カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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ザビエルからオリキャラ多すぎると思います  犬夜叉みたいにどこかにいかせたらどうですか      あと出来たらこれ以上オリキャラ出すのやめてもらえませんかややこしくなってしまいます
との指摘を受けました。

これを解決する方法としてはキャラの一覧表を作る位しか解決策が浮かびません。
オリキャラは今の所4人でそんなに出してないのですが、確かにクロスさせるキャラは多いです。キャラを減らすことは考えていません。しかし、表示しているアニメやラノベ以外からは出さないつもりです。
元々他から持って来るキャラが多い作品なのでご了承ください。
一覧表を作った方が良いと思う方が居ればメッセージを下さい。


第二十一変人:俺、深夜のバイトをする事に成りました

別荘に帰宅した一誠は別荘に保管しているライトノベル()漫画(愛人)をリビングにあるソファーに寝ころびながら楽しんで時間を潰していた。

 

「ただいまです」

 

「ただいまにゃ」

 

白音と黒歌の声を聴き、ソファーから身体を起こして本棚にライトノベル()漫画(愛人)を戻すとリビングの扉が開かれ、黒歌と白音がリビングに入ってくる。

 

「おかえり」

 

一誠はリビングに入って来た白音の傍に歩み寄ると

 

「白音、如何して悪魔に成った事を黙っていた?」

 

妹の白音に尋ねる。

白音は辛そうな口調で一誠に答える。

 

「……兄様に心配を掛けたくなかったから」

 

白音の返答を聞いた一誠は溜息を一つ吐くと白音に尋ねる。

 

「ハア……自分の意志で悪魔に成ったのか?」

 

一誠の質問に白音は黙ったまま首を縦に振り肯定の意を示す。

 

「そうか。なら俺は何も言わねえ。白音、お前が決めた事だ。俺が口出しするのは無粋ってもんだ」

 

一誠は白音の頭を一回だけ優しく撫でる。

その間黒歌は文字通り指をくわえて二人の様子を見守っていた。ハッキリ言えば餌をお預けされた状態の犬。

 

「一誠、実は」

 

黒歌は秘密を一誠に全てばらした。

白音が去年悪魔に成った事に気づいていた事。

グレイフィアや白音と共に話し合った結果一誠には心配を掛けまいと黙っている事に決めた事。

一誠の洗濯に出していた洗濯に出していた使用済みのパンツを盗んだ事。

一誠は黒歌の話を黙って聞いた。

 

「成る程な。ってか、パンツ返せ!」

 

最後にとんでもない事を聞いた一誠。

まさか妹が自分のパンツを盗んでいたとは夢にも思っていなかった。

 

「姉様!」

 

黒歌の妹、白音が姉に注意する。

 

「兄様の使用済みのパンツを独り占めするなんてずるいです!後で私にも貸すことを要求します!!」

 

「嫌にゃ!これは私の宝だにゃ!!絶対に貸さないにゃ!家宝にするんだにゃ!」

 

白音に貸すことを拒否した黒歌。

二人の仲は険悪なムードと成り喧嘩が起きようとしていた。一誠のパンツが原因で。

一方の一誠はと言うと

 

「あはははは!悪戯猫の黒歌が洗濯機に入れておいた俺のパンツをキャッツ アイ。家宝にする?アハハハハ面白いな~アハハハハハハ」

 

壊れていた。

まさか血は繋がっていないが、妹が自分の下着を、PANTUを盗んでそれが原因で姉妹喧嘩に成ろうとは思ってもみなかったのだ。

何とか立ち直った一誠が溜息を吐きながら発した一言

 

「ハア、妹達よ。兄離れをしてまっとうな人生を歩んでくれ」

 

それは、兄の心からの悲痛な叫びだった。

 

何処でもドアで本家に戻った一誠と黒歌、白音の3人はリビングに家族全員を集めると家族会議を開いていた。リビングの食卓テーブルを前にして全員が椅子に座ると丁度細長い円の様な形と成る。最初の切り出しは一誠だ。

 

「俺、悪魔に成りました」

 

事情を知らない長男のライナ、長女のフェリス、執事のハヤテにメイドのアテナ、ギルガメッシュやセイバーの頭に?が生じた。

 

「え~と~、一誠?最初から詳しく話して下さい」

 

セイバーに言われ一誠は最初から説明する。

 

「実は俺、死んでいつの間にか悪魔に転生してました」

 

セイバーはそれを聞くと一誠に尋ねた。

 

「一誠、貴方はまた死んだのですか?」

 

「うん!」

 

子供の様に元気に答える一誠。

 

「「また!?」」

 

一誠が一回死んだことを何も知らないセイバー以外の全員が驚いた。

一誠は首を縦に振り説明する。

 

「俺は、生まれる前に一回死んだんだ。神様が現れて事情を説明してくれた。何でも手違いで俺を殺したらしく俺を転生させるとの事。まあ、転生して俺は皆に出会ったから万々歳なんだけどね~」

 

嬉しそうに言いながら自分の頬をかく一誠。

その様子は、さながら照れている様にも見える。

 

「それで、義弟君(おとうとくん)。何で死んだの?」

 

兵藤家次男の一誠の兄 白蘭が一誠に尋ねる。

 

「え~と~、あ~」

 

言葉に詰まる一誠。

彼の頭の中で正直に話すべきかどうか悩んでいた。

もし正直に話せばセイバーとギルガメッシュが暴走しレイナーレを殺しそうである。

だが、通り魔に殺されたんだと嘘をついた場合………やはり、暴走しそうである。

どのみち暴走しそうであるため

 

「多分通り魔に襲われたのかな?う~ん、良く分かんない。いつの間にか死んでたから」

 

レイナーレ生存を望んだ。原因をあやふやにしたまま。

 

「そうか。(おれ)家族(モノ)に手をかけし愚かな雑種が判明しておれば一片の肉塊も残さずにこの世から消していたのだが……」

 

ギルガメッシュは落胆の色を隠す事無く言い、セイバーもまた

 

「そうですか。残念です。判明していれば刀の錆にしていたのですが」

 

ギルガメッシュと同じく落胆していた。レイナーレの知らない所でレイナーレの生存が一誠の嘘によって世界を滅ぼせる力を持った二人の目標から外されていた。

 

「一誠様、後でお話が」

 

一誠は、一誠の傍で家族会議に参加していたグレイフィアにそう言われ、「分かった」とだけ言うと

 

「それじゃあ、今日の会議は終了だよ。他に何か報告する人は居る?」

 

再び会議の司会者を務めた。

白音が手を上げて発言する。

 

「私から。私も兄様と同じく去年、悪魔に成りました。今まで黙っていてごめんなさい」

 

頭を下げて謝った。

 

「まあ、俺はさっき聞いたから白音に言ったけど、俺はお前が自分から悪魔に成った事に後悔をしていないなら咎めない」

 

一誠は椅子の背もたれにもたれながら言う。

他の人も一誠の発言に頷き賛同する。

 

「……ありがとうございます」

 

白音の眼から涙が自然とこぼれた。

 

「他に何か言う事がある人居る?」

 

一誠は見渡すが誰も手を上げなかった為、

 

「言う事がある人が居ないみたいだし、解散」

 

家族会議をお開きにした。

グレイフィアがリビングから出て行き、ハヤテとアテネもグレイフィアについて行くようにリビングから出て行く。

ライナは、椅子から立ち上がりリビングに備え付けのソファーに行くとソファーに横に成った。

フェリスは、と言うとライナにちょっかいを出すためにソファーで横に成るライナの腹の上に乗ってテレビのリモコンを操作してテレビをつけている。

ギルガメッシュはいつの間にかリビングから姿を消し、セイバーはリビングの椅子に座ったままお茶を飲んでいた。

一誠はリビングから出て行こうとする黒歌を目にすると座っていた椅子から立ち上がり黒歌の傍に寄ると肩を叩き、黒歌を振り向かせると

 

「俺のパンツを返せ」

 

凄い良い笑顔で言う。首根っこを掴まれた猫の如く黒歌は

 

「分かったにゃ」

 

渋々了解し、一誠と共に2階の自室へと向かった。

一誠は黒歌の部屋の中に入るとそこには可愛らしい白猫のぬいぐるみ。クマのプーさんのぬいぐるみ。猫のマークが入ったベット。そして、部屋の隅にある場違いな金庫があった。

黒歌は金庫の前に行くと金庫のダイヤルを回す。

 

「まさか……」

 

一誠は嫌な予想をする。

この厳重頑丈な金庫の中に自分の使用済みのパンツが保管されている事を。

ギギギと頑丈な金庫の扉が開くとそこにはカーテンで中が見えないように隠されている金庫の中が見える。

黒歌はカーテンの中に上半身を突っ込み、ゴソゴソと金庫の中身を漁るとパンツを持って金庫の中から身体を出した。

 

「何故に金庫……」

 

まさか妹の部屋に金庫があるとは。

いや、それはまだ百歩譲って良しとしよう。だが、金庫から兄、つまり自分のパンツが出て来たのだ。これは

 

「重度のブラコンだ」

 

最早早急に対策をせねば成らない。妹が、兄の下着を金庫に入れておくなど言語道断。健全な兄妹関係であってはならない案件だ。頭痛に悩まされ、胃がキリキリと痛み始める一誠。

 

「取り敢えず返して貰うな」

 

一誠はそう言うと黒歌の手からパンツを取り上げて部屋を出た。

一刻の猶予も与えずに早急な対策が必要と成り、その日一誠は一晩かけて対策を練ったのはまた別の話。

黒歌から自分のパンツを取り上げた一誠は自分のズボンのポケットに一先ずパンツを入れながら1階に下りると台所へと向かう。

一誠が台所に行くと丁度グレイフィアが夕食で使った食器を洗っている所だった。

 

「あ、食器を片づけるの俺も手伝うよ」

 

「すみません。それでは洗い終わった食器をフキンで拭いて食器棚へと戻して貰えますか?」

 

「了解」

 

グレイフィアの手伝いをして洗い終わった食器をフキンで拭き、食器棚へと戻す。

全ての食器を片付け終わると一誠は、台所の向かい側にある食卓テーブルの椅子に座り一息つく。

 

「ねえ、グレイフィア。俺に何か話があるんじゃないの?」

 

「そうです。あ、お茶を淹れますね」

 

グレイフィアがお茶を入れる為再び台所に向かう後姿をボーと見ながら一誠は何の話か予想した。十中八九、自分が死んだことに関する質問だろうと。だが、何の質問が来るのか予想はしてみるが一向に解らない。あまりにも質問される可能性が高い物ばかりが予想できてしまう。

台所から急須に淹れたお茶と湯呑を二つお盆の上に乗せたグレイフィアが食卓テーブルの一誠の席に湯呑を置き、お茶を注ぐ。

一誠の前に出された湯呑から香りのよい匂いが一誠の鼻孔をくすぐり、刺激する。

グレイフィアは一誠の向かい側の席に湯呑を置くとお茶を注ぎ、失礼しますと言って座った。

そして、

 

「一誠様、本当の事を仰って下さい」

 

グレイフィアは話を切り出した。

 

「本当の事?」

 

一誠は、何の事と言わんばかりにとぼける。

 

「……彼女、あの堕天使」

 

ぞっとする位冷たい声で呟くグレイフィア。

一誠は脇の下に脂汗が流れるのを感じ取った。

 

「グレイフィア?」

 

「私はあの日、丁度買い物の為、町に出かけておりました。帰り道公園を通った時に一誠様があの堕天使の槍に自ら突き刺さりに行く所を目撃しました。私は夢か幻かと思い……いいえ。そうであって欲しいと願い家に帰りました。蜃気楼であって欲しいと従者として、メイドとしてしてはいけない主を放って一人で帰ってしまいました」

 

うっすらとグレイフィアの眼から涙が流れ、グレイフィアの肩が揺れる。

一誠は溜息を一つ吐くと

 

「ハア、見ちゃったんだね。あの時の事を」

 

白状した。

 

「そう。僕は自分からあの時死にに行った。前日には解っていた事だったよ。彼女に殺され、自分が死ぬ事を知っていた」

 

「何故!」

 

何故、死ぬと解っていて彼女に会いに行ったのか?グレイフィアの中で疑問が生じる。

どうしてこの人は自ら死ぬと、殺されると解っていながらも彼女に会いに行ったのだろうか?

 

「何故か……」

 

何処か遠い眼をしながら一誠は口を開く。

 

「ねえ、グレイフィア。ここで質問。僕の中で自分自身、つまり僕自身の価値はどん位だと思う?」

 

「………」

 

グレイフィアは言葉に詰まってしまう。一誠自身の自分価値など彼女に分かる筈も無い。

 

「解らない?まあ、それが普通だろうね」

 

出されたお茶を一口飲みながら一誠は言う。

 

「正解は僕自身の自分価値なんて皆無。有って無いような物。ミジンコ位の価値しかないんだ」

 

グレイフィアは絶句する。自分の眼の前に居る主が自分自身の価値観が皆無だと言う。

グレイフィアは何か目の前の小さな主、高校2年の主が恐ろしくも何故か悲しく思えた。

 

「そんな悲しい事を仰らないで下さい」

 

グレイフィアは、いつの間にか座っていた椅子から立ち上がり向かい側の席に座っていた一誠を後ろから優しく抱き締めていた。自分でもいつ立ち上がり、いつ一誠を後ろから抱き締めていたのか解らぬまま。

 

「グレイフィア?」

 

「あなたが自分自身に価値を見出せなくても貴方に救われた人が居ます。貴方に恩を返したいと思う人が居ます。貴方を愛する人が居ます。貴方が自分自身に価値を見出せなくても貴方を必要とする人が居るのです。現に私もその一人です。勝手に死なないで下さい」

 

一誠は観念したように口を開いた。

 

「………約束…するよ」

 

グレイフィアはその言葉を聞くと微笑み、再び一誠の向かい側の席に着いた。

 

「まあ、自分自身の価値など皆無な俺がさ、彼女の、あの子の為に死にあの子がそれで助かるならと思ったわけだよ。まあ、つまんない自己中心的な子だったら死んでくれてやる事も無かったけどね」

 

あっけらかんと楽しそうに笑いながら言う一誠にグレイフィアは

 

「貴方一人の命では無いのですから勝手に死なないで下さい!!」

 

僅かに涙を浮かべて怒る。

 

「まあ、そりゃあ御免なさいをするしかないね。御免なさい」

 

一誠は素直に頭を下げた。

彼に頭を下げるという行為に羞恥心も何もなかった。

 

「一誠様。後一つお聞かせください」

 

最後に残っている疑問。どうしても知りたい疑問をグレイフィアは一誠に問う。

 

「一回死んだと言うのは、神に殺されたと言うのは本当ですか?」

 

「うん。本当だよ~。つっても多分この世界の神じゃないと思うね。名前はアテナと言ってたけど別次元の神だと思うよ。転生させる時の記憶が曖昧だけど、この世界に転生させるとか言ってたから」

 

「……そうですか」

 

「まあ、前の僕もこんな感じだったからね~。自分の価値など無いと思っていたよ。学校にも行かなかった引き篭もりが一人死んでも社会にどれだけの影響があると思う?答えは皆無だよ。寧ろいなくなった方が良かったのさ。寄生虫の様な存在が消えたら両親も助かったんじゃないかな?万々歳だったと思うよ」

 

転生する前から自分の価値を底辺と見て、存在しようと存在しまいとどちらでも良かった。寧ろ存在しない方が良かったと言う一誠にグレイフィアは

 

「約束は守って頂きますよ」

 

と一誠に釘を刺す。もう二度と自分の前から消えない様に。

 

「あはははは。とんでもない約束をしちゃったかな?」

 

乾いた笑いと共に自分の失敗に少々後悔する一誠。

一誠はグレイフィアが悪魔である事を思い出しあの子の事を聞いてみる。

 

「グレイフィア、知ってい居たら教えて欲しいんだけど、あの子の事何か知ってる?」

 

「はい。彼女は堕天使です」

 

「堕天使……イメージとしては天使から堕ちた者ってイメージがあるんだけど」

 

「はい。概ね正解です。堕天使は光の槍を使ったりします。私たち悪魔の弱点である光を」

 

「フム。今日学校で赤毛のロングヘアーの女悪魔に教えられた事は天使、堕天使、悪魔の3すくみで戦争して悪魔の種の数が減った事。それを危惧して悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作って種が存続している事。俺の主が長い髪の赤毛の女悪魔だと言う事と変異の駒(ミューテーション・ピース)を9つ使用して生き返った事位かな。主なんて認めてないから言う事を聞く気も無いけど」

 

「!ちょっと待ってください。今、9つって言いましたか?」

 

「うん。言ったよ~」

 

「それだと、一誠様は主を二人以上持っている事に成ります」

 

「……へ?」

 

何とも間の抜けた声で返事をする一誠。

 

「爵位持ちの悪魔に駒は与えられるのですが、チェスと同じで兵士が8、戦車が2、僧侶が2、騎士が2、女王が1、王が1の割り振りで駒が与えられる事に成っています。赤毛の髪の悪魔と言う事は恐らく一誠様の学校付近を縄張りとする悪魔、リアス・グレモリーが管理していますからリアス・グレモリーの兵士の駒が全部変異の駒(ミューテーション・ピース)だとしても後一人は恐らくこのあたりの管轄で管理しているとしたらソーナ・シトリー。彼女が一誠様のもう一人の主であると思われます」

 

「ソーナ・シトリー」

 

何処かで聞いた事がある様な無い様な名前に一誠は記憶を辿ってみる。もしかしたら何処かで出会っているかもしれない。

何分コミ障の一誠が人と触れ合う事など殆ど無いのだ。

記憶を辿ってみるが解らない。

 

「話を元に戻しますが、堕天使は光を扱うほかに人間を操る事が出来ます」

 

「それはマインドコントロールや催眠術的なもの?」

 

「そうですね。その方が一番しっくりくるでしょう」

 

一誠は心の中で成る程と言い保険以外の全ての謎が解明された。

松田、元浜、古市に彼女の記憶が無かったのも堕天使の力と言うわけだ。

そして、俺が死ぬと彼女は俺の携帯から自分の連絡先を全て消した。俺と接触した形跡を全て足がつかない様にと。

 

「そう、成程。疑問が全て解決したよ。ありがとうグレイフィア」

 

ニコリと笑い、グレイフィアに笑顔を見せる一誠。

 

「いいえ」

 

顔を赤くしながらグレイフィアは答えた。

 

★           ☆           ★             ☆

 

一方、任務を終えたレイナーレは堕天使の組織「神の子を見張る者(グリゴリ)」 へと一時帰還していた。一誠との約束、組織を抜けるために。死ぬと解っていながら来てくれた一誠の最後の願いを叶える為に。

神の子を見張る者(グリゴリ)の本部の中に入り、総督のアザゼルに辞表を出す為に廊下を歩く。

これから何処に行こうか等決めておらず、はぐれと成る事は間違いないだろう。

だが、一誠との約束を何故か守らねばならない気がして自然と手に辞表を持ち、総督であるアザゼルの部屋へと向かう。

レイナーレはアザゼルの部屋に向かう途中、廊下で幹部の一人コカビエルに話しかけられた。

 

「おい。お前、今、手が空いているか?」

 

「え、あ、はい」

 

レイナーレはコカビエルに不意に話しかけられたことに動揺し、思わず手に持っていた辞表を隠してしまった。

 

「そうか。なら、少人数の手の空いた下級堕天使とはぐれエクソシストを集めてくれ。秘密裏の仕事が入ったのでな」

 

「……分かりました」

 

レイナーレは、今までお世話に成った組織への最後の奉公として秘密裏の仕事を請け負う事に決め、向かっていたアザゼルの部屋の方向を背にして反対側へと歩いて行った。コカビエルの思惑も知らぬまま、ただ純粋に組織への最後の奉公として任務を確実にこなそうと胸に決意を抱いて。

 

●                  ○                 ●

翌日の放課後、一誠のクラスにイケメン系の優男が顔を覘かせた。

彼の名は木場裕斗。駒王学園の男性人気ランキングで一誠と一位、二位、三位、四位と四位までの上位を争う男子だ。

一誠は人気ランキングの存在事態を知らなかったりする。

因みに、上位四位までの男性人気ランキングでルルーシュとスザク、一誠、木場の四名が何時も女性から好かれており、四人の順位が入れ替わりするので他の男子から四人は女性から好かれるモテ男の不動の存在と裏で言われているのだ。

無論、そんな人物が教室に現れたら

 

「キャー!木場キュンよ!!」

 

「イケメン王子!!」

 

「くそ!イケメンめ!!」

 

「夜道に気をつけやがれ!」

 

「五寸釘と藁人形を買っておかないとな」

 

女子は歓喜し、男子は嫉妬の色を激しく見せる。

木場は比企谷 八幡と話している一誠を見つけると一誠に近づき

 

「やあ!」

 

と言って軽く手を挙げる。

一誠はその木場の様子を見るとげんなりした表情と成った。

 

「どうした?一誠」

 

横から突然さっきまで一誠と話していた比企谷 八幡が一誠に尋ねた。

一誠は顔を八幡の方に向けると

 

「わりい八幡。迎えが来たみたいだわ。俺、これから行かなきゃ成らねえ所があっから今日のゲーセンに行くのまた今度にしてくれ」

 

「あ、了解。今度俺が好きなMAXコーヒーおごってやるわ」

 

「マジすまねえ」

 

一誠は八幡にそれだけ言うと木場に視線を向ける。

 

「手前が来たって事は昨日の案件か?」

 

「うん。僕と一緒に来て貰うよ」

 

一誠は逃げようと考えるが所属するクラスは割れている為此処で逃げても明日、再び訪れるだろうと容易に予測し、忌々しそうに舌打ちをした。

 

「チッ!分かったよ。クラスも割れてんだ。今日逃げてもどうせ明日も訪れるんだろ?」

 

「ああ。理解が早いね」

 

「………待ってろ。荷物を取ってくっからよ」

 

木場にそれだけ言うと自分の席に行き荷物を纏めた鞄を取って木場に近づいた。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「俺は行きたくねえんだけどな」

 

一誠の明確な拒否に苦笑しながら一誠を連れて教室を後にし、昨日と同じ旧校舎の一角オカルト研究部と書かれたプレートを掲げる部屋へと移動した。

木場がオカルト研究部の部室の扉をコンコンと軽くノックし

 

「連れてきました」

 

と言うと中から

 

「入って頂戴」

 

と声が聞こえ、木場は

 

「失礼します」

 

と言って中へ入って行き、一誠も続いて中へ入った。

一誠が中に入るとシャーとシャワーからお湯が出る音がして視線を音の方向に向けると部屋の奥にシャワー室があった。

突如一誠の視界が急に真っ暗に成り、自分の瞼に小さな手が置かれている事が感じ取れた。

背中には小さな体と体に似合った小さな胸が当たっている感じがする。

 

「見ちゃ駄目です。兄様が見ちゃいけない物なんです」

 

聞きなれた声。背伸びするかのような小さな体。瞼に乗っかる小さな手。

これからほぼ間違いない答えが見つかる。

 

「どうした?my sister」

 

「……兄様が見るにはまだ速すぎる物があるんです」

 

妹の白音だ。

一誠は此処で考える。自分にはまだ見るのが早すぎると言う妹。可愛い妹。前方に見えるシャワー室から聞こえてくるシャワー音。シャワー音の方向に視線を向けていたが妹の白音によって視界が遮られた。つまり、ここから考えられる結論は、前方に見えた部屋の奥にあるシャワー室に誰かが使っていると言う事。しかも、女子が。男子ならば妹がわざわざ視界を遮る事は無かっただろう。無論一誠にもそのような性癖や趣味は無い。

一誠は自分の瞼を閉じている白音の手をのけると白音の方を向き、シャワー室を背にしてシャワー室を見えなくすると

 

「これで良いか?」

 

と白音に尋ねる。白音は俯いたまま

 

「……はい」

 

と、小さく返事をする。

 

「御免なさい。さっき授業が体育の時間で汗をかいたので汗を洗い流してたの」

 

背後から声がしたので視線を背後の声がした下に向けるとタオルで体を拭きながらシャワー室から出て来る長い赤毛の髪のプロポーション抜群の女子生徒がシャワー室から出て来た為一誠は思わず反射的に顔を背け、女子生徒の裸体を見無い様にした。

 

「痴女かよ」

 

一誠は反射的に思わず考えていた事を呟いた。

一誠を案内した木場はその様子に思わず苦笑いと成ってしまう。

暫く顔を背けていた一誠だったが

 

「もう良いわよ」

 

との声を聴き、声の主さっきの長い赤髪の女子生徒の方へと視線を向けると学生服を着終わっていた。

赤い髪と言っても正確には紅の髪と言った方が良いのかもしれない。

彼女はタオルでぬれた髪を拭きながら部屋に設置されたソファーに座った。

 

「どうぞ。貴方も座って」

 

彼女の言葉の通り一誠は彼女の向かい側に設置されているソファーに座る。

そして、彼女に気だるそうに尋ねた。

 

「んで?今日は何か用なのか?アポ無しとかマジで勘弁してほしいんだけど。こっちも学生とは言え予定とか詰まってる訳っすわ。あんたもそこ位の配慮をしてくれても良いんじゃねえのか?俺よりも年上なんだからよ」

 

再び正論を言われてぐうの音も出なくなるリアス。

そんなリアスに一誠は尋ねる。

 

「んで?今日の用事は何?」

 

「貴方に主として認めて貰うわ!」

 

「却下」

 

即答だった。一誠は一秒と間が開かずに即答で拒否した。

 

「言ったでしょう。俺を屈服させるか、俺を主として認めさす事をしてみなと」

 

「ええ。そうね。だから」

 

その言葉と共に一誠の背後に待機していた木場が動いた。

一誠は修行で開花した気配を読み、危機を察知するスキルで木場が動いたことを察知するとすぐさまソファーから立ち上がり向かってくる木場の方に視線を向け、身体を低くして向かってくる木場の首に手刀を食らわす。そして、木場の手首を掴み固め技で拘束する。

 

「んだよ急に。屈服させるようにして見せるってか?別に良いぜ。やれるもんならな」

 

鋭い眼光で向かい側のソファーに座る紅髪の少女を睨む一誠。

一誠の鋭い眼光で睨まれた紅の髪の少女、リアス・グレモリーは巨大な獣に睨まれた様な錯覚に陥った。自分よりも何十倍も何百倍も大きな獣に睨まれた。そんな感じがしたのだ。

突如、オカルト研究部の扉が開き一誠が視線を向けると黒髪の長いポニーテールとプロポーションが特徴的な昨日見たTHE大和撫子と言った女子生徒が入って来た。

 

「あらあら、リアス。だから言ったじゃない。無理に力で屈服させては駄目だと」

 

うふふと言う様な口調で話す彼女に一誠は、何処かで会ったかな?とどこか懐かしい雰囲気にかられるのだった。

 

「……なあ、あんたは何でおれの主に成りてえんだ?」

 

一誠はリアスに尋ねた。木場に固め技をかけたまま。

 

「……え?」

 

「え?じゃねえよ。何でおれを下僕にしたいのかと聞いているんだ。手前も半場巻き込まれた様なもんじゃねえか勝手に駒が俺の中に入って行ったんだろ?なら半分手前も被害者じゃねえか。俺に拒否られた事に頭に血が上って意地でも下僕にしようとしたか?まあ、感情がありゃあそうなる事もあろうな。んで、なんで俺を下僕にしたい?頭に血が上ったならそう言ってくれ。下僕にゃ絶対なんねえが時たま相談に乗ったり手を貸すぐらいは、してやっからよ」

 

「貴方が欲しいのよ」

 

「あ?新手の告白か冷やかしか何かか?」

 

横から黒髪でポニーテールのTHE大和撫子風の女子生徒が一誠に補足説明をする

 

「違いますわ。恐らくあなたが持つであろう神器(セイクリッド・ギア)と、貴方自身の強さが欲しいと言ってるんでしょう」

 

「成る程ね」

 

「痛たたた!!!ちょっともう我慢の限界だよ!ギブギブ!!」

 

今まで無意識のうちに木場に固め技を掛けていた一誠は

 

「あ、悪い。すっかり忘れてた」

 

と言って木場を解放する。

一悶着ありながら一誠が再びソファーに座ると向かい側に座る紅の髪の女子生徒リアス・グレモリーの傍に黒髪でポニーテールのTHE大和撫子風の女子生徒が立ち、話し合いが再開する。

 

「それで、本来なら下僕に成るであろう俺に下僕の仕事をして欲しいが為に彼奴を寄越したってわけか?」

 

一誠の指差す方向に手足をプラプラさせる木場の姿があった。

 

「ええそうよ」

リアスが肯定すると一誠は若干溜息を吐く。

 

「ハア、面倒臭え~」

 

超やる気の起きない声で呟いた。

基本面倒臭い事が大嫌いな一誠。拉致まがいな事をして連行されられた挙句タダ働きをしろとの事。誰が聞いても嫌であろう。

 

「タダ働き?やる気起きねえ~」

 

もう早く帰りたいんですけどと言いたそうな一誠。

そんな一誠に向かい側のソファーに座る紅の髪の女子生徒リアス・グレモリーが

 

「バイトだと思ってくれていいわ。お給料もちゃんとあげるわ」

 

とバイトと言う事が判明した。

 

「お願いしますわ」

 

紅の髪の女子生徒リアス・グレモリーの傍で立っている黒髪でポニーテールのTHE大和撫子風の女子生徒が一誠に頭を下げながらお願いし

 

「あ、うん、OK。了解」

 

軽く承諾した。

 

「私の時よりも朱乃にお願いされると断らないんだ」

 

ジト目で見てくるリアスに何言ってるのと言わんばかりの顔で説明する。

 

「あんたねえ、何言ってるの?これまでの経緯を思い出してみなよ。昨日、行き成り現れて「貴方は私の下僕で私がご主人様よこれから宜しくね」何て言ってさ~、普通頭が可笑しい子か中二病患者かと思うじゃん。それに下僕拒否ったら監禁しようとしてさ~。危うく俺のダムが決壊寸前だったんだぞ。まあ、何とか間に合ったけど。それに、アポ無しで来るしさ~。こっちにも予定があるっちゅうねん」

 

一誠の言葉がリアスの心にグサグサと容赦なく刺さる。

 

「まあ、良いけど。君が高校卒業後に大学行くのか就職すんのか、花嫁に何のか知んないけど今のままじゃあ何れ何処かで近い内に泣きを見るって話なだけだし」

 

一誠の容赦ない説教マシンガントークにリアスはダウンした。

 

「んで、バイト時間は何時からよ」

 

「そうですわね。今日の19時からでお願いできますかしら?場所は此処、オカルト研究部の部室に来て下さる?」

 

ダウン中のリアスにとって代わって黒髪でポニーテールのTHE大和撫子風の女子生徒が一誠に答える。

 

「あ~、うん。了解。それじゃあ、今日の19時に、ここで」

 

一誠はそれだけ言うとソファーから立ち上がり、妹の白音と共にオカルト研究部の部室を後にしたのだった。

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