カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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ネリ様こと、コーネリアは、コードギアス反逆のルルーシュで超ドシスコンなお方です。


第二十変人:俺、悪魔に成ったらしいですよ

変態(ossan)を牢屋と言う名の豚箱に冤罪で放り込んだ俺は翌日、何事も無かったかのように黒歌と白音、ハヤテとアテネと共に学校に登校する。

相変わらず気分が悪い。気分が悪いというより朝に弱くなった感じがする。

途中、古市こと、通称フルチンにバッタリと偶然出会い一緒に学校に登校中。

突如、隣を歩いていたフルチンの足が止まった。

何事かと思いフルチンの視線の先を辿ると前方から昨日の現場に突如現れた赤毛のアンならぬ、赤毛の不思議ちゃん。その横をTHE大和撫子って感じの女子と共に歩いてた。

付近を見渡すと俺と黒歌、白音以外の全員の男子女子区別なく、全員の視線が赤毛の不思議ちゃんとTHE大和撫子ちゃんの二人に釘付けとなっていた。

フルチン君は視線を釘づけ所か呆けている。

間抜け面という言葉は、今の此奴の為に作られ、あるのかも知れない。

つまり、フルチン君間抜け面全開中。

右斜め前方を歩いていた枢木夫妻も朝からお熱い夫婦コントを全開中。

スザクが前方を歩く、赤毛の不思議ちゃんとTHE大和撫子ちゃんの二人に釘付けとなっていたのをユフェミアに見られてしまったのだ。スザクの顔も若干呆けていた。

 

「ちょっとスザク!私の騎士たるあなたが、他の女子(ひと)に見惚れるとはどう云う事です!?」

 

「誤解だユフィ!」

 

「何が誤解ですか!今、現に見惚れて呆けてたじゃ無いですか!!」

 

「あ、嫌、そうだけど!って、そうじゃなくて」

 

「問答無用です!!」

 

バチンと辺りに大きな音が響く。

ユフェミアは目に涙を貯めながらスザクの頬に大きな赤い紅葉を作ると走って逃走した。

赤毛の不思議ちゃんとTHE大和撫子ちゃんの二人に釘付けとなっていた全員が、大きな音の原因であるスザクとユーフェミアの二人に視線を向け、二人は全員の視線の釘付けと成る。

スザクよ、今この場にコーネリア、通称ネリ様がいない事に感謝しろよ。居たら絶対に、お前は死刑確定だったぞ。

 

「……スザクさん」

 

「…スザク」

 

スザクの横で車椅子に乗るナナリーとその車椅子を押すルルーシュの顔が呆れ返っていた。

否、ナナリーやルルーシュだけではなく周囲にいる殆どの学生が呆れ返っている。何故なら、スザクとユーフェミアがする夫婦コントは駒王学園では日常茶飯事と成っていた。毎日と言って良いほど夫婦コントが繰り広げられ、最早駒王学園の裏名物と成っている。

なので、今更感が満載なのだ。

ここにいる全員の大半が、(あっ!今日も夫婦コントをしたんだな)と言った認識に成っている。

ルルーシュの傍にいたC.C.がスザクに近づくとスザクの肩をポンポンと叩き、スザクに呟く様に言う。

 

「お前は女心を知れ」

 

その言葉に周囲にいる女子全員がうんうんと首を縦に振り、頷く。

ちょうど良いタイミングでスザクの横から風が吹き、まさにショックを受けた様な状況を作った。

 

「取り敢えずユフィを追わないと!」

 

何も女心を分かってないスザク(お馬鹿)ちゃん。

俺とフルチンは、そんなスザク(お馬鹿)ちゃんにドロップキックをお見舞いする。

俺らからお見舞いされたドロップキックを受けてゴロゴロと地面に転がるスザク。

スザクは、受け身を取り受けた攻撃の衝撃の大半を受け流すと立ち上がり、俺とフルチンに食って掛かる。

 

「何をするんだ!」

 

「「お前が悪いわ朴念仁!馬に蹴られて死んじまえ!!」」

 

息ぴったりとフルチンとハモった。

周囲にいる女子の全員が俺とフルチンに良く言ったと言わんばかりに頷きながら拍手を送る。

 

「そんな!」

 

一人悪者扱いのスザクは地面に膝をつき、ショックで四つん這いと成った。

あの状況はどう見ても100%スザクが悪い。

フルチンなんて、血涙しながらスザクにドロップキックを食らわしてた。差し詰め、幸せそうに夫婦コントを繰り広げるスザクに嫉妬が99%の割合で占め残り1%が、その他ユーフェミアに対する同情かなんかだろう。ほぼ嫉妬でスザクにドロップキックを食らわしたと見える。

フルチンらしいと言えばらしい。同情なんてしてやらないけど。

此奴が松田、元浜と共にエロトークをするおかげでイケメン度がダダ下がり。好きなものは、女子と来ている。兎に角女子。綺麗な女子、可愛い女子。そんな年中発情中の古市も当たり前の如く女子からの評価がダダ下がり。マイナスの限界点を突破しそうな勢いで女子からの好感度が下がらせている。

此奴モテる気あるのか?と思うような状況を作っているフルチン君。

いつも思うが此奴は本当に何がしたいんだろうか?

此奴の評価が下がろうとどうでも良い。面白いから傍観していたいと思う。

 

「取り敢えず、俺はユーフェミアを追うわ」

 

俺は黒歌と白音、ハヤテとアテナにそう言い残すとユーフェミアを追跡した。

 

★                   ★                   ★

 

学校の屋上。そこにユーフェミアは居た。

彼女の視線の先に有るのは雲がなく、一面青々とした青空。

 

「何で曇りでは無いのでしょう」

 

曇った表情で呟くユーフェミア。

誰が見ても綺麗だと思う彼女のプロポーションだが、先ほどスザクが呆けた二人に比べると見劣りするやもしれない。

死して尚、スザクの事を好いている彼女にとっては、先程のスザクの行動は許しがたい物だった。

好きであるが故に自分のみを見てほしいと思う心は、元皇女であろうと一般の年頃の少女と全く変わりない。

スザクの様な典型的な朴念仁は彼女の様な年頃の女の子が持つ女心は一生。否、百回生まれ変わっても分かる事はあるまいが。

 

「何故スザクは分かってくれないのでしょう?」

 

屋上で一人ポツリと呟くユーフェミア。

ギギギと鈍い音がし、視線を音の方向に向けると屋上の入り口の扉を開け一誠が屋上に入ってきた。

一歩一歩ゆっくりとユーフェミアに近付く一誠。

 

「悩みがあるなら相談に乗るよ」

 

一誠は、諭すようにユーフェミアに向けて言う。

 

「……何故、スザクは私の気持ちを分かってくれないのでしょうか?」

 

「スザクだから」

 

即答だった。間髪入れずにユーフェミアの質問に一誠は何を言ってるの?といった表情で答える。

 

「スザクだからですか?」

 

「うん。あの超鈍感男が女心を知るなんて百回生まれ変わっても無理!」

 

一誠はユーフェミアに断言するように言う。

 

「確かに」

 

何故か納得してしまうユーフェミア。

 

「それに、自分の心なんて自分でも全てを知るわけが無いのに他人に押し求めちゃ駄目だわ」

 

「……」

 

正論を言われ何も言えなくなるユーフェミア。

一誠は顎に手を当てて言う。

 

「まあ、でも分からなくも無いかな?スザクの事、今でも好きなんでしょう?」

 

「勿論です」

 

ユーフェミアは力強く肯定する。

その言葉を聞き、一誠はニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。全てをかき乱すような邪悪な眼でユーフェミアを見ると、

 

「なら、スザクの全てを許す事がベストだけど、君の気持ちも分からなくもない。好きな人に自分のみを見て貰いたいと思う気持ち。だが、今の君がスザクの全てを許せる訳でもない。これは、困った」

 

わざとらしい演技をユーフェミアに見せる。

 

「何が言いたいんですか!」

 

ユーフェミアは少々怒りが声ににじみ出てしまう。

 

「だ か ら、スザクの少々のミスを許してあげるのがスザクの良き妻だと思うよ。スザクが呆けるのも同情できなくもない。あの場にいた殆どの男子があの二人を見ていた。故に俺は、健全な男子としてスザクは健全であると結論付けた。故にあのスザクの行動は仕方ないと診断する。うん、正常。女子からしたら少々苛立ちを覚えるやもしれないが良き夫婦、良き妻を目指すなら夫のミスに目くじらを立てるのは良くない。スザクのあの行動は、生理現象的な物だと思えば良い。むしろスザクの人間性の感性だと割り切れば良い。あれを目指せユーフェミア!目標はあの二人だ」

 

わざわざ「スザクの良き妻」の部分を強調するように言う一誠。

一誠のその言葉に全身に電流が走るようにユーフェミアは衝撃を受ける。

一誠がわざわざ「スザクの良き妻」を強調するように言ったのもユーフェミアがスザクの妻だと肯定し、自信をつけさせる為。そこにアドバイスとしてユーフェミアの駄目な部分を指摘してあげる事によって欠点を直させ、目標を明確にさせる。明確な目標があると向上心が上昇する。この一誠、策士である。

 

「なら!スザクの良き妻に成るために頑張ります!!それが妻の務めです!!」

 

硬く決心をするユーフェミア。そんな彼女を見守る一誠。

キーンコーンカーンコーン

タイミング良く遅刻を告げる鐘。

 

「「………」」

 

黙り込む二人。

二人の間にしばしの沈黙が流れる。

 

「行きましょうか」

 

「うん。行こうか」

 

二人は諦めモード全開で自分らの教室に向かって行った。

二人が教室の重い扉を開けるとそこは

 

「Welcome.ようこそ地獄へ」

 

鬼が居た。魔の巣窟と言っても過言ではない場所。

鬼の名は西村宗一。補習室の番人、否、鬼である。駒王学園の生徒から鉄人と言うあだ名で呼ばれ、補習室に行くと元の自分で帰ってくる事は出来ないと恐れられている。実際には洗脳に近いような事をして、趣味は勉強、尊敬する人物は二宮金次郎先生と社会に出してもおかしく無い様にとの愛情の裏返しなのだが………この学園の教師は全員この事を知っているのだろうか?

 

「補習室だ……と言いたい所なのだが、お前らの事情は他の奴らから聞いている。元凶が代わりに補習室に行っている」

 

西村の話を聞き、一誠は教室を見渡すがスザクの姿は無かった。

西村が言った元凶、つまりスザクはこの状況を判断する限りでは補習室に行っていると言う事だ。

一誠は安どするが、一方のユーフェミアは何とも言えない表情だった。

一誠は西村に尋ねる。

 

「鉄ty…西村先生!」

 

「なんだ兵藤。それと、今、鉄ちゃんと言いかけなかったか?」

 

「言ってません!質問です。スザクは何故補習室に行ってるんですか?」

 

「枢木は、女心を知らせるために補習室に行かせてる」

 

西村の話を聞いて、そんなことで補習室に向かわせても良いのだろうか?と教室にいる全員が思う。

一誠は、西村の話を聞くと西村に諦め全開の声で言う。

 

「先生、それは人間が生身で宇宙に行くのと同じくらい無理な事ですわ」

 

一誠の言葉に一誠とユーフェミア以外の教室内にいた生徒の全員が首を縦に振り、肯定する。

西村は、その様子を見ると一誠に尋ねた。

 

「そんなに無理か?」

 

「はい。100回、否、1000回生まれ変わってもスザクが女心を知る事は絶対にあり得ません!これだけは断言できます」

 

「……そうか。それでは枢木を補習室から連れてくるから遅刻した兵藤と枢木(妻)は、席に着いておきなさい。もう遅刻するなよ」

 

西村はそう言うと教室を出て行った。

西村は暫くするとスザクを連れて教室に入ってきた。

 

「枢木(夫)、お前も席につけ」

 

「……はい」

 

暫く間が空いてスザクは西村に返事を返す。

その表情は納得いかないと言いたげな表情。

そんなスザクの様子をも見た教室内の生徒全員が、やはり、スザクが女心を知るのは絶対に無理だと思った。

 

午前中の授業がすべて終わり昼休みに入った。時間としては昼食時、一誠は座っていた椅子から立ち上がるとスザクが座っている席へと足を運んだ。一誠はスザクの正面に立つと

 

「屋上に来い」

 

とだけ言いユーフェミアの席へと足を運んだ。

スザクは何だろうと疑問を浮かべながらも席を立ち屋上へと向かう。

一方、ユーフェミアのいる席へと足を運んだ一誠は、ユーフェミアに

 

「スザクを屋上に向かわせた。言いたい事があるだろう?言って来い」

 

とだけ言うと教室を出て何処かへと消えて行った。

ユーフェミアは、少し間を開けて立ち上がり、教室を出てその足取りで屋上へと向かった。

屋上へと続く階段をユーフェミアは駆け上がる。

20段程度しか無いのに何時もより多くあるように感じてしまう。

最後の段を上り屋上の入り口扉を開けた。

ギギギと鉄の開く音がしてスザクの姿が確認できる。

ユーフェミアはゆっくりとした足取りでスザクの方に歩む。

ユーフェミアはスザクと対峙すると、

 

「スザク、私は貴方に押し付けてばかりでした。ごめんなさい。一誠から言われました。スザクのあの時の行動はスザクの感性だと、生理的現象的な物だと。それに目くじらを立てていました。私は今でも貴方が好きですスザク。私はあの二人の様に成り、これからはあんたの良き妻と成れるように精一杯努力します」

 

頭を下げて謝った。元皇女が自らの非を認め頭を下げて謝罪した。

スザクはいつの間にかそんなユーフェミアを抱きしめていた。ただ、彼女の姿が自分の為に一生懸命に成るユーフェミアの姿が愛おしいと思い抱きしめていた。

 

「ごめんユフィ。僕も悪かった。こんな素敵な彼女を、妻を持っているのに他の人に見とれていた。でも、安心してユフィ。僕の中では君が一番だ」

 

「…スザク」

 

「ユフィ」

 

見つめ合う二人。

スザクの鼻腔をユーフェミアの匂いがくすぐる。一度失った最愛の人の匂い。

腕には抱きしめるユーフェミアの体の感覚。二度と触れぬ事が出来ないと思った愛する人の温もり。

更に、視線に映るのは愛するユーフェミアの上目使い。

様々な要素がスザクの思考を麻痺させる。

スザクの唇にユーフェミアの唇が重なった。

 

「!」

 

突然のことに驚くスザク。

唇が重なったのは一瞬だった。

ユーフェミアはキスをするとスザクから離れ、クルリと一回転するとベーと舌を若干出して笑う。

 

「キスさせて頂きました。これで罰は終了です」

 

ユーフェミアは、小悪魔のような表情でそう言うと踵を返し屋上を後にした。

屋上から立ち去るまでスザクの目に映ったユーフェミアの顔が若干赤かったのはスザクの錯覚でも幻想でも無いだろう。

 

「あ!ちょっと待ってよユフィ!!」

 

スザクもそんなユーフェミアを追う様に屋上を去って行った。

誰もいなくなったはずの屋上に声がする。

 

「……甘い。白飯が甘すぎる。否、梅干しも甘い。何故だ!?これは、はちみつ梅でもないのだぞ!!」

 

声は、屋上の入り口扉の上に設置されている貯水タンクの直ぐ傍から聞こえてきている。

一誠だ。晴れで雲一つない快晴の青空が広がり風が心地良いため外で昼食を取ろうと思い屋上にやってきたのだ。

スザクとユーフェミアの関係修復を見守りつつ、スザクが阿呆な事を抜かせば一発お見舞いしてやろうとスタンばっていたのだが、枢木夫妻の愛の力で物の見事に返り討ちにあった。

白飯を食べている筈なのに何故か甘く感じ、普段は美味しく頂くグレイフィアの手作り弁当も今日、この日ばかりは胸やけを起こしながらも平らげた。

弁当を平らげると一誠はムカムカしながらも横になり、お日様の光を浴びながら昼寝体制となり目を瞑る。5分と時間がたつ

 

「眠れない」

 

何時もの一誠なら昼食を食べ、こんな最高の最適気温、お日様日和ならすぐさま眠りの世界へと意識を手放す筈なのだが、今の一誠は胸がムカムカとして横に成ると吐き気すら起こすような体調となっていた。

 

「とんだ返り討ちにあったぜ」

 

一誠は上半身を起こすと立ち上がり、弁当箱を持って教室へと戻っていった。

一日の授業の全てが終わり、帰りのHRも終わって鞄に荷物を纏めていると一誠の教室の外の廊下から黄色い声が聞こえてくる。

一誠のクラスの大半が気になって廊下に出る中、一誠はせっせと帰宅準備中。

黄色い声はどんどん一誠のクラスに近づくにつれ、大きくなっていく。

教室のドアが開き一人の女子生徒が入ってくる。彼女の名はリアス・グレモリー。

リアスは教室に入ると近くにいた女子生徒に尋ねた。

 

「この教室に兵藤一誠君がいると聞いたのだけど彼の所に案内してくれるかしら?」

 

尋ねられた女子生徒は戸惑いながらも一誠の席に案内する。

目の前に学園アイドルの2大お姉さまと名高いリアス・グレモリーに声をかけられた為戸惑いの色を隠せない。

一誠の席を案内した女子生徒は、それじゃあと言って退散した。

リアス・グレモリーは一誠に向かって話しかける。

 

「やはり、あなたが兵藤一誠君ね。これで否定は出来なくなったわよ」

 

リアスの顔は自信に満ち溢れていた。

目の前の席に座っている人物こそ、兵藤一誠だと言う確信を得た為だ。

一誠は、鞄に荷物を纏め終わると立ち上がり、リアスに向かって

 

「あ、違います。自分兵藤さんのパシリ一号です」

 

と言ってそそくさと教室から逃げるように退散しようとするが

 

「「待ちやがれ裏切り者!!!」」

 

血涙しながら一誠の両肩を松田と元浜が掴んで拘束したため逃げる事は出来なかった。

 

「一誠、この裏切り者!お前だけは我々モテない同盟の同士だと思っていたのに!!」

 

松田が涙を流しながら一誠に訴える。だが、傍にいた女子が

 

「兵藤君モテてるわよ。この前の好きな男子生徒ランキングでも一位を獲得してたし」

 

との一言。その一言で松田と元浜は嗚咽しながら泣き崩れた。

一誠の足もとで泣き崩れる松田と元浜を避けながらリアスは一誠に近づくと、

 

「やはり、あなたが兵藤一誠君で間違いないわ!!」

 

と逃がさないと言いたいかのように一誠の手を掴んだ。

一誠は小さな溜息を一つ吐く

 

「はあ、ご名答ですわ。兵藤一誠ですが何か?」

 

「これから一緒に来て貰うわ」

 

「何すか?俺、何も悪い事をした記憶が……」

 

段々と声が小さくなり、最後には何も言えなくなる一誠。

これまで一誠は学園内でも様々な問題行動を引き起こしていた。

西村教諭との鬼ごっこ。その時に偶然窓を割ったりした事もあった。無論、後で一誠のポケットマネーで弁償したが。他にも学園以外でも何処でもドアを使用しようと人気の無い、通りがかった路地裏で不良たちに絡まれた女子学生を助けたりした。その時、不良をブッ飛ばしたのだが、その時不良に向けて言った理由が、「お前らが俺の通り道にいたのが悪い!」と、ギルガメッシュの傍若無人プリを見事に受け継いだ発言をした。

翌日職員室で問題に成ったりしたが、一誠が助けた女子学生が駒王学園の生徒で一誠に助けられた経緯を事細かに説明し、問題は不問とされたといった過去があったりする。

故に一誠が誰かに呼び止められ、咎められる理由は大いに心当たり在りまくりだったりする。

 

「兵藤君、あなた、私の後について来て貰いたいのよ」

 

「デートのお誘いっすか……どうしよう?松田、元浜」

 

床で四つん這いになり血涙している松田と元浜にわざわざ訪ねる。

松田と元浜は床を叩きながら

 

「「爆発しろ(はぜろ)リア充!!」」

 

と言い、更に涙を流した。

松田と元浜は唇を噛みしめ、互いに抱き合った。

 

「うう、何故兵藤なのだ!」

 

「畜生!やはり顔か!!顔なのか!」

 

二人が抱き合って涙を流す中、クラスの一部の女子が盛り上がり、

 

「やはり、松×元なのね!」

 

「いえ、この場合、元×松なのかも知れないわ!!」

 

「松×元も、元×松も捨てがたい!両方いけるわ!」

 

と薄い本の執筆活動が更にはかどり、薄い本が分厚く成ったのは言うまでも無い事だろう。

そんな、ややカオスな教室となったクラスを一誠は楽しそうに眺めていると

 

「兎に角、一緒について来て貰うわ!」

 

強引にリアス・グレモリーに連れられ教室を後にする。

知らず知らずの間に強引にリアスに連れまわされる羽目になった一誠がリアスに連れられ向かった先は学校の校舎から少し離れたところにある今は使われなくなったはずの旧校舎。

(あれ?ここって、もう使われなくなったはずじゃあ?)

と疑問を持ちながら旧校舎に入る。

一誠が校舎から旧校舎に入るまでの間に

 

「嫌!兵藤君がリアスお姉様と付き合ってたなんて!」

 

「まだよ!まだ終わっていないわ!」

 

「兵藤君、お姉様系が好きだったの!?妹系じゃ駄目なの?」

 

廊下や教室などあちこちから悲鳴が聞こえてきていた。

無論一誠は全部無視しており、リアスは気にも留めていなかったりする。

一誠が案内されたのは旧校舎の部屋の一角。

扉は締まっており、入り口にはオカルト研究部とこの部屋の名前が書かれたプレートが掛っていた。

 

「オカルト研究部?」

 

プレートに掛れた文字を読む一誠。その頭には?のマークがたくさんついていた。

 

「私の趣味なのよ」

 

リアスはそう言うと扉を開き中に入って行く。

一誠はこの隙に逃げようかと考えたが此処で逃げても顔と名前を知られている以上ここで逃げても明日再び接触して来るだろうと結論付け諦めてリアスの後に続いて部屋の中へと入って行った。

一誠が部屋に入ると壁や床のあちこちに魔法陣らしき描かれているが、

 

「全く持って道具とか見当たらねえな」

 

部屋の中にはイケメン系の優男が一人とニコニコフェイスのTHE大和撫子が一人居るだけで、部屋に水晶玉や杖、骸骨のレプリカや蝙蝠の標本、カエルの死体らしきものは見当たらなかった。

 

「期待外れだ。興味ねえから帰るわ」

 

一応リアスの言うとおり、リアスに着いてきたのだ。

帰っても良いとはリアスに言われてはいないが元々一方的な制約の様なものだ。

此処は本人の選ぶ自由を主張しても罰は当たらないだろうと一誠は考え、部屋から出ようとする。

 

「待ってよ!」

 

リアスに肩を掴まれ阻止された。

 

「んだよ。ちゃんとお前の言うとおりに着いて来ただろう?何の問題がある?有限な人生の時間は黄金よりも価値が高いって言葉を知らねえのか?」

 

心外だ。これ以上俺を束縛するなと訴える一誠。

勝手に自分が創ったであろう諺をリアスに聞かせるあたりが何とも言えない。

 

「話があるのよ!それにそんな諺なんて記憶に無いわ」

 

「あっそ。記憶に無いなら記憶しておけ。人生有限、その中で消費する時間は黄金よりも価値が高いという意味合いだ」

 

「そうなの?そんな諺聞いた事無いわ」

 

「当り前だ。俺が創ったんだからな!」

 

エッヘンとばかし胸を張ってリアスに言う一誠。

リアスは右手を頭にやると、右手の親指と小指で自身のこめかみを押し始める。

 

「頭が痛く成って来たわ」

 

「そりゃあ大変だ。うん、今日は話し合い無理そうだな。ってことで帰るわ。と言うか話し合い事体なくていいぞ」

 

一誠はそう言うと再び部屋を出ようとする。が、

 

「そうは行かないわ。リアス・グレモリーの名に懸けて貴方に話を聞いて貰うわ」

 

リアスの何かに闘志の火をつけてしまった。

一誠は逃げようとリアスを説得する。

 

「え!でも、頭痛いんでしょう!?」

 

「大丈夫よ!」

 

「俺、この後バイトが「すぐ終わるから」あるん…」

 

「祖母が危篤状態なんだとさっき電話が」

 

「無かったわよね」

 

何を言っても聞いて貰えずにいた。

その間イケメン系優男とTHEミス大和撫子は、笑いを堪えており一誠は内心コントじゃねえんだよ!と心から叫んでいた。

突如、一誠は学生服の袖を引っ張られる感覚に襲われ視線を引っ張られる感覚のもとである左袖を見ると

 

「兄様、部長の話を聞いてあげて下さい」

 

いつの間にか白音が居た。

 

「うん。良いよ~」

 

さっきまで渋っていたのが嘘の様に超甘々に成る一誠。

 

「どうぞ。粗茶ですわ」

 

「あ、こりゃあどうも」

 

一誠はリアスの話を聞くために部屋に備え付けられているソファーに座り、白音も一誠の横に座り、リアスも一誠の正面のソファーに座った。THEミス大和撫子からお茶を貰い、一口で飲むと

 

「あっち!!!」

 

口の中を火傷した。この一誠馬鹿である。

話の切り出しに失敗しながらもリアスは一誠に説明し始める。

 

「私達は実は悪魔なのよ」

 

リアスは説明を終えると共に背中から蝙蝠のような黒い翼、悪魔の翼を出した。

否、リアスだけでなくリアスの傍で待機していたイケメン系の優男とTHEミス大和撫子、そして、一誠の隣に座っていた白音の小柄な体からも悪魔の羽が出現した。

 

「フ~ン」

 

さほど驚く様子もなく反応する一誠にリアスは

 

「さほど驚かないのね」

 

「だって、俺って見た物を信じるタイプだし。自分の目の前で起こった事を経験を否定しないし」

 

リアスは一誠の話を聞き会話を続ける

 

「そう。理解が早くて助かるわ。私たちは悪魔。そして、兵藤一誠君。あなたも悪魔なのよ」

 

リアスの説明と共に一誠の背中からもリアスや白音と同じ蝙蝠のような悪魔の証である悪魔の翼が出現した。

一誠は背中から出て来た蝙蝠のような翼、悪魔の翼を目を爛々と輝かせ新しいおもちゃを貰った子供のような表情で触ったりつねったりして遊び始める。

 

「おお!」

 

驚きと歓喜の声を上げて、一誠は翼を弄る事をやめて羽ばたかせたりしてみる。

 

「そして、私はあなたのご主人様よ」

 

リアスの声等一誠の耳には入っておらず、新しく手に入った玩具、悪魔の翼を弄る事で頭が一杯な一誠を見た一誠の隣に座る白音は部長であるリアスに

 

「部長、駄目です。兄様、今は翼を弄る事で頭が一杯です。話を聞いてませんよ」

 

と報告する。

リアスは溜息を一つ吐くと先程より声の音量を上げて

 

「兵藤君!」

 

一誠を注意する。

折角手に入った玩具を取り上げられた子供の様に一誠は苛立ちながらリアスに反応する。

 

「んだよ」

 

「私の話を聞いて!」

 

「分かったから早く話せ」

 

内心悪魔の翼を弄りたい衝動に駆られながらも一誠はリアスの話を聞く。

 

「私達は悪魔であなたも悪魔。ここまでは良い?」

 

「あー、うん、了解」

 

「私はあなたの主の一人であるの」

 

「あ!?ちょっと待て!俺は誰の下にもついた覚えがねえぞ!」

 

リアスは懐から赤い駒を取り出すと一誠に見せながら説明を続ける。

 

「これは悪魔の駒(イーヴィル・ピース)と言うチェスの駒で人間を悪魔に転生させる駒よ。大昔、天使、堕天使、悪魔の3すくみで大きな戦争をしたのよ。その時多くの悪魔が命を失い、種そのものが危機に瀕したのよ。そこで悪魔という種を存続させるためにチェスの駒を応用して悪魔の駒(イーヴィル・ピース)と呼ばれるこの駒を作って種の存続を維持させるシステムを作ったのよ」

 

リアスの説明を聞いた一誠は憤慨する。

 

「それって自業自得じゃねえか!種の存続が危うい?んなもん知るかよ!戦争を始めたのが悪いんだろうが!そして、それを戦争を止めなかった周りも悪い。目先の事に囚われて種の存続が危うくなった?だから何?結果だろうが!何も行動を起こさなかった結果だろ?んで、んな物を作って他者を転生させるのは構わねえ。両者の同意の下で行われたのなら、そりゃあ意思の自由だ。だが、俺は同意した覚えはねえぞ」

 

まさか一誠に説教される羽目になるとは予想していなかったリアスは面をくらってしまう。

 

「御免なさい。確かにあなたに許可も同意もして貰わなかったわ。でも、理由があるのよ」

 

「理由?んだよ」

 

「私の意思に関係なくこの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)…いいえ、あなたのは変異の駒(ミューテーション・ピース)だったわね。変異の駒(ミューテーション・ピース)が私の意思問わず勝手にあなたの中に入っていったのよ」

 

「んだ?その変異の駒(ミューテーション・ピース)ってのは」

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作った時のバグ、一つの駒で複数の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が必要な時に変異の駒(ミューテーション・ピース)一つですむ駒の事よ。達人と呼ばれる人や、潜在能力が達人級の人が複数の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が必要に成ったりするのだけど、あなたは変異の駒(ミューテーション・ピース)を9つ消費しているわ」

 

「いまいち基準が良く分からんがそれは凄い事なのか?」

 

「かなり凄いわよ!」

 

「あっそ」

 

自分で聞いときながら興味なさそうに返事をする一誠にリアスは頭痛に襲われながらも一誠に説明を続ける。

 

「それで、悪魔に転生すれば人間よりも力が力を増す「俺は増加しなかったぞ」筈なのだけれども……」

 

一誠は元々、家でほぼ毎日のように長女のフェリスとセイバー、兄の白蘭と3:1のリンチとも言える命がけの修業をしており、元々悪魔並みに力を持っている人間であった為悪魔に転生すれば普通は力が増し気付く筈なのだが気付かなかったという理由がある。

 

「それで何のメリットとデメリットがあるんだ?何事もメリットとデメリットがあるだろう?」

 

リアスは痛い所を突かれ言葉に詰まってしまう。

 

「……」

 

「如何した速く言え。どんなデメリットがある?メリットは……さっき聞いた力が増すだったな。デメリットは何だ?」

 

「……デメリットは光、十字架、聖水等の聖なる物よ。これらに極端に弱くなるわ。朝も弱くなるけど、次第に慣れてくると思うわ」

 

リアスの話を聞き一誠の中で幾つかの謎が解けた。

不自然に朝に極端に弱く成った事。だが、まだ解けていない謎がいくつか残っている自分の死の事だ。この謎が解けなければ解らない事が多い。

 

「何故俺は生き返っている?」

 

一誠の質問を聞き、隣に座っていた白音は顔を辛そうにして一誠を見る。

一誠はそんな白音にニコリと笑うと白音の頭を優しく撫でた。

リアスはコホンと咳払いを一つして一誠の質問に答える。

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の事は説明したわよね」

 

「確か人間を悪魔に転生させるためのシステムを作ったって。それが悪魔の駒(イーヴィル・ピース)だと説明を受けたんだが」

 

「そうよ。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の駒の効果の一つで、死んだ人間を生き返らせる事が出来るのよ。まあ、死体の損傷具合や死後時間にもよるけど」

 

「成る程。つまり、あんたの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)、いやこの場合変異の駒(ミューテーション・ピース)が勝手に動いて勝手に俺を生き返らせたと言う訳だな」

 

「ええ。そうよ」

 

リアスの話を聞き一誠の中の疑問がかなり解決する。

一誠が創った保険。あれが消えたのも変異の駒(ミューテーション・ピース)によって悪魔に転生して生き返った為、不完全な死により中途半端な効果を発揮したのであろう。

それならば納得できる。だが、一つ重大な問題が残されている。あれが何処に消えたか?だ。一誠にとってあれは人目に、しかも身内やクラスメイト、学校関係者や一誠を知る者たちに見られたらかなり、と言うか絶対拙い。あれの性質は創った一誠本人が一番理解している。

ただ、不完全な死によってあれが何処まで機能するか分からないのが難点であり、あれが不完全な機能で作動すれば少々厄介だ。今現在、あれが何処で何をしているか解らないと言うのが一番の問題である。

予定であれば一誠は一回死に、あれの発動によってこれから色々と予定があったのだが、全ての計画が台無しに成ってしまい少々苛立ちを覚えていると言うのが本音だ。

 

「OK。大体の事は理解した」

 

「そう。これから宜しくね」

 

「あ?何言ってんだ??」

 

「貴方は私の下僕なんだもの」

 

「知るか!一方的な契約なんざ破棄だ破棄!!それに俺は手前を主としちゃ認めてねえし、認めねえ!!行き成り現れて、「私は貴方の主です。これから宜しく」「あ、そうですか。これから宜しくお願いします」とでも成ると思ったか!現実そんなに甘くねえつーの!俺の主として認められたきゃ、俺を屈服させるか、俺がお前を主として認めさす事をしてみな!!」

 

一誠はそう言うとソファーから立ち上がり部屋を出て行こうとする。

 

「裕斗!」

 

リアスが名前をそう呼ぶとイケメン系の優男が入り口に立ち、一誠の退室を阻止する。

 

「あ?何だ??手前、俺の歩みを止めようってか?」

 

出口を塞がれた事に一誠は苛立ちを覚える。普段は苛立ちをこんな事で覚えるはずもないのだが、実は一誠トイレに行きたくなっていたりする。さっきからトイレで小便をしてスッキリハッスルしたいのに出口を通せんぼされて更に我慢を強いられている為苛立っているのだ。

一誠のダムである膀胱もそろそろ限界に近いため、一誠はイケメン系優男の胸倉を掴むと

 

「おらああああああ!!!」

 

気合と共に背負い投げした。

出口を通せんぼしていた障害がのいた事で一誠はダッシュで旧校舎を後にして校舎の中にあるトイレに走って行った。

そして、無事トイレの小便器でスッキリハッスルして清々しい気持ちで別荘へと帰宅していったのだ。




トイレに行きたいのを邪魔されたらお釈迦様や神様でも怒ると思うのは自分だけでしょうか?
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