超進化研究所大宮支部でも、動揺が広がっています。
本庄さんが、モニターを見て……
「捕縛フィールド……全壊しました……」
フタバさんが、出水指令長に向かって叫びます!
「出水指令長、捕縛フィールドがこんな簡単に破壊されるなんて聞いていません!」
出水指令長は冷静に状況を分析し、カチャリと眼鏡を指で押し上げます。
「大丈夫だ、フタバ指導長代理。
駿河湾の海岸上に、捕縛フィールドを張っている。
破られても人目には付かないから、戦闘は継続出来る。
それよりも、超進化研究所京都支部に繋いでくれたまえ。」
まさか、捕縛フィールドの “ あの弱点 ” を突いて来るとはな……
あの『試作車両』が何割完成しているのか、緊急発車が可能なのか、速杉さんに相談してみないとな……
一方、浜松でブラックシンカリオンとの戦闘開始と同時に破壊されてしまった捕縛フィールド……
それを見てひとりほくそ笑んでいる女性がいました。
セイリュウと同じくエージェントのひとり、スザクです!
「捕縛フィールドってね、基本1vs.1の個人戦にしか対応していないのよねぇ。
今まで、2体以上の巨大怪物体とは戦った事無いんでしょ、シンカリオン?
だから先にブラックシンカリオンを戦わせておいて、捕縛フィールドが張られた後にワタシの巨大怪物体を “ 外から ” けしかければ、簡単に破壊出来るってワケ。」
スザクは、ニヤリと笑います。
「戦いの時には、相手の弱点を付くのが定石。
弱点が無ければ、作ってあげればいいの。
それが、ワタシのスタイル。」
さぁ、絶望に顔を歪ませなさぁい……!
ファッシネイティング!
5体のシンカリオンは、無数の巨大怪物体の群れに戦いを挑んでいます。
しかし、どのシンカリオンの武器も基本的に巨大怪物体『1体』と戦う事を想定した武器なので……
「おいおい、巨大怪物体を1体ずつ倒してたらキリが無いぜぇ!」
ツラヌキは、疲労困憊です。
「フミキリキャノンは、巨大怪物体を数体貫通出来るんだが……
いかんせん数が多過ぎて、ラチが空かん。」
アキタも、巨大怪物体のあまりの多さに辟易しています。
「んっ、逃げ道も塞がれてる……!」
シノブも、肩で息をしています。
ハヤトとリュウジは、2人でブラックシンカリオンと交戦しています。
「今度は負けないよ、速杉ハヤト!」
ブラックシンカリオンはすぐそばにいた巨大怪物体を掴み、シンカリオンE5はやぶさに投げ付けました!
「うわぁっ!」
シンカリオンE5はやぶさが投げ付けられた巨大怪物体に当たり、体勢を崩された所をブラックシンカリオンの『デスグランドクロス』に狙われました。
巨大怪物体ごと、シンカリオンE5はやぶさを串刺しにするつもりです!
「危ないっ、ハヤト!」
リュウジの心には、『年長者として年下の者を守らなければいけない』という誓い、母カエデとの約束が活きているのか……
咄嗟に無意識でブラックシンカリオンとシンカリオンE5はやぶさの間に自分のシンカリオンN700Aのぞみを滑り込ませ、自ら盾になったんです!
「ぐあぁぁぁ〜〜〜っ……!」
そしてデスグランクロスの直撃を受け、シンカリオンN700Aのぞみは起動不能になってしまったんです。
そして、最初に戻ります。
リュウジは、コクピット内で歯ぎしりをして悔しがります。
「オレが、コイツらを守らなくちゃいけないのに……!」
セイリュウは、禍々しい気を発しながら言いました!
「頼みの白いシンカリオンは、もう使い物にならない。
もう終わりだよ、お前達……!」
ファァァ……ン!
突如、絶望の闇を切り裂く様に走る1台の新幹線!
そして……
「リュウジ、最新の試作車両を持ってきたわよっ!」
モニターに映った顔を見て、みんなビックリします。
「上田アズサ……!?」×5
どうしてそこに……?
そして新型の試作車両とは、一体……?