魔法少女リリカルなのは 〜ありがちな転生生活〜 作:妖魔夜行@
side碌斗
それは一通の電話から始まった。
「ええぇぇぇーーー!!??今日帰ってくるぅー!?」
『ああ、私も母さんも仕事が一段落着いたのでな。少しの間だが自由に動ける時間が出来たのだ』
『だから久しぶりに日本に帰ろうかと思ってね。ほら、成長した碌斗ちゃんも見たいですし♪』
「いや、まあ…会えるのは嬉しいんだけど…もうちょっと早く教えてくれても良くないかな?」
『仕方がないだろう、私達も先程聞かされたばかりだったんだ』
『じゃあそういう訳なので、あっ!そっちには夕方頃着くのでって、シュテルちゃん達にも言っといて欲しいです♪じゃっ!』
「あー、って切れた!?こっちの返事も聞かずに!?」
相変わらず破天荒な母さんだ……。
因みに母さんと父さんはシュテル達のことを知っている。次いでに言うと俺の魔法の事も知っている。
魔法はちょっと練習している所を父さんに見つかって説明することになった。まあ流石に前世とか転生のことは話してないけど、取り敢えず何かいつの間にか使えるようになったって言っておいた。
シュテル達のことはアイツらを助けた時に2人に連絡して一緒に住んでもいいか確認をとった。結果はあっさり了承され、許可をもらった。
4人の写真を(ちゃんと頼んで撮らせてもらった)送ったら母さんが速攻で許可したらしい。何でも母さん曰く…
『あんな可愛い子達が家族になるんだったら全然OKです!!可愛いは正義!!これすなわち世界の心理なり、です!!』
とのこと。まぁ父さんには間違いを起こさないようにと釘を刺されたがね。いや流石に起こさないよ?小学生に何言ってんのやら…。
俺が固定電話の受話器を置いてため息をついているとシュテルが不思議そうに首を傾げていた。
「誰からの電話だったのですか?」
「ああ…その、皆が集まってから話そうと思う……」
「はぁ?では取り敢えず3人を呼んで来ますね?」
「ああ、頼む」
そうしてリビングに俺、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、アラジンが集まる。皆、椅子に座っている状態だ。
「…で、何で我等は呼び出されたのだ?」
「どこかに遊びに行くのー?」
「レヴィ…これから学校ですよ?」
ディアーチェ、レヴィ、ユーリの順に話す。
「それで、一体どうしたんですか?先程の電話が関係しているのは分かりますが…」
「電話?」
「はい、ロクトが出たのですが何やら揉めてる様子でしたので…」
レヴィの疑問に答えるシュテル。
「その、だな。今日の夕方頃に俺の両親が家に帰ってくるんだ」
ピシッ!と空間が固まったような気がした。
「えーと…皆さん?」
「………ロクト」
「な、何だ?シュテル?」
「…菓子折を厳選して来るので今日は学校を休みます!!」
「僕ご馳走を作るための材料買ってくるから学校休む!!」
「我は豪華な料理を作るから学校を休むぞ!!」
「私は家中掃除してピカピカにするので学校を休みます!!」
「いやしなくていいし買わなくていいから!親が帰ってくるだけで学校休もうとすんな!」
「あはははは〜」
笑ってないで止めろアラジン!
この4人を宥めるのに30分弱かかって遅刻しそうになった。
アラジンェ……。
◇
そして放課後、いつも通り帰宅。
え?学校の描写がない?だっていつも通り何も無かったんだからいいじゃないか。
「緊張します……」
さっきからこのセリフを何度も繰り返しているシュテル。
「あー、ロクのお父さんとお母さんってどんな人達なんだろー」
ツインテールを揺らしながらリビングを行ったり来たりしているレヴィ。
「………………」
椅子に座って平静を装っているがソワソワしっぱなしのディアーチェ。
「すぅ…はぁー…すぅ…はぁー」
かれこれ10分近く目を瞑ってずっと深呼吸をしているユーリ。
「〜〜〜♪」
鼻歌を歌いながらカルピスを飲んでいるアラジン。
…お前は呑気だなぁ。
「コレで終わりっと…」
そして8人分の晩御飯を作り終えた俺。
そして俺がテーブルに料理を運ぼうとするとインターホンがなった。
ピンポーン
「「「「!!!!」」」」
その音に一斉に反応する4人。
「お、やっと来たか?はーい」
玄関に向かって鍵を開けて扉を開くとそこには…
「久しぶりだな、碌斗」
「碌斗ちゃん久しぶりです〜!」
「久しぶり…父さん、母さん」
俺の両親がいた。
◇
2人をリビングに通して椅子に座らせる。テーブルを挟んで反対側に俺達も座る。
「えっと、じゃあまずはこっちから紹介していくよ。まずこの茶髪のショートヘアの子がシュテル」
「よ、よろしくお願いします」
「隣の水色の髪のツインテールがレヴィ」
「初めまして!」
「で、こっちの白髪の女の子がディアーチェ」
「よ、よろしく頼む」
「その隣に座っているのがユーリ」
「ど、どうぞよろしくお願いします」
「最後にこいつが…」
「アラジンだよ!宜しくね!」
俺の膝の上に乗っているアラジンが元気よく言って紹介は終わった。何だか4人から視線を感じるが気にしないでおこう。
「「「「((((アラジン……羨ましい…!))))」」」」
「じゃあ次は私たちですね。私は小鳥遊小萌!主に海外で仕事をしているのです!」
「私は小鳥遊秀勝。仕事は主に重要人物の護衛などをしているよ」
シュテル達が父さんと母さんの姿を見た時、全員口を開けてポカーンとしていたな。まぁ気持ちは分からなくもない…何故なら……、
俺の母さんは俺達よりも低い背丈をしており、父さんはオールバックで左眼に眼帯とまさに歴戦の戦士のような容姿をしている。
そして2人の見た目…これは俺か俺みたいな転生者しか分からないと思うが、母さんは「とあるシリーズ」に出てくる「月詠小萌」そっくりで、父さんは「鋼の錬金術師」に出てくる「キング・ブラッドレイ」そっくりなのだ。
初めて見た時は驚いたがまぁ何度も見れば慣れ始める。これも恐らく限りなく近いifの世界だから有り得ることなのだろう。
「で、碌斗ちゃん」
「何?母さん」
「誰が碌斗ちゃんの彼女なのですか?」
「「「「「ブッ!!!???」」」」」
俺とシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリは5人同時に吹いてしまった。
「な、ななな何言ってんだよ母さん!」
「あれ?違うのですか?はっ!まさか、全員が彼女というハーレムを……!」
「違ぇーわアホ!!」
「ハッハッハ!」
「あははは!」
そこの男2人!一緒に笑ってんな!
それからお互いに質問をし合ったり父さん達からお土産を貰ったりしているとレヴィとアラジンのお腹から「グゥー」という音が鳴った。
「ねぇロクー、僕お腹すいたよー」
「あらもうそんな時間ですか?」
「ああ、ちょっと待ってろ。シュテル、ディアーチェ、ユーリ、運ぶの手伝ってくれ」
「「「はい(ああ)」」」
俺が先程作っておいた料理を温めたりしてからテーブルの上に並べていく。
「ふわぁー、相変わらず碌斗ちゃんのお料理スキルは凄いですね」
「ほう…とても美味しそうだな」
「ね、碌斗くん。早く食べよう。僕もうお腹ペコペコだよー」
「そうだな…んじゃ、手を合わせて」
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
◇
「何このオムライス!すっごい美味しい!!」
「うわぁー!ふわとろだよぉー!」
「この照り焼きチキンも中々…チーズを乗せただけでこんなにも上手くなるものなのか?」
「いやディアーチェ、その照り焼きは味付けに少し拘ってんだ」
「ロクト、ロクト、そこのドレッシング取ってください」
「あ、ユーリちゃん。後で私にも貸してくださいー」
「ふむシュテルちゃん、これも美味しいぞ。食べたまえ」
「あ、ありがとうございます…わっ、美味しい!」
皆和気あいあいと飯を食べる。打ち解けるのに時間はかからなかった。
因みに今日作ったオムライスと照り焼きチキンをコイツらに食わせるのは初めてだ。好評のようでよかったよかった。
「そう言えばおか……小萌さんは海外で働いてると仰ってましたがどんなお仕事をなさっているのですか?」
「えっとですね…と、その前にシュテルちゃんに言っておくことがあります」
「え?私に?」
「あっ、レヴィちゃんとディアーチェとユーリちゃんとアラジンちゃんにもです」
母さんの言葉に皆箸を止めて母さんに注目する。
「……シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、アラジン。貴方達はもう私達の家族です。小鳥遊家の一員なのです……だから、私の事を母親と思ってくれて構わないのよ?」
「………え」
「勿論私も同じ考えだよ。シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、アラジン。君達は小鳥遊家の一員、家族なんだ。私達は碌斗同様、大事な息子と娘達と思っているよ…だから……」
「「私のことをお母さん(父)と呼んでください(くれないか)」」
「「「「っ!」」」」
「………」
父さんと母さんの思い…今2人が言ったことは間違いなく本心だ。シュテル達のことを自分達の本当の子供だと、家族だと思っている。2人の顔を見ればわかる。
シュテル達を見ると4人は涙目になっていた。ただアラジンだけは顔を俯かせていたので分からなかった。
と、シュテルが話し始める。
「わ、私、達は…家族でいいんですか?お二人の…子供になっても、いいんですか?」
やや震える声で、しかし潤んだ目はしっかりと2人を見つめながら、シュテルは話す。
「勿論です!ね、秀勝さん!」
「ああ、当たり前だな。というより、私達は既に家族だと思っていたぞ?」
2人がそう言うとシュテル達は一斉に涙を流し始めた。
「俺も前に言ったはずだぜ、たとえ血は繋がってなくてもお前らは大切な家族だって…アラジン、お前もだぞ」
「…!」
俯いていたアラジンの肩がピクッと揺れる。
「どうせお前のことだ。自分はデバイスだから、人ではないから、家族にはなれない、そう考えていたんだろ?」
「………」
なおも俯いているアラジンの顔を上げさせてその額にデコピンをする。
「ふん!」
「あいたっ!?」
「バカかお前は?お前は俺のパートナーだろ?相棒だろ?人だとかデバイスだとか関係ねぇ、お前も俺の、俺達の家族なんだ。だからそんな悲しそうな顔をすんな」
「………僕も、家族になっていいの?」
「だからバカかって言ってんだよ」
「あいたっ!?」
もう1発デコピンを食らわせた。
「
「…うん………うん……!」
アラジンは手を目に当てて涙を隠そうとしていたが、隙間から涙が零れ落ちていた。
◇
「…じゃあ、私達のことをお父さん、お母さんと呼んでみてください」
「呼び方は自分達の好きな言い方で呼んでくれて構わんよ」
5人が泣き止んで落ち着くと母さんと父さんはそう話した。
「で、ではまずは私から…お父様、お母様」
「じゃあ次は僕…お父さん、お母さん」
「では次は我だ……ち、父上、母上…」
「私ですね…こほん……父様、母様」
「じゃあ最後は僕だね……お父さん!お母さん!」
シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、アラジンが順々に父さんと母さんを呼んでいく。
その姿は照れながら、でも何処か喜びながら、嬉しそうに呼んでいた。
「はい♪私達の子供達♪」
「うむ、息子、娘達よ」
父さんと母さんも嬉しいそうに微笑みながら応えていた。
◇
それからすっかり冷めた食事を再開させ、テーブルの上の料理を全て平らげた。今は俺とユーリで食器を洗ってシュテルとディアーチェが洗い終わった食器を片付けている。レヴィとアラジンは2人の相手をしている。
「所で父さんと母さんはいつまで
「うむ、何分急に決められた休暇でな、大体1週間ほどだ」
「私は秀勝さんに合わせて有給を取ってきたので私もそれくらいですね〜」
「じゃあお父さん達と遊べるの!?」
「ああ、遊べるぞ」
「ホント!わぁーい!何して遊ぼうかなぁー」
すっかり「お父さん、お母さん」呼びに慣れたレヴィとアラジンはもう一緒に遊ぶ約束をしている。やはり両親が出来たのが嬉しいのだろう。その証拠にレヴィのツインテールがブルンブルン荒ぶっている。
…うん、もう何も言うまい。
「よし、洗い物終了っと」
「流石に8人分となると大変ですね…」
俺とユーリは濡れた手をタオルで拭きながら話す。
「こっちも片付けが終わったぞ」
「ユーリの言った通り…8人分は大変ですね…」
すると食器を片付け終わったディアーチェと軽く息を整えているシュテルがいた。
「碌斗ちゃーん!シュテルちゃん達もこっちに来てほしいのですー!」
「どうしたのですか?お、お母様…///」
「はぁぁ〜可愛いですねぇ〜♪」
「母さん……それで、何なの?」
このままだと話が脱線してしまう予感がしたのでさっさと俺達を呼んだ本題に移らせてもらう。
「はっ!そうでした。碌斗ちゃんに渡すものがあるんですよ」
「渡すもの?」
「えーっと…あった!コレです!」
母さんは鞄からピンクのファイルを出すとその中から1枚の紙を取り出して渡してきた。
シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリも気になるのか4人とも紙に注目している。
「えっとなになに?
「「「「「えええええぇぇぇぇぇーーー!!!!!?????」」」」」