ」
「どういう事?」
「お前は俺より2年早く亡くなっている。神崎は知らんが…お前が俺より2年早く転生しているのなら俺はお前と2つ歳が離れてないといけない」
「…あっ、確かにおかしいわね」
「だろ?でだ、咲、お前誕生日いつだ?」
「えっ、4月3日だけど…」
「俺は2月1日だ。神崎は知らんが、この誕生日、前世と一緒か?」
「いいえ、違うわ」
「俺もだ。つまりこの誕生日に何かがある。転生する時の年齢は特典で頼まない限りは0歳からスタートだ。だが2年も空いていると俺の辻褄が合わなくなる。そこで神は俺をお前が0歳の頃に転生させた、誕生日というインターバルを使ってな。前世で空いた2年を誕生日を空けることによって違和感がないようにされたんだと思う」
「な、なるほどね…」
驚いた…そこまで推理できるなんて…。
私が呆けているとロクト君が足を組んで私の目を見た。
「じゃ、俺は話したし次はそっちの事を話してもらおうか」
「え、ええイイわよ。じゃあまずは私が転生する前の、前世の事を話しましょうかね」
前世の時の私は、幼い頃から病弱だった。病気になりやすい体質の私はしょっちゅう風邪を引いたりして学校を休んでいた。そしてそれは小学5年生の頃、突然だった。
不治の病、私は新種の病気にかかってしまった。その病気は体を動かすとどんどん筋力を失っていき、最終的に心臓が止まり死んでしまうという病気だった。私はその日から病院のベッドの上で生活する事になった。
日が経つにつれて、どんどん体は動かなくなってくる。最初は体が重く感じる程度だったが、16歳になる頃には人の手を借りなければご飯も食べれなくなったしまった。そのせいで、両親には迷惑をかけてしまっていた。自分は両親にとって邪魔な存在では無いのか?日に日にそう考えるようになっていた。だがある日、両親の会話を聞いてしまった。それはどうにかして私の病気を治せないか、と言う内容だった。外国なら治療する方法もあるのではないか、とか何であの子がこんな目に合わなきゃ行けないの、とか母の泣く声も聞こえた。それを聞いて私は涙が止まらなかった。
そして私が18歳の頃、病状が突然悪化して私は死んでしまった。
そして神様が私の人生を不憫だと思い、『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生させてくれることになった。リリなのは小さい頃から見ていて知識はあるので転生しても困らないと思った。
私は病弱だったので神様に、『病気にならない健康な体が欲しい』という事を願った。神様はそれを了承して叶えてくれた。残り二つの特典は、リリなのの世界でなのは達のサポートをしたかったので前世で見ていた『家庭教師ヒットマンREBORN!』に出てくる六道骸、クローム髑髏の武器や能力を使えるようになる事と、ユニゾンデバイスとして『ムクロウ』を貰った。
転生する際に、神様から名前や顔はどうするか聞かれたが、親から貰った大切なものなのでこのままでいいと言った。
そして私は転生した。
それからなのは達と友達になり、一緒に色々な事件を解決して今まで暮らしてきた。
「とまあこんな感じよ」
私が話終わるとロクト君は複雑そうな顔をして謝ってきた。
「…その、悪かったな。辛い事を言わせちまって」
「別に気にしなくていいわ。もう吹っ切れているから。昔は昔、今は今よ」
「…強いんだな」
「それは貴方もでしょう?」
お互いの秘密を打ち明けあったからか、何だか前より距離が縮まった気がする。
「そうだ、気になってたんだけど…士郎さんの怪我を治したのってもしかして貴方?」
なのはの父、高町士郎はなのはが小さい頃に仕事で大怪我を負う。トラはではそのまま亡くなるのだが、リリなのでは一命を取り留めるのだ。
だがこの世界はリリなのに限りなく近いifの世界なのでもしかしたら死んでしまうかも知れないと思い、私は神様から『文豪ストレイドッグス』に出てくる「与謝野晶子」の能力、【
【
私は士郎さんが入院した時にこの能力を使って治そうと思っていたのだが、都合が合わず、なのはと友達になってから1週間後くらいに士郎さんの意識が戻ったと聞き、見に行くと士郎さんは歩く事が出来る程度まで回復していた。
「貴方が治したって言うのなら納得行くわ」
「あぁ…確かにそれは俺だな。フェニクスで癒した」
ロクト君はそう言って剣を取り出した。その剣の柄頭の所に飾りがついている。
「フェニクス、慈愛と調停を司るジンだ。どんな大怪我でも一瞬で治す治癒の能力がある。他には…フェニクスの術を掛けられた者が殺意を抱くと戒めを受けるという効果があるな。簡単に言えば敵対する奴を縛り付けるって感じだな」
「それで士郎さんに怪我を治したの?」
「ああ。何かスマン」
「助けるのが早いか遅いかの違いだけだから気にしないで」
使えるなら使ってみたかったけどね。
「で、聞きたいのはこれだけ?」
「いや、なのはとフェイトの髪型についても聞きたい。アイツらはもうA"sが終わったこの時期だと髪型を変えてる筈だ。だが変わっていない」
「多分それは私やあの馬鹿が原作に介入したせいね。まあこの世界自体、リリなののifの世界だから少し変わってるのかも知らないけど」
「成程、まあ余り気にしなくていいか。じゃあ次なんだが
アリシアの事だ」
やはり来たか。
「これは多分貴方の想像している通りよ」
「つぅことはプレシアも無事って事か」
「そ、あのままじゃ悲しいからね…」
「まあな。助けたくて救えたならいいんじゃないか?それよりどうやってアリシアを生き返らせたんだ?…まさかジュエルシードを?」
「流石に使わないわよ。プレシアさんとアースラの技術を合わせて仮死状態まで戻したの。元々仮死状態に近い状態だったから戻すのも結構楽だったわ。それで戻したら私が【君死給勿】を使って生き返たの」
「…よく管理局から許可がおりたな」
「許可なんて取ってないわよ。私が幻術で本部に見つからないようにしてから生き返らせたんだもの」
「…それ、不味くね?」
「バレなきゃ犯罪じゃないのよ」
某神話生物少女のセリフを借りて言う。
「じゃあ次だがアリシアがいるって事はリインフォースもいるよな?」
「…驚いた、知ってたの?」
「いや。アリシアだけじゃなくプレシアまで助けようとするお人好しならリインフォースも助けてるんじゃないかと思っただけだ。どうやら当たりのようだな」
その通り、私はリインフォースも助けたかった。なのでリインフォースが消える前に幻覚でバグを隠した。そうした事でリインフォースは私が幻覚を解かない限り暴走することはなくなったので、今も普通に八神家で暮らしている。その内姉妹機としてリインフォースIIも産まれる事だろう。
「ん?バグは隠しただけで無くなってはいないんだよな?」
「ええ…私の力じゃそれが限界なの…」
そう、私の幻覚がなにかの拍子で解けてしまったらリインフォースはまた暴走してしまう。そんな事になったら今度こそ、リインフォースは消えてしまうだろう。
私が自分の力の無さを呪っていると、それをあっさり壊す一言を目の前の少年は言った。
「もしかしたらそれ、壊せるかも知れないぞ」
「はい?」