BASARA/Apocrypha   作:立花総司

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7月に入りまして、ようやく投稿に入りました
さて、次でようやく次の日に入れそうです。てか長い、地味に長いぞ。誰だこんなにまどろっこしい内容にしたのは(おまいう

今回は後書きは用意しませんので、予めご了承ください。
今後テンポとかいろいろと研究しようとも考えています。


【第9章 天の頂】

今も夜が続くこの時間…その一方で、"黒"のライダーとホムンクルスの少年はかなり疲れ果てていた。

理由としては、追手の存在である。少し前に彼らの行く手にゴーレムが幾度とも襲いかかり、ライダーが何とか対処しているも、戦う術がないホムンクルスをカバーしながらであった為、かなり苦戦してたとか。

何とか全て撃退したものの、予想以上に体力に魔力を使いすぎてしまったのである。少年のほうも逃げるだけで精一杯であった。

 

「はあっ、はあっ…ちょっと無理しすぎたかな?」

 

槍に近い形状の武器を地面に突き刺しながら、息を整えるライダー。辺り一面ゴーレムの残骸がよく見えている辺り、数の暴力的な感じに襲われた可能性があると思われる。

そしてこのライダーであるが、戦闘面に関しては正直そこまで高い分類ではなく、宝具中心な戦闘を得意としている為、どうにも魔力面の安定性がそう良い方ではないのである。

 

「さ、流石にちょっと休憩しようかな…君だって結構疲れてるしさ」

 

振り向くと、息を荒くしボロボロの少年の姿が見られる。手には一本の剣があり、その剣は元はライダーの持ち物であったが、今は借りている状態であった。

護身用と言え、戦闘経験0である彼にはあまりにも荷が重いのだが…

ともあれ、現状襲撃の気配はないため少しでも体力を休める必要がある。ライダーはともかく少年の場合あまり無理に動けば本当に寿命が縮む危険性があった。

そんな中…

 

 

「おっと、やっぱこんなところにいやがったか。探したぞ?」

 

ザッザッと足音を立てて暗闇の道から現れたのは、政宗であった。どうやらあの痕跡から最初に見つけた模様。

だが、傍らには何故か小十郎の姿が見当たらない様子。

 

 

「せ、セイバー…」

 

思わず後ずさるライダー。追手であると踏んで槍を構えるも、先の戦いで足元も正直な限りふら付いている。

 

「安心しろ、別に命を狙うつもりでもねえ。ちょいとばかりお前が盗んだそいつを見に来ただけさ」

 

少し近寄りながら、政宗はホムンクルスの目を見た。酷く怯えている…死への恐れか、はたまた感じた事のない圧倒的な実力なのか…

ともかく、戦意がない事を示している政宗。実質、刀を握るような構えを見せていない。

 

「…似てるな、あの目に」

 

ボソッと呟きながら、クルっと後ろを振り向く政宗。

 

「一応だが聞いておくぞライダー。そいつをこれからどうするつもりだ?」

「決まってる、彼は自由を得るためさ。それに、彼の「助ける」の事を聞いて助けないなんて、騎士として失格さ!」

 

ライダーは迷いなくそれを口にする。助けたいと言う事を胸に動くそれこそ、ライダーにとっての誇りとして当然のことをしたまでの事である。

 

「ま、そのMouseから嘘は言わねえよな。OK、特に俺から言うつもりはねえよ」

 

どうやら政宗も逃がして良いと言う判断なのだろうか。政宗自身も背をむいて見て見ぬふりをすることになっている。

 

「!ありがとうセイバー、ちゃんとお礼もしないとさ!」

「よせよ、俺はただ目の前の光を救えれば良いだけだ」

 

光明が見えた。これで少年さえ逃がせばもう安全…そう思ったライダーであったが

 

 

『ええい!何勝手に逃がそうとしているんだセイバー!捕らえんか!!』

 

 

どこからか声が聞こえるが、どうやらゴルドが魔力パスを通しての念話のような対応である。

 

「バカ言ってるんじゃねえよマスター。俺はただ目の前の弱い奴と戦うつもりはねえ、寧ろ守る側だ。そこは譲るつもりはねえさ、You see?」

 

どうやら完全に政宗も守る側に立ったと言う。最早完全に言う事を聞かない様子である。

 

 

『ぐううっ…もういい!!これ以上は私自身も我慢がきかん!今まで散々好き勝手にさせていたが、無理やりにでも聞かせてやる!ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの名の元、令呪を持って命ずる!』

 

 

ついに我慢の限界が来たのか、ゴルドは令呪を使おうとしている。まずいと判断したのか政宗はすぐに

 

 

「あのおっさんっ!ライダー、今すぐそいつと共に逃げろ!!」

『セイバー!あのまどろっこしいライダーを叩き潰し、ホムンクルスを強奪せよ!!』

 

 

ゴルドの手から赤の証、令呪の1画が消える。それと同時に政宗の身体が勝手に動きだし、刀を一本抜きながらライダーに襲いかかる

 

 

「くううっ!!セイバーっ!!」

「言わんこっちゃねえっ、あのおっさん終わったら覚悟しておけよっ!!」

 

 

ライダーも咄嗟で槍を使って防御するも、先の戦いの影響がまだ残っている状態…十全に戦うのも出来ない。

加えて政宗はほぼ万全の状態で魔力ブーストを受けている。明らかに分が悪すぎる。

刀と槍の混じり合いが続くも、明らかにきつすぎる

 

 

「君っ、急いでここから逃げて!早く!!」

「ライダーっ…」

 

 

ライダーは少年に逃げるように伝えるも、足が動こうとしない。それもそのはず、政宗の刀から雷の魔力が宿りながら、周辺に対して攻撃を仕掛けている。

下手に動けばどうなるか分かったものではない…咄嗟の防衛反応が動いて正解だった。

本人の意思とは無関係に行動をしており、政宗自身何とか抑えようとするも止まらず仕舞い

 

 

 

「くそっ、止まれって言ってるだろうが!!」

 

言葉とは裏腹に攻撃の手が止まらず、攻撃の連鎖が続いている。ライダー自身傷も段々と深くなっており、きつくなり始めている。

更に、政宗も少しずつであるが他の刀に手を出し始めており、2本・3本と刀を抜いて攻撃の手数を増やし始めている。

あまりに情けない…仲間を守るべき者を手にかけてしまうその現実に、政宗は嘆く事しかできなかった

 

 

「畜生おおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方、3つの反応がこの近くで見られていた。1つはいつの間にか離れていた片倉小十郎。彼は道中"赤"のアーチャーを見かけ、万一に備えて迎撃を行おうと政宗の側を離れていた。

だが、結局見失いやむ負えずそのまま政宗の元に戻ろうとしたが、政宗の暴走を嗅ぎつけ急いで戻っていた。

 

 

「俺とした事が…くそっ、てめえの判断不足で政宗様が!!一刻も早く行かなければ!!」

 

 

急いで政宗の元に馳せ参じる小十郎。その足で果たして間に合うのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2つはジャンヌ・ダルク。彼女は1日かけてようやくトゥリファスに訪れ、聖杯大戦の確認をすべく、まずは黒の陣営に赴き異変の調査をしていた。

そんな中、道中でのゴーレムやら戦った跡を見かけその付近を調べていた

 

 

「…まだ戦ってから時間はそう経ってない。それにこの雰囲気、まさか味方同士による内乱?」

 

そう呟いたとき、ジャンヌの脳内に一つの映像が流れ込んだ。彼女のスキルである「啓示」は"天からの声"を聞き、最適な行動を示すスキルでもある。要するに"これから起こりえる出来事"が視えてしまうのである。

その映像は…ホムンクルスの少年が血に倒れ、"黒"のセイバーが命を賭けて何かの行動をする…そのような様子が視えたのである。

 

 

「っいけない、何かが起ころうとしている!」

 

 

魔力の探知ができたジャンヌは、急ぎその場所に動き始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3つは、無事撤退できた佐助であった。持っていた傷薬を使ったり、魔力を通して少しずつ傷をいやして大分完治も済ませたのである。

安全なところで治療を終えた佐助は、一度撤退する事になっていたが、その道中にジャンヌを発見する。

そのジャンヌは、急いでどこかに移動していた…それを気にした佐助は、彼女の後を追いかけることになった。

 

 

「ったく…今日はもう定時帰りしたいって段階にこれかよ。まあ、元から予定してたルーラーとの接触もこれで果たせそうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな中戦闘を続けていた政宗とライダーであったがそろそろ決着もつきそうなころ合いであった。

意外にも持久戦を続けているライダー。だが、もう既に立ち上がる事も出来ず槍を地面に突き刺している状態。

一方の政宗は、6本の刀を抜き両手の間に3本ずつ挟んでいる状態…「六爪流」となっていた。

令呪による影響も大分落ち着いてきたが、それでもまだ身体の自由が利かない所…

 

 

「セイバーっ、僕もう…力が、入らないよ」

「クソっ…あとちょいとで、どうにかなるってのにっ」

 

 

もう完全に動けないライダー。政宗も何とか抑え込むも、無情にも右手が動き今にもライダーに振りかざそうとしている

そしてそれを勢いよくライダーに向けて…

 

 

「避けろライダアアアアアアアア!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

「…え?」

 

 

ついに斬った…だが、斬られたのはライダーではなく…ホムンクルスだった。彼はライダーを政宗の刀から身を守ったのだ

 

 

「かはっ」

 

地面に倒れる少年。そこから血の池とも言えるぐらい、血を多く出してしまう…いや、致命傷に近い

 

 

「な、何をやってるんだ君は!!何で僕なんかを庇ったんだ!!」

 

槍を捨てすぐに少年の元に近寄るライダー。そんな中政宗は、ようやく令呪の縛りが解除されたのか六爪流を捨て同じく駆け寄る

 

 

「わ、わから…ない。けど…キミが、傷つくのを…見たく、なかった…」

 

 

荒い息を出しながら、血が流れ続けていく少年。必死で何とかしようにも、あまりにも流しすぎている。

 

 

「死ぬな!!死ぬんじゃない!!君はこれから、自由を手にしようとしているんだ!こんなところで死ぬなんて…僕は許さないんだから!!!」

 

泣きながら血を止めようと、布を使って抑えようとするも抑えきれず…すると

 

 

「はあはあっ…こ、これは」

「政宗様!!お怪我は…なっ!?」

 

 

それぞれ左右と、急いで駆け付けたジャンヌと小十郎が合流する。予想外の事に全員が驚く

 

 

「お前は…ルーラーじゃねえか。何でこんなところに」

 

政宗が一瞬反応するものの、すぐに少年のほうに顔を向け

 

「先ほど、この地において戦闘の反応がありましたので駆け寄りましたが…まさかこんなことになるなんて」

 

啓示で見た通りの内容になってしまった。どうやら完全に遅かった…

 

「政宗様、これは一体」

「…あのおっさん、気に食わなかったのか強引に令呪を使って、ライダーを消してまであのホムンクルスを強奪しようとしやがったんだ。そしてその結果がこの様だ」

 

歯を食いしばりながら、今まで言葉でしかろくに抵抗できず、斬る事しか出来なかった己の無情を呟く政宗

 

 

「ねえルーラー!!この子を何とか助けて!このままじゃっ」

「わかってます!ですが…あまりに傷が深すぎます、これでは」

 

 

ジャンヌはすぐさま治療の術に入るも、あまりに傷が強すぎて、とてもではないが追いつかない。

 

 

「…こうなった以上、俺に責任がある。お前ら、少しどいてくれ」

 

 

突然と政宗は、落ちていた6本の刀を拾い、5本を鞘に納めながら1本を天へと掲げる。その際、他のサーヴァント達を下がらせるように伝える

 

「政宗様、まさか!?」

「小十郎…悪いが今回ばかりはお前の指図は聞くつもりはねえ。それに、ここで光を閉ざすなんざ竜王として認めるつもりはねえ」

 

 

政宗の心中を知った小十郎は、他のサーヴァント達同様下がらせる

 

「取りあえず小十郎、もし俺の身に何かあったのなら…そん時はあいつらを頼む。お前にしか出来ねえ事だ」

「…御意」

 

そう言い政宗は、既に意識を失い死にそうになっている少年に目を向け

 

 

「あの時見たお前の目…強い怯えに孤独な感情…まるであの日の俺にそっくりだった。だから、俺はお前を救う。この命に賭けてでもだ!!」

 

 

瞬間、上空が雷雲に包まれ辺り一面を更に暗闇に満たしていき

 

「だからこそ…生きて立ち直れ!!!」

 

急激な雷が政宗の刀に伝わり、その雷を少年に向けて放たれた。全身に浴びせているのである。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが1分程続き、終わると雷も静まり雷雲も晴れて元の夜の風景に戻る。政宗は身体全体から煙が出るほどの状態になり、何とか気合いで身体を持ちこたえていた。

少年のほうであるが、何とあれほどの致命傷を負っていたにも関わらず、傷が塞がっていたのである。いや、寧ろ身体全体に魔力を滾らせていた。

意識こそそのままであるが、助かったのである。

 

「…た、助かったの?」

 

ライダーが試しに近寄りながら、手を握ると…温かさが伝わってきたのである。

 

「よ、良かったあああああああ!!!!!!助かったんだあああああああ!!!!!!!!」

 

 

うわあああああああん!!!!と泣きながら、少年に抱きついているライダーの姿。完全に安心しきった様子である。

そんな中、安心しきったのか政宗は突然と倒れてしまう

 

 

「政宗様!!無茶ぶりのほうはわかっていたんだが…」

 

すぐに介抱する小十郎。様子をみると、どうやらかなりの魔力消費をしてしまった様子である。

そのまま小十郎は政宗を背負いながら、移動を開始しようとする。

 

「手を貸しましょう。丁度良い機会です、黒の陣営の方にも一目お会いしたかったところなので」

 

ジャンヌが近寄り、政宗が落とした刀を拾い上げて同行すると告げてきた。小十郎は聖女の助けを無碍にもできず

 

「…済まねえ、恩にきる」

 

礼を言った。ただそれだけでも十分であったのだ。そして小十郎は今も擦りついているライダーに声をかけた。

 

「おいライダー、もうそいつは大丈夫だ。これ以上は俺たちの管轄外…危害を加えられる事はねえ筈だ」

「…うん、そうだね。彼の生きるが達成したんだ、もう十分だしね」

 

名残惜しそうにしながら、ライダーは少年から離れた。落ちていた自分の剣をそのまま彼の元に預けた。

 

「…バイバイ、君の人生を楽しんできて」

 

そう言い後ろを振り向きながらこの場を後にした。続けて小十郎たちも後に続くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日を持って、黒の陣営には様々な影響を及ぼした。それがこれからどう響くかは、まだまだ未知数の塊そのものであったのだ

 

 

 

--to be continued--

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