魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜 作:妖魔夜行@
side碌斗
その後俺達は、ひとしきり泳いで満足したなのは達と合流して昼食をとったりスイカ割り等をしてアリサの別荘に戻った。
「いやー泳いだね!」
「楽しかったね!アリシア!」
笑い合っているアリシアとレヴィとは対照的にフェイトは疲れきっている。
「二人共休まず泳ぎ続けるんだもん…」
「大変だったな。なんなら後でマッサージでもしてやろうか?」
「え?」
こう見えて俺はマッサージが得意なのだ。まあ前世でアルバイトしていから上手くなったんだけどな。
「まぁ嫌ならいいん「嫌じゃないよ!」」
「全然嫌じゃない!だからお願い!」
「お、おお。フェイトがいいんだったらやるけどさ」
「うん。じゃあお風呂上がった後にお願いしてもいい?(ロクトがマッサージ……私の体をマッサージ……///いや、何意識してるの私!)」
フェイトはガッツポーズをしながら何やら悶えている。そんなに疲れていたのか?
すると俺とフェイトの会話を聞いていたのかなのはとシュテルが近づいて来た。
「ちょ、ちょっとロクトくん!私にもして欲しいの!」
「ロクト、私にもです。フェイトにやるなら私にもやって下さい」
「え?何、お前らも疲れてるの?そんな風には見えねぇんだけど…」
「凄い疲れてるの!マッサージが必要なくらい疲れてるの!」
「私もです」
いやそんな気迫込めて言われてもなぁ…あとシュテル、近い、近いよ。何で段々距離詰めてきてるのこの子?
とりあえずシュテルから離れて2人に「時間があったらする」と言って部屋へ逃げるように戻った。だって2人の後ろにはやてとかディアーチェとかいたからさ、あの様子じゃ絶対自分もやれって感じだったからな。ディアーチェは注文が多いからめんどくさいんだよ…。
部屋に戻ってから5分後、アラジンとユーノも戻ってきた。
「あ、ロクト。さっきアリサ達が怒ってたけど何かしたの?」
「アリサ達が怒ってた?いや別に何もしてねぇけど、何か言ってたのか?」
「うん。何か私にもやりなさいよー!って言いながらはやてとディアーチェと一緒に探してたよ」
「oh......」
「それとレヴィちゃんが碌斗くんのマッサージの上手さを皆に話してからきっと大人の皆からも頼まれると思うよ」
「oh.........」
まぁレヴィ達にはよくマッサージして上げてたからな。でもなぁ、20人近くやれと言われても無理だぞ?
俺が凹んでいるとユーノが優しく声をかけてくれた。
「ま、まぁとりあえずお風呂行こうよ。露天風呂になってるみたいでサウナもあるらしいよ?」
「露天風呂か…じゃあ行くか。汗もかいたしな」
俺達は着替えとタオルを持って4階の大浴場へ向かった。
sideすずか
「あーもう!どこに行ったのよアイツはー!」
「ロクトめ…シュテルとレヴィには承諾したのに我から逃げるとは…」
「むぅ…いっその事ロクトくん連れて混浴に入ろうかな?」
「はやて…流石にそれは止めた方がいいわよ」
さっきロクトくんに逃げられてご立腹なアリサちゃんとディアーチェちゃん。はやてちゃんの危ない発言を咲ちゃんが指摘しています。
「そ、それにしてもアリサちゃん。ここのお風呂ってそんなにおっきいんだね。10人以上も一緒に入れるなんて」
「まあね。ちょっとした銭湯みたいになってるからね」
「やっぱアリサはお金持ちなんだねぇ」
頭にタオルと服を乗せながら歩いているアルフさんが感心したように言います。それをアリサちゃんは苦笑しながら「私じゃなくて私の家がですよ」と返します。
そうこうしている内にお風呂前に着いたので脱衣所に入り服を脱ぎ始める。
「わぁ…やっぱりすずかちゃんも大っきいんだね…」
「え?ちょ、ちょっとなのはちゃん。恥ずかしいから余り見ないでよ///」
流石に女の子同士でもそんなにじっくり見られると恥ずかしいです。
「あ、ゴメンね!…やっぱりロクトくんも大きいのが好きなのかな?」
そう言って自分の胸を触って落ち込むなのはちゃん。なんと言って励まそうかと思ったら既に服を脱ぎ終わってタオルで体を隠したシュテルちゃんが寄ってきました。
「なのは、落ち込まないでください。まだ私達は小学5年生です。成長の余地はまだあります」
「あとロクトは胸の大きさなど気にしてないぞ。あやつに前聞いた事があったのだがその時に『人を好きになる基準に胸の大きさとか関係あるのか?』と言ってたからな」
「だからちっちゃくても関係ないと思うよ〜」
シュテルちゃんの言葉に続いてディアーチェちゃん、レヴィちゃんも答えます。
その言葉にホッとする
「え?今フェイトちゃんも…」
「な、何のことかな?さぁ姉さん、早くお風呂に行こう。私早くシャワー浴びたいなー!」
「うわっ!フェイト。待ってよー」
フェイトちゃんはそのままアリシアちゃんと一緒にお風呂に行ってしまいました。今の行動を見てなのはちゃん、はやてちゃん、アリサちゃんが集まって相談をしています。
「ちょっと…まさかフェイトもなの?」
「いや、そんな筈あらへんやろ…私等はともかくフェイトちゃんがロクトくんに惚れる要素なんか……あれ?アリサちゃんは何でロクトくんに惚れたん?」
「え!?えっと、それは……その、前にアイツが恭也さんと戦ってる時に見た楽しそうな顔が頭から離れなくて…って何言わせんのよ!///」
「いや自分から喋ったやん」
「でもアリサちゃんの言うこと分かるかな。ロクトくんの顔余り見た事無かったから不意打ちであんな楽しそうな表情見せされたら誰でもドキッとしちゃうよ」
普段隠れてた顔をいざ見るとカッコよくて尚且つ笑顔なんだもん。アリサちゃんやフェイトちゃんが好きになるのも頷けるよ。
私がそう思っていると3人は驚いた様子で私を見つめていた。
「どうしたの?」
「ま、まさか…」
「すずかちゃんまで…」
「またライバルが増えるの!?」
「ち、違うよ!そんなんじゃなくて純粋にカッコイイって思っただけだからね!?」
3人が勘違いしているので慌てて訂正する。私達がそんなやり取りをしていると咲ちゃんが呆れた表情をしていた。
「そんな事より早くお風呂に行きましょうよ。流石に寒いわよ」
「そ、そうだね。ほら行こ?アリサちゃん」
私も咲ちゃんにならってアリサちゃんの手を引っ張って浴場へ行きます。
好きな人、かぁ…私にはまだ先のことかな?
side碌斗
「わぁー!大っきいー!」
「こら、はしゃぐなアラジン」
「ロクト」
「あ、恭也さん。恭也さんこっちに来たんですね」
「ああ。俺だけじゃなく父さんと泰三さん、それにザフィーラも来ているがな」
「忍さんと一緒に混浴じゃなくていいんですか?」
「当たり前だ……全く、お前も咲も同じ事を言って…」
俺達は話しながらシャワーが置いてある所まで行く。
てか咲も言ってたのかよ。
体を洗い終わり、頭を洗っていると同じく隣で頭を洗っている恭也さんが話しかけてきた。
「なぁロクト。ここの別荘の近くにはアリサちゃんの家が所有している道場があるらしいんだ」
「…何でそんなもんがあるんすか」
「何でも護衛の方々の訓練に使ってたようだぞ。それで相談なんだが…風呂を上がったら一戦、相手してくれないか?」
まぁ…何となく分かってたけど。
「別にいいですけど…許可とかは貰ってるんですか?」
「ああ。さっき鮫島さんに聞いたんだが使ってもいいと言われた」
頭の泡をシャワーで流して恭也さんの方を向く。丁度恭也さんも洗い終わった所だった。
「とりあえず風呂入りましょうか」
「そうだな」
side恭也
「ふぃ〜〜……あぁ気持ちいい…」
「極楽だねぇ碌斗くん」
「おじさんっぽいよ二人共」
浴槽でゆったりとしているロクトとアラジン、それを見て苦笑しているユーノ。
こう見ると唯の小学生なんだがな……アイツらはなのは達と同じ魔法使い何だよな…。
そう言えばアイツに稽古を付け始めたのはいつからだったか…確かあれは……
◇
あれは俺がまだ高校生の頃、美由希と一緒に翠屋の手伝いをしていた時だったな。
その日は休日だったが客が少なかったのでよく覚えている。
「いらっしゃいませ。おひとり様ですか?」
「あ、はい。そうです」
「じゃあ席はどの席がいい?」
「えっーと、あそこで」
美由希が接客をして少年がカウンター席に座った。そして父さんが少年に注文を聞く。
「いらっしゃい。何にする?」
「そうですね…オススメのケーキとコーラを1つ」
「かしこまりました。じゃあ出来るまで少し時間がかかるから待っててね」
「はい」
そう言って父さんは厨房へ入って行った。その際に俺に少年の話し相手になって上げろと言ってきたので渋々少年の隣の席に座る。
「えっと…こんにちわ」
「…ああ」
…なんと言うか、気まずい。それから微妙な時間が流れたが話題作りの為に少年の年齢を聞くことにした。
「見たところ小学生っぽいが何歳なんだ?」
「7歳ですね、小学2年です」
「へぇ…俺の妹と隣の家の子も同い年なんだよ」
「あ、そうなんですか」
なのはと咲と同い年だと言うこの少年に少し興味が湧いた。
それから身の上話をして最初より随分親しくなった。
「じゃあ両親がいないと大変なんじゃないか?」
「そうでも無いですよ。家事は自分一人分くらいなら出来ますし、料理も好きですからね」
「ロクトはしっかりしているんだな」
「いやいや」
「大分打ち解けたみたいだね。はい、オススメのショートケーキ」
俺達が話していると父さんがケーキを持ってやってきた。
「うわぁ…美味しそう…頂きます!…うまっ!?」
それからロクトはケーキをもうひとつ注文して食べてから帰って行った。
それからロクトは毎週、曜日などは変わるが週に1回は翠屋に来るような常連になっていた。
そしてロクトが通い続けてから一年近くたったある日の事だ。
なのはや咲と一緒に神崎という少年が翠屋に来て、俺を見つけるとこう言ってきたのだ。
「おい!俺に剣を教えろ!!」
「ちょっと神崎くん!いきなりお兄ちゃんに何言ってるの!」
「そうよ。アンタみたいな馬鹿が恭也さんの指導に耐えれるわけないでしょ」
「おいおい、そんな照れんなって」
「照れてなんかないの!!」
「何をどう見たらそんな考えになるの?眼科行っていっその事目を取り替えてきたら?」
あの普段大人びている冷静な咲があそこまで露骨に嫌悪の表情を浮かべているのにあの神崎と呼ばれた少年は気づいていない。それどころか照れ隠しだと思っているらしい。
面食らったがどうやらどこから聞きつけたか御神流の剣技を教わりたいらしい。お望み通り基礎から教えてやったのだが練習は不真面目、言うことを聞かない、なのはや咲ばかりにちょっかいをかけている。余りにも酷いので俺は二度と来るなと言ってアイツをたたき出した。
その次の日にロクトがやってきた。そしてロクトに先日の事を話すと彼はこう言った。
「じゃあ俺に教えてくれませんか?俺も少し齧ってるんですよ」
その言葉通り、ロクトは俺が見た事ない剣術を使っていた。だがその剣術はどこかぎこちなく、完全に扱えてはいないようだった。なのでロクトは俺にその指導をして欲しいと言ったのだ。
ロクトは神崎とは違い、俺が上げた改善点等もちゃんと聞いて、文句も弱音も吐かずに指導を受けてくれた。
偶に美由希や父さんからも稽古を付けてもらっていたがな。
◇
「懐かしいな…」
「何がですか?」
つい零れた呟きにロクトが反応してきた。
「いや、お前と初めて会った時のことを思い出してな」
「あー…恭也さんの顔が怖かったの覚えてますよ。あんな不機嫌そうな顔、普通の小学生が見たらビビりますよ」
む…そんな顔だったのか?
「…別に不機嫌だったわけでは無いのだがな。さて、ではそろそろ上がるとするか」
「了解です。アラジン、ユーノ、俺は先に上がるからな」
「はーい!」
「僕らはもう少し使ってから上がるねー」
ロクトが2人に返事をして俺達は浴場から出た。
さて…今回はどれくらいまで食いついて来るか…見ものだな。