魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜 作:妖魔夜行@
side碌斗
「ロクー、プライレやろー」
土曜日、今日は一日中ゴロゴロしてるかと思っているとゲームを片手にレヴィが部屋に入ってきた。
「別にいいけど…お前宿題やったの?」
「…… さぁやろう!」
やってねぇのかよ…。
プライレ、プラズマイレブンと言いサッカーをテーマに収集・育成要素を盛り込んだ、異色のロールプレイングゲームなのだ。プレイヤーは弱小サッカー部のキャプテンとなり、部員の勧誘や練習試合を繰り返しながらストーリーを進行させてフットボールフロンティア全国大会での優勝を目指す。ゲーム中に登場する部員候補は1000人以上に及び、普通に話しかけるだけで入部してくれる者から、マネージャーによるスカウト、部員の人脈、他チームからの引き抜きまで、入部条件も様々でやりがいがある。これらのキャラクターを編成することで自分だけのオリジナルチームを作ることができ、更に友達と対戦やトレードを行うことも出来る、超次元サッカーRPGだ。(Wikipediaから引用)
因みに俺らがやってるのは『プラズマイレブン3世界に挑戦ボム/サンダー』という続編で俺はボム、レヴィはサンダーをプレイしている。
「へっへ〜、僕のチームは最強だからね!」
「ほーう、俺に負け越しているくせしてよく言うな」
「今日は勝つもん!」
俺のチームはストーリーで出てきた敵チームのエースやキャプテンなどを集めたライバルチーム。
対してレヴィはゲームを始めてから1度もメンバーを変えていないストーリーチーム。
因みに戦績は46勝38敗12引き分けと俺が勝ち越している。
「むぅー!今日こそ目にものを見せてやるんだから!」
「そりゃ楽しみだ」
そして俺達は携帯ゲーム機からペンを取り出して試合を始めた。
◇
「うぅ〜…」
「レヴィ…何であんな変なメンバーにしたんだ…?」
結果は俺の圧勝。何故かレヴィはメンバーを総入れ替えしており、ガチャで手に入る弱い選手ばかり入れていたのだ。
「だって、意表を突けるかと思って……」
「確かに驚きはしたが……」
弱すぎだろって意味で。
「むぅーー……あっ!そうだ!ロクト!」
「なんだ?」
急に立ち上がってツインテールをぴょこぴょこ揺らすレヴィ。
いや、だからどうやってんのそれ?猫の尻尾見たいな感じで動かせんの?
少しびびっている俺を気にすることもなくレヴィは笑顔でこう言った。
「サッカーやろうよ!」
◇
「いっけー!ファイアートルネード!」
「何でだァー!?」
炎を纏ったボールがゴールに突き刺さる。ネットが焦げ付く匂いが辺りに充満する。
「おい燃えてんじゃねぇか!?水!水!」
「わわわわ!ど、どうしよう!?」
サッカーゴールから黒い煙が上がり慌てるレヴィ。
「サッカーボールが燃えちゃうよ!」
「そっちの心配かよ!?」
何とか火を消して落ち着いた俺達は近くのベンチに腰を下ろしてた。
何故こうなったかと言うと、レヴィがサッカーをやりたいと言った事がきっかけだった。近くの公園でサッカーをしているとレヴィがプライレの技をやりたい等と言い出し、やれるもんならやってみろと俺が煽ったら本当にやりやがった。
「全く…いや煽った俺も悪かったけどさ…」
「そうだよ。そもそもロクが僕に負けていればこんな事にならなかったぎゃん!?」
少しレヴィが調子に乗ったのでゲンコツをレヴィのつむじ目掛けて振りおりした。
「うぅ〜、いったぁーい!何すんのさロク!」
「お前が少し調子に乗ったからそれを制しただけだ。それでこれからどうする?」
時刻は午後3時。帰るには少し早い時間帯だ。
「うーん、じゃあ1対1のミニゲームでもやろうよ!ルールは先に1点決めた方が勝ち!」
「いいぜ、やるか」
「ふっふーん!ゲームじゃ負けたけど現実じゃ勝つからね!」
「ほーう言ったな」
腕を組み自信満々に言い張るレヴィ。
そして俺ボールからミニゲームが始まった。
「行くぜレヴィ!」
先ずは軽く様子見でボディフェイントを仕掛けてみる。だがレヴィはそれに惑わされることなくボールを奪いに来る。
「そんなのに引っかからないよっ!」
「そうかい!」
ボールを奪おうとして来るレヴィを俺はサイドステップで躱してゴールへ向かう。
「貰った!」
そのままシュートを打とうと右足を振り上げる。
「させないよ!キラースライド!」
「はっ?うおっ!?」
突然後ろからスライディングをされてバランスを崩してしまう。一応足には当たっていないのでファウルにはならない。
というか…。
「おいレヴィ、それってプライレの技じゃねぇか」
「へっへーん!僕くらいになると出来るようになるのさ!勝負はもらったよ!」
「あっ待て!」
そのまま猛スピードで俺のゴールまでドリブルして上がっていくレヴィを追いかける。するとレヴィは何故かセンターラインを超えた辺りで急に止まった。
すると体を捻り始めて飛び上がった。
「ってまさか!?」
「ファイアー…トルネード!!」
炎を纏ったボールがゴールへと向かっていく。俺はレヴィが飛び上がっている間にペナルティエリアに着いている。
「くっ…これなら、どうだ!流星ブレード!!」
俺は一回転してボールを蹴り込み、流星を纏ったボールがゴールへ向かっていき、そのまま突き刺さる。
「ええぇぇーー!!??ロクも必殺技使えたのー!?」
「いや、俺が1番驚いてんだけど…」
イメージしたら出来んたんだけど…大丈夫かこの世界のサッカープレイヤー?
「って、そろそろいい時間だし帰るか」
空を見上げるともう真っ赤に染まっており夕日が沈みかけていた。
「えぇーー!!勝ち逃げなんてズルいよー!」
「あのなぁ…もう6時近いんだぞ?いくらここが近所だからって俺達子供が遅くまで外にいちゃダメなんだよ」
「うぅ〜…でも〜……」
「全く…別にサッカーなんて何時でも出来るだろ?またやればいいじゃんか」
先程まで小さくなっていたレヴィのサイドテールがぴょこんと跳ね上がり反応した。
…もう何も言うまい。
「また僕と一緒に遊んでくれるの!?」
「当たり前だろ?俺ら家族じゃんか。ほら帰るぞ」
一応時間も遅いのでレヴィがどこかに行かないように手を差し出す。
「…うん!!」
俺の手をしっかりと握り2人で並んで帰る。夕日に照らされた俺たちの影は交差するように映っていた。
◇
『ところで2人とも、サッカーボールは?』
「「あっ」」
急いで取りに戻った。