上田アズサはビッ!とリュウジに人差し指を向けて、こう言い放ったんです。
「確かにワタシはリュウジとは違い鉄分は足りないから、シンカリオンを動かす事は出来ないのよ。
でも、ワタシにはリュウジには無い特殊能力があるって高杉指導長から言われたワケ!」
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『ロック・ターゲット』のシミュレーションが終わり、みんなで反省会をしていると……
何だか後ろでワイワイ騒いでいる声がします。
「何コレ?面白いじゃなーい!」
『ロック・ターゲット』が勝手に始動されているではないですか!
「おいおいアズサ、ここはゲームセンターじゃねぇんだぞ!
このシミュレーターはオモチャじゃ……」
目をサンカクに吊り上がらせてアズサに注意しに行ったツラヌキが、フタバさんの肩をチョンチョン突いて呼んでいます。
「ひゃんっ!
どうしたのよ、ツラヌキくんっ……!」
振り向いたフタバさんはシミュレーターを見て固まってしまいました。
何と、アズサが軽い身のこなしでリズミカルに巨大怪物体を次々とロックオンして撃破しているではありませんか!
しかも、一番成績の良かったアキタでさえ連続ロックオン数は10ターゲットまでしか対応出来なかったのに、アズサは “ 最低でも ” 20ターゲットまでは余裕で繋げています。
そして、巨大怪物体の撃墜率は驚異の100%!
「アズサ……くん、キミは何でこんなにも『ロック・ターゲット』で高得点をマーク出来るんだ……?」
高杉指導長は、静かな口調でアズサに聞いてみます。
「んー、たぶんね……
ワタシ、こう見えて超人気JSユーチューバーでしょ?
ユーチューブに写真とか動画をアップする為に、常にシャッターチャンスは逃せないのよね。
だから、こういうロックオンも得意なのかなぁ、なんて……」
意外な所にいたんだ、ダイヤの原石……
でもこの子、ユーチューブで我々の秘密を全世界に拡散する恐れがある。
それに、確か『ロックオン・ターゲット』と『シンカリオン・シム』は互換性が無かったんだよな。
『ロックオン・ターゲット』が得意だからって、鉄分が既定値以上あるとは限らない……
高杉指導長はしばらく悩み、決断しました!
この子がユーチューバーだからって、鉄分は無いだろうと勝手に頭で決めつけて鉄分の値を測る事すらしていなかったんだ!
この子を、一緒に京都支部へと連れて行こう!
もともと、この子はハヤト達の仲間になりたいってわざわざ単身で京都支部へと乗り込んで来たんじゃないか!
それを無下に追い払ったのは、他でもないオレ自身だしな……
「アズサくん、キミにはちょっとやらせてみたい事があるんだ。
この前は無下に追い払って、申し訳なかったな。
オレと一緒に、京都支部へ来ないかい?」
「えー、ホントにー?」
「高杉さん、それ本気で行ってるんですか?」
ハヤトも出水司令長も驚いています。
「女の子では、ミクも新幹線に興味がないのにH5の運転士をしてるんだ。
アズサくんだって、もしかすると……」
「まさか、この子を500こだまに乗せるつもりですか!」
「あぁ、アレならもしアズサくんが “ シンカリオン適合者 ” じゃなかったとしても、もうひとつの役目をしてもらえそうだしな!」
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「結果的にワタシは、シンカリオン適合者じゃなかったわ。
だけどワタシはミサイルをロックオンするオペレーターとして、まだ見つかっていない500こだまの運転士と一緒に戦うんだからねっ!」
アズサはそう言いながら、モニターに映る幾多の巨大怪物体の群れを次々にロックオンして行きます。
「鉄分の足りないワタシは、ロックオンしてリュウジを助けるから!
ロックオンしたミサイルを実際に発射出来るのは、シンカリオン適合者であるリュウジだけ!
ブラックシンカリオンはハヤト達に任せて、ワタシ達は巨大怪物体の群れを一掃しちゃいましょっ!」