アズサが乗って来た車体を見て、ハヤトが思わず声を上げます!
「あっ、その車両……
この前シミュレーションの時に言ってた、500系こだまだぁ!」
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話は、少し前に遡ります。
速杉指導長が、久し振りに出向先の超進化研究所京都支部から大宮支部へと帰って来ました。
「お帰りなさい、お父さ……高杉指導長!」
「ゴメンな、今日は京都支部から大宮支部へ出張で来たんだ。
出張の仕事が終わったら、また京都支部へ帰らなくちゃならないんだよ。」
それを聞いてハヤトはシュンとして、アキタとツラヌキは背中を擦って慰めます。
『ドンマイ。』×2
「それで高杉指導長、今日はどんな用事なんですか?」
フタバさんが、高杉指導長に聞きます。
「高杉さん、いよいよアレが完成間近なんですね?」
出水司令長が、思わせぶりに高杉指導長に確認を取ります。
「いや、あの試作車両はもう完成しているんだ。
しかし、アレを乗りこなせる運転士がなかなか見つからなくてな。
せめてシンカリオンの全運転士のデータは取得しておきたいと思って、北海道支部と東海支部、そして大宮支部に行って新しくシミュレーターをアップグレードして回ってるんだよ。」
そして、高杉指導長はフタバさんに聞きました。
「三原指導長代理、アップグレードは終わったかい?」
「えぇ、でもアップグレードだけでしたらわざわざこちらに出張しなくてもデータだけ送信して頂ければいいですのに……」
「いや、自分の目で確かめたかったんだよ。
新しいシミュレーションの結果データだけでは、分からない部分もあるからね……」
そして、高杉指導長はみんなをシミュレーターの前に連れて来ました。
「これがアップデートした新しいシミュレーター、その名も『ロック・ターゲット』だ!
これは 1vs.多 を想定したシミュレーターでな、どれだけ沢山の巨大怪物体を撃墜出来るかを測るモノなんだ。
このカーソルを巨大怪物体に合わせると、ロックオンされて巨大怪物体が光るんだ。
その状態でボタンを押すと、ビームが発射されて光った巨大怪物体を撃墜出来るんだ。
一度に複数の巨大怪物体をロックオンする事も出来るが、何体までロックオン出来るかは運転士の適合率によって変わって来るんだ。」
そして、高杉指導長はアキタの肩をポンと叩きました。
「中でもE6こまちに乗っているキミのデータが一番欲しいんだよ、アキタ。
ビームライフル競技が得意な、狙撃の名手だからね。」
ここで、ハヤトが聞きました。
「あの、さっきココに来る前に北海道支部と東海支部にも寄ったって言っていたけど……
ミクとリュウジも、『ロック・ターゲット』を試したの?」
「あぁ、2人とも試したよ。
だけど、2人とも50%そこそこの成績だったんだよ。」
えっ、ミクもリュウジも半分くらいしか撃墜出来なかったの?
さっそくハヤトとアキタ、ツラヌキの3人は新シミュレーション『ロック・ターゲット』を試してみました。
結果は……
ハヤトとツラヌキは40%、この手のものは一番得意なハズのアキタでも75%の撃墜率だったんです!
「ま、人は誰でも得手不得手ってものがありますからね……」
フタバさん、全然フォローになってませんって……
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リュウジは500系こだまに乗り込みました。
「お前、運転士では無いのにどうやってココまでこだまを運転して来たんだ?」
アズサはうーん……と首を捻りながら、こう言いました。
「うんとね……
高杉指導長の話ではぁ、
『この500系こだまは自動運転《オートモード》でこちらから動かすから、リュウジに引き渡してやってくれ!』
って言われただけなんだよねー。」
だったら、オートモードで動かせるのなら上田アズサはいらないじゃないか!
なのに、500系こだまに上田アズサを乗せてこちらに寄越して来た。
何かあるのか……?
「チェンジ!シンカリオン!」
超進化速度に乗り、シンカリオン500こだまに変形します。
「なに?この車両は……?」
リュウジは、乗り込んでみて初めて気付きました。
何と、シンカリオン500こだまは背中合わせの様にコクピットが2つあるんです!
すると突然、モニターが作動しました。
高杉指導長です。
「リュウジ君、このシンカリオン500こだまは一度に多数の巨大怪物体を相手にする為に開発された試作車両なんだ!」
その言葉の通り、リュウジがモニターで確認してみると足元とシールドに大型の多弾ロケットランチャーを搭載しています。
この搭載武器を見て、E6こまちに乗っているアキタが声を上げます!
「そうか、話は読めた!
この武器の為の『ロック・ターゲット』だったんだな……!」
しかし、当のリュウジは途方に暮れます。
「オレは今まで、N700Aで1対1の戦いしかして来なかったし……
『ロック・ターゲット』でも5割しか撃墜出来なかったんだ。
オレに、この車両が乗りこなせるのか?」
それを見ていたアズサが、やれやれといった表情でふうっと溜め息を付きます。
「リュウジ、何でもかんでもひとりで背負い過ぎなんじゃない?」
何で、500系こだまと一緒にワタシも乗せられて来たのか、分かる……?