魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜   作:妖魔夜行@

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ストーカー、ダメ絶対


数少ない男友達が増えました

side吹雪

 

僕の名前は氷室吹雪、転生者だ。

 

「じゃあ兄さんはその翠屋というお店によって帰るんだね?」

 

「うん。だから時雨は先に帰ってて、1人で帰れるかい?」

 

「馬鹿にしないでよ兄さん。僕だってもう小学4年生なんだから1人で帰れるよ」

 

「それでも気をつけて帰るんだよ」

 

「勿論さ」

 

妹の時雨を見送って彼女の元へ戻る。

 

「待たせてゴメンね。それじゃ行こうか」

 

「ええ」

 

僕以外の転生者の1人、御林咲と一緒に翠屋へ向かった。

 

side時雨

 

やあ、僕の名前は氷室時雨。先週、私立聖祥大学附属小学校に転校して通い始めた小学4年生さ。

 

「兄さんは心配しすぎだよ。こんな昼間から犯罪者が現れるわけないじゃないか」

 

僕は通学路を歩いて家に向かう。歩いて15分という長さで結構遠い。

 

「引っ越すんならもう少し近い所でも良かったと思うんだけど……」

 

それから10分程歩いて、人通りの少ない路地に出た。言ってもすぐに抜けれるんだけどね。

でもここはどこか薄気味悪いので自然と早足になる。

 

ジャリ

 

…え?今、後ろから音がした?

 

頭の先から震えが走る。ダメだ、足を止めちゃダメだ。僕はさっきより足を早める。それに合わせて後ろの足音も早くなる。

 

「(あと5メートル!)」

 

僕の足の長さだと大体10歩くらいだ。

早く、早く!

一刻も早くこの路地から抜け出したくて僕は走った。

1歩、2歩、3歩、4歩、大丈夫だ。直ぐに出れる。1歩でも路地から出ればそこは商店街なんだ。お昼だから人も多い。

 

5歩、6歩、7歩、8歩。

やった!もうすぐだ!

 

そして9歩、10歩。僕は路地から出た。

 

 

 

 

が、直ぐに後ろに引っ張られて直ぐに路地に戻ることになった。

 

「うぐっ!」

 

引っ張られる力が強くて尻もちを着いてしまった。そして背後から聞こえる荒い呼吸音ですぐに理解する。

 

「ふー!ふー!」

 

「(いやだ…)だれか助けっむグ!」

 

声を出そうとしたら口に布を詰められる。そして僕の体は軽々と持ち上げられどこかへ運ばれる。

 

「むー!むー!」

 

「ふひ、ふひひ。待っててね、もう少しで着くから」

 

僕を抱えている男の顔を見た。その顔は汗で曇ったメガネをしており、薄い髪の毛、体を見ると酷く太っていた。

 

そのまま運ばれ着いたのはボロボロな雑居ビル。そこに乱雑に降ろされる。

 

「ふひひ、お、大人しくしてね」

 

逃げようとしたところを押さえつけられ両手首を紐か何かで縛られる。足も一緒に縛られた。

 

「むー!!むー!!」

 

「あ、ゴメンね。僕、君みたいな可愛い子を見つけるとつい襲いたくなっちゃうんだ。未成熟の幼女の体を僕が汚す…興奮するよ…」

 

男の顔は興奮と劣情に染まっていた。

 

この人…僕の事、犯す気なんだ。

 

見ず知らずの、こんな男に僕は犯されて、純潔を失う………。

 

これから憧れの人が出来て、恋人になって、愛を育む事によって無くなる純潔を、こんな人に………。

 

「(嫌だ…)」

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

 

手足をどうにか動かして抵抗する。

 

「むぅー!!!???」

 

「暴れないでよ…動くと、あ、危ないよ?」

 

男は取り出したナイフを僕の目の前にチラつかさせて脅してくる。

そしてそのナイフで僕の衣服を切り裂いていく。

 

「ふぅーふぅー、こ、これが幼女の肌……!」

 

「ぐすっ…ひぐっ……」

 

制服を切り裂かれ僕の肌が晒される。目の前の男に見られる。

涙が止まらない。

 

そして男はスカートの中、下着の部分に手をかける。

 

「(ああ……僕は、こんな所で汚されるんだ……こんな、人に……無理やり………)」

 

意識が暗くなっていく。どんどん沼に沈まっていくような絶望感によって………。

 

「ふひ、ふひひひひ!!」

 

男が手に力を込めるのが伝わる。そして僕の下着が降ろされる、その瞬間。

 

 

ズドォン!!!!

 

 

「!?な、なんだよ!!」

 

「………おい」

 

入口の所から、僕と同じくらいの少年が現れた。

 

side碌斗

 

咲から逃げて家に帰る途中、夕飯の食材を買おうと商店街によっていた時にそれが見えた。

 

「ん?今の…」

 

目立たない路地裏から白い制服がチラリと見えた、しかしそれはすぐに消えた。

 

……見間違いか?

 

「《アラジン、あそこの路地裏に生体反応ってあるか?》」

 

『《え?ちょっと待ってね……うん、2つあるね。1つは大人の男の人のと、もう1つは小さい女の子のものだね》』

 

それを聞いて、俺は直ぐに先程見えた路地裏の所へ行った。そこから足跡を追ってついた先が………、

 

「…………おい、何してんだテメェ」

 

ナイフを持った男と服を切り刻まれて手足を縛られている少女がいるボロロの雑居ビルだった。

 

「な、なんだお前は!!」

 

「こっちが聞いてんだよ、何してんだテメェ」

 

俺は殺意を込めて男に話しかける。すると男はビクつきながら答えてきた。

 

「み、見てわからないのか?この女の子を汚そうと、してるんだよ!邪魔するならガキだろうがこ、殺すぞ!」

 

男はそう言うとナイフを持って立ち上がった。

 

「…そうかい」

 

男の言葉を聞いた瞬間、俺は男の距離を一瞬で詰めて男の首を掴んだ。

 

「ぐえっ!!??なっ、何でいぎなり、めのばえに…」

 

「……………………」

 

そのまま腕に力を込める。

 

「ぐっ、ぐるじぃ…やべで、じぬぅ」

 

「やめて、だと?テメェはあの子に何したか分かって言ってんのか?」

 

更に力を込める。

 

「お前は!!あの子に!自分のクソみてぇな劣情をぶつけようとしたんだよ!!!それを!ちょっと力を込めただけで苦しいだ、死ぬだ、やめてだと?巫山戯んなよ!!」

 

力任せに男を壁に投げつける。男は大きな音を立てて壁にぶつかるとそのまま気を失った。

 

「はぁっ…はぁっ……大丈夫か?」

 

怒りを抑え、呼吸を整えて少女に近づく。紐を解いて口に詰められた布も取ってやる。

 

「大丈夫か?怪我は無いか?」

 

「…はい、切られたのは制服だから……」

 

白い制服は無残に切り裂かれている。

その破片には見覚えがある。俺と同じ聖祥の制服だ。

 

「君、聖祥の子かい?」

 

「っ、はい」

 

下校途中を狙われたのか…。

少女はまだ怖いのか自分で自分の体を抱きしめている。

 

「とりあえずこれ来てくれ」

 

「あ……」

 

俺は自分の制服の上を少女に羽織らせる。

 

「もう大丈夫だから、安心してくれ」

 

「あ……あぐ…ひっく……うぇ、うええぇぇ……」

 

安心させる為に頭を撫でると少女は俺に抱きついて胸元に顔を埋めて泣き始めた。そりゃそうだ。大の男が襲ってきたんだ、怖かったのだろう。

 

俺はそのまま少女が泣き止むまで頭を撫で続けた。

 

その間にアラジンに警察を呼んでもらうのも忘れていない。

 

10分後、警察官が到着して男を捕縛してパトカーに乗せた。

すると1人の警察官が俺達の元へやってきた。

 

「君が通報してくれた少年だね?」

 

「はい。この女の子があの男の人に路地に連れ込まれるのを見て怪しいと思ったので警察を呼んで追いかけたんです。そしたら……」

 

「成程、じゃあ君も女の子と一緒に来てくれるかな?その女の子も1人じゃ心細いだろうしね」

 

「そうなの?」

 

「……」コクコク

 

少女は首を振って答えた。

 

そして俺は警察に行き少女と一緒に事情聴取を受けた。男については自分が来た時には既に気絶していたと伝えた。男の方が何か言っていたみたいだけど気絶したせいで記憶が混乱していると判断され、そのまま逮捕された。

 

 

「…うん、事情聴取に付き合ってくれてありがとう小鳥遊君。時雨ちゃんの方もお家に連絡した所お兄ちゃんが迎えに来てくれるみたいだからもう少し待っててね」

 

「わかりました」

 

「はい…」

 

この少女、名前は氷室時雨と言うらしく、先週海鳴市に引っ越して来たばかりだったらしい。しかもその家は俺の隣の家。兄と一緒に聖祥に通っているらしく今日転校してきたんだとか。

 

「…所で時雨ちゃん。そろそろ離れられるかな?」

 

先程からこの時雨ちゃん(名前で呼ばないと泣き始めるので仕方なく)、俺に抱きついて離れないのだ。事情聴取を受けている時も離れず、俺の気分は親コアラの気分だ。

 

「まだ…もう少しだけ……」

 

「うーん…」

 

さっきからずっとこんな調子なんだよなぁ…確かに小学4年生であんな男にレイプされかけるってのは怖かっただろうし、それを助けた俺に甘えるのもおかしくはない、のか?

 

「二人とも、時雨ちゃんのお兄ちゃんが来たよ」

 

「時雨!!無事か!?」

 

警察官の人と一緒に来たのは俺と同い年のイケメンだった。顔整ってんなー。

 

「兄さん……うん、怪我はないよ」

 

「そうか…良かった…本当に良かった………君が助けてくれたんだよね?僕は氷室吹雪、今日、私立聖祥大学附属小学校に転校してきた小学5年生だよ。よろしく。それと……時雨を助けてくれて、本当にありがとう!」

 

そう言って泣きながら頭を下げる氷室。いきなり泣かれながら謝られてもこっちが驚くわ。

 

「気にすんな。たまたま俺が近くにいただけなんだから。それと俺は警察を呼んだだけだからな?」

 

「それでもだよ。本当にありがとう…」

 

…いい兄貴じゃん。

 

その後、家が隣ということも話して一緒に帰ることになった。時雨ちゃんはその間も俺から離れようとせず、仕方ないので俺がおんぶしている。

その時雨ちゃんは今日色々あって疲れたのか背中で寝息を立てている。

 

「じゃあやっぱり君も転生者だったんだね?」

 

「まあな。俺のクラスにいる御林咲、神崎王我、それと今日転校してきた…なんだっけな?聖?だったかも転生者だ。咲は信用出来るが神崎と聖はやめとけ、なのは達を自分の嫁と公言して相思相愛だと思ってる奴らだからな」

 

驚いた事にこの氷室吹雪も転生者だったらしい。だが話してみてわかったが神崎や聖とは違い、真面目で良い奴だ。

 

「やっぱりか…神様からその事は聞いていたんだよ。友達になるんだったらその2人はやめとけってね」

 

神様にまで言われるほど性格が歪んでいるのかよ…あの二人は…。

 

「あのさ…碌斗って呼んでいいかな?僕前世では友達いなくてさ、今日も転校して来たばかりで知り合いがいなくて…その、友達になってくれないかな?」

 

「おう別にいいぞ。じゃあ俺も吹雪って呼ばせてもらうぜ?いやー、俺も男友達が少なくてな…吹雪と友達になれて嬉しいぜ」

 

「あはは、ありがとう碌斗。これから宜しく」

 

「ああ。こちらこそ宜しくな」

 

俺達は握手を交わした。

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