少しばかり、エルメロイⅡ世にゲスト参加して頂きます。今後ちょこっとずつ出てくると思いますが、あくまでこの話ではおまけのような感じなので、本編に関わることはないのでご了承を。
この世界には魔術が存在し、魔術師が存在し、魔術師たちのコミュニティが数多く存在する。
中でもその一つ、魔術協会と呼ばれ、代表例とされているのがロンドンにある時計塔である。魔術師の研究機関の総本山であり、学校であり、自衛・管理団体である。
その時計塔内部は幾つもの部門に分かれており、部門ごとに部門をしきるロードが置かれている。
その中で『現代魔術論』のロードを任されている男――ロード・エルメロイⅡ世と呼ばれる男は、一人、書斎で報告書に目を通していた。
「…経過は順調か。聖杯大戦は全てのサーヴァントとマスターが集結し、いよいよと言う所か」
報告書を一通り目にしたエルメロイⅡ世。その後報告書を仕舞いながら、外の風景を眺めている。
「赤と黒、お互い戦闘らしい部分は今のところしてない。だが、近頃は小競り合いがお互いに出ているという報告も聞いている。ならば、近いうちにも大戦は動く…か」
葉巻を取り出し、火をつけながら一服するⅡ世。そんな中、机の引き出しを開け一つの写真を取り出す。
「…そう言えば、もうしばらくあの家に行ってないな。大戦の後、そろそろ一度行ってもいいかもしれないな」
その写真をよく見ると、とある老夫婦と一人の少年が写し出されていた。その少年こそ、かつてⅡ世がまだ未熟な魔術師であったころの状態であった。
Ⅱ世はかつて、亜種聖杯戦争に参加していた。その時に使っていた本来の名は「ウェイバー・ベルベット」。
当時まだ、彼は時計塔の生徒であったのだが、彼の家は魔術面に関して正直な限り浅い分類に入っており、家計を重んじている時計塔では馬鹿にされていた。
中でも、当時ウェイバーを担当していた先生から凄まじいほどのダメ出しを生徒たちに見せつけられてしまい、そこから見返してやろうと亜種聖杯戦争に参加した経緯があった。
その際、彼は財政面や考え方の思慮にて老夫婦の自宅に暗示をかけ活動拠点にしていた。そんな中、老夫婦は日本文化を色々と気に入っており、中でも戦国時代に関する本やら色々と持っていた。
ウェイバー自身、当初は日本の文化はそんなに考えておらず、ほとんど後回しにしていたが、聖杯戦争終結が近いとき、暇を見つけてそれらの本を読み漁った中、色々と興味深い内容もいくつか出てきた。
その際、彼が呼んだサーヴァントも夢中になって読んでいたぐらいである。
終戦後、色々とあって生き延びたウェイバーは日本でお金を貯めながらバイトを行い、その間に日本史に対するある程度の知識を覚えることとなったのだ。
「今思えば、あの時の聖杯戦争に参加したのは決して悪い事ではなかったか。それに、アレが夢中になるのも何となくわかる気がするが」
写真を仕舞いながら、机の中から2本の紋所が刻まれた旗印を取り出し眺めていた。
その旗印は、「竹に雀の紋」と「六文銭」の旗であった。
「一度でもいいが、もしも聖杯戦争で彼らと出会えるならば、どのような戦国時代だったのか聞いてみたいものだな。まあ、夢物語に過ぎないだろうが」
だが、この時Ⅱ世は知る由もなかった。既にそのうちの男の一人は、援軍として雇った獅子劫が所属する赤の陣営におり、そのもう一人の男も…
さて、話をそろそろもう一つのsideである黒の陣営側へと移ろう。
彼らが拠点としているのは、「ミレニア城塞」と呼ばれる城である。
大聖杯を確保しているユグドミレニアの陣営…赤側以上に強固な守りをしており、簡単には侵入できないように仕掛けやらいろいろと施している。
マスター側も万全の準備を施し、少しずつであるが戦いに向けて色々な対策をしているところだ。
そんなところ、その広場にて一人の男が軍勢を纏め上げているところから始まる。
「Are you ready guys!?」
「「「「「イエエエエエイ!!!!」」」」」
「HA!イイねえっ、てめえの魂の息吹、確かに伝わるぜ!!」
「「「「「筆頭ォォォォ!!!!!」」」」」
指揮を取っている男…頭に三日月型の前立て兜を被り、青色の陣羽織を纏い、両腰に3本ずつの刀が収められ、右目に眼帯をしているその人物。
更に、その部下たちらしき姿はかなり独自な奇抜スタイルをしており、モヒカン・リーゼント・スキンヘッドと言う奇抜な格好でもあり、とてもではないが外国でもこのような格好はそう易々と見られない。
「OK!てめェらの味なテンションもしっかり身についてきたな!その調子で天下をとるつもりで行くぜ!!」
「どこまでも着いて行きますぜ、筆頭おおお!!!」
歓声を浴びながら、腕組みをしつつ、現状の結果に満足している独眼の青年…""黒のセイバー""は部隊の様子を完全に良い感じに仕上げていた。
この者たちだが、それは黒の陣営側が用意した「ホムンクルス」と言う存在。いうならば戦闘傭兵みたいな感じである。
マスター側の魔力関連を最大限に発揮するためにも、このホムンクルスを誕生させ大量生産に成功している。これならば、サーヴァントたちの魔力も尽きず常に最高の味を生かして戦う事が出来る。
…だが、これに異を唱えたのがそのセイバーであった。セイバーは、それはまるで光を失った生き方をした自分を思い出し、ヒトを道具としか見てない彼らのやり方に反発したのである。
そんなセイバーは、可能な範囲…失敗作やら廃棄される彼らを拾い上げて自分なりの軍勢にまとめ上げたのである。流石に全ては難しかったが、そんな彼らは光を取り戻したかのように生き生きとしていた
まあ、既に色々と度を超えていたが。
「ああ…なんでサーヴァントと言うのは勝手にあちらこちらと動くんだっ」
そんな中、一人の男性が今の光景を物凄く頭抱えながら呟いていた。中年太りした男の名は「ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア」、黒のセイバーのマスターでもある。
何を隠そう、彼こそ先のホムンクルスを誕生させることになったきっかけである。彼の魔術は錬金術に分類するほうで、魔力パスの分割というシステム干渉の技術を一族に提供している方である。
それ故なので、今回のホムンクルスの生産及び魔力パスを十全に行う担当でもあった…のだが、セイバーがこれに異を唱えた方でもあり、現在はそのセイバーの強い意志の元、生産は中止しているのである。
この点に関しては、一族の長も一応は頷いている方でもある。ここでサーヴァントたちによる謀反を起こすのは以ての外であると。
「何言ってるんだオッサン、理由はどうであれ、部下を増やすのは悪くねえIdeaじゃねえか。こうして救える奴らがいたから救えた…ただそれだけだ、そう怒るなよ」
「あほか!?怒る以前の問題だ!!全く…私の編んだ計画がおかげで全て台無しじゃないか…」
セイバーの勝手な判断であるが、当初ゴルドは反対を押し切って生産を止めようとしなかったが、キレたセイバーに一度死ぬほどの思いを受けてしまい、結局のところ量産停止をすることになった。
その為魔力パスも慎重に行いながら魔力供給のバランスを維持することになっている。まあ、別の方法で色々と試している最中ではあるが。
「そんな事考えたって仕方がねえぜ?近々大戦も始まる予兆もあるってアーチャーの奴も言ってたからな。そろそろ気を抜いているころ合いじゃねえと思うぜ」
セイバーの言うとおり、赤側のサーヴァントは全て集結しており、いつどのような状況になっても動ける段階になってきている。
対して黒側のほうは、実はアサシンがまだこちら側に来ておらず、何とも動けづらい微妙な感じになっていた。しかしながら、セイバーの人脈のおかげで十分な戦力補強には成功しているが。
「…全く、お前と言い奴の「バーサーカー」と、自由気ままに動きすぎだろうがっ」
そう言いゴルドはそのまま立ち去って行った。部下たちを一度解散させたセイバーは、夜空を眺めていた。
「もし『あんた』がこの地にいれば、きっと壮大なpartyになりそうだな…」
そんな夜空を見つつ、一本の刀を抜きながら、抜き身を通して自分自身を映していくセイバー。そんなセイバーに二つの気配があり、振り向く。
「こちらにおられましたか…探しましたぞ」
「筆頭…せめて私たちに声でもかけてほしいものだ」
「おっと悪いな?一応部下たちの様子を兼ねて鼓舞してたところだ」
一人の男性と女性がセイバーの近くに来る。
男性のほうは、顔に一筋の刀傷を付けた強面の剣士をした表情。まるで893を思い浮かべるほど…2本の刀を右腰に収めており、戦準備を終えたばかりの格好をした男は、""黒のバーサーカー""
もう一人は、通常のホムンクルスの衣装をしており、背中に身丈以上のハルバートを背負っている少女、「トゥール」。現状におけるホムンクルス達のリーダー的な存在である。
「そろそろ赤の連中も待ち切れねえとばかりに攻めてくるんだ。対応するのが俺らってもんだろ?」
「全く…貴方は生前からこの手の事は変わりありません。もっと背後を注意してくだされ」
バーサーカーは、セイバーに対して結構グチグチとお説教しているかのように小言を繰り返してくる。対してセイバーは、全然気にしてない表情で
「おいおい、そんな竜の背中を守るのがお前の仕事だろ?」
「無論、あなた様の背中を守ることこそ、この身に変えて然りにございまする」
…本来ならば狂ってる筈の狂戦士、バーサーカーであるが、まるで冷静に物事をしかと確認して対応しているあたり、狂ってる様子がまるで見えていない方である。
通常であるならば、スキル「狂化」により戦闘能力は向上するのだが、反面本来ある戦闘技術を失い狂ったように戦っていく。もしくは狂いすぎた影響で物事を冷静に対応できない…と言う部分があるのである。
だが、このバーサーカーからはそのような気配が全く寧ろ他のクラスじゃないかとされている。
「私を忘れて勝手に話を進めるな。創造主様のほうがまたよほどマシに見えてくるな、本当」
小言を言いつつも、何かと世話焼きな性格をしているトゥール。ホムンクルスは本来名を持っていないが、このトゥールは少々特別で、政宗が自ら手を差し伸べ光を与えてくれた救世主…命の恩人のようなものである。
その後、名前のほうは以外にとゴルドから命名されており、以後はセイバーの側にいる事が多くなったのである。さしづめ小姓のような存在である。
「まあそう言うなよ。だが安心しな、てめえらの明日は必ず俺らで切り開く…約束だ。竜の約束は必ず守るぜ、You See?」
「…ああ、勿論。私たちもお前たちに合わせていくつもりだ。信じているぞ」
彼らの結束もまた、揺ぎ無き道で繋がり合わせていた。そんなセイバー…その名を一体
「さあ、いつでもかかってきな赤の陣営!この黒のセイバー…いやっ」
そう言いセイバーは、6本の刀を同時に引き抜くと同時に稲妻が彼の身体に降り注ぎ、力となって彼の身体を満たしていく。
「この俺、奥州筆頭『伊達政宗』が必ずあんた達を全て根こそぎ平らげてやるぜ!!Come on、竜王の力を見せてやるぜ!!」
そう、この男の真名はかの有名な奥州地方の大名、それは真田幸村と同じ戦国時代の人間である、「伊達政宗」であったのだ。
何を隠そう、政宗と幸村は生前からのライバル同士でもあり、いつの日か必ず決着をつけると決めた者同士である。
だが…運命はそんな彼らに酷い手打ちを施すかのような扱いであった。
そう、それは
この幸村と政宗、確かにライバル同士でもあるが…「幼馴染」同士ではなかった
--to be continued--
ということで、黒のセイバー・黒のバーサーカー枠を頂戴しました。はい、黒側にも地味に変更点がございました。バーサーカー…一体何倉だ?
そして、お気づきな方もいるでしょうか?ずっとやりたかったネタを一つ等々投稿できました。今後どうなるのか楽しみにできたのならば幸いです。
次回の投稿もじっくりお待ちください。
それでは今回もご静聴ありがとうございました。感想・ご意見お待ちしてます!