魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜   作:妖魔夜行@

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種目決め

sideなのは

 

シュテルちゃん達がロクトくんに告白してから数週間が立ち、学校では今ではすっかり運動会ムードに包まれています。

私はあの時からロクトくんと話せていません…私だけじゃなくはやてちゃんやアリサちゃんも話せてないみたい…はやてちゃんなんか席が隣だから私達より余計に辛い状況みたい。

 

「はい、それじゃあ今から各種目の名前を言っていくから自分が出たいものに手を上げてねー」

 

教卓の前にアリサちゃんが立って黒板の所には咲ちゃんが各種目の名前を書いていってる。

 

「じゃあまずは、借り物競争に出たい人ー」

 

やっぱり借り物競争は人気があるんだね…クラスの男子が一斉に手を挙げたよ。ロクトくんは挙げてないけど。

 

「はいはい、じゃあ借り物競争は後でじゃんけんね。次パン食い競走出たい人ー」

 

こんな感じでたんたんと進んでいきました。途中、ロクトくんの事を見たのですがロクトくんは机に突っ伏して寝ていました。

 

 

「じゃあ最後、仮装レースに出たい人ー」

 

シーン……

 

誰も手を挙げようとしません…それはそうです。だってあの仮装レースは………。

 

「……案の定誰もいないわね…ならそこで寝ているロクト!!起きなさい!」

 

咲ちゃんからチョークを貰ったアリサちゃんがロクトくんに向かってチョークを投げつけます。

 

「…いきなり何すんだよアリサ」

 

そのチョークをロクトくんは見ないで掴んで、顔を上げました。

 

「アンタが寝ているのが悪いんでしょ!それよりロクト、アンタ仮装レースに出なさい」

 

ザワッ!

 

アリサちゃんの言葉に教室がザワつきます。

 

「はいはいわかりましたよ」

 

ザワワッ!

 

ロクトくんの返事に更に教室はザワつきます。

 

「ちょっ!ロクトくんホンマにええの!?かなりキツいであの種目!」

 

「別にどうでもいい。誰も手を挙げてない所を見るとそれ程やりたくない種目だってのが分かる。やりたくない誰かが犠牲になるならやる気のない俺がやった方がいいだろ」

 

「うっ…せ、せやけど!」

 

「はいはいそこまで!本人がいいって言ってるんだから納得しなさいはやて」

 

仮装レースの過酷さをはやてちゃんが伝えようとすると咲ちゃんが手を叩いて止めました。

そしてそれ以降は何もなく、スラスラと種目が決まって行きました。

 

そしてお昼休み、いつもの屋上です。

 

「じゃあ碌斗さんは仮装レースに参加するんだね?」

 

「ああ。コイツらが何をそんなに怯えてんのか分かんねぇんだけどな」

 

サンドイッチを食べながら時雨ちゃんの質問に答えるロクトくん。

あれから私たちは一緒に時雨ちゃんと吹雪くんとも一緒にお昼を食べるようになりました。ロクトくんは、「時雨はともかく吹雪が一緒に居てくれるのは嬉しいんよ。こんな女子だらけの中、男子は俺一人だったからな」と言っていました。

 

「それにしても…神崎と聖の奴らはほんっっとうに懲りないわね!」

 

「特別にクラスを変えてもらってやっと解放されたと思ったのに、休み時間になるとこっちのクラスに来るんだもんね…」

 

そう、今すずかちゃんが言った通り神崎くんと聖くんは普段の態度が酷いという理由で生徒指導の先生が担任をしている2組に移動して、代わりに人数を合わせるために吹雪くんがこっちの組に来たの。

 

「ホンット、何かある度にロクトに突っかかってくるしね!」

 

「最近は吹雪にまで怒鳴ってたよね…」

 

「もう私は諦めていないものとして扱ってるわ」

 

さ、咲ちゃんが最近何も言い返さないと思ったらそういう事だったんだ…。

 

「そうだ碌斗、僕は決めたよ」

 

「何が?」

 

「昨日言ったことだよ」

 

2人が何か真剣な顔で話し始めたので皆もそれに注目する。

 

「………本気なんだな?」

 

「ああ。僕は管理局に入るよ」

 

「……そうか」

 

え……、

 

「「「「ええええ!!!???」」」」

 

side碌斗

 

「吹雪くんも魔導師だったの!?」

 

「と言うか管理局のことまで知ってるって……」

 

「落ち着けお前ら。吹雪は俺と同じ様な魔導師なんだよ。管理局のことも俺が教えといたんだ」

 

とりあえずコイツらを落ち着かせて、と。因みに時雨にも既に魔法の事は説明してある。全く驚かなかったけどな……。

「あ、ついでに僕も入るつもりだよ。その管理局って所」

 

「吹雪の魔力ランクはSS+オーバー、時雨も同じくらいのSはあった、昨日計測したが二人とも魔導師の素質は充分あるぜ」

 

「まぁ時雨にはデバイスが無いんだけどね…僕はあるんだけど」

 

「吹雪くんデバイスまで持ってたんか?なんや驚きすぎて頭痛くなってきた…」

 

「あはは、ほらスノウ。皆に挨拶して」

 

吹雪が右手首を皆に見せる。右手の手首には雪の結晶の形をした腕輪がはめられていた。

 

『はーい、私はスノウ!宜しくね!』

 

「今月末にでも試験を受けれるよう、既に咲に手配を頼んである」

 

シレッとしている咲に一斉に視線が集まる。

 

「ええ、運動会がおわった次の週末にミッドに来てもらうことになるわ。それまでに時雨ちゃんのデバイスを何とかしないといけないんだけど…」

 

「そこん所は俺に任せとけ。もう少しで完成するしな」

 

時雨のデバイスは俺が作っている。どうやって作っているかは企業秘密だ。

 

「ロクトってデバイスも作れたんだ…」

 

「と言うかねぇ、さっきから私達全然話についていけてないんだけど」

 

「吹雪くんと時雨ちゃんもなのはちゃん達と同じ魔導師って事でいいんだよね?」

 

「まぁ詳しい事はこいつらに聞いてくれ、俺は日直だからもう戻る」

 

「あ、僕も行くよ。じゃあまた後でね」

 

「碌斗さんが教室に戻るのなら僕も教室に戻るかな。またね皆」

 

そう言って俺達は屋上をあとにした。


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