カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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第十五変人:今を生きる者を束縛してんじゃねえ!とっとと屍は土にかえりやがれ!!

ソーナSIDE

コンコン

不意に生徒会室の扉がノックされ顔をそちらに向けるとオカルト研究部部長、上級悪魔の私の友達リアス・グレモリーが来ていました。

「あら、こんにちわリアス。………要件はあれよね」

「ええ、そうよ」

そう、リアスの要件とは私達上級悪魔が持つ悪魔の駒(イーヴィル・ピース)と呼ぶ、悪魔が出生率の低さから種の存続が危ぶまれ策として作った人間を悪魔に転生させるチェスの駒。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の中で変異の駒(ミューテーション・ピース)と呼ぶ、一つの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が達人など力を持つ人間を悪魔に転生するときに転生できない時にこの変異の駒(ミューテーション・ピース)が一つですむ事が出来る、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作った時のイレギュラー。

彼女の要件とは、私の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の兵士が一つ、リアスの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の兵士が全部変異の駒(ミューテーション・ピース)に成った件だ。

「そっちはどう?」

「駄目です。アジュカ・ベルゼブブ様にどの位の価値があるか訊いてみましたが、計測不可能と言われました」

「こっちもよ。今までに無い事だって仰っていたわ」

一体何故こんな事が起きたのでしょうか?

それに、悪魔に転生するとすれば一体どんな人が転生するんでしょうか?

 

こんにちは、兵藤一誠です。突然ですが俺、バイト始めました。

何故か?時は数時間前の朝、6時。何時もの日課となったセイバーの死合()を受けているとフェリス姉が起きてきたんです。

「おはよう一誠」

「あ、おはようフェリス姉」

「おはよう御座います」

「朝から精が出るなー。ム!、剣術か」

「うん」

「剣術なら私も心得があるぞ。どれ、私も混じろう」

「………え!」

え………嘘でしょう!?あのフェリスさんが俺と試合(愛を語る)するんですか!?愛を語るなんて変な奴と思われるかもしれませんが俺の現実逃避の用語です。

そんな用語なんて無いよと思う人もいるかも知れません…と言うかいるでしょうが当たり前です。だって俺が創ったんですから。

フェリス姉が参加したら俺、死んじゃう。

能力をフルに使えば俺の圧勝でしょうけれども一般市民がフェリス姉と試合(愛を語る)なんて死刑宣告を受けたようなものですよ!

だって、フェリス姉ったら魔方陣を斬るし眼に見えないスピードで剣を振るうし、光すら切り裂く事もあるし

「一誠、私も参加しますよ」

え!セイバーさん、このまま試合を続けちゃうんですか!?

…………って事は、セイバー+フェリス姉との試合に成るじゃん!

あ、あれ?まさかの今日が俺の命日ですか!?

「逝くぞ一誠!」

フェリス姉はそう言って剣を抜く。

「それじゃあ、私も逝きますよ」

セイバーさんも剣を構えて接近してくる。

何この一部の男なら嬉しいかも知れない状況。いや、俺は嬉しくないっすよ。至ってノーマルな訳でそんな性癖を一切持ち合わせちゃ居ないっす。

oh,男と女のサンドウィッチってか?

左にセイバー右にフェリス姉。ハハハ、詰んでやがるぜこんちくしょうー!

「俺 は 、 こ ん な 所 で 終 わ っ て た ま る か ー !こんちくしょう!!」

パリーン

俺の中でなにやら種が弾けた。

やけに頭がすっきりする。それにフェリス姉やセイバーが走って来るけど、まるで歩いているかの様な速度に感じる。俺に刀が振り下ろされるが、それもゆっくりに見えてしまう。…………そうか。これがSEED発動なのか

俺は振り下ろされる刀に向かって手に持つ剣を横から振るう。

ギイイイイイイン

金属音が試合をしている庭に響きフェリス姉の持つ刀が俺によって弾かれてしまう。

「!全力で振るったのだがここまでとは………ならば私も本気を出そう!」

フェリス姉はそう言うと俺から距離を取る。

「私も居ますよ一誠!」

声のする方向に視線をやるとセイバーが剣を振り下ろそうとしている。

いや、実際には振り下ろしているのかもしれないが俺にはあまりにもスローに見えて振り下ろそうとしているようにしか見えない。

俺は右手に持つ剣でセイバーから振り下ろされる剣を受け流す。

セイバーから振るわれた剣を受け流すと更に体を回転させて剣の柄剣を頭をセイバーに振るう。

ガギイイイイイイイン

金属音がし、セイバーは手に持つ刀身を楯のようにして俺の剣の頭を受け止める。

やっぱり凄いぜセイバー!

「よそ見は禁物だぞ一誠!」

背後から声がし、視線を後ろにやるとフェリス姉が刀を持って迫ってきていた。

俺に向かって走りながら刀を振るおうとするフェリス姉。

しかし、やはりゆっくり振るわれているように見える。

俺は、体を2歩分下げると俺の居た場所にフェリス姉の刀が振るわれ地面がフェリス姉の刀によって斬られる。

いや、いや、どんだけ凄いんだよフェリス姉!地面を斬るなんて芸当、俺の知りうる限りセイバー位しか出来ないんじゃない!?ギルだとエヌマ・エリッシュで地面ごと消えるだろうし、ライナ兄だと魔法ぶっぱで地面消えちゃうだろうし。

感心している間にもフェリス姉は地面に刺さった刀を抜いて追撃してくる。

わ~お。お兄さんピンチ、ピンチ、大ピンチ。

フェリス姉から振るわれる刀。俺は紙一重でそれをかわす。

空振りする刀。俺は空振りしたフェリス姉の刀を持つ手に向かって上段から剣を横にして刃の無い部分でフェリス姉が持つ刀を叩き落とそうとする。

しかし、それは叶わず。フェリス姉は俺が剣を振るおうとすると俺の腹に向かって掌底打ちを叩き込んできた。

俺は両手で剣を持っていた為防げず回避する事も出来ず腹に一撃フェリス姉の掌底打ちを食らってしまう。

フェリス姉は的確に俺の正中線上にある水月、ようは鳩尾に的確に掌底打ちを当てたので体にすげえ痛みが走る。

マジで痛てえ!俺もやっぱり人間だ。ベースは人間なのでちゃんと急所もある。

的確に打ち込まれたんだから、そりゃあ痛てえ。

「クッ!」

俺は手で腹を押さえ、痛みを我慢しながらもフェリス姉からすぐ距離を取る。

距離を取る間も痛みが俺を襲う。

「フム、さっきのは焦ったぞ一誠」

「そりゃあ、どうも。フェリス姉も的確に水月に掌底打ちを叩き込んでくれたからおかげでかなり痛みが俺を襲ってくるよ」

「凄いな一誠は」

「伊達にセイバーに鍛えて貰っている訳じゃ無いからね」

「だが、一誠忘れてないか?」

「ん?何を??」

「後ろ」

フェリス姉に言われ後ろを見るとセイバーから剣が振るわれていた。

気が付いた時にはすでに遅し。

剣は俺の顔の前で止まった。

「よく周りを見ていないからですよ」

セイバーは俺の顔の前で止めた剣をしまいながらそう言う。

「ゴメン。セイバー」

うう、セイバーに申し訳ないっす。

自分の不甲斐なさを改めて知った。

「まあ、多対一は始めてにしては良くやった方だと思います。明日からも頑張りましょう一誠」

「はい」

いや~、出来れば辞めて欲しいんですけどセイバーにこう言われちゃうと如何しても「ハイ」って返事しちゃうんだよね~。

朝の鍛錬が終わりいつもの朝刊を取りにポストに行こうとするとガチャンと言う音がした。玄関の方じゃない。門に設置されているポストの方からだ。

俺がポストに行くと一人の知った顔ぶれの男が倒れていた。男の傍には男が乗っていたであろうチャリが倒れている。

イヤ、イヤ、ちょっと待てよ。

俺は目を瞑り再び目を開けるとさっきと同じ光景があった。

夢じゃ無い事を確認すべく俺は自分の頬をつねると、痛みが頬に走る。

これ、現実なんだな。

俺の視界に移ったもの。それは、女顔かつ童顔であるのが特徴な顔、。ややブルーがかった灰色の髪をした男の娘。綾崎ハヤテだった。

oh,もしかして俺の予感的中?女神アテネ様、ドジっ子の頑張り屋さん?

しかし、そんな事はもう、どうでも良い。今更何かをしたって変わらないだろうし。

目の前に倒れている綾崎ハヤテを見ると顔が赤く成っていた。

手を彼の頭に置くとすげえ熱を出しているのが分かる。

ここで放置プレイするような人間に出来るわけも無く、俺は彼をお姫様抱っこをすると家に入る。

「グレイフィア居る?」

玄関を開けて俺はグレイフィアを呼ぶ。

「はい」

しばらくすると家の奥から声が聞こえグレイフィアが現れる。

「グレイフィア、この子が玄関先で倒れていて熱を出しているみたいだから布団の用意をして!」

「畏まりました」

グレイフィアはそう言うと和室に向かった。

俺も綾崎ハヤテを抱えて和室へと向かう。

俺が和室に着くとグレイフィアは、もう布団を敷き終わっていた。流石グレイフィア

俺は綾崎ハヤテを布団に寝かせると彼のポケットを探る。

そして、彼の財布を見ると財布の中から恐らく彼のアルバイト先であろうと思われる名刺を取り出して和室を出た。

名刺に書かれている電話番号に電話を掛ける。

暫くのコール音の後に電話が繋がった。

「あ、もしもし」

『はい、こちら〇▽新聞社です』

「あ、すみません。そちらに綾崎ハヤテと言う人が働いていませんか?」

『あー、綾崎ですか。ええ、うちで働いておりますが何かなさいましたか?』

「彼、実は倒れてしまいまして。うちの玄関先で倒れている所を発見しまして、何分意識が無かったものですから彼の持ち物を調べさせて貰いまして、そちらにお電話をしたのですが」

『あー、弱ったなー』

「と、言いますのは?」

『彼、両親がトンズラしたみたいで身寄りが居ないらしいのですよ。あー、彼にこの後も仕事を頼もうと思ってたんですが倒れちゃいましたか………』

チッ、この世界でも彼の親はやはり糞だな。人間じゃねえ!まあ、良い

「それでは、彼の仕事を自分が代わりにさせて下さい!」

『いえ、お客様にして貰うなどトンデモありません!』

「いえ、そちらも先ほどの口ぶりから察するに人手が足りないと思います。是非手伝わさせて頂きたいのです!」

『いえ、いえ、こちらで何とかしますので!』

あ~、もうしつこいな~。とっととハイと言えよ!

「いえ、そこを何とかお願いします!!」

『………分かりました。それでは今から急で申し訳ありませんがこちらに来ていただけますか?』

「はい。それでは今からお伺い致します。ハイ、失礼します」

俺は電話を切ると支度をし始める。まだ朝、やはり外は肌寒く感じる。

先程はセイバーとフェリス姉と試合(デスゲーム)をしていたので気に成らなかった。

しかし、時間がたっていたので体が冷えて来るのがわかる。

熱をひいては問題外なので黒いロングコートを羽織り、パソコンのグーグルアース先生に今から行く場所をご教授して貰い、場所を確認すると家から出てチャリに跨った。

そして、ペダルを漕ぎ斜面を下りて行く。

家のある山を自転車で下ると15分間チャリのペダルを漕いだ。

ふと思ったんだが、行きは山を下ったんだが彼、綾崎ハヤテは上り坂であっただろう。

それを体調が悪い状態で上ったのだからやはり、それが止めと成ったのだろうか?

まあ、今更原因を考えても仕方のないことだ。現に彼は兵藤家で休んでいる。ならば、今、俺にできる最大限の事をしてやるだけだ。方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)で彼の回復を促すのも良いだろうが、それだと彼は再び働かなくてはならない。少しくらい休みをあげても良いだろう。

 

そんな事を思いながらチャリを漕ぎ続けると前方に先程話した〇▽社が見えてきた。

〇▽社の駐輪場にチャリを止め入口に入ると受付があるが誰もいない。

今、時刻は6時20分。受付の人もおそらく出勤はしていないであろう時間帯だ。

まあ、察するに出勤していないのであろう。

受付を見ると小さな案内版があり、〇▽新聞社のオフィスは3階と書かれていた。

受付の隣に設置されているエレベーターに乗り3階のボタンを押す。

俺が乗ったエレベーターのドアは閉まり浮遊感に襲われ3階に向かって上昇している事が分かる。

チンと言う音と共にエレベーターの扉は開かれ俺はエレベーターから出る。

エレベーターから出た先には、忙しそうに移動しながら手に紙束を持つ人やカタカタとパソコンをタイピングする人。中には電話をかけている人もいる。

「すみません、綾崎ハヤテの代理で来た者なんですが」

「あ、はい!こちらです」

俺の傍でタイピングをしていた女の人が椅子から立ち上がると俺の前に現れた。

そして、その女の人に案内されるがまま奥へと歩いて行く。

案内された場所は小さな会議室のような部屋。

「どうぞ、お掛け下さい」

女の人に言われるがまま椅子に座ると女の人は話をきり出した。

「実は綾崎に頼もうと思っていた仕事なんですが、書類の搬送なんです」

「と、言いますと?」

「彼はうちの会社で最速の配達人なのですが、今日の彼のノルマの新聞配達は終わったのですが倒れてしまったのでおそらく明日からは来れられないでしょう。そこで、ですね。貴方に綾崎の分を任させて頂きたいのですが………」

「一つ質問と条件があります」

「何でしょうか?」

「彼は他にもバイトをしていると言った様な話を聞いた事はありますか?」

綾崎ハヤテの財布を見る限り彼がこれ以外にバイトをしていると言った様な形跡は無く、名刺はこの会社のみだった。この会社以外にもバイトをしているかは現状では分からなかったのだ。

「いえ、特にそのような話を綾崎から聞いておりません」

「そうですか。一つ、条件として彼の代わりにこれから働く期間、今まで頑張った為有給休暇としてもらえませんか?自分のバイト代は一切要らないので」

俺の話を聞いた女の人は驚いた様子だ。

「宜しいのですか!?」

「ええ。その代わりこれからの彼の休んでいる間は有給期間として頂ければ別に問題ありません」

「…………分かりました。その条件を飲みましょう」

「ありがとうございます」

「早速ですみませんが、今からこれから渡す書類を隣町の◇△社まで届けて頂けませんか?」

「あ、分かりました。すぐ行きます」

話はそこで終わり、俺と女の人は部屋から出るとそのまま一番最初に出会ったオフィスに行く。

女の人は自分の机に行くと机の上にあった書類が入っていると思われる紙袋を取ると俺のほうに歩いてきた。

「それではこれを今から15分後までにお願いできますか?」

15分後………普通の人ならこの会社から15分で隣町にある◇△社まで行くことは不可能だろう。

いや、本当ならば先程の話し合いの時間を除いたらもう少し時間はあったかも知れない。時間は今現在6時45分。15分後と言うと7時までにこれを届けろと言う事。

ふ、今すぐにでも届けられるぞ。俺、兵藤一誠を甘く見てもらっては困るぜ。この程度造作も無い

「すみません、少しだけパソコンを使わせて貰えませんか?◇△社の場所の確認をしたいのですが……」

「ええ、構いませんよ」

女の人に案内され彼女が仕事で使っているであろうパソコンを使わせてもらう。

グーグル先生頼みます!俺に◇△社の近場の人気の無さそうな所を教えて下さい!

グーグル先生にご教授頂き◇△社の裏手にある山を知り、すぐさま3階のオフィスを出ると俺はエレベーターを使わずに階段で下に一気に駆け降りる。

1階に降りると走って受付を通り過ぎ、ビルを出て自転車置き場に置いてあるチャリに跨り、辺りに人気がないのを確認すると無から有を創る力で何処でもドアを創る。

そして、先程グーグル先生に教えて頂いた◇△社の裏手にある山を思い浮かべ何処でもドアを繋げてLet`s go!

何処でもドアを自転車で入るとそこは先程グーグル先生に教えて貰った◇▽社の裏にある山。ここまで掛かった時間30秒。流石に速過ぎたか。30秒だと人間離れしていると思われる。と言うかそう思うのが普通だ。

さてさて、どうしよう。このまま言われた通りの目的地に行くのは却下だ。と成ると時間を潰してギリギリ間に合った位が丁度良いだろう。変に期待されてもこちらとしては困る。と、成ると3分前の6:57位が丁度良い時間帯だろう。目的の物も俺のチャリの籠にきちんとある。さてさて、どうしたものか?残り12分を如何程にして潰そうか?12分いや、ここを降りるのにどんなに遅く考えても2分はかかるまい。おそらく早くて10秒程度の時間で目的地の建物に着いてしまう。フム、やはり此処は音楽を聴くか。いや、バイト中に音楽聴くのはどうよと思う人もいるかもしれないが、俺のミスで速く目的地付近に着いてしまったのだ。やはり計画性を持たないとこの様な失敗をしてしまうのだな。うむ、バイトというのは中々色々な事を学べて為に成る。やはり働くと言うのは素晴らしい事なのだな。世の中の大半の人が働く理由が分かった気がする。今まで知らなかった事を知れると言うこの素晴らしさ。中々味わえるものでは無い。

彼の代理で働く理由が出来たぞ。

これからは、張り切ってバイトを頑張ろう!

っと、そうこうしている内にいつの間にか12分が経ってしまった。時間も丁度良いだろう。

自転車にまたがり緩やかな坂を降る。

目的地の建物にすぐさま着いてしまった。

さてさて目的の場所に着き残り3分と成った。うむ、初めてのバイトにしては上出来の筈だ。

入口の自動ドアが開き建物の中に入ると小さな受付があり、まだ7時前だというのに受付嬢がいた。

「すみません、〇▽社から配達できたのですが……」

受付嬢はこちらに顔を向けると対応し始める。

「あ、はい。こちらで荷物を預かります」

受付嬢に近づくと……うっ!香水臭い!!

受付嬢からすごい香水の匂いがする。

なんだ!?俺の鼻がやけに敏感なだけか?

「それじゃあ、よろしくお願いします」

受付嬢に荷物を渡すと俺はすぐさま退散しようとする。

「あ、暑い中ご苦労様です」

あ?暑い??まだ早朝7時に成ったばかりですが?

受付嬢の背後にかかっている壁時計は7時と時刻を刻んでいた。

「え、あ、どうもありがとう御座います」

一刻も早くこの場を退散したい俺。

匂いがきつい。甘ったるい受付嬢から匂う香水で胸やけを絶賛起こしている俺にとって呼び止められるなんて拷問以外の何物でも無い。

「隣町からかなり距離があったでしょう」

え、別に?

移動時間50秒だし。ただ、扉くぐって裏山に着いて山の下り坂を降りて来ただけだし。

早くあんたから離れたいんですけど……とは、言えず。

俺をこの場に留めようとする受付嬢。

しかし、さっさとこの場から離れたい俺。

矛盾する現状。

さてさて、どうしたものか。

俺の脳内選択肢には今、3通りの案が浮かんでいる。

1.あ、そうですね。気にかけて頂きありがとうございます。

2.うぜえんだよ雌豚!空気読めねえからこんな田舎で一人さみしく受付嬢をやってんだよ!!

3.歴代の赤龍帝の先輩方に任せる。

さあ、どうしたものか?

2は今日から始まったバイトが解雇に成りそうで却下。と、なると自然と1か3だ。

1の場合更に話しかけられてきそう。

3にしとくか。

と言う訳で頼むわ先輩方。

『うし、任せろ!!』

oh,力強い返事でござんますな~先輩。よろしく頼むわ

現状を歴代の先輩に任せて精神世界で俺は見守る。

「あ、あ、ありがとうございますうううううううううううううううううううううう!」

駄目駄目やん!何、テンパっとんねん!!

受付嬢はクスリと笑い「可愛い」と呟く。

『この阿呆!!!』

すぐさま俺は、先輩の精神を精神世界に引っ張る。

そして、精神世界に残っている残りの先輩方に命令する。

『ミンチにされたくなきゃ、この阿呆を拘束しろ!』

『『『yes,my road』』』

統率力が取れた先輩方はすぐさま阿呆を拘束する。

『だって、女の人と話すの初めてだったんだもん!』

フム、やはり赤龍帝はDの遺志を継ぐのか。

『何だそのDの遺志と云うのは?この前も聞いたのだが……』

元、体が赤の龍が俺に訊いてくる。

全く、この駄龍はドMなのかい?

んなもん、童帝(童貞帝王)のDに決まっているじゃないか!!

俺の発言を聞いた駄龍。全身真っ白に成って燃え尽きた。

明日のジョーならぬ、明日のドライグか。

と言うか、今のこいつを例えるならばウンコだな。バリウムを飲んで排泄されるウンコ。

でっかいウンコだな~。あ、でも!でっかいウンコならば肥料に成るけど、こいつ封印はされているけれども生きてっからなー。んだよ、畑の肥料にも成らねえのかよ!マジで使えねえ。チッ、こいつの為に時間を使うのも阿呆らしく思えて来た。さっさと退散させてもらいましょうかね。

再び俺は現実世界へと意識を戻す。

「あ、すみません。今日初めてのバイトなので、上司もきちんと出来たか心配でしょうからこの辺で失礼します」

「あ、そうですよね!すみません呼び止めてしまい」

「いいえ」

全く持って嫌でしたよ。香水の匂いがきつくて

「それでは失礼します」

さっさと入口の自動ドアをくぐり、目的地から出ると大きく深呼吸をする。

ああ、空気が美味い。さっきの受付嬢はマジで香水の匂いがきつかった。なんだ?やはり女子は体臭を気にするのかな??まあ、あの位の匂いならば誰も近寄ってこんだろうな。うん

特に俺は、もう二度と近寄りたくないとあの受付嬢に思ったぞ。

それからはチャリをこいでバイト先の会社に帰った。

掛かった時間は12分。あれ?グーグル先生確か目的地まで16分って言ってなかったか?

帰ったらもう一度グーグル先生の所を訪ねてご教授願おう。

取りあえず終わった事を報告しに上司の許へ行く。

エレベーターを使うべきかそれとも使わぬべきか迷ってしまう。

確かネットで年を取ると足腰が弱くなると言っていた。うむ、ならば足腰を鍛えるという意味で階段を使った方が良いだろう。

と言うことで階段を使う事と成った。うむ、これで老後も健やかに健康な肉体が出来るのだろうと思いながら階段を上る。

3階まで行くのにそんなにと言うか全く疲労感がしない。うむ、俺は人間を辞めてしまったのだろうか?

ふと、振り返れば人間を止めてしまったのでは無いだろうかと思うような事が幾つもある。

まず最初に、困った事が起きた事が無い。今までの人生を振り返って見ても一度たりとも困った事が無い。

あらゆる方式や法則をぶち壊す方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)。対象の時を任意に遡る逆行する時計(バック・トゥー・ザ・タイマー)。白虎の力が封印された白虎の籠手(ビーステッド・ギア)。西遊記に出てくる幌金縄をアレンジした俺だけの幌金縄。西遊記に出て来る芭蕉扇の劣化版の弱芭蕉扇。元は赤龍帝だが、今は青龍帝と成ったDの遺志を継ぐ青龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)。やはり一般人は早々持っていないだろうこの力。玄武や朱雀の神器(セイクリッド・ギア)も持っている。一般人は皆持っているが誰にも知られたくないから秘密にしているのだろうか?

それならば頷ける。俺も駄龍の世話をするのが大変だ。

『お前は何も世話をしていないだろうが!』

フム、どうやら駄龍はいよいよ今日の晩飯にされる覚悟が出来たらしい。ご愁傷様

『調子こいてすみませんでした!』

綺麗に精神世界で土下座をする駄龍君。フフ、お兄さん龍の土下座なんて始めて見たよ。

『それじゃあ!』

パアッと表情が明るくなる駄龍。勿論

「殺れ!負け犬共」

『『『yes,my road!!!』』』

コンビネーション抜群の歴代の負け犬先輩たち。

自慢のコンビネーションで駄龍を、あっという間にぶちのめしてくれる。

ふう、無駄な体力を使わずに済んで良かったよ。

あ!上司に報告しないとね。

駄龍を負け犬先輩に任して精神世界から現実世界へと意識を戻す。

さ~て、報告報告。

「配達終わりました」

荷物を俺に渡した上司のもとに寄ると報告する。

「初めてにしては速かったね」

だって、片道1分掛かってませんから。

「そうですか?この調子でこれからも頑張ります!」

愛想良く振り撒くのも,お仕事お仕事。

「これからもこの調子で頑張ってね」

「あ、はい。頑張ります」

上司と会話を終えると時間は7時30分。帰って飯を食べて学校に行くか。

俺は会社のビルを出て、自転車置き場に置いてある自分のチャリを押して人気がない路地に行くと周囲を確認する。

人気は全くもって無く、虫一匹いやしない。

何処でもドアを無から有を創る力で創る。自分の家の前に何処でもドアを繋げると扉を開く。チャリを押して家に帰宅。自転車置き場にチャリを止めると家に入る。

「ただいま~」

「お帰りなさいませ。兄様」

白音が出迎えてくれる。

いや、カバンを持っているという事は、丁度学校に行く途中だったのか?

「もう学校に行くのか?」

「はい」

「速いな~」

「いえ、兄様は高等部でしょうけれども、私は中等部ですから」

「あ~、成程。登校時間が早かったな」

「はい」

「気を付けて行けよ」

「はい。それでは、行って来ます」

「いってら~」

白音を見送ると食堂に行く。

今日の朝飯は何かな~。

っと、その前に彼の様子を見ておこう。

彼が寝ている和室に行って様子を見る。

まだ寝ているみたいだ。

様子も見たし、飯を食って学校に行こう。俺は彼を背に、和室を出ようと立ち上がった。

「う、う~ん……ここは?」

もしかして、と思い顔を彼の方向に向けると彼が目を覚ましていた。

「おはよう。気分は、どう?」

「大丈夫です。もう、熱も下がったみたいですので」

そう言って彼は布団から立ち上がろうとする。

「嘘を言わないの。どう見たって熱がまだあるよ」

彼の顔は、もう真っ赤に成っており、まだ熱がある事が一目で分かる。

「いえ、本当にもう大丈夫ですから」

彼はそう言って立ち上がるが、ふらついて布団の上に座り込んだ。

「あ、あれ?」

彼は再び立ち上がろうとする。

「もう良いから寝てなさい!」

彼の肩に手を置き、彼の肩を下に押すように力を入れる。

そうすると、彼は人形のように力が抜けるかのように座り込んだ。

「あ、でも!」

しのごを言うようなので、俺は彼の額にデコピンを食らわす。

「あう!」

男の声とは思えない声を出したのは放置プレイをかましとく。

「ほら、さっきのデコピンを躱すなり、防ぐなり出来なかった君が今、動いても再び倒れるのは眼に見えているよ。綾崎ハヤテ君」

「どうして僕の名前を……」

不思議そうな顔で俺を見る、綾崎ハヤテ。

「悪いけれども、君の財布を見させて貰ったよ。君が倒れた事を君の関係者に知らせなきゃいけなかったからね」

「………そう、ですか」

彼は、少し元気が無い返事をする。

「まあ、ゆっくりしていきなさい。我が家には、気難しい人もいるし、真面目な人もいるし、だらけている人もいるし………ちょっと、あれな人も居るから」

俺の脳内でVピースをしているフェリス姉と白兄。

「あれな人って何ですか!?」

先程とは別人のようなリアクションをする綾崎君。

「ま、まあ、兎に角ゆっくりして行きなさい。今、出て行っても他所で倒れたら他所様の迷惑だから」

「あ、はい」

さて、俺もそろそろ朝食を食べて学校に行くとするか。

「それじゃあ、兎に角今は寝て体力を回復する事!いいね?」

「……はい。お世話に成ります」

彼の返事を聞くと俺は和室を出た。

「グレイフィア」

和室を出た俺はグレイフィアを呼ぶ。

「はい」

俺は、居間から出て来たグレイフィアにお願いをする。

「グレイフィア。彼が食べられそうな物を作ってあげて。俺が居ない間、彼の事を頼む」

「承知いたしました」

俺は食堂に行くと朝食を摂る。うむ、やはり朝からの納豆ご飯は素晴らしい。納豆を作った人は、そんじょそこらの歴史の教科書に載っている様な偉人よりかも偉いと思う。まさに神だ!納豆神様だ!!

朝から納豆ご飯を3杯食べ、豆腐の味噌汁に沢庵というゴールデンコンボを食すと歯磨きをして学校に行く用意をする。

用意が終わると黒歌の部屋の前まで行き、彼女の部屋のドアをノックする。

「黒歌、行くよ」

「今、行くにゃ!」

ドタバタという音がドアの向こう側から聞こえてくる。

年頃の乙女なのだからもう少し落ち着きを持てば良いものを。

慌ただしい音は俺のすぐ傍まで近寄ってくると止んだ。

そして、俺の前のドアが開き黒歌が出て来る。

「お待たせにゃ」

「もう少し、落ち着きを持ちなさい。年頃の女の子なのだから」

「今度から気を付けるにゃ」

ハア、お兄さん黒歌に婿が出来るか心配だよ。

「ム!一誠、今、何か失礼な事を考えなかったかにゃ?」

少し不機嫌に成る黒歌。

「なに、お前に婿が出来るか心配していただけだよ」

「好きな人ならいるにゃ」

顔を赤らめてモジモジし始める黒歌

「な、なんと!」

俺の声が黒歌の部屋に響き渡る。

お、お兄さん驚きだよ。黒歌に好きな人が出来ていたとは!

どこか悲しい気もするが黒歌が幸せに成るならば、まあ、それはそれで良いか。

「ム!相手が誰かとか聞かないのかにゃ?」

俺の目の前で可愛らしく頬を膨らませる黒歌。

俺は黒歌の頭を撫でながら言う。

「お前が選んだ相手がお前を幸せにしてくれるならば、お兄ちゃんは安心して、そいつにお前の事を任せるさ」

俺の言葉を聞いた黒歌は顔を赤らめる。

「不意にそんな事を言うなんて卑怯にゃん」

俺は黒歌の手をとると

「ほら、学校に行くぞ」

と言って黒歌と共に学校に行く。

お馴染みの何処でもドアで学校付近の路地裏に着いた俺と黒歌。

二人で路地裏から出ると

「んあ!」

俺はバッタリと人とぶつかってしまった。

相手は尻餅をつき、俺は立ったまま。

「痛ててて。すまねえ」

俺とぶつかった人は男だった。男は尻を擦りながら立ち上がると俺に向かって謝る。

「いや、こっちこそ御免なさい」

俺は頭を軽く下げ謝罪した。こっちも周りを確認してなかったのがいけないんだし。

謝罪し終えた俺が顔を上げると驚いた。

何故なら特徴的に目が腐っているあのキャラ。比企谷 八幡が居たのだから、そりゃあ驚く。驚く俺は悪くないはず!

「なんだよ。その、生き別れた兄が行き成り現れた的なリアクションは……」

目を細めながら言う比企谷 八幡。

アテナ様あああああああああああああああ!!!あなたは、俺の予想通りの人物の様ですねえ!

白蘭が出てきた時点で雲行きが怪しく感じ、フェリスとライナが出てきた時点であれ?と感じ、綾崎ハヤテが出てきた時点でもしやと思い、比企谷 八幡君が出てきた時点で確信に至りましたよ!!

あなたは、正真正銘のドジッ子頑張り屋さんです!

「いや、知り合いに似ていたから、つい驚いてしまった。気を悪くしたならすまない」

「別にいいけど」

それから俺は黒歌と一緒に比企谷 八幡と学校に登校した。

彼の話を聞く限り、父親の転勤でこっちに来たらしい。通う学校は俺と同じ駒王学園と言う事で一緒に登校している。

比企谷 八幡とは、下駄箱で別れ教室に行こうとすると目の前に知った顔ぶれの男の娘が歩いていた。

「……」

反応に困ってしまい、無口に成ってしまう。

自分の頬をつねっても痛みが走るのみ。

ああ、現実(リアル)なんだな。

「一誠、どうかしたのかにゃ?」

不思議そうな顔で聞いて来る黒歌。

「いや、少し思うところがあっただけだよ」

男の娘はそのまま廊下を曲がると俺の視界から消えていった。

さっき、見たのは幽霊か亡霊だ!と自分に言い聞かせ自分の教室に行く。

途中廊下で黒歌と別れた後、教室の扉を開けた。

「よ!一誠。遅かったな」

目の前に現れたのは残念系イケメン(笑)古市貴之 通称フルチンが現れた。

「おい!変なナレーションを入れてんじゃねえ!!後、残念系は要らねえからな!」

どうやら残念は頭まで進行していた様だ。

そんな事を構わずフルチンは俺に近づいて来ると俺の横に立つ。

「ったく。まあ、良い。おい、それより聞いたか一誠」

「あん?何を??」

「このクラスに転校生が来るらしいぞ」

目をキラキラさせながら言うフルチン。ったく、子供か!

ガラガラと後ろから扉が開く音がすると

「席に着けー」

鉄ちゃんが教室に入って来た。

鉄ちゃんの拳王様の一声でクラス全員が席に着く。

全員が席に着いたことを確認すると鉄ちゃんは喋り始める

「え~、入学して早速だが、転校生を紹介する。入って来なさい」

鉄ちゃんが廊下の扉に視線を向けると扉が開き3人の転校生が入って来た。

俺はその転校生を見て驚いてしまう。

転校生は鉄ちゃんの右側にきれいに並び、鉄ちゃんが紹介し始める。

「えー、左から順に比企谷 八幡君だ」

特徴的な死んだ魚の目を持つ比企谷 八幡は「どうも」と言い、軽く皆に会釈する。

まあ、八幡は今朝知ってるから良いんだけども、次からが問題だ。

「次に、真ん中の子が戸塚 彩加君だ」

容姿は女にしか見えない男の娘。戸塚 彩加からが問題なのだ。

いや、大した問題じゃないかもしれないが………

「「「うおおおおおおおおお!!!可愛い女子が来たああああああああああああああああ!!」」」

何も知らない哀れな古市を筆頭とする子羊達(男達)の野太い歓喜の声が教室に響き渡る。

そんな子羊達(男達)の様子を見た鉄ちゃんの拳王の一言

「因みに戸塚 彩加君は、男だぞ」

「「「嘘だ!!!」」」

ひぐらしの声優も真青に成るくらいピッタリとハモる子羊達(男達)の声。

そんな馬鹿丸出しの子羊達(男達)を見て苦笑しながらも戸塚 彩加は自己紹介をし始める。

「戸塚 彩加です。これから宜しくお願いしまうっ………噛みました。宜しくお願いします」

噛んだ事にキュンと来た俺は悪くない筈だ!!!俺にBL属性はナッシング。

クラスの女子も大半が顔を赤くしているし、噛んだ様子を目撃した男子達も全員呆けている。

そんなクラスの全員を見た鉄ちゃんはコホンと咳払いをすると転校生の紹介を続ける。

「最後に、材木座 義輝君だ」

「我こそは、剣豪将軍あs「普通に自己紹介をしなさい」すみません。材木座 義輝です。宜しくお願いします」

鉄ちゃんに横槍を入れられ普通に自己紹介をし始める見た目、中年サラリーマンの風貌をした中二病全開の「イタい」人間である材木座 義輝にクラスの女子は可愛そうな子を見る目と成っていた。

その事に彼の掛けている眼鏡から若干涙が流れたのは、気のせいでは無いだろう。

「まあ、3人と仲良くしろよ」

big bossからの拳王の一声で転校生の自己紹介は終わった。

「1限は、3人との交流を深めるために自習とする。戸塚君は兵藤の隣の席、比企谷君は松田の後ろ、材木座君は元浜の前の席だ。以上」

鉄ちゃんは、そう言うと教室から出て行った。

うん、鉄ちゃん。あなたは、鬼だね。

コミ障の比企谷にそんな餓えたハイエナの中に赤ん坊を放り込む真似をするなんて鬼畜だ。

「あ、兵藤。お前は今から職員室に来い」

突然教室から出て行った筈の鉄ちゃんが教室に戻って来ており、俺に指示を出す。

え、まさかさっきの考えがばれた!?

鉄ちゃん、あなたはサイキッカーですか!?

「一誠。何かやらかしたか?まあ、こってり絞られて来いよ」

ニヤニヤ顔のフルチン。

こいつ、絶対後で埋めてやる!

フルチンの犬神家状態を決定しながら俺は、鉄ちゃんの後について行き職員室に向かう。

途中、面白くないので連行される犯罪者のように手を前に出し、頭を垂れる状態で職員室に向かっていたのだが、クスクスと周りから笑い声が聞こえ始めた。

見ると、周囲の生徒が失笑していた。

あまりの失笑ぶりに、最初は気付かなかった鉄ちゃんも流石に気付いて、

「何をやってんだお前は!」

と言い、俺は鉄ちゃんの拳骨を食らいました。

「痛いです。先生」

「当たり前だ!!」

周囲の生徒は、もう爆笑中。

鉄ちゃんは顔を真赤にして激怒中。

俺、更に反省中。

俺は鉄ちゃんに連行されながら職員室に向かう。

職員室につくと鉄ちゃんは、自分の机に行き何やら書類を持って来た。

その間、俺は正座中。

反省は、やはり正座からってね。

周りの先生は、笑いを堪えている。頑張れteachers!

「何をやっとんだ。お前は」

書類を持って来た鉄ちゃんは、正座中の俺を見て訪ねてくる。

うむ。分からんでもない。何せ、俺は反省を更にグレードアップをした事で額に反省中と書いた紙を貼り付けてあるのだから。

「見てわかりませんか?反省中の姿勢を周囲に見せているのですよ!」

「お前が馬鹿か、ふざけている事は良く分かった」

手を顔にやり、呆れている様子の鉄ちゃん。

「あ、ふざけている事がばれた」

「やはりか!!」

鉄ちゃんは、そう言うと再び俺に拳骨をする。

「………痛いです」

拳骨された頭を手で摩りながら俺は鉄ちゃんに言う。

「当たり前だ!」

鉄ちゃんのこの言葉と同時にteachersは、笑い出す。

「ほら、先生が体を張ったギャグをかますから、先生方が作業に集中出来ていないじゃ無いですか!」

「兵藤、本当にそう思うなら一回医者に行って来なさい」

「酷い!先生酷い!!僕を病人扱いにする気なんですか!?」

鉄ちゃんは、ハアと溜息を吐きながら頭に手をやる。

「頭痛がしてきた」

「先生。どうやら病人は先生だったようですね」

ドヤ顔で言う俺。ああ、勝ち誇った気分だ。

「お前の所為だ!」

鉄ちゃんのこの言葉を合図に職員室は笑いに包まれた。

笑いに包まれた職員室の中で、鉄ちゃんから渡されたのはアルバイトをする時に学園側に提出する書類だった。

何でも、今日始めたアルバイト先から電話があったらしく、何故俺がこの学園の生徒である事を知っているのか疑問を持っていたが、記憶をたどってみたら俺、バイトの時に履歴書みたいなのを書いた記憶がある。

恐らく、そこから通っているこの学園の連絡先を調べたんだろう。

学園のホームページとか見れば、直ぐに連絡先が分かるだろうし。

鉄ちゃんは笑いに包まれた職員室の中でコホンと咳払いを一つすると

「バイトをするならば、これに記載をしろ。一応、学園側もこのような書類を書いて貰わねばならないのでな………それとな、兵藤」

「なんですか?先生」

「無断でバイトをした事は、然るべき事なのだが人としては、良くやった」

「………先生!」

「何だ兵藤?」

「直ぐに病院行きましょう!!」

「お前の中で俺のイメージ像はどうなっとるんだ?」

「トライアスロン大好き、補習室大好きな鉄ちゃん」

「よ~し!今から補習室に行くか?勉強大好き、尊敬する人物は二宮金次郎と社会に出しても立派な人物にしてやるぞ?」

ボキボキと拳を鳴らしながら俺に近づく鉄ちゃん。

鉄ちゃん、それは既に洗脳ですよ。

「俺は、ここで捕まるわけにはいかないんです!」

俺は懐から煙玉を取り出す。

「アデュー!」

煙玉を地面に叩き付け、煙を巻き起こさせると職員室を疾走して後にする。

「待てえぇぇぇぇぇぇ!兵藤!!」

後ろで鉄ちゃんが叫んでいるが無視だ!無視………後で家に知らされたら…………うん、後で謝りに行こう。じゃなきゃ、家に知らされたらおやつ減らされて俺が死ぬ。

職員室から教室に帰ってくると八幡が死んでいた。戸塚は、未だにクラスの連中と話しており、材木座は……表現し難い事と成っていた。

「あ、帰ってきた!」

戸塚は、教室に帰ってきた俺を見ると駆け寄って来る。

「えっと~、僕、戸塚彩加。宜しくね」

戸塚は、俺に手を差し伸べて握手を求めてくる。

「ああ、宜しく」

俺は握手に応じる。

「これから、宜しく。もし良かったら、僕の友達に成ってくれないかな?」

可愛らしく首を傾げる目の前の男の娘 戸塚彩加。

「「「グハッ!」」」

突然周囲のクラス中の男子達が吐血した。

否、男子と言わず女子たちもかなり吐血していた。

もちろん俺も、

「グフッ!」

吐血する。

「だ、大丈夫!?皆!」

慌てふためく戸塚の姿が止めとなり、戸塚以外のクラス全員が盛大に吐血した。

駆け寄って来る戸塚に俺は

「だ、大丈夫だ!単なるリアクションだから」

「で、でも!ち、血が!」

久しぶりに可愛い子の反応をみたら盛大に吐血しちまった。戸塚彩加、何て恐ろしい男の娘!

 

午前中の授業が全部終わると先生方が昼食をとっている時間後に職員室に謝罪しに行った。

黒歌とフルチンと共に下校する。

「そう言えば、一誠」

突然、フルチンは俺に話しかけてくる。

「なんだ?」

「お前、どの部活に行くんだ?」

「帰宅部だ」

「黒歌は?」

「フルチンに教えたくないにゃ」

「何でだよ!」

何処の部活に入るのか黒歌に教え貰えなくて意を唱えるフルチン。

「だって、言えばフルチン。一緒のクラブに入るだろうし、そうなると身の危険を感じるにゃ」

俺の横でギャースカ言い合う二人。

楽しいねえ。

フルチンと途中で別れて俺と黒歌は、いつも通り人気の無い場所に行くと、俺は何処でもドアを創り家に繋げる。

何処でもドアは家の前に繋げたので何処でもドアを潜ると家が見え、歩いて家に帰宅。

「「ただいま~(にゃ)」」

二人して家に帰宅するとグレイフィアが出迎えてくれた。

「お帰りなさいませ」

「グレイフィア、彼の様子はどう?」

「昼にお粥を召し上がられまして、今、グッスリと眠っておられます」

「そう。ご苦労様グレイフィア」

グレイフィアは頭を下げると下がる。

さて、これから如何したものかね?

「一誠、どうしたのかにゃ?」

横にいる黒歌が不思議そうな顔で聞いてくる。

「!いんや、なんでもないゼヨ」

「一誠、口調が変わっているにゃ」

し、しまった!

「あ、いや、何でも無いよ黒歌」

俺は黒歌の頭を撫でる。

「そんにゃ事で、ごまかsふにゃああああああああああああ♥」

撫でると甘えて来る黒歌。

フ、何年お前のお兄ちゃんをやって来たと思っているんだ?お前の癖とか分かっているぞ

流石に玄関で続けるわけにも行かないので、途中で止めると黒歌はしょんぼりとした顔になる。

「ほら、続きはリビングでやろうな?」

黒歌はそれを聞くと、今まで隠していた猫耳や尻尾を出して俺に抱き着いてくる。

「ほら、一誠。早く行くにゃ!」

尻尾を嬉しそうに振りながら催促する黒歌。

「ハイハイ。慌てないの」

黒歌と共にリビングに行くとセイバーがおり、フェリス姉と共に団子を食べていた。

「黒歌、あなた昼間から何て声を出しているんですか」

セイバーは、団子を食べながら黒歌に注意する。

「フム、一誠はライナの変態成分が感染してしまい、ロリぺド野郎と成ってしまったのか。さしずめ、先ほどの黒歌の声は一誠に襲われた時n「んな、わけないでしょう。フェリス姉!!」……!違うのか!?」

団子を持って驚いた様子のフェリス姉。

「違うに決まっているでしょう!さっきのは、こうやって」

俺は再び黒歌の頭を撫でる。

「んにゃ、一誠!急に…ふにゃあ❤」

再び甘えて来る黒歌。

嬉しそうに目を細め、尻尾はユラユラ揺れている。

フェリス姉は、持っていた団子を串ごと落とし、セイバーは目をランランと輝かせていた。

「「か、可愛い!」」

フェリス姉とセイバーは、そう言うと黒歌に駆け寄ると撫で始める。

「ふにゃ!そんな一気に撫でられたら……にゃああああああああ❤」

黒歌の甘い声がリビングに響き渡る。

「静かにした方が良いんじゃない?病人がいるんだろ?ふああ」

ライナ兄が欠伸をしながらリビングに入って来た。

「遅かったじゃないか、ライナ。それで、イオンで作っていた団子を買って来たんだろうな?」

「え、まだ団子を食べるのフェリス姉!?」

「当り前だろう?一誠」

当り前と来ましたか……いや、まあフェリス姉らしいって、言えばらしいですけどね。

「それじゃあ、僕は彼の様子を見てくるよ」

俺はそう言うと彼が寝ている和室に向かう。

 

俺が和室に入ると綾崎ハヤテは起きていた。

「どう?良く寝れた?」

「はい、おかげさまで良く寝むれました」

彼はそう言うが、若干顔が赤く見られる。

「まあ、当分の間ここで休む事!良いね?」

「……はい」

何故か元気が無いハヤテ君。

「?どうした?何か心配事や気に成る事があるのか?」

「お世話に成っているのに、すみませんが一つ愚痴を聞いて貰えませんか?」

「ああ、別に構わないよ。言ってみなさい」

彼はポツリポツリと愚痴を言い始めた。

「僕は昔、アーたんと言う人と幼い頃出会いました。出会ったきっかけは、今は出て行った両親との生活でした。小さい頃からバイトをし、給料は両親の手元に行きバイトが終わると家事をする生活でした。けど、ある時その生活に疑問が生じ家出をしたんです。しばらく歩いて気が付くと知らない豪邸の門の前に居ました。もう、何もしたくない。生きたくないと思いました。けど、死ぬならせめて綺麗な花畑の上が良いなと思い、悪いとは思ったのですが、その豪邸に綺麗な花が沢山ある庭があったのでそこで死のうと思い門を無断で潜り、庭に入ると力が抜け倒れました。ああ、僕はここで死ぬんだなと思いながら眼を閉じると一人の少女が僕に声をかけてくれたんです。僕が侵入した庭は彼女の庭だったらしく彼女、アーたんは僕と共に生活することを望み彼女と生活するように成りました。あの時は、幸せでした。けれど、誤解や擦れ違いで彼女とは別れてしまいました。後日もう一度彼女に会おうとしましたが二度とあの場所を見つける事は出来ませんでした。あの時、何故あんな選択をしたんだろうと、今でもずっと後悔しています」

ハヤテは、ポロポロと眼から涙を溢しながら呟いた。

「そう。ねえ、そのアーたんにもう一度会いたいか?」

俺の問いに彼は涙を流しながら頷いた。

「……そう。なら、彼女は君を待っているかもね」

「ええ」

「なら、行かないとね。そのアーたんっていう人の所へ」

「でも、幾ら探してもあの所へ行けませんでした」

「ハヤテ君。諦めたら、そこで試合は終了だよ。まあ、寝てるばかりじゃつまんないだろうし散歩がてら再会と洒落込みますか。待っててね靴を持って来るから」

「あ、でも!」

「良いから良いから。お兄さんに任せてなさい」

俺は和室を出て廊下を渡り、玄関に行く途中グレイフィアに出会った。

「何処か行かれるのですか」

「ん、ああ。ちょっと散歩に行ってくるよ」

「そうですか。………それは、そうと」

「?」

「黒歌さんと随分とお楽しみだった様ですね?」

両手を腰におき、膨れ面のグレイフィア。

「どうしたの?グレイフィア」

「べ、別に何でもありません!」

年頃の乙女の嫉妬か?否、でも、俺は黒歌の頭を撫でて可愛がっていただけだしな~。

あ!グレイフィアも頭を撫でて欲しいのか?

「グレイフィア、頭を撫でて欲しいの?」

「何でそうなるんですか!?」

「いや、だってさっき黒歌の頭を撫でていただけだし……」

「……へ?」

「いや、だから黒歌の頭を撫でていただけだったからさ」

「え、でも、「んにゃ、一誠!急に…ふにゃあ❤」とか、黒歌さん言ってたじゃないですか!?」

「あ~、それ?」

「ほら、やっぱり!」

「黒歌、頭撫でられるとすげえ声で鳴いて甘えて来るんだよ」

「………」

「グレイフィア、何を想像してたの?」

「っ!」

ボンッ!という効果音が出そうなくらい、顔を耳まで真赤にするグレイフィア。

「まあ、何を想像していたかは問わないけど、グレイフィアが想像している事は全くしていないよ」

「……はい。訊かれると私は死にます」

「んな、大げさだな~」

「いえ、私が自分で死にます」

「って、自殺!?」

コクリと真赤な顔で頷き肯定の意を示すグレイフィア。

コホンと咳払いをして彼女に言う

「まあ、グレイフィアの可愛い反応が見れたから良いかな」

「意地悪ですね」

「意地悪なんてしてないよ。グレイフィアが勝手に自爆しただけだよ」

「それを言われると、元も子もありません」

「まあ、散歩に行ってくるよ」

「行ってらっしゃいませ」

廊下でグレイフィアに見送られ玄関に行くと俺は、自分の靴と彼の靴を持って和室に行く。

「それじゃあ、行くよ~」

「あ、でも!」

急にハヤテ君に呼び止められ彼の方を向く。

「ん?どうしたの?」

「あれ、どうするんですか?」

彼が指差す方向を見ると

「やっほー☆」

和室の入り口の壁にもたれ掛り、こっちに手を振る白兄が居た。

「何でいるの?」

ついつい白兄に、聞いてしまう。

「「僕の鼻は、面白そうな事に敏感なんだよ♩」

「「嘘だね(ですね)」」

ハヤテ君と同時にハモッた。

「どうせパラレルワールドで得た知識でしょう?」

「ピンポンピンポン♪義弟君大正解♬」

白兄は、そう言うとにこやかな表情と成る。

この人は楽しそうだね。

「それで、白兄も一緒に行くの?」

「勿論♪」

「そう、それじゃあ」

俺はハヤテ君の方向を向くと

「ハヤテ君」

「はい!」

「君、そのアーたんと出会った場所を思い出してみて」

「え、でも……それじゃあ、」

「良いから良いから。お兄さんに任せなさい。兎に角、君は彼女と出会った所をイメージしなさい」

「……はい」

現状に理解できず、渋々イメージし始めるハヤテ君。

俺はその間に無から有を創る力で相手のイメージしている事が分かる付加能力の付いた眼鏡を創り使用する(第六変人:殴り込みだこの野郎!!~魔界編~で使用した眼鏡です)

フムフム、成程。原作ハヤテのごとくと同じ王族の庭城(ロイヤル・ガーデン)か。

!まさか!?

悪い予感がプンプン匂って来る。

「ねえ、ハヤテ君」

「何でしょうか?」

「君にお兄さんとか居る?」

「兄ですか?」

「うん」

「居ませんね」

!何てこった!

ヤバいぞ!それは!!

あそこは原作通りならば、時の流れが外界よりも緩やかな場所だ。

そんな所を一人で取り残されたら狂人に成ってもおかしくないぞ!

「ハヤテ君!」

「は、はい!「すぐに出かけるよ」…分かりました!」

「白兄も」

「はいは~い♪」

俺は無から有を創る力で何処でもドアを創ると王族の庭城(ロイヤル・ガーデン)に繋げる。

何処でもドアを開くと王族の庭城(ロイヤル・ガーデン)に到着。

「ハヤテ君、ここで合っているかい?」

「はい、でも、僕が行けなかった場所をどうしt「話は後だ!兎に角、一秒でも早く彼女を見つけるんだ!」は、はい!」

「それから白兄!」

「ん?何だい?「彼を連れて飛んで!!」了解♩」

俺は金色の翼を無から有を創る力で創り、白兄は白い翼を出すとハヤテ君を抱ええて城に向かって飛翔する。

玄関のドアを白兄が白龍でぶち破り、城の中に侵入する。

「よくここまで来ました」

玄関正面の階段に立ち、出迎えてくれたのは金髪・縦ロール髪の赤い瞳の女の子。

「アーたん!」

久しぶりの彼女にハヤテ君は叫ぶ。

「ですが、部外者は排除します」

そういう彼女の瞳に光は無く、パチンと彼女が指を鳴らすと玄関の広間に突然沢山の剣が現れ、広間の床に突き刺さっている状態となった。

彼女はハヤテ君に近づきながら広間の床から剣を抜くとハヤテ君に斬りかかる。

ハヤテ君はそれを躱して広間の床に突き刺さっている剣を抜くと彼女から振るわれる剣を防ぎ防戦状態となった。

「白兄、何とか成らない?」

「う~ん、殺して良いなら「却下」それじゃあ、彼女を操っている背後にいるあれを何とかしないとね」

そう、彼女の背後に見える大きな亡霊。おそらく、あれが彼女を操っているであろうキング・ミダス。

「う~ん、どうしよう?」

「時を戻せば?」

白兄は、そうアドバイスするけど

「う~ん、どうだろう?まあ、何とかしてみるよ。白兄、援護をお願い」

「了解♩」

白兄はそう言うと白い翼を羽ばたかせ、空中に移動する。

そして、ミニ龍をキング・ミダスに向かって放つ。

俺はその隙に金色の翼を羽ばたかせキング・ミダスに近づく。

近づく間に右手に無から有を創る力で方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)を創る。

ガキイイイイイイイイイイイイイン

音の方向を見るとハヤテ君と彼女の持っていた剣がぶつかっていた。

バックステップをハヤテ君はして、彼女と距離を取る。

「やっぱり」

ハヤテ君は剣を持ったまま、構えずに彼女の方に歩み寄る。

「アーたん、君はあの時僕を逃がす為にわざと剣を脆くしたんだね。自分の高ぶった負の感情ををどうにも出来ない中で、君は剣を脆くする事で僕を守ってくれたんだね」

「何を世迷いごとを!」

彼女は剣をハヤテ君に向け、剣を構えた状態でそう言うがその声に焦りが生じていた。

「現に」

ハヤテ君はそう言うと、手に持つ剣を彼女の持つ剣に思いっきりぶつけた。

ギイイイインと金属音が生じるが両者の手には壊れるわけでもなく、剣にひびが入る事無く先程と変わらない状態で剣が握られている。

「こうやって成長した僕でも、あの時みたいに剣が壊れない」

ハヤテ君は持っていた剣を捨て彼女に寄ると抱きしめる。

「ありがとう。守ってくれて。大好きだよアーたん」

抱きしめられた彼女の手から剣は滑り落ち、彼女の光彩が無い眼から一滴の涙がこぼれた。

「ハ、ハヤテ?」

彼女の手から剣が床に滑り落ち、彼女の眼に光彩が戻り意識が戻ったように見える。

「遅いですわ、ハヤテ」

「待たせてごめん。アーたん」

「教えて差し上げた紳士として失格ですわ!」

「ごめん」

「一人でさびし……く…ヒック……辛く………ヒック…悲しかったか!」

とうとう、彼女は泣き出した。

「ごめn!」

途中、彼女はハヤテ君にキスをした。

「罰ですわ!もう二度と離れる事を許しませんわ!!」

「うん!絶対に離さないよアーたん」

そう言ってハヤテ君は彼女を強く抱きしめた。

これにて一件落着かな?

 

ハヤテSIDE

やっと元に戻れた。あの時出来なかった事を、言えなかった事を遂に言えた。

「ハヤテ♡」

僕の隣にいるこの子をもう離さない。

10年もの年月の間、彼女は小さい頃とは別人の様に僕に甘えてくる。

それが10年もの年月、全く会っていなかった所為か、物凄く可愛く思えてしまう。

「ハヤテ♡ハヤテ♡」

「何?アーたん」

「呼んでみただけですわ!」

アーたんは、そう言うけど可愛すぎだよアーたん!!

僕は、アーたんを抱きしめて宣言する。

「もう二度と君を離さないよ」

「あら?それを言う前は、手離すつもりでしたの?」

少し怒った声で言うアーたん。

「ち、違うよ!」

「冗談ですわよ、ハヤテ。あなたが私を離さない事くらい分かっていますわ」

「うう、アーたんの意地悪!」

「10年もの間わたs!」

突然アーたんの表情が変わり、アーたんの背後に彼女と別れる時見た巨大な骸骨が再び現れた。

骸骨が現れるとアーたんは、床に生えていた剣を抜き僕に斬りかかって来る。

僕も、剣を抜きアーたんからの攻撃を防ぐが吹き飛ばされてしまう。

さっきよりも強くなっている!?

「そ、そんな!折角君と再び会えたのに!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

アーたんの背後にいる骸骨は雄たけびを上げ、その時の余波が僕を襲い更に後方へと僕は吹き飛ばされる。

「グハッ」

全身に痛みと壁に叩きつけられた時の衝撃が僕の体を駆け巡る。

意識も先程の衝撃で朦朧として来た。

「もう、駄目なの?」

不意に彼から言われた言葉が僕の脳裏を過ぎる。

『諦めたら、そこで試合は終了だよ』

負けてたまるか!

「負けてたまるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!僕は、僕はもう二度と彼女を離さない!」

近くにあった床からに刺さっている剣を抜くと剣先を巨大な骸骨に向ける。

意識も朦朧とする。コンディションは最悪だろう。でも、後悔だけはもうしたくないから!!

「返して貰うぞ、その人を!」

突如周りにあった床に刺さっていた剣が消え、アーたんと巨大な骸骨の前に現れた。

剣達は、剣先を僕に向けると僕に目がけて襲ってくる。僕は回避するがあまりにも数が多すぎて全ての剣を回避しきれない。

両腕両脚に剣の切り傷が幾つも出来る。痛い、さっきよりも意識が朦朧とする。だが、

「もう後悔だけはしたくないんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!その人は僕にとって一番大切な人なんだ!だから僕は立ち上がる!!その人を返して貰うまで何度でも何度でも立ち上がる!何回吹き飛ばされようと、体が剣でズタズタにされようとも立ち上がる!立ち上がってみせる!!!」

「よく言った!男見せたじゃねえか!ハヤテ君よお!!」

僕の視界に金色の翼を持つあの人が骸骨のすぐ傍に飛んでいる事が確認でき、その彼の手には黒い剣が握られていた。

「今を生きる者を束縛してんじゃねえ!とっとと屍は土にかえりやがれ!!」

彼はそう言うと手に持つ黒い剣を骸骨に斬りつける。そして、

「この者のあらゆる経験を拒絶する。ぶち壊せ!方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)!!!」

彼が持つ黒い剣は黒く光ると先程までアーたんの背後にいた巨大な骸骨は消え、アーたんの周りの剣も消えた。

アーたんはそのまま落下するが、途中金色の翼を生やした彼がキャッチした。

「お姫様をキャッチした。……って、俺の役目じゃねえか?」

彼はそう言うと少々降下し、僕の方を向くと

「おらよ!お姫様を受け取りな!!」

と言ってアーたんを僕の方に目がけて投げた。投げたぁぁぁぁぁぁぁ!?

「アーたん!」

落ちてくるアーたんを僕はキャッチすると抱きしめる。

自然と涙が溢れてくる。

「ううん………ハヤテ?」

アーたんが目を覚ました。

「おはようアーたん」

「ハヤテ、あなた泣いているの?」

「そうだね」

「ハヤテは、昔から泣き虫ね」

「アーたん。悪夢から、呪縛から解かれたんだよ」

「あなたの声が聞こえたわ。「その人は僕にとって一番大切な人なんだ!だから僕は立ち上がる!!その人を返して貰うまで何度でも何度でも立ち上がる!何回吹き飛ばされようと、体が剣でズタズタにされようとも立ち上がる!立ち上がってみせる!!!」って」

「あ~、恥ずかしいなー」

「殺し文句を言われちゃったわね」

「あ、うっ、あっ!」

「ありがとう私の王子様♡」

アーたんはそう言うと僕の頬にキスをした。

「えっ!」

ついつい何が起きたか理解できず、キスされた頬を触ってしまう。

「頬にキスよりも口の方が良かったかしら?」

首を傾げ聞いてくるアーたん。

うう、可愛すぎだよアーたん。

「えーとー」

「もう!じれったいですわね!」

アーたんはそう言うと今度は僕の唇にキスをする。

短い一瞬に思えるキス。でも、しっかりとキスされた事を感じた。

「帰ろう、アーたん」

「ええ」

僕は彼女の手を取り立ち上がる。そして、彼女の手を引っ張る。

が、途中意識を失ってしまった。

ハヤテSIDE OUT

 

一誠SIDE

俺は助けた彼女の隣に歩み寄る。

「もう!最後まで抜かるんですから、ハヤテは!!」

倒れたハヤテ君を膝枕し、彼の頭を撫でながら彼女は言う。

「まあまあ。彼は、熱を出している中君を助けに来たんだ。だから少し多めに見てあげなよ」

「そうですわね。ところで、貴方は一体何者なんですの?」

彼女は僕の方を向いて聞いてくる。

「少しだけ、毛ほど人より力を持った一般人だよ」

「どれだけ大きな毛なんですの?」

「さあね?」

俺は、ついつい苦笑と成る。

白兄が俺の隣に来て

「そろそろ帰った方が良いかもね」

その言葉に俺は頷き

「ああ、そうだね。それじゃあ、帰ろうか。皆で」

俺は彼、ハヤテ君を担ぐと皆で王族の庭城(ロイヤル・ガーデン)を出た。

王族の庭城(ロイヤル・ガーデン)の壊れた玄関を出ると強い風が吹き、花びらが舞う。そして俺たちを包むように風が通る。

まるで、長い呪縛から解かれ喜んで祝福しているかの様に思えた。

俺達は、来る時に使用した何処でもドアを使い自宅へと帰宅する。

 

その後、帰宅した俺達はグレイフィアに見つかり、病人のハヤテ君を連れて行った事にこってり怒られた。

ハヤテ君の風邪は3日で治り、その後高校中退をしていたがグレイフィアが高校は卒業した方が良いと言う事で我が家の執事と成る事を条件に駒王学園に転入した。

なお、ハヤテ君が言っていた「アーたん」こと天王州アテネもまた兵藤家に籍を置き、駒王学園にハヤテ君と一緒に通う様に成った。

彼女のポジションは、今の所グレイフィアのアシスタントと言う事に成っているが、家事はハヤテ君とグレイフィアがする為グレイフィアの家事を少し手伝ったりするだけだ。

ハヤテ君の借金も兵藤家の財産で立て替えたため、原作ハヤテのごとくの三千院 ナギのポジションが俺に成ってしまった。

まあ楽しくなるから、これはこれで良いかな?

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